川崎F1-1浦和

得点者(川崎F)
48' 14脇坂泰斗


得点者(浦和)
81' 9ブライアン リンセン

スターティングメンバー


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前書き

 前節名古屋に1-2で敗れた川崎F。それでもミッドウィークに行なわれた清水との試合は6-0の快勝を果たした。そんな中で迎えた今節の浦和戦はルヴァンカップに出場したメンバーが中心となった。

 川崎Fは前節のリーグ戦から5人のスタメン変更。GKは上福元。DFラインは山根、高井、車屋、登里。CHに瀬古とシミッチで2列目に家長、脇坂、遠野。そして1トップには宮代が入った

 

 対する浦和は前節の札幌戦と同じ11人を起用。GKは西川。DFラインは明本、ショルツ、ホイブラーテン、荻原。CHは伊藤と岩尾で2列目に大久保、小泉、関根。1トップには興梠が名を連ねた。


Match Review

収支をマイナスにさせる方法


 今シーズンの浦和はスコルジャ新監督を招聘。リカルド・ロドリゲス監督が積み上げて来たポゼッションに加えて、新たにプレッシングの部分をブラッシュアップした印象である。そんな浦和のプレッシングに対して川崎Fがどう立ち向かうかがこの試合の肝になっていた。

 ここで川崎Fはスタメンを大きく変更。これまでリーグ戦のゴールマウスを守ってきたチョン ソンリョンに代わり、ルヴァンカップで着々と結果を残していた上福元がスタメンの座を射止めた。

 CBも車屋と高井という川崎Fの中ではプレス耐久のある選手を起用。そのため、GKの上福元がビルドアップに出来るためCBは大きく開くことが出来る。

 これにより、浦和のプレッシング隊である興梠と小泉は、中央で構えてから長い距離を走ってボールホルダーにアプローチしなければならない。更に川崎Fの2CHの内の1人が降りてくるため、そこで2人の間が広くなってくる。そうするともう片方のCHが顔を出して降りに来てボールを受けることが出来ていた。

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 浦和のプレス隊の間で顔を出せるシミッチと瀬古に入ることで、相手のファーストラインの攻略が完了。ここで前を向けるシーンも多く、一気に前進することが出来ていた。

 しかし問題はこの後である。この日はシミッチがいるため広い方のサイドを選択することが出来ていたが、相手のSBから先を突破することは出来なかった。

 川崎Fの左サイドで言えば明本がタイトに対応。右サイドでは、山根に対し荻原が出てくることが多かったため、ズレは生まれていた。ただ、ホイブラーテンがスライドして家長に対応を取り、そこを突破出来なかった。

 浦和としては対人に強い選手のDFラインに回す傾向。特に明本がSBで使われる理由はここにあるはず。仮に対人に強いSBが剥がされても助っ人外国人のショルツとホイブラーテンがカバーに飛んでくるため、収支が合うという感じだ。

 川崎Fはその収支をマイナスにする攻撃をしたかったはず。ようするに、ショルツやホイブラーテンをボックスが追い出した状態でクロスを入れることだ。そうすれば彼らがボックスの常駐するよりも得点率が上がるはずだろう。

 前半の途中から家長が左サイドに出張する場面が増えたのはサイドで+1を作ることで浦和のDFをズラす狙いがあったはずだ。26分の登里のパスをスルーしたシーンも遠野vsショルツの局面を作りたかったはずだし、37分も家長が左サイドに流れることで人数をかけつつクロスを入れていた。

 しかし、前半はそれらの形が結実せず。スコアを動かすような決定的なチャンスを生み出せなかった。

 それに加えこの日は浦和にボールを持たれてしまうケースが多め。その背景もあり、保持から相手を動かすという場面を多く作れなかったとも言えるだろう。

川崎Fの保持のポイント
上福元起用でビルドアップは解決

浦和のCBをどう動かしたい

CBを越えられないため収支がマイナスにならない

序盤はプレスがハマったが


 続いては浦和の保持について。この日の浦和もGKの西川を含めつつ2CBに対し岩尾と伊藤がサポートする形を取っていた。

 ただこの日は川崎Fが上手くハメながら対応。スライドを駆使しながらパスコースを制限させて苦し紛れの長いボールを蹴らせることが出来ていた。

 そこで良かったのは2CBの予測だろう。序盤は車屋のインターセプトが光っていたし、長いボールに対しては高井が高さで封じていた。

 上手くいかない浦和は11分頃から小泉が低い位置まで降りて顔を出すようになる。この辺で2CH以外に預け所を作れるようになったことで、川崎Fのプレスをかいくぐる場面が出来てきた。

 また、16分にはデザインされたゴールキックを披露。登里の所で2vs1を作り、西川がそこに目がけて蹴ることでチャンスを作っていた。それが興梠の決定機にも繋がっている。

 そんな浦和の理想的な保持はSHが内側に絞ってSBが大外を駆け上がる形だったように見える。左サイドで言えば関根が内側のレーンに移動することで山根を引きつけ、荻原が大外をオーバーラップすることで押し込む回数を増やしていった。

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 それでもこの荻原のオーバーラップに対しては高井がスライドして対応するシーンが目立つ。山根の裏のカバーをしっかり行えていたのは非常に良いポイントだし、川崎FはのCBに求められる基準の1つを満たせているプレーである。

 一方で浦和の右サイドは大久保がハーフスペース付近まで絞って受ける回数が多め。前半終了間際には、降りて来て小泉から素早い楔が入ると、ライン間で浮いた大久保がターンから一気に加速。そこでチャンスを生み出していた。

 そんな浦和の保持に対し川崎Fはプレスからショートカウンターを発動させたいような場面は見られた。岩尾がCB間に入って落ちることで、浦和の中盤で受ける選手の的が減ったこともあったが、高い位置で奪いたい色は出していた。

 また、開いたCBに対してSHが出て行くのもプレスのスイッチの1つである。しかし、ここでは出足が遅いため奪い切る所まではいけなかった。

川崎Fの非保持のポイント
序盤はスライドを含めプレスは良かった

浦和は大外をSBに譲る

内側に入ってボールを引き出すSHが面倒だった

先制して以降の過ごし方


 前半を0-0で折り返した中、後半開始早々に試合が動く。瀬古のロングボールに抜け出した家長がホイブラーテンを縦突破で剥がし右足でクロス。これに飛び込んだ脇坂がトラップからボレーシュートを決めてネットを揺らした。

 このシーンで言えば前半からの伏線があったと言える。家長vsホイブラーテンのマッチアップは前半から続いていたがそこを突破することは出来ていなかった。この場面ではそのホイブラーテンを家長が剥がすことで、浦和のボックス内を薄くすることに成功している。

 また、二アに走った宮代もポイント。マーカーであるショルツを二アポストまで動かすことでその後ろに入って来た脇坂をフリーにさせていた。強さのある浦和の2CBをゴール正面から追いやることで、浦和の守備の収支をマイナスにし生まれたゴールだったように感じる。

 ここで一気に畳みかけたい川崎Fだが、試合は浦和ペースが続く。ここで2点目を奪える迫力だったり、前線に人数をかけた攻撃が出来ないのが今の川崎Fの弱み。これまでなら保持の時間を長くしつつ、敵陣に押し込んで攻撃の試行回数を増やしていたが安易なミスで攻撃が単調になっていた。

 大島僚太の投入はそんな流れを変えるべく登場したのだろう。しかし、この試合は両チームのプレスを含め行ったり来たりの展開が多め。押し込んで崩せないから大島!は分かるが、この早いテンポかつ強度の高い試合だと大島の良さは半減してしまう。

 それでも川崎Fはようやくプレッシングから活路を見出す。それが64分の場面。ここは開いたCBに対してジャストなタイミングで遠野がプレスに行けた。そこからマイナスの折り返しに脇坂が合わせるがカバーに入ったホイブラーテンに弾かれてしまっている。

 これ以降はプレスがハマること無く難しい展開に。川崎Fは橘田、山田、佐々木を入れてもう一度プレスに行こうとするが、大島がトップ下に入ったためそこの制限がなかなかかからない。その上、橘田がフィルタイリングの能力も発揮出来ずに、プレスどころかボールを取り上げるシーンも減って行った。

 そんな中で迎えた81分。途中出場の早川に対して川崎Fの選手が数人で囲い込むがボールを奪いきれずにいると、早川を追い越した荻原の折り返しにフリーになっていたリンセンに決められ失点。土壇場で同点ゴールを許してしまう。

 終盤大南を投入して3-5-2に切り替えた川崎Fだが、両WBは高い位置を取れずにズルズルと下がってしまった。鬼木監督曰く

 完全に勝ちに行きたかったので、サイドのところで高いところを取りながらいきたかったです。2トップにして最後仕留めるところにも人をかけてというか、中盤は後から入った二人もゴール前に入っていくパワーはあるので。そういう意味で人数をかけたかったですが、結果としてそこでパワーを出せなかった。


(川崎フロンターレ公式HPから引用)
 という狙いがあったと言うが、その形を体現することは出来なかった。試合は1-1の引き分け。またもホームでの勝利はお預けとなった。

後半のポイント先制点はCBを動かすことで生まれた

先制して以降は難しい時間を過ごす

交代策を含め流れを掌握できず

雑感

 一歩前進出来たと言われればそう捉えられる試合だったと思う。ビルドアップの面や先制点を奪った形などは着実に良くなっている。

 しかし、1点のリードを簡単に守れるチームでは無い。そのため複数得点が必要になってくるのだ。そう考えると、この試合先制して以降の時間帯は非常に勿体無かった。

 次節の福岡はここまで複数失点が2試合しか無いチーム。またホームではリーグ戦全勝中とこれまた嫌な相手だ。堅牢な守備を誇る相手から複数点どう奪うかは注目していきたいところだ。
 

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今回はおやすみ












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