川崎魂は傷つかない!?

川崎フロンターレ、トッテナム、日本代表の応援ブログです。 アニメのこともたまに語ります。 よろしくお願いします

川崎フロンターレ

別れの季節。2019年退団選手を発表


 よく「春は別れの季節」と言われる。これは卒業シーズンが大きく関わっているからだろうが、筆者的には「春」よりも「冬」の方が「別れの季節」と感じるのだ。そう思うのは、間違い無くこの「移籍市場」のせいだろう。そう「ぜんぶ移籍市場のせいだ」。
 そんな筆者的別れの季節の中で、今年も多くの選手がチームから離れ、新天地で活躍する決断をした。そんな離れ離れになってしまう選手たちに感謝の言葉を送っていこうと思う。

 本当は全選手の契約が出てから書こうと思ったが、それまで待っていると新チームが始動してしまうため、今から書くことを決めた。後から退団選手が出た場合は加筆していくのでお楽しみに。

昨シーズンのはコチラから↓


GK

21 新井章太(ジェフユナイテッド千葉に完全移籍)
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サッカーダイジェストより引用

 ルヴァンカップMVPに輝いた男がチームを去る決断をした。
 加入した2013年の新体制発表会の際、「東京ヴェルディをクビに...あ、やっべぇ」というブラックジョークで会場を沸かしたことを筆者は鮮明に覚えている。実際、章太はヴェルディから契約満了を告げられトライアウトから這い上がってきた苦労人だったのだ。

 加入から2年後の2015年にようやくプロデビューすると、そのシーズンは正守護神として君臨。しかし、2016年に元韓国代表のチョン ソンリョンが加入し、今度は第2GKとしてチームを支える立場となる。そんな状況に置かれても常に努力を怠ること無く最善を尽くす。そのため、どんな窮地を救ってくれる頼もしい存在だった。

 その頼もしさはピッチ内だけでは無い。ピッチ外でも良い兄貴分として若手選手の面倒見たり、キャプテン小林悠を常に支えてくれたいたのだ。そんな人情溢れる選手が、最後に「ルヴァンカップ優勝」というクラブの長年の夢を叶えてくれたことには本当に感謝したい。

 デビュー戦は、ガチガチに緊張していてDF陣との連携ミスから失点を許した章太が、チームを優勝に導く魂のPKストップを止める選手までに成長したことは、感動と感謝の言葉しか出てこない。章太の「プロとしての姿勢」は、どこでも通ずるものがあるはず。千葉でも頑張れ。7年間本当にありがとう。



DF

3 奈良竜樹(鹿島アントラーズに完全移籍)
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リンク先より引用

 誰よりも勝負に拘るCB。2016年に加入すると即スタメンの座を掴む。当時の指揮官、風間八宏からも信頼され、コンスタントに出場を重ねた。しかし、12節の神戸戦で、相手選手と接触した際に脛を骨折。一度は回復したものの、同年9月にもう一度再発してしまった。

 大きな怪我を乗り越えた2017年は、不動のレギュラーとしてピッチに帰還。スピードとフィジカルを活かした対人守備でピンチを防ぐ姿には何度も拍手を送った。チームが最小失点に輝いたのは、間違い無く奈良ちゃんのお陰だろう。
 また、攻撃面でも、質の高い楔のパスを供給し、後方からアクセントを加えられるのも彼の強みだった。今思えは、リーグ2連覇は奈良ちゃん無しじゃ成し遂げることは出来なかっただろう。 

 そして、今シーズンは再び怪我との戦いだった。4月末に左膝を負傷。怪我で離脱してる際に、今シーズン加入したジェジエウと山村和也がCBで高いパフォーマンスを発揮。そのため、復帰後もなかなかメンバーに入れなくなってしまったのだ。そんな中、出場機会を求め、鹿島アントラーズに移籍する決断をした。

 2018年に優秀選手賞に選ばれた際は「僕は汚いプレーが多くて。影でもいろいろ言ったり、陰でも汚いこともしますが、こうやって選んでいただけ光栄です」とコメントしていた。相手からしてみれば、とても嫌がられる存在だが、味方としては「頼もしい」の一言だった。特に、相手と1対1になった際、先に体を入れたファウルを貰うようなシーンはとても「賢い」と感心した覚えがある。
 そんな頼りがいのある存在だった奈良ちゃんが敵となると頭が痛くなる。「奈良ロス」は続くと思うけど、鹿島でも頑張って欲しい(対戦するとき以外は)。4年間ありがとう。


17 馬渡和彰(湘南ベルマーレに期限付き移籍)

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 今シーズン、サンフレッチェ広島から加入した。大外をダイナミックに走り抜けるプレーと、両足で蹴られるのが彼の最大の武器。さらに、両サイドを務められるという部分から、かなり期待値の高い選手だった。実際出た試合では高いパフォーマンスを見せ、神戸戦ではGKの意表を突く直接FKを叩き込んでみせた。

 そんな馬渡だったが、今シーズンは怪我がとても多かった。チーム内でリリースがある中では2つの捻挫と左膝の靭帯の怪我。それ以外でもピッチから離れる時間が多かったと感じる。

 筆者としては、フル稼働出来れば間違いなくスタメン候補だったと思う。恐らく、鬼木監督の構想の中では、今シーズンも戦力として数えていたと思うが、今回馬渡が選んだ道はベルマーレへの期限付き移籍であった。

 近年のSBは、内側に絞ってプレーすることがトレンドになっているが、馬渡は大外を走り抜けるようなプレーヤーだ。将棋の駒で言えば、香車だろう。そういう大外で無双するプレーは湘南で活きると思うし、そこで得た経験をフロンターレに還元してもらいたい。


26 マギーニョ(横浜FCに期限付き移籍)

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 昨シーズン、ブラジル2部から獲得したスピード溢れるSB。「ブラジル人の抜けた穴はブラジル人で!」と言った感じで起用していたが、エウシーニョと比べるのはかなり酷だったと感じる。

 ゼロックスと開幕戦では、スタメン出場を果たしたが、指揮官からの信頼を得られず、気がつくとベンチに入れない日々が続いてしまった。それでも出た試合では結果を残していたことは確かである。アウェイ大分戦のゴールや、アウェイ仙台戦のアシスト。そして、ホーム広島戦の自作自演の決勝ゴール。僕らはマギーニョ1人で色々な感情を味わっただろう。

 昨年加入したブラジル人の中では、1番日本語を勉強していたし、異国の地に馴染もうとしていたのは確かである。ファンサービスの時は、覚えたての日本語とチャーミングな笑顔でサポーターに接し、筆者もその丁寧な対応を受けた一人だ。本当に憎めない存在である。

 移籍先である横浜FCだが、昨年までスタメンを務めていた北爪が柏レイソルに移籍となったため、マギーニョがスタメンとなりそうだ。力強さが求められるポジションだが、マギーニョの推進力なら輝けると思う。頑張って欲しい。



MF

8 阿部浩之(名古屋グランパスに完全移籍)

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 「鬼木フロンターレとは阿部浩之である」と言わしめる程、欠かせない存在だった阿部ちゃんがチームを離れる決断をした。

 攻守に渡って走り続ける運動量と試合を読む力。そして、両足から放たれる精度の高いシュート。DAZNで実況を務める下田さんも「シュートの名手」と表現するように、多彩な得点パターンを持っていた。

 2017年にガンバ大阪から加入。これまで「フロンターレキラー」として牙を剥いてきた天敵が、チームに加入したのはとても心強かった。
 そんな1年目のシーズンは、阿部ちゃんを1トップに置く「ネガトラ特化型」の布陣が見事にハマり、夏場の快進撃を支えた。
 阿部ちゃん自身もプロ入り初となる2桁得点をマーク。その記念すべき10点目は、チームを初タイトルに導く豪快なミドルシュートであったのも忘れてはならないエピソードだ。初優勝が決まった試合後に、現在ベルギーで活躍する三好康児が「阿部のおかげ!」と言ったように、初タイトルを取れたのは間違いなく阿部ちゃんのおかげだったと言える。

 筆者が1番記憶に残ってるのは、2018年のアウェイ鹿島戦。0-0で迎えた試合終了間際、鹿島のカウンターをファウルで止めたシーンである。その際、鹿島はリスタートしようとしたが、村上主審に声をかけ、この日2枚目のイエローカードが提示され退場となった。だが、これにより試合を止まり、鹿島のカウンターは防がれたのだ。
 このような、「試合の流れを読む力」というのは、阿部ちゃんの優れた能力だ。こういう「賢い選手」を手放すのはチームとして痛手であろう。

 今シーズンもルヴァンカップ決勝の舞台で「4大会無得点」というジンクスを打ち破ったのはこの男だった。タイトルとは無縁だったクラブの歴史を塗り替え続けてくれたことには感謝しなければならない。

 3つのタイトルをもたらしてくれてありがとう。


27 鈴木雄斗(松本山雅FCに期限付き移籍)

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 2018年にモンテディオ山形から完全移籍で加入。当時は、武岡優斗との「ゆうと被り問題」が物議を起こした。すると、突如登里が「お前もうラルフでええんちゃうん?」と言い、最終的には「ラルフ」の愛称で親しまれるようになった。

 入団してからは、なかなか試合に絡めない日々が続いたが、突然転機が訪れる。連敗中で迎えたアウェイ柏戦で後半から途中出場。すると1-1で訪れた後半アディショナルタイムに、長谷川のクロスを頭で押し込み逆転。このゴールが決勝ゴールとなり、チームを救ったのだ。今思えばあそこでゴールを決めなければ、あのシーズンの優勝は無かったように感じる。あのラルフのゴールでチームは再び上昇気流に乗ったのだ。

 そして昨シーズンはエウシーニョの移籍に伴い右サイドバックで出場。高い身体能力と持ち味である推進力を武器に頑張れるかと思ったが、上手くフィットせずにスタメンの座から転落。徐々に出場機会が無くなり、7月にガンバ大阪への期限付き移籍が決まった。

 ガンバでも小野瀬や福田などのサイドアタッカーの牙城を崩せず、スタメンに入れない日々が続き、シーズンが終了。今後の去就が危ぶまれたが、籍は川崎フロンターレに残し、J2の松本山雅FCに期限付き移籍を発表した。

 本人のコメントに
松本のチームの勝利に貢献しながら、自分のこれで勝負できるという武器をつかみ取って、川崎に戻ってきたと思います。再び等々力のピッチで躍動するために、頑張ってきます。これからもよろしくお願い致します
 と書いてあるように、フロンターレでも通じるラルフの「武器」を手にして帰ってきて欲しい。頑張れラルフ。



FW 

赤﨑秀平(ベガルタ仙台に完全移籍)

 ラルフ、下田と共に、2018年に鹿島アントラーズから完全移籍で加入。筑波大学育ちのゴールゲッターということで期待されていたが、殆ど出場機会が与えられなかった。キャプテンの小林悠と成長著しかった知念慶に台頭できずにいると、ブラジルからロンドン五輪得点王のレアンドロ・ダミアンまで加入。押し出されるような形で期限付き移籍となった。
 新天地となった名古屋グランパスでは恩師風間八宏の元でホーム開幕戦からゴールを決めるも、その後はスーパーサブのような立ち位置になった。
 それでも21試合で5ゴールという数字は、前年度の出場が1試合のみと考えれば上出来だと言える。

 しかし、今シーズンも、小林、ダミアン、宮代、旗手などのタレントがいるためフロンターレで居場所を見つけるは難しい。そんな中、チームを離れベガルタ仙台に完全移籍する形となった。
 木山監督の下では赤﨑のスピードと決定力は大きく光ると思う。短い間だったけどありがとう。

 
20 知念慶(大分トリニータに期限付き移籍)

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 2017年に加入した大卒ストライカー。抜群の裏抜けと身体能力を活かした競り合いとボールキープが持ち味。そして、パンチのあるシュートを打てるのが彼の武器である。

 よく、小林悠やレアンドロ・ダミアンに目が行きがちだが、知念も高いポテンシャルの持ち主であることは確かだ。加入した1年目からスーパーサブとして起用されると、2年目には27試合に出場し4ゴールをマーク。
 そして、昨シーズンは小林がスランプに陥いり、ダミアンもフィットできていなかった時期にスタメンで出場。そこで圧巻の4試合連続ゴールを奪った。得意であるヘディングや裏抜けなど、多彩な得点パターンでサポーターを魅了。「知念慶」では無く「知念ゲー」といった風に「エース知念」がチームを引っ張った。だが、小林悠がスランプから脱出し、得点を奪うようになると、徐々に出場機会を失うこととなる。
 途中からの出場だと「クローザー」のような役割を任されるため、彼の良さはなかなか活きない。正直不遇だったと感じる。

 フロンターレの和製エースである我那覇和樹に続く沖縄出身ストライカーだったため、筆者としては、このチームで育ち、代表入りして欲しいと願っていた。だが、今シーズンからは、活躍の舞台を大分トリニータに移すことが決まった。
 それでも、大分という特殊なサッカーをするチームには、知念は大きくフィットすると思う。役割も至ってシンプルなため、ゴールを奪うことに集中できる環境となるはずだ。

 まだ25歳と成長が見込める年齢だ。将来の「フロンターレのエース」として輝くために、大分で頑張って欲しい。


最後に

 筆者の大好きな声優ユニットの曲に
 君が向くその先に未来が待っている いつもの僕らのまま手を振ろう

 TrySail-またね、

 という歌詞がある。
 今回移籍を決断した選手たちには、彼らなりの未来が待っている。それは尊重すべき物であり、その未来に向かって進んで欲しいと筆者は思う。

 本当にありがとう。そして期限付き組は戻ってくる日を心から待っている。

 それと、何枚かのお写真はお譲り頂いたものです。選手の活躍が見られるステキなお写真をありがとうございました!






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2019年 川崎フロンターレのリーグ戦総括!~変わらねばならぬ何事も~


始めに

  Jリーグが終わり1週間が経過した。週末に試合が無い日々に慣れていくのには、まだまだ時間がかかりそうな気がする。そのほとぼりが冷めないうちに、今シーズンの総括をしていくのだが、筆者には人を笑わせるような文才が無いので、ただ淡々と語っていこうと思う。
 

今シーズンの結果

 まずは、今シーズンの成績から見ていこう。
リーグ戦 4位 勝ち点60 16勝12分6敗 57得点34失点
ルヴァンカップ 優勝
天皇杯 ベスト16敗退
ACL グループステージ敗退 2勝2分2敗
ゼロックススーパーカップ 優勝

 と言った風に「4冠獲得」を宣言していたことを思い出すと、基本的には残念な結果となってしまった。それでも唯一救いだったのが、ルヴァンカップの優勝だろう。これまでカップ戦での弱さを露呈し続けていたが、5度目の挑戦にして初の栄光に輝いた。筆者としては、ルヴァンが獲れただけでもかなり満足しているが、皆さんはどうだろうか。


上々な出足?
 
 そもそも、今シーズンの期待値は昨年以上にあったと思える。昨年シーズンに活躍した主力が殆ど残留し、守田英正や田中碧など将来性豊かな若手に加え、大型補強を敢行した。
 そして迎えたゼロックススーパーカップで、新加入のレアンドロ・ダミアンが挨拶がわりのスーパーゴールを決めて見事優勝。この結果にサポーターの胸は高まったはずだ。

 筆者も「アカン、今年も優勝してまう!」なんて浮かれており「大フロンターレ時代が訪れる」なんて思っていたが、現実はそんなに甘くはなかった。
 試合を進めて行く度にチームとしての課題が浮き彫りになっていく。これを解決せずに、選手の質でカバーし続けた結果、ホーム最終節でチャンピオンチームに化けの皮を剥がせれ、「大フロンターレ時代」は終焉となった。

 では、その課題とは一体どこにあったのか?これからそれを語っていく。


成長する周りと、意固地になる我々

 昨シーズンまでのフロンターレは「ボールを持たせれば日本一」の称号を手にしていた。フロンターレの試合を見ても、実況、解説は「このチームはボールを持てば…」というのがお決まりのコメントであった。
 また、守備の面では素早いトランジションから相手がもたつく合間にボールを奪いきって2次攻撃に繋げていく。昨年、札幌に7-0で快勝した試合が、まさしく「鬼木フロンターレ」であった。「今年もこの調子で前から奪って、攻撃祭りじゃ!」というテンションで臨んだ開幕戦だったが、いきなり雲行きが怪しくなる。
 これまで「ファストブレイク」と呼ばれる「奪ってから早く攻撃する」を信仰していたFC東京が、しっかりと後ろから繋ぐようになったのだ。

 今思えばこれが全ての始まりだったと思う。ボールを保持する相手に前から突っ込み、ギャップが生まれて、そのスペースを使われる。今までなら、奪えた所でも、相手が上手くなっているため簡単にいなされてしまう。周りの上手さによって、気がつけば「ボールを持てれば日本一」という称号が日に日に薄れてしまったのだ。
 フットボールラボのデータによると、

 フロンターレの昨年の平均支配率は、57.6%とリーグ2位だった。だが、今年は54.1%と低下。これはリーグで5番目に多い数字であった。
 
 このことから、ボールを持つことに長けたチームが増えていることが想定できる。これだけボールを持てるチームが追いとなると、今までフロンターレの〔攻撃→守備〕〔守備〕のプレー原則であった「ネガトラで即時奪回」、「前から奪いに行く」の効果が無くなってしまったのだ。
 この部分を「まぁ、なんとかなるっしょ」という感覚で改善しない日々が続いてしまうこととなる。

 そして、月日が経つ内にそのツケは確実に回ってきていた。今シーズン優勝したマリノスを始めとし、神戸、鳥栖などのGKにボールを触らせながらビルドアップをするような相手には、かなり苦戦を強いられた。
 フィールドプレイヤーは常に10vs10の構図であるが、GKもビルドアップに参加すれば10vs11人の数敵不利な局面を作られる。かと言って、自分たちのGKに「同数にしたいから、お前はFWのマークに行けよな」なんて無茶なことは言えない。そんな状況下に置かれても尚、我が軍は「今日も元気にハイプレス!」を貫いてしまったことで、盤面をひっくり返され、ひたすら押し込まれ続ける展開を余儀なくされた。





 だが、ここで不思議な点が1つある。今シーズンJ2から昇格し、GKがボールに触れる回数がかなり多い大分相手にはダブルを達成したのだ。今思い返して見れば夏場のホームゲームは圧巻だったように思える。
 序盤は、前から奪いに行く動きを見せるも、GK高木を中心としたビルドアップに振り回される時間が続いた。そんな中迎えた前半の飲水タイムで奪う位置を途中で低く設定。その結果、相手の疑似カウンターは影を潜め、後半開始早々に齋藤学のゴールで先制に成功したのだった。

 
 今思えば、何故この試合で得た教訓を他の試合でも活かそうとしなかったのかが甚だ疑問である。ブロックを敷いて守ることも出来るのだから、そこは続けても良いと感じる。そして、それを裏付ける別のデータがある。
 
 これは、第9節の神戸戦でのデータだ。2016年以降、ポゼッションが50%下回った試合の方が強いことが一目瞭然だ。
 ちなみに、この試合以降で

支配率が50%を下回ったのは7試合。勝敗は5勝1分1敗(H大分、H磐田、H広島、A鹿島、A札幌で勝利。引き分けはH名古屋)

 で、ホームで敗れた神戸戦以外は負けが無い。今思えば、その試合も前から奪いに行き、背中を取られて先制点を許しているし、GKを含んだビルドアップに苦戦をしていた。そう考えれば、前から行くのでは無く、フラットに4-4-2を組みながらブロックを築く方が向いているのではないだろうか。
 「ボールを保持してナンボ」のチームではあるが、相手も上手くなっているのも事実。意固地にならず、柔軟な対応をしていくのが、今後を勝ち抜くためのヒントになりそうだ。


決まらない編成と右サイドバック

 今シーズンのフロンターレを語る上で欠かせないのが、「右サイドバックを誰がやるのか問題」だ。

ちなみに今シーズンの編成はコチラ
#0349

 ベースフォーメーションは4-2-3-1か4-4-2。シーズン序盤は2トップを試みるも、結局は4-2-3-1で落ち着いた。
 中盤は基本的には主力+バックアップがいるような形。これはこれでバランスが取れているような気がする。だが問題は右サイドバックだ。画像を見て分かる通り、今シーズンは6人の選手が右サイドバックに挑戦した。

 エウシーニョの後釜として加入したマギーニョは、守備での粗が目立ち序盤からメンバー外を余儀なくされ、そのマギーニョと同じく今シーズンからプレーしている馬渡は、相次ぐ怪我の影響でスタメンに定着できなかった。また、左サイドバックを主戦場とするノボリと車屋も右サイドバックにトライ。だが、内側を切られると何も出来なくなってしまうのが痛かった。フロサポ界隈で「車屋とノボリ、どっちが右SBの方が良い!?」という議論も出ていたが、最終的には「2人とも左の方が良いよね」という結論に至った。
 その結果、本職がボランチの守田が右サイドバックにコンバート。安定面やクロスの精度、内側に入る動きなど見ても彼が一番適任のように思えるが、オープンスペースで勝負するようなサイドアタッカーと対峙すると分が悪い。また、本人自身はサイドバックでは無くボランチで勝負したいはずだ。ここをどうコントロールするかが、来年度の課題だ。筆者としては、本職右サイドバックを連れてきて欲しいところである。

 そして、編成面の話に移る。この1年は、シーズンを通して、選手の起用法も曖昧だったと感じる。コンディションの悪い家長などを使い続けるなど、昨年と同じメンバーを起用。そのため、変化の色は見られなかった。アドリブ重視の攻撃であるため、新加入が慣れるのに時間がかかるのだ。そのため、顔なじみの選手たちに固執していたのだと思う。来季はこの編成という面でも変化が必要になるだろう。



まとめ

 上記に挙げた、戦術面やメンバー編成をシーズン頭から有耶無耶にし続けた結果、ホーム最終節で、見事丸裸にされてしまった。試合後のレビューでは、「このままではマズい」ということを、田中碧の言葉を添えて書いた。



 時代は常に変化し、自分たちだけでは無く、他のクラブも日に日に成長しているのだ。
 例えば、昨年までガチガチのカウンターサッカーだった広島が、システムを3-4-2-1に変更し、ボールを動かしながら戦うようになったり、マリノスがシティ式のポジショナルプレーで頂点に立った。
 また、大分が疑似カウンターでJ1に驚愕をもたらせば、ロティーナが率いるセレッソは、攻撃では無く、守備面でのポジショナルプレーをチームに植え付けリーグ最少失点に輝いた。
 語れば語る程、ライバルたちは上達しているのが分かる。そんな中で足踏みをしている場合では無い。僕らも次の一歩にトライするべきなのだ。

 筆者の好きな某声優ユニットの歌に
 迷っても、途切れても、何度でも歩き出せる、終わりは始まり
 TryAgainーTrySail
 という歌詞がある。大フロンターレ時代が終わり、連覇も途切れた。じゃあ次のステップに繋げてもいいじゃないのか?




データ引用元
Optajiro

フットボールラボ







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2019年 明治安田生命J1リーグ 第34節 VS北海道コンサドーレ札幌 試合結果~ハンドルを握り続けろ~

札幌1-2川崎F


得点者(川崎F)
前半1分 11小林悠
前半13分 28脇坂泰斗


得点者(札幌)
前半34分 7ルーカス・フェルナンデス


スタメン
#0345


交代 
後半14分 28脇坂泰斗→20知念慶
後半40分 8阿部浩之→33旗手怜央
後半46分 11小林悠→9レアンドロ・ダミアン


リザーブ
GK
21新井
DF
4ジェジエウ
26マギーニョ
MF
22下田


試合内容

 ルヴァンカップの決勝で相まみえた両チームが2019年シーズンの最終節で対戦した。

 最初に試合を動かしたのはアウェイの川崎フロンターレ。鮮やかなパスワークで札幌DF陣を置き去りにすると、エリア内に侵入した脇坂の折り返しを小林が押し込み先制点を挙げる。キックオフから、わずか44秒の出来事。まさに”電光石火”の攻撃を見せた。さらに前半14分には、脇坂がGKの意表を突く、技ありFKをゴールに沈めリードを2点に広げる。
 前半早々に2点を失った札幌は1トップのアンデルソン・ロペスを生かして、川崎FのDFラインを狙うがなかなかゴールを奪えず。それでも同34分。チャナティップのサイドチェンジを宮澤が頭で落とし、最後はルーカス・フェルナンデスが決め1点を返し前半を終える。

 後半はオープンな展開が続き、両チームともシュートを放つも最後までゴールを奪えずに試合が進む。結局両チーム合わせてシュート30本放った乱打戦は川崎Fが勝利した。

_________________________________________

 2019年シーズンのJリーグがついに終わってしまった。筆者の生活はJリーグと共にあったので、既に生気が失われている。今後はプレミアリーグでも見てポジろうと思うが、それでもJリーグが恋しい。愛しのJリーグが開幕するまでは、無の境地でいるに違いない。
 まぁそんなことはさて置き、試合の話しをしていく。今回の対戦相手は、北海道コンサドーレ札幌であった。ルヴァンの決勝で歴史に残るような殴り合いをした相手は、この試合も「殴り合い」のスタンスで試合は進んだ。その引き金になったのは、我らがフロンターレの44秒弾。いきなり強烈なボディーブローをお見舞いしてやった。


~先制点のメカニズム~

 試合前に書いたマッチプレビューで、「相手のストッパー」が釣り出される話しをしたのだが、先制点を奪ったシーンはこの部分が上手く使えていたと感じる。
#0343


(今節のマッチプレビューはここから↑)

#0346

 先制点のシーンを図で表わしてみたは良いが、フロンターレのパスワークが素早すぎて、このような拙い出来になってしまった。イメージとしては前半の0分40秒当たりなので、そこのシーンを見ながら読んで頂くと分かりやすいと思う。

 まず、内側にポジションを取った守田に対し福森が持ち場を離れて潰しに行くが、ワンタッチで脇坂に落とされる。ここから速いテンポでパスが回るのだが、この時点で、福森が飛び出たスペースは大きく空いたままになっているのだ。そして、ここぞとばかりに、そこをめがけて走り込んだのが田中碧と脇坂泰斗の2人だ。これによって右サイドを完全に崩し、最後は脇坂が小林悠のゴールをお膳立てしたという形だ。
 前半が始まって最初の攻撃でこの釣り出したスペースを使って得点できたのは間違い無く大きかったはず。鬼木監督が得点後に「三度ガッツポーズを見せた」らしく、この事から狙い通りだったのが伺える。まさに完璧と言える崩しであった。

 
~アンロペ裏抜け大作戦~

 先制点を奪われた札幌のメンバーを見ると、1トップで起用したのは、高さと強さを兼ね備えたジェイでも、日本人トップスコアラーの鈴木武蔵でも無く、何故かアンデルソン・ロペスだった。アンロペ、武蔵を同時起用するならば、アンロペがシャドーで武蔵が1トップというのがこれまでのお決まりであったはずだが、この試合は逆で来たのだ。この部分を肝として、ミシャの考えを読み取ってみることとする。
 恐らくだが、コンパクトに守るフロンターレの背後と間延びしたスペースを使いたかったのだと思われる。
#0347

 札幌の想定としては、福森が長いボールを入れ、川崎FのDF陣がズルズル下がってボランチとの間に生まれたここを使いたかったはずだ。そのままアンロペがゴールに迎えるならばそれで良しだし、セカンドをチャナティップと鈴木武蔵が回収できれば二次攻撃が出来る。ひたすら押し込み続け、ダメならバックパスでやり直すという形だったのだろう。
 だが、これが上手く行かなかった。フロンターレのラインを一時的に下げても、ボールは尽く跳ね返される。また、仮にセカンドを回収したとしてもフロンターレのDF陣が素早い戻りを見せていた。
 先に2点を失ったことと、フロンターレのネガトラの速さによって札幌の攻撃のリズムも明らかに狂っており、中盤で負けるようなシーンも度々みられた。それでも1点返したシーンは、チャナティップのロングボールからだ。リベロの宮澤を、フロンターレのDF陣が誰1人として捕まえきれなかったのは、そこまで想定出来ていなかったからだと思われる。そういった意味ではしてやったりの得点となったはずだ。


~右往左往な後半~

 今年の2月末からシーズンが始まったこともあり、後半は両チームの選手共に疲れが目に見えていた。その結果、かなりオープンな展開となり、どこか大味な試合展開となった感が否めない。どちらが攻め立て、ゴールが奪えずにいると、相手がしかけてシュートを外す。まさに右往左往するような試合展開となってしまった。
 フロンターレとしては3点目を奪っていれば試合は決まっていたはずだが、そこを仕留められないのはこの1年を通して得た大きな反省点であろう。まぁ最終的には勝てたのだから良しとする。終わりよければ全て良しとはよく言ったモノだ。


総括

 前半の先制点と泰斗のインチキFKで、札幌の戦意を失うことに成功したのはかなり大きかった。札幌が守りの際に、一歩遅れてボールに行ったり、攻撃時もパスミスが多かったりと明らかに精細を欠いていたように思える。
 だが、前半の内に1点を返され、その後、追加点を奪えずに殴り合いとなったのは、チームとしての大きな課題であろう。折角、自分たちでコントロールできる試合を難しくしたことが本当に勿体無いと感じた。ハンドルは握り続け無いと、いつか大きな事故に遭う。そうなってからでは遅いのだ。来シーズンは、こういう試合でゆとりを持てるように努めて欲しい所だ。



最後に

 最後になりますが、今シーズンもマッチレビューを34試合分書くことが出来ました。今年は文章を「ですます調」から「である調」に変えたり、重要だと思ったシーンを三つに絞って書いたりと、模索しながらも皆様に読んでもらうように工夫してきたつもりです。まだまだ改善の余地があると思いますし、引き続き頑張って行きたいと思います。
 ですが、来年から筆者は「就活」という人生の岐路に立たされます。そもそも、「年上お姉さんのヒモになりたい」と言い、同じゼミの女子から「社会不適合者」と呼ばれるような人間が、「社会」という名のフィールドに投入されることが何かの間違いだと思っているのですが、時は止まってくれません。
 恐らく、筆者がいつもようにプレビューやレビューを更新すると「ブログ書くんじゃ無くて、履歴書書けよ」と、いろんな人から言われそうでヒヤヒヤしています。ですが、大学に入学してからの3年間は一度もサボることなく書き続けてきたので、4年生になっても「サボらない」ということは拘っていきたいと思います。ですので、なんとか時間を見つけて頑張りますので、どうか応援の方よろしくお願いします!






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2019年 明治安田生命J1リーグ 第34節 VS北海道コンサドーレ札幌 マッチプレビュー


 2019シーズンも最終節を迎える。優勝争いは横浜FマリノスとFC東京の一騎打ちとなった。1シーズン制になってから、最終節での直接対決は初の出来事だという。
 そんな注目試合がある中、我らが川崎フロンターレはアウェイの地で北海道コンサドーレ札幌と対戦する。前節、神奈川ダービーで大敗を喫しただけに、最後の試合は勝ちで終えたいところだ。また、ACL出場の可能性も微力ながら残っている。少しでも上の順位で終えられるように務めて欲しい。

 対する札幌は、ミハイロ・ペトロヴィッチが就任して2年目のシーズンとなった。そして、今シーズンはルヴァンカップの決勝の舞台に立った。クラブとしては着々と次のステップに進んでいると言えるだろう。また、今節の対戦する川崎フロンターレは、その決勝で破れている相手だ。消化試合ではあるものの、その相手をホームで迎え撃つため、選手、サポーター共に気持ちが入る試合となるはず。

 前回のリーグ戦での対戦は1-1の引き分け。札幌鈴木武蔵のPKで先制されるも、後半小林悠のボレーシュートで追いついた。



札幌、前節の試合
#0339

 前節、残留争いをする磐田にホームで敗れた札幌。今節も残留争い真っ只中の鳥栖とのアウェイゲームになった。
 序盤に主導権を掴んだのは札幌。前半開始3分、菅のクロスをジェイが頭で合わせて先制に成功。その後はボールを支配する鳥栖に対してチャナティップ、鈴木武蔵のスピードを生かしたカウンターで応戦。前半をリードして折り返す。
 後半に入り鳥栖はアンヨンウを投入。前半から意識していたサイド攻撃を徹底しようとするが、ミスが目立ちなかなかゴールを奪えず。そして迎えた後半アディショナルタイム。札幌のカウンターが突き刺さる。右サイドからのクロスを高丘が弾くが、こぼれ球を拾った鈴木武蔵が決めて追加点。このゴールで試合を決定付けた札幌が勝利した。


札幌の注目選手


DF 5福森晃斗

 冷静かつその性格無比な左足でチームの攻撃を後方から支えるディフェンダー。正確なクロスや、質の高いコーナーキックで今シーズンは8つのアシストを記録している。
 また、FKの飛び道具も兼ね備えており、アウェイ清水戦ではゴール右隅に弾丸シュートを突き刺した。また、ルヴァン杯決勝でも延長前半に勝ち越しとなる鮮やかなフリーキックををゴールへと突き刺している。
 川崎Fとしては彼の怖さは十分に知っているはずだ。彼にスペースと時間を与えないことがまず大切になるだろう。


MF 8深井一希

 チーム随一のインテンシティの高さとハードなマークが持ち味の潰し屋。ボールが有るところに深井有り、というぐらい広範囲に飛び出し相手からボールを狩り取る。
 札幌出身で札幌ユース育ち。生粋の道産子である深井だが、一昨年までは膝の怪我に泣かされ続けた。それでもミシャ就任以降はコンスタントに起用されている。昨年に引き続き自信と力を付け加え、今シーズンも大きく躍動したシーズンとなった。
 セットプレーでも打点の高いヘディングシュートは要注意である。


FW 48ジェイ

 パワーと強さを兼ね備えたCF。今シーズンは昨年に並ぶ9得点をマーク。また、ミシャ政権2年目となる今シーズンは、守備も意識的にするようになった。サイドからのクロスにジェイが合わせるという札幌の十八番をどう封じるかが勝負の鍵となるだろう。
 今シーズンで37歳となるジェイだが、2つ上にあたる中村憲剛の誕生日に「old man」とリプライを飛ばしている。


札幌の予想スタメン
#0340



札幌の”ここ”を突け

 この試合で2019年シーズン最後の戦いとなる。試合会場が北海道という遠い地ではあるなか、ACL出場を信じて、多くのサポーターが駆けつけるはずだ。しかし、チームとしては良くない情報が入ってる。攻撃陣に体調不良や怪我人が出ているとの情報が入ってきた。そのため、来季加入が決まっている順天堂大学在学中の旗手がベンチ入りする可能性があると報じられた。


川崎Fの予想スタメン
#0341

 攻撃陣がどれだけ欠場するのか情報が出ていないため、フィールドプレイヤーは前節と同じメンバーと予想した。

 前回、ルヴァン決勝で札幌と対戦したときは、中間ポジションで浮いたチャナティップを止めるのに苦労を強いられた。恐らく今回も、その形で臨んで来ると考える。
#0342

 チャナティップに中盤を剥がされれば、一気に4vs5の数的不利な盤面を作られるだろう。仮に抑えたとしても、今度はポゼッションからサイドで数的優位を生み出し、菅や福森からジェイにめがけて高精度のクロスが飛んでくるのも非常に厄介な点である。川崎Fとしては、まずチャナティップに入る前に、ボールをインターセプトするか、前を向かせないような守備をするかの二択だ。3-4-2-1と4-4-2という配置的には不利な盤面が続くだけに個の力でなんとか守りきりたいところである。

#0343

 続いて札幌の守備時について話す。守備時は5-4-1のブロックを敷くが、ボールが奪えそうであれば、鈴木武蔵やチャナティップがスプリントをかけてボールを奪いに行くシーンがある。それに対し、川崎Fとしては両SBが比較的低い位置で構えて、相手のシャドーをピン留めさせたい狙いを見せるはずだ。
 また、札幌の5バックは毎回ギャップが生まれやすいのが特徴である。バイタルに侵入されると人に対して福森と進藤のストッパーが出てくることが多い。この際、DF陣が横の距離を埋めずに広大なスペースを相手に与えることが良くあるのだ。ルヴァンカップの決勝でダミアンがフリーでポストに当てたシーンがあったと思うが、あれがまさにそうだった。右→左に展開した際、福森が釣られ、スライドした進藤と白井の間に大きなスペースが生まれ、そこに阿部が入ってクロスを入れたのだ。
 川崎Fとしてはここを如何に突けるかが重要なポイントとなるだろう。


 さて、今シーズンも全てのリーグ戦のマッチプレビューを書き終えた。今年は昨年以上に図を使ったりして、かなり試行錯誤した感はあった。それでも同じ戦術ブロガーとして活躍している人たちと比べれば、かなり見劣りしてしまうだろう。だが、こんなプレビューに対して、「良かったです」とコメントをくれる人がいるので、それはかなり励みになっている。
 これからもご贔屓に。2020年シーズンも頑張っていこうと思う。






では、

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2019年 明治安田生命J1リーグ 第33節 VS横浜FM 試合結果~黒船来航の結末~

川崎F1-4横浜FM


得点者(川崎F)
後半29分 9レアンドロ・ダミアン


得点者(横浜FM)
前半8分 23仲川輝人
後半4分 17エリキ
後半24分 17エリキ
後半44分 11遠藤渓太


スタメン
#0335


交代
後半9分 28脇坂泰斗→16長谷川竜也
後半16分 8阿部浩之→9レアンドロ・ダミアン
後半34分 11小林悠→20知念慶


リザーブ
GK
24安藤
DF
2登里
4ジェジエウ
MF
22下田


試合内容

 ACL圏内に入るためには負けられない試合。今年最後のホームゲームの相手は首位を走る横浜Fマリノスだ。

 試合が動いたのは前半8分。ティーラトンのスルーパスに抜けたマテウスが守田を振り切りエリアに侵入。折り返しを仲川が押し込まれ先制を許す。その後は、建て直しマリノスゴールに迫るもGK朴一圭を中心としたDF陣を崩せず。同点ゴールが奪えないまま前半を1点ビハインドで折り返した。
 後半の頭から同点ゴール奪いに行きたかったが、同4分。松原のスルーパスに抜けたエリキに決められ2失点目。さらにその20分後には、中盤にボールを失うと仲川のクロスから再びエリキにネットを揺らされ3失点目。その5分後に、途中出場のダミアンが決めて1点を返したが、試合終了間際にふたたびボールロストから最後は遠藤渓太にゴールを許し4失点。
 試合はこのまま1-4で終了。首位を走る相手に打ち勝つことは出来なかった。

__________________________________________

感想

 両チームが上位に位置しての神奈川ダービーは、終わってみれば完敗の一言だった。選手の質もそうかもしれないが、やっているサッカーに大きな差があるように感じたのは筆者だけでは無いはずだ。「前から奪いに行こう」としたフロンターレに対し、マリノスは盤面をひっくり返す手法を用いてきた。前半に一度は盛り返したのものの、その勢いのまま臨んだ後半開始早々にあっけなく失点。後は、マリノスの破壊力の前に為す術無く散っていったのだった。


前プレの反作用

#0336

 まずは先制点を許したシーンから見ていくことにする。マリノスによる自陣でのビルドアップに対し、フロンターレは前から奪いに行く動きを見せた。当然のように人に付いていくフロンターレだが、全てが後手に回っていったのだ。無理に食い付いたことによって、マークのズレが生じ、左サイドに居たティーラトンがフリーになっていた。彼のようなキックの上手い選手に、アレだけのスペースと時間を与えれば質の高いボールは配球されるわけであり、完璧なスルーパスがマテウスの下に届く。そして守田との1対1を制してエリア内へと侵入していったのだ。
 本来なら守田が剥がされた場合、別の選手が迅速にカバーに行くようなシーンだが、プレスによるズレは守田の隣にいたCBの山村にまで影響が及んでいた。田中碧が扇原に釣られ、その後ろにいたマルコスに対して山村が釣られたからである。なんとか山村は必死に追いかけるが、一歩及ばず仲川へパスが通りネットを揺らされてしまったのだ。
 このように前から行って失敗し、自陣に撤退する前にフィニッシュまで持って行かれるシーンは多く見られた。全てが逆手に取られ続ける。今まではどうにかカバーできていた部分も、マリノスのように選手の質が高く、やっているサッカーのクオリティが高いチームにはボロが出てしまったシーンとなった。


偽SBの真骨頂

 前半の途中から守備ブロックを下げて対応したフロンターレ。なんとかマリノスの攻撃を防ぐも、奪ってからスムーズに攻撃へと繋げるシーンが多くなかった。それでも、徐々に押し込む展開を増やて是前半を終えた。「さぁこの勢いでまずは同点に」という調子で臨んだ後半頭に追加点を許した。スローインからの流れで、フロンターレの選手の切り替えが遅かったこともあるが、このシーンがマリノスの肝となる部分が見えたと感じる。

#0337

 喜田から扇原へとボールが渡り、大島がピッチ中央でどっしり構える格好になった。マルコスに渡りそうならパスコースを切れば良いし、扇原が突っ込んで来たら止めればいい。大島の意図はそんな感じだっただろう。しかし、ここに待ったをかけたのは、右サイドバックの松原だった。扇原が前を向くなりスプリントをかけて大島の脇に侵入。フリーでボールを受け、守備に戻ってきた阿部を剥がし、フロンターレDFの背後にあるスペースにパスを出したのだ。
 このように空いたスペースがあれば、本来外に開くはずのSBが内側へと入ってくる。これがポステコグルー監督が就任してからのマリノスの十八番であり、常に数的優位を生み出せる秘訣だ。フロンターレの選手も「頭では分かっていた」だろうが、これに順応できなかった。


”ポジショナルプレー”という名の”黒船”

 川崎フロンターレは風間政権の4年半で、トメルケルを学び独自のポゼッションを確立した。これが世に言う「和式」という形になる中で、それに鬼木監督が即時奪回を植え付けた。この結果、曖昧だった守備ベースが確立され、2度のリーグチャンピオンに輝くこととなる。この戦術がJリーグ内で長く続き、「大フロンターレ時代」を築きあげていくはずだったに違いない。

 だが、Jリーグにも変化は訪れる。自陣でのパス回しを巧に行なうチームが増えてきたのだ。その中でも、際立っているのが、堅守からポゼッションサッカーに意向した横浜FMだろう。欧州でもトレンドの一つと言える、ポジショナルプレーをポステコグルーがJリーグに持ち込んだことで、「大フロンターレ時代」の勢力図は一転したのだ。
 この試合で、その差を見せつけられたフロンターレの選手、スタッフ、サポーターは衝撃を受けたに違いない。まさに、黒船が来港したときに衝撃を受けた当時の日本人と同じ感覚だったはずだ。少なくとも筆者は、その眼前で起こる出来事に驚いてばっかりだった。

 さて、黒船がやってきたことでフロンターレに迫られる選択肢は二つ。「このままこのサッカーを続けるのか」、それとも「今から脱却し変わっていくのか」だ。筆者としては、このままではいけないと危惧している。それは試合後の選手のコメントにも出ていた

「フロンターレにも素晴らしい選手がたくさんいるし、マリノスにもすばらいし選手がいる。ただ特徴が違うだけで、だからこそグループでそういう相手にどう戦って行くのか。より組織的なチームがJリーグでも増えてくる中で、自分たちも個に頼るより、どうやってゲームを進めて行くか、どうやって守るかはやっていかないといけないとここ最近は感じているので、難しいことはありますけど、チームとしてもう1回やらないといけない」



 この田中碧の言葉が全てだと感じる。ピッチに立つ選手が警鐘を鳴らしてくれているのだ。となると、ここから変えていく必要は十分にあるはず。「川崎の夜明け」が近くなることを祈るばかりだ。



総評

 間違い無くフロンターレの時代は今年で終わったと思う。このままマリノスがJ1優勝となれば「ポジショナルプレーの価値観」が益々高くなり、ポゼッション志向のチームは今後も増えていくはずだ。例えそう変化しても、今のスタンスを貫こうとするならば、フロンターレはJからも置いてかれる一方になるだろう。同じ県に本拠地を構える相手から得た「教訓」を”クラブ”には理解してもらいたいし、この敗戦は活かすべき敗戦だと感じる。
 ただ、「負けた」で終わるのでは無く、突きつけられた現実を糧に次のステップに進んで欲しいところだ。







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