福岡1-3川崎F

得点者(川崎F)
12' 2登里享平
47' 33宮代大聖
65' オウンゴール


得点者(福岡)
85' 28鶴野怜樹

スターティングメンバー


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前書き

 前節の浦和戦で今シーズンリーグ戦初の先制ゴールを奪った川崎F。今節は現在リーグ戦でホーム全勝中の難敵アビスパ福岡とアウェイで対戦した。

 川崎Fは前節から同じ11人を起用。GKは上福元。DFラインは山根、高井、車屋、登里。アンカーにシミッチでIHに脇坂と瀬古。そして3トップには家長、宮代、遠野が入った。

 

 対する福岡は前節から2人スタメン変更。GKは村上。DFラインは湯澤、グローリ、奈良、小田。CHは田邉と前で2列目に紺野。2トップにはルキアンと山岸が名を連ねた。


Match Review

動くシミッチと輝く右


 大雨が降りしきる中で行なわれたこの試合。川崎Fは浦和戦と同じ11人をスタメンで起用したが、4-2-3-1から4-3-3へとフォーメーションを変更。アンカーにシミッチを起用し、脇坂と瀬古をIHっぽい立ち位置にさせた。

 そんな中で福岡の4-4-2をどう攻略するかである。福岡の守備はマンツーマン気味というよりもスペースを優先的に守る感じである。そのため、アンカーのシミッチに対しては福岡の2トップが中を閉めてパスコースを封じつつ、CBに対してプレスに出て行く形を取っていた。

 これにより川崎Fのビルドアップ隊がバタついた入りを見せる。2分の車屋のパスミスなどは、山岸にプレッシングによって成されたものだ。

 そんな良い入りを見せた福岡だったが前半の早い段階で車屋と接触した湯澤が膝を痛めて負傷交代。これにより少し川崎Fに流れを持って行かれた印象を受けた。

 8分ぐらいからは川崎Fが上手くボールを保持しつつ試合をコントロールする展開に。プレスに出て来た福岡に対し、上福元、シミッチ、車屋、高井の菱形で上手くいなして前進するようになる。

 ここで良かったのはシミッチのサポートの仕方だろう。サイドに入った際もボールサイドに寄ってボールを引き出して行く。これだけで山岸ールキアンのプレッシャーラインをかいくぐることが出来ていた。

 そこからは上手く両サイドの幅を使いながらサイドからの攻略を目指す。福岡が中央を封鎖して守るため、中央からサイドに広げつつ3人目が追い越して受ける形でアタッキングサードでの崩しを見せていた。こうなると右サイドの家長ー脇坂ー山根のトライアングルの良さが際立ってくる。
 
 迎えた12分にはセカンドボールを回収した瀬古から家長→山根と繋ぎポケットに侵入した脇坂が折り返し、最後はファーサイドでフリーになっていた登里が無人のゴールに流し込んで先制に成功する。登里は実に6年振りとなるゴールになった。

 これ以降は川崎Fが試合をコントロールする展開。左WGの遠野も湯澤に代わって出場した前嶋に対して、背負いながらレイオフで登里に前を向かせる形を作れていた。もしここが湯澤のままだったら、遠野のところで起点を作りづらかっただろう。

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 右サイドで言えば高井の1つ飛ばすパスはかなり良かったように感じる。福岡の守り方的にSBの山根に付けたらハメパスになる所で、1つ飛ばして家長に入れることで落としを受ける山根がフリーになれていた。ここにシミッチが関わるという形までを描けていたため、福岡の守備網をかいくぐれていたように思える。

 また、アンカーのシミッチに対して福岡のCHが出て行くようになる。こうなると瀬古や脇坂がシミッチへと出て行った福岡のCHの背中で顔を出してターンして前を向く形を増やして行く。

 瀬古はスッと相手の背中や間に現れてボールを引き出す上手さが抜群。清水戦、浦和戦に引き続きボールの関わる役割していた。

 この日は福岡のDFラインの背後にランニングする動きで深さを作る役割も熟す。このアクションによって福岡のDFラインはズルズルと下がって行き、それに合わせて降りる宮代がフリーでボールを受けられることも出来ていた。

川崎Fの保持のポイント
サポートして受けるシミッチ

機能した右サイドからの得点

瀬古のオフ・ザ・ボールの質の高さ

瀬古が起用される理由


 続いて川崎Fの非保持の話し。この日2CHでは無くIHを採用した理由としては福岡の2CHである前と田邉を捕まえやすくするためだったはずだ。

 福岡の保持は特に可変することなく4-4-2をベースにすることが多め。そこでレシーバーとして輝く前と田邉のところに瀬古と脇坂をマンツーマン気味に合わせることで前進を阻止出来ていた。

 瀬古を起用するメリットとしては保持だけで無く、この非保持の面でも強度が高いところ。ボールホルダに対してしっかり寄せきることが出来るため、守備の面でもかなり重宝されているように感じる。

 ボールを引き出せるし、非保持の強度も申し分ない。そのため瀬古は、今の川崎FのIHとしては理想的な選手と言えるだろう。

 一方で福岡の目線で立てば序盤は上手くサイドを使いながら川崎Fの4-3-3の中盤をスライドさせることが出来ていた。ただ湯澤が負傷し流れを川崎Fに明け渡して以降は、素直に前線にボールを当てたり、縦に急ぐシーンが増加していった。

 しかし、福岡の2トップに対しては川崎Fも織り込み済み。中盤の底で高さのあるシミッチがボールを跳ね返したり、高井と車屋がルキアンと封じ込めていた。

 特にこの日はルキアンを高井が完封。今年で19歳になる選手が背負うことに長けた相手FWに対して負けなかったのは高く評価出来る点だ。

 それに加えアンカー脇に入ってくるSHに対してもSBが奮起。右SBの山根は金森にタイトな対応を見せ仕事をさせてなかった。この山根のボール奪取の部分もこの試合を見る限り復調しつつあると感じた。

川崎Fの非保持のポイント
瀬古の起用で中盤の強度を担保

2CHにはIHをぶつけて対応

ルキアンを止めた高井

後出しジャンケン発動


 後半に入り福岡は山岸をアンカー番に付けて対応する。逆転に向けての一手を打った福岡だったが、次の得点は川崎Fに生まれた。

 セカンドボールを拾ったシミッチのパスを受けた登里が前嶋を背負った遠野とのワンツーに抜け出しクロス。ファーサイドで待ち構えいた家長の速いクロスに宮代が飛び込んでネットを揺らした。

 大きな追加点を奪った川崎Fはアンカー番をしてきた福岡への対応を見せる。52分に山根が内側に絞ってプレー。こうすることで、シミッチの代わりに中央で出口を作ることに成功した。

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 この所謂「後出しジャンケン」的な形は今の川崎Fがやりたいこと。相手の出方を見ながらその解決策を出して戦うという場面がようやく見られた。

 福岡としてはこの絞って来た山根をどうするかかなり迷っていたように感じる。52分の場面はそのまま山根が縦パスを入れ中央から打開していたし、55分はそのままフリーで運んで宮代に縦パスを通すなど、効果的な動きに見えた。

 対する福岡は前半と代わりワイドを意識した攻撃を繰り返す。CBから一気にサイドに付けたりサイドにボールを振ることで川崎Fの中盤をスライドさせていた。

 それにより徐々に川崎Fの守備に粗が出てくる。幅を取ったSBをIHが捕まえに行くため、中盤が揺さぶられた結果、中央に穴が空く場面が増えて行った。

 また、この日は高井に抑えられたルキアンを下げて佐藤を投入。元気なアタッカーを起用して、もう一度プレスから入り直すようになる。

 それでも迎えた65分。登里の長いボールに抜け出した遠野がGKとDFの間にクロスを入れると、クリアしようと足を伸ばした奈良に当たってゴール。試合を決定付ける3点目を手にした。

 3失点目を喫した福岡は鶴野、ウェリントン、三國を投入。右サイドの紺野をクロッサーにしつつ、エリア内に人数をかける策を取った。三國は左SBで起用されたが、彼もファーサイドでクロスに飛び込むタスクを与えられていた。

 迎えた85分には紺野のインスイングのクロスに佐藤が頭で合わせて、最後は鶴野が押し込んでネットを揺らす。一度はオフサイドの判定になったが、VARが介入した結果オンサイドとなりゴールは認められる。

 2点差とされた川崎Fは終盤に大南と山村を投入して5バックで守備固め。福岡の反撃をこの1点で押さえ込み3-1で勝利を収めた。
後半のポイント後半の頭に2点目

アンカー番に対して山根が絞ることで中央の出口を創出

目標である3得点を達成

雑感

 今シーズンホームでのリーグ戦で全勝中だった福岡から見事勝利を収めた川崎F。難攻不落の要塞だったベススタで勝ち点3を奪えたのは自信にすべきである。

 それだけで無く前半見せたビルドアップや後半の後出しジャンケンなど随所に良さが散りばめられていた。試合としても前半に先制点を奪い、後半の頭に相手のプランをへし折る追加点、そして目標である3点目を奪えている。ようやくスタートラインに立てたと言える勝利だったように感じる。

 また、この豪雨の中で選手達は素晴らしい技術の高さでプレーしていた。あれだけ雨が降ればボールコントロール1つとっても難易度が上がるが、あれだけ正確にプレーするのは本当に凄いことだ。雨は降っても技術は錆びること無いと実感した試合だった。
 

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