もう連戦だよJリーグ!今節は、ACLの日程によって前倒しとなる試合である。ちなみに、他チームはルヴァンカップを戦うことになっている。

 前節、横浜FMとの神奈川ダービーを制した川崎フロンターレは、再びホーム等々力での試合。相手は、レヴィー・クルピを招聘し、攻撃的なスタイルに舵を切ったセレッソ大阪である。

 川崎Fは攻撃陣が好調を維持。さらに、昨年よりもコンパクトに守るチームへと変貌したため、攻守共に安定感のある戦いを開幕戦では披露してくれた。

 一方でセレッソは、長いボールを織り交ぜつつ、両SBを活かしたクルピらしい攻撃パターンが多く見られた。15年振りに復帰した大久保嘉人がゴールを決めるなど、ホットな話題も尽きないスタートとなっている。

 さて、ここでジンクス的な話しを1つ。これまで川崎Fは、クルピの率いるセレッソに1度しか勝てていない。この唯一の勝利が2007年の天皇杯となっている。そのため、リーグ戦では未だに勝ち無し。しかもリーグ戦だけの対戦成績で見れば、5分2敗とかなり渋い試合が続いている。どおりで勝った記憶が無いわけだ。

 ただ、こんな過去の数字に囚われてても意味が無い。ネガティブな面が先行しがちだが、ピッチの上ではまた別の話である。しっかり勝って、スタートダッシュを決めたいところだ。


 前回の対戦は、川崎Fが天王山を3-1で制した試合。一度は同点に追いつかれたが、ダミアンと三笘のゴールで突き放し、優勝に向けて大きく前進した試合だ。
 


前節のC大阪


#1011

 クルピ監督を迎えたセレッソ大阪は、柏レイソルをホームに迎えての対戦となった。

 前半から猛攻をしかけたのは、ホームのセレッソ。この日、4-3-2-1のシステムで臨んできた柏に対し、サイドチェンジやFWを一発で狙うロングボールを多様。サイドチェンジでは、中盤がスライドする前にSBに素早くボールを届ける作業を繰り返しながらゴールへと迫った。

 すると迎えた前半34分に裏に抜け出した大久保に対し上島がたまらずファウル。DOGSOにより一発退場となった。

 数的優位に立ったセレッソは同41分。ハーフスペースで受けた坂元が大外に開いた松田へパス。ボールを受けた松田が速いクロスを入れると、これに大久保が合わせてセレッソが先制に成功する。

 後半、一矢報いたい柏はCHを2枚変えて攻撃の手を強める。中盤の時間帯では、柏が押し込む時間が増えていくものの、得点には繋げることが出来なかった。

 対するセレッソは前線のメンバーを入れ替えながら再び攻勢を強めていく。そんな中迎えた試合終了間際に、ゴール前に混戦を坂元が押し込み2点目。

 試合はこのままセレッソが勝利を収めた。

C大阪の注目新加入選手

DF 3進藤亮佑
 
 札幌から完全移籍で加入した攻撃的なDF。札幌時代は、HVを主戦場にしながらも、気がつけばゴール前に現れ、ゴールを決めるというシーンが多かった。スピードであったり、対人の強さは折り紙付きの選手である。

 そんな進藤は今シーズンからCBに転向とのこと。184㎝を誇る高さであったり競り合いの強さや、対人部分を見抜かれての起用だと思う。しかし、HVとCBでは感覚が全く違って来るため、正直未知数な部分は多い。だからこそ、今後の起用法や活躍には要注目である。

 ちなみに、怪我によりキャンプは出遅れたとのこと。だが、開幕戦はベンチに名を連ねていた。桜色のユニフォームを身に纏い、早くピッチに立つ姿を見たいサポーターも多いはずだ。
 

MF 4原川力

 要注意な新加入選手その1。しかも元フロンターレ戦士である。

 今シーズンサガン鳥栖から加入したゲームメーカー。相変わらずキックの精度はピカイチであり、速くもセレッソの心臓として彼のプレーが機能しているのを感じた。

 柏戦を見る限り、攻撃の起点は原川か瀬古によるフィードが多い。原川の場合だと、中盤の底でボールを受け、すかさず大きく展開して局面を変えるタスクを背負っている感じだ。裏へのボールやサイドチェンジで相手DFを動かすプレーが多く見られる。

 彼をフリーにさせると空いたスペースにボールを散らされるので、出来るだけ抑えておきたいところだ。


FW 20大久保嘉人

 要注意な新加入選手その2。しかも原川に続き、彼も元フロンターレ戦士である。

 現在のJ1最多得点を樹立している男が、再びJ1の舞台へと戻って来た。昨年は東京ヴェルディでコンスタントな結果が残せなかったものの、今季は開幕戦からゴールを決め、その存在を証明して見せた。

 相変わらずゴール前での動き出しや、ボールを収めるプレーは上手い。まるで衰えを感じさせないプレーで、前節はチームの勝利に貢献して見せた。

 しかも、対フロンターレには滅法強いのが特徴。川崎Fから移籍して以降、出場したほとんどの試合でゴールを奪っている。

 今節も古巣相手に得点を挙げ、前人未踏のJ1通算200ゴールに近づきたいはずだ。

両チームの予想スタメン

#1010

 シーズン早々にミッドウィークでの試合。川崎Fは中4日で尚且つ再びホームでの試合になるため、疲労度は少ないはずだ。対するセレッソは今季初のアウェイゲームとなる。セレッソはキャンプで為田と鳥海が負傷。2人とも長期離脱となっている。

 予想スタメンは両チーム共に前節と同じ11人を起用すると考えた。セレッソは、GKにジンヒョン。DFラインは、松田、西尾、瀬古、丸橋の4バック。CHに奧埜と原川。SHは坂元と清武。そして、2トップは豊川と大久保のコンビだ。

 川崎FはGKにソンリョン。DFラインは山根、ジェジエウ、彰悟、旗手。アンカーにシミッチでIHに碧と泰斗。スリートップは家長、ダミアン、三笘になると予想した。全体練習に合流しているノボリと僚太の復帰があるのかは要注目である。


 
試合展望

 柏の上島が前半で退場したこともあり、「この試合だけで判断しろってのは無理があるだろ!」という感じである。

 それでも気がついた部分は幾つか見られた。まずはセレッソによるボール保持の面。ここは少なからずも、昨年までの形が踏襲されていると思う。

#1012

 特に、GKを使ってのビルドアップはこれまでのクルピのサッカーには無かったパターン。CBが大きく開き、両SBが高く保つ形だ。

 このビルドアップのパターンは、川崎Fが最も苦手としている部類。昨年のホームセレッソ戦でも、ジンヒョンから丸橋に1発で付けられ、そこから失点している。また、アウェイでの鳥栖戦では、中盤の受け皿を上手く利用されるケースが多かった。


 


 今シーズンの川崎Fは、「外切り中誘導」の色が強め。それは、ガンバ戦やマリノス戦で見られている。

#1013

 だが、中誘導してもボール捌きに定評のある原川と奧埜が構えているのが面倒なところ。2人とも身体の使い方が上手いし、ボールスキルには長けている。しかも、ロングボール自体も空いているところ入れることが多め。図には書いてないが、GKからアンカー脇に入るSHに入れるシーンもあったし、スピードのある2トップに目がけて蹴ることも多かった。

 また、瀬古や原川が積極的に長いボールを使うシーンも見られる。

#1014

 今季の川崎Fは4-3-3のスリーラインをコンパクトに形成している。基本的に3枚で横の幅を守っているため、幅を広く使うボールを蹴られるとスライドが間に合わない可能性がある。なので、ボールホルダーにいつでもアタック出来るように、縦幅を狭め、窒息させるシーンを作り出したいところだ。

 そして、セレッソの攻撃の主役は基本的にSBになる。ロティーナ時代は、SBがSHをサポートする形が多かったがクルピは真逆。SHがSBをサポートするというパターンの方が多い。そこで、SBがフリーになるとクロスを供給してくる攻撃なんかは彼が率いるチームっぽい形だ。

 特に、アーリークロスに対して、段差を付けながらボックスに雪崩込むシーンとかを見ると「あークルピのチームだなぁ」という感じがする。柏戦もこのような形が見られてとても懐かしい気持ちになった。

 そんなことはさて置き、サイドでの攻撃をメインとするセレッソにどう立ち向かうかだ。一番の理想は、出来れば自分たちの保持の時間を長くすることだろう。自分たちがボールを持ってしまえば、セレッソが保持する時間が減るわけだ。なので、自分たち主導での試合にしていきたい。

 また、自分たち主導にしたい理由は他にもある。それはセレッソの非保持の陣形に課題が残っているからだ。ここに関して言えば、もうロティーナの色は残っていないと言って良い。

 ミドルゾーンに構えて4-4-2を構えるが、DFラインの裏の処理は微妙。長いボール一つでピンチを迎えるシーンも見られている。後は、2トップの誘導もロティーナ時代に比べると穴が見られる。特に、FW-MF間にボールが入ったときのバタバタ感がすごかった。川崎Fであれば、この中間ポジションで受けるのがシミッチである。彼を活かした攻撃はキーになるだろう。

#1015

 またボールを運ばれた後は中盤が全体的にスライドし逆サイドがぽっかり空く場面もあった。ここにSBが上手く侵入すれば、三笘と相手SBでの1対1となる局面が生まれる。ここは活かしていきたいところだ。

 それでも、真ん中の強度は高め。瀬古はもちろんのこと、西尾もかなり人に強い選手であった。そして、原川と奥埜のフィルタリング能力は文句なし。出来れば中央で勝負を挑む!というよりかは、外を経由しながら進んで行くのが理想となりそうだ。



まとめ

 ヤバイ、プレビューのまとめの書き方完全に忘れた。ということで思い当たったことをつらつらと書いていく。

 今のセレッソは、ロティーナっぽさはほぼ無くなったも。ただ、GKを使ったビルドアップやサイドチェンジを多用した攻撃であったりを残しているのは面倒な部分である。後は、冒頭で書いたクルピとの相性的な面である。それを込みで考えれば、セレッソは今最も嫌な相手なのかと思う。実際に過去の試合でも苦しめられた選手が多い気がするしね。

 ただ、こんなにも早くに躓く訳にはいかないのだ。今の川崎Fの勢いであれば、なんとか出来るとも筆者は思っている。

 何が起こるか分からない長期戦だからこそ、まずはスタートダッシュを大切にしたいところだ。




 
 

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