大分1-0川崎F

得点者(川崎F)
なし


得点者(大分)
前半36分 10野村直輝


スタメン
TACTICALista_202011211932

交代

後半0分 14中村憲剛→25田中碧
    16長谷川竜也→18三笘薫
後半15分 11小林悠→30旗手怜央
後半31分 19齋藤学→8脇坂泰斗
後半34分 13山根視来→9レアンドロ・ダミアン


リザーブ
GK
27丹野
DF
17ジオゴ


前書き

 前節から中2日。この試合で勝てばリーグ最速優勝が決まる川崎Fは、アウェイ大分に乗り込んでの一戦となった。

 川崎Fはマリノス戦から4人のメンバー変更。GKはソンリョン。DFラインは山根、彰悟、出場停止のジェジエウに代わり車屋が先発出場。左SBにはノボリが入った。アンカーは守田でIHは憲剛と僚太。スリートップは、学、悠様、竜也のセットだ。

 一方前節の試合から2週間空いた大分。GKは高木。CBは岩田、鈴木、三竿。CHには島川と長谷川で、右WBに小出、左WBに田中達也が入った。シャドーには野村と町田。1トップは伊佐というメンバー構成だ。

予想以上の圧力で

 両チーム共にボールを保持したい意図がある中、どうやってボールを捨てさせるかがこの試合の見物であった。川崎Fは基本的にはハイプレスを貫くシーンが多い。それに対し大分は後ろ重心の541で構える場面が多め。それでも時より前から行く傾向がある。それが前節の後半であったり、前回川崎Fと対戦したときも同様だった。

 そんな中で、大分は序盤は前から圧をかける手段を選ぶ。
#0926

 両CBに対しては野村と伊佐がプレス。アンカーには片方のCHが出て行くような入りであった。ここは時と場合で違った模様。前半の最初は長谷川が出て行ったが、8分ぐらいの場面は島川が対応してた。
 まずは前から窒息をさせて、ボールを捨てさせたいという意図を大分の守備から感じた。筆者もここはプレビューで一応言及した通り。形は違えど、「こう来るだろうなぁ」と思っていた部分が当たったのは嬉しい。だが、その圧が強めだったのは誤算とも言える。



 それでも、川崎FもWGとSBのコンビネーションを使いながら何とか突破。特に山根にところが空きがちであった。川崎Fの攻撃は基本左サイドから作ることが多め。だからこそ、大分は左重心で来たのだと思う。
 そのお陰もあって、この日は右サイドから前進するパターンが多かった。それでも、相手を外すために自陣に人を割くため、どうしても後ろが重くなる。例え相手のプレッシングを剥がしたとしても、悠様ともう片方もWGでスリーバックに挑むような形は苦しい展開。そのため、序盤はシュートの形まで持って行くことが出来なかった。

 さて、強行突破を図ってきた川崎Fに対し、大分は一時撤退を選ぶ。今度は、ある程度の前進を許しながらもミドルサードでガッツリと狩り取るような形を採用してきた。
#0924

 CBにはボールを持たせるが、1トップの伊佐がアンカーである守田へのパスコースを消しながらプレッシャーをかける。そうなるとSBがIHにパスを付けるのが普通なのだが、大分のCHが僚太と憲剛をマーク。さらに、両ワイドに開いたシャドーがSBを見るような形で守ってきた。

#0925

 そうなるとパスコースが見つけられなくなる川崎F。一旦誰かに預け、バックパスをすると、今度は伊佐が猛追しボールホルダーにアタックしてくる。そして、CHが1つ前に出て守田にマーク。前半19分のシーンには、この一連の流れが見事にフィットし守田からボールを奪い切ってショートカウンターっぽい感じで前に出て来た。
 その直後にも同じような形でボールロスト。前半を通して、エリア内まで全く進めなかった訳では無いが、そこに辿り着くまでにはかなり苦労を強いられていた。

 近場で出すところの無い川崎Fは、長いボールで打開を試みる。それでも川崎Fの前線3枚に対して、大分は5バックを構える布陣だ。ここを突破するのはなかなか難しかったように感じる。それならお得意にハイプレスでハメきるのも1つの手であったが、この日は大分のビルドアップをなかなか止めることが出来なかった。

対3421Lesson初級編

 この試合辛かった部分その1が大分のプレッシングだとすれば、その2は大分のビルドアップである。結局全部じゃねーか!

#0927

  この日の大分は、3421に沿ったビルドアップを行なっていた。工夫していた点で言えばWBの立ち位置。ここが左右で非対象であった。GKの高木がボールを触る際は、岩田と鈴木がビルドアップ隊に参加。そして、右WBの小出がやや下がり気味。左はHVの三竿が少し高めのポジションを取り、左WBの田中達也を押し上げるような形である。

 一方でGKを使わない場合は綺麗な3421の配置。各レーンに1人が立つという3421のお手本とも言える感じであった。

 そんな、対3421初級編というビルドアップに川崎Fは大苦戦。主導権は常に大分にあった。特に、中盤の脇で浮く両サイドのプレーヤーをどうするのかという課題がこの試合でも付きまとうことに。これに関して筆者は第2節の鹿島戦から言及していたが、未だに改善の色が見えないのは寂しところ。まぁシステム上の欠陥である部分なので、難しいと言えば難しいのだが。


 さて、話しは戻って大分戦へ。

 この日、川崎Fが最も苦戦していたのは左サイドでの守備。大分で言えば、岩田、小出と町田のサイドだ。

#0928

 相手のスリーバックに対してスリートップで迎撃するのだが、ビルドアップが得意な岩田がWBの小出に上手く付けるようなシーンが多め。仮にマークが1つずつズレれば、町田や伊佐が相手の背中を取ってランニングするような形が多かった。
 一気に裏を取られるとなると、川崎FのDFも戻りながらの対応となる。そのため、エリア中の枚数も確保が出来ない状況が生まれるし、ましてや相手の方がゴールに走ってプレーするため、当然割ける人数が多い。そのため、ボックス内では常に数的不利な状況。だからシュートを打たれてしまうシーンが多かったのだ。だが、ここのピンチをソンリョンのビッグセーブで乗りきる。

 一方の左サイドは、とにかく田中達也とCBを勝負させたい意図を感じた。

#0929

 シャドーに入っている野村が山根の前に入り、田中達也を押し上げるような形が多め。片野坂さんのコメントを読んでも、ジェジエウが居ないからこそ狙っていたという風に捉えることが出来そう。ただ、右サイドがあまりにも上手く行きすぎていたので、左からの形は影を潜めていた。

 捕まえ所がなかなか定まらない川崎Fは、飲水タイム後に中盤を逆三角形の形に変更。さらに竜也と学の位置を入れ替えた。

#0930

 相手のパスコースの限定するのが上手い学を左に置き、やられていた右サイドを補填。また、上手く顔を出していたシャドーに対してはCHが着いて行く形である。ここから、前で奪いに行くのはもう無理だから、後ろで辻褄を合わせようしたのが分かる。

 この修正が後々効きそうだなぁとは思った直後。中盤でのボールロストからフリーになっていた町田のロングボールに反応した野村を彰悟がエリア内で倒してしまう。これがPKとなり、彰悟はDOGSOの判定で一発退場となった。
 本来なら両CHが相手のシャドーを捕まえておくべきだったが、このシーンではポジティブトランジションになりかけた所でボールを失ってしまった。守備もセットされた状況では無いため、シャドーの選手をフリーにしたまま攻撃を受けたのだ。そして、このPKを野村に沈められ先制点を献上する。

 その後は学を左サイドに持って行き、悠様と竜也が2トップ。守田をCBに下げた432で対抗。前半を1点ビハインドで折り返した。

1人少ない中で見えた物

 1人少なくなった川崎Fは、竜也と憲剛を下げて碧と三笘を投入。432を維持したまま、中盤を僚太のアンカーに変更しIHに碧と学を配置。中盤は3人機動力のある3人がスライドしながらサイドに蓋をするような形に出る。そして2トップは三笘と悠様のコンビとなった。

 ただ、序盤こそは大分に攻め込まれる時間が多め。野村が碧と僚太の間に上手く顔を出しながらボールを受ける場面は多くなる。そこが、前半に比べて大分の左サイドが活性化した理由だと思う。それでも、またもソンリョンを中心としたDF陣が奮起し致命傷となる2失点目を見事に抑える。

 攻撃時は2トップにそれぞれ役割を持たせていた。悠様がセンタートップっぽい振る舞いになり、相方である三笘がボールサイドに顔を出してボールを受けるようなシーンが多かった。また、攻撃時は432となるため、幅を取る選手がSBになる形。そうなると、従来の川崎Fっぽいサイドで勝負するというよりかは、真ん中で打開するという色を強めた。
 交代選手を見ても、中央でボールを持てる旗手であったり、狭いところでも仕事が出来る脇坂を立て続けに入れたのはそれを物語っている。
 
 中央で崩した後は、フリーになる大外の選手にどうボールを預けるかというところ。ここで頑張ってくれていたのがノボリである。大外を疾走し、エリア内に侵入するようなシーンを作ってくれたが、あと一歩が及ばなかった。

 当然前掛かりになる川崎Fに対し大分は我慢の展開となる。541を自陣に敷いてスペースを与えないような守り方をし、カウンターで一発狙うという采配にシフトした。スピードのある高山を右WBで起用したり、高さと裏抜けが上手い髙澤を入れて大分も勝負に出たし、中盤の強度を上げるために小林や刀根を投入もメッセージ性を感じる交代であった。

 もちろん川崎Fが「ずっとオレのターン」が出来ていれば良かったがそうもいかない。当然大分のカウンターアタックに肝を冷やす場面も見られた。そんな中でCBとして輝きを放ったのは守田である。アンカーを務められる彼だからこそ出来るカバー範囲の広さで、相手のカウンターの止めるシーンは見ていて震えた。本当に痒いところに手が届く大切な選手だ。あと守田が3人欲しい。

 1人少ない中で色々な収穫が見えたのは良い部分。中央で打開できる力があるチームというのを再認識出来たし、守田やソンリョンの気迫感じるプレーには拍手を送りたい。だが、優勝へと近づく1点は最後まで奪えなかった。ダミアンを投入し、ポスト役として機能したものの試合は0-1で敗戦となった。

雑感

 大分としては本拠地での優勝を見事に阻止して見せた。これで片野坂体制になってから、初めて川崎Fから勝ち点を奪って見せた。それが「勝利」という最高の結果となったのだから、チームとしての喜びも大きいはずだ。
 中2日の川崎Fに対し、大分は2週間の準備期間があった。そのため、この試合への用意は万全だったと言って良い。プレッシングのかけ方であったり、ビルドアップから相手の急所を狙う形はお見事であった。自信と継続を胸にここから少しでも多くの勝ち点を取りたいはずだ。


 対する川崎Fは今節での優勝はお預け。日曜日の試合でガンバが浦和に逆転で勝利したため、次節は優勝のかかるシックスポインターとなる。
 筆者も大分まで試合を観に行ったが、まさかこんな試合になるとは思わなかった。優勝する瞬間を目のまで見たかっただけに残念である。
 試合としては、前半の45分間が全てだったように感じる。中2日であったり大遠征だったりと、環境的要因をあげればキリが無いが、結局はいつもやられている形で優位を取られてしまただけである。選手やスタッフも「頭の中では分かっている」という感じだと思うが、それをピッチの上で表現出来ないのは気がかり。ここは、今後の成長を見ていく必要がありそうだ。

 それに対し後半は良かった点が多かった。後はこの悔しさをどうバネにするか。次節は本当の勝負。ホーム等々力で優勝を掴み取りたい。
 
 
 
 




では、

ランキングをやっています。クリックしてくれたら
嬉しいです。

にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ
にほんブログ村 

にほんブログ村 サッカーブログ Jリーグ(J1)へ
にほんブログ村 


川崎フロンターレランキング 


Jリーグランキング