川崎F1-4横浜FM


得点者(川崎F)
後半29分 9レアンドロ・ダミアン


得点者(横浜FM)
前半8分 23仲川輝人
後半4分 17エリキ
後半24分 17エリキ
後半44分 11遠藤渓太


スタメン
#0335


交代
後半9分 28脇坂泰斗→16長谷川竜也
後半16分 8阿部浩之→9レアンドロ・ダミアン
後半34分 11小林悠→20知念慶


リザーブ
GK
24安藤
DF
2登里
4ジェジエウ
MF
22下田


試合内容

 ACL圏内に入るためには負けられない試合。今年最後のホームゲームの相手は首位を走る横浜Fマリノスだ。

 試合が動いたのは前半8分。ティーラトンのスルーパスに抜けたマテウスが守田を振り切りエリアに侵入。折り返しを仲川が押し込まれ先制を許す。その後は、建て直しマリノスゴールに迫るもGK朴一圭を中心としたDF陣を崩せず。同点ゴールが奪えないまま前半を1点ビハインドで折り返した。
 後半の頭から同点ゴール奪いに行きたかったが、同4分。松原のスルーパスに抜けたエリキに決められ2失点目。さらにその20分後には、中盤にボールを失うと仲川のクロスから再びエリキにネットを揺らされ3失点目。その5分後に、途中出場のダミアンが決めて1点を返したが、試合終了間際にふたたびボールロストから最後は遠藤渓太にゴールを許し4失点。
 試合はこのまま1-4で終了。首位を走る相手に打ち勝つことは出来なかった。

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感想

 両チームが上位に位置しての神奈川ダービーは、終わってみれば完敗の一言だった。選手の質もそうかもしれないが、やっているサッカーに大きな差があるように感じたのは筆者だけでは無いはずだ。「前から奪いに行こう」としたフロンターレに対し、マリノスは盤面をひっくり返す手法を用いてきた。前半に一度は盛り返したのものの、その勢いのまま臨んだ後半開始早々にあっけなく失点。後は、マリノスの破壊力の前に為す術無く散っていったのだった。


前プレの反作用

#0336

 まずは先制点を許したシーンから見ていくことにする。マリノスによる自陣でのビルドアップに対し、フロンターレは前から奪いに行く動きを見せた。当然のように人に付いていくフロンターレだが、全てが後手に回っていったのだ。無理に食い付いたことによって、マークのズレが生じ、左サイドに居たティーラトンがフリーになっていた。彼のようなキックの上手い選手に、アレだけのスペースと時間を与えれば質の高いボールは配球されるわけであり、完璧なスルーパスがマテウスの下に届く。そして守田との1対1を制してエリア内へと侵入していったのだ。
 本来なら守田が剥がされた場合、別の選手が迅速にカバーに行くようなシーンだが、プレスによるズレは守田の隣にいたCBの山村にまで影響が及んでいた。田中碧が扇原に釣られ、その後ろにいたマルコスに対して山村が釣られたからである。なんとか山村は必死に追いかけるが、一歩及ばず仲川へパスが通りネットを揺らされてしまったのだ。
 このように前から行って失敗し、自陣に撤退する前にフィニッシュまで持って行かれるシーンは多く見られた。全てが逆手に取られ続ける。今まではどうにかカバーできていた部分も、マリノスのように選手の質が高く、やっているサッカーのクオリティが高いチームにはボロが出てしまったシーンとなった。


偽SBの真骨頂

 前半の途中から守備ブロックを下げて対応したフロンターレ。なんとかマリノスの攻撃を防ぐも、奪ってからスムーズに攻撃へと繋げるシーンが多くなかった。それでも、徐々に押し込む展開を増やて是前半を終えた。「さぁこの勢いでまずは同点に」という調子で臨んだ後半頭に追加点を許した。スローインからの流れで、フロンターレの選手の切り替えが遅かったこともあるが、このシーンがマリノスの肝となる部分が見えたと感じる。

#0337

 喜田から扇原へとボールが渡り、大島がピッチ中央でどっしり構える格好になった。マルコスに渡りそうならパスコースを切れば良いし、扇原が突っ込んで来たら止めればいい。大島の意図はそんな感じだっただろう。しかし、ここに待ったをかけたのは、右サイドバックの松原だった。扇原が前を向くなりスプリントをかけて大島の脇に侵入。フリーでボールを受け、守備に戻ってきた阿部を剥がし、フロンターレDFの背後にあるスペースにパスを出したのだ。
 このように空いたスペースがあれば、本来外に開くはずのSBが内側へと入ってくる。これがポステコグルー監督が就任してからのマリノスの十八番であり、常に数的優位を生み出せる秘訣だ。フロンターレの選手も「頭では分かっていた」だろうが、これに順応できなかった。


”ポジショナルプレー”という名の”黒船”

 川崎フロンターレは風間政権の4年半で、トメルケルを学び独自のポゼッションを確立した。これが世に言う「和式」という形になる中で、それに鬼木監督が即時奪回を植え付けた。この結果、曖昧だった守備ベースが確立され、2度のリーグチャンピオンに輝くこととなる。この戦術がJリーグ内で長く続き、「大フロンターレ時代」を築きあげていくはずだったに違いない。

 だが、Jリーグにも変化は訪れる。自陣でのパス回しを巧に行なうチームが増えてきたのだ。その中でも、際立っているのが、堅守からポゼッションサッカーに意向した横浜FMだろう。欧州でもトレンドの一つと言える、ポジショナルプレーをポステコグルーがJリーグに持ち込んだことで、「大フロンターレ時代」の勢力図は一転したのだ。
 この試合で、その差を見せつけられたフロンターレの選手、スタッフ、サポーターは衝撃を受けたに違いない。まさに、黒船が来港したときに衝撃を受けた当時の日本人と同じ感覚だったはずだ。少なくとも筆者は、その眼前で起こる出来事に驚いてばっかりだった。

 さて、黒船がやってきたことでフロンターレに迫られる選択肢は二つ。「このままこのサッカーを続けるのか」、それとも「今から脱却し変わっていくのか」だ。筆者としては、このままではいけないと危惧している。それは試合後の選手のコメントにも出ていた

「フロンターレにも素晴らしい選手がたくさんいるし、マリノスにもすばらいし選手がいる。ただ特徴が違うだけで、だからこそグループでそういう相手にどう戦って行くのか。より組織的なチームがJリーグでも増えてくる中で、自分たちも個に頼るより、どうやってゲームを進めて行くか、どうやって守るかはやっていかないといけないとここ最近は感じているので、難しいことはありますけど、チームとしてもう1回やらないといけない」



 この田中碧の言葉が全てだと感じる。ピッチに立つ選手が警鐘を鳴らしてくれているのだ。となると、ここから変えていく必要は十分にあるはず。「川崎の夜明け」が近くなることを祈るばかりだ。



総評

 間違い無くフロンターレの時代は今年で終わったと思う。このままマリノスがJ1優勝となれば「ポジショナルプレーの価値観」が益々高くなり、ポゼッション志向のチームは今後も増えていくはずだ。例えそう変化しても、今のスタンスを貫こうとするならば、フロンターレはJからも置いてかれる一方になるだろう。同じ県に本拠地を構える相手から得た「教訓」を”クラブ”には理解してもらいたいし、この敗戦は活かすべき敗戦だと感じる。
 ただ、「負けた」で終わるのでは無く、突きつけられた現実を糧に次のステップに進んで欲しいところだ。







では、 

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