た行(作家名)

2007年05月10日

お兄ちゃんと一緒 vol.1〜6

【白泉社・時計野はり】

幼い頃に両親を亡くし、たった一人の肉親だった祖母も亡くした少女の元に、いきなり四人の兄が現れて…という、ドキドキ一つ屋根の下ラブストーリー、ですかねぇ。
覚えていないほど幼い頃に別れた、血は繋がっていない個性的過ぎる四人の兄と、しっかり者っぽいけどちょっと短期で涙もろい少女とのやり取りは非常に微笑ましいです。
長男の女装も毎回気になりますしね。板についていて素晴らしいです。
だいぶんクライマックスに近付いてきているようですし、まだまだ気になります。次巻の発売が待ち度美味しいです。
感想短いですが、オススメ。ですよ。結構お気に入りですしね。

≪個人的評価:星4コ…半≫

2007年04月19日

もしかしてヴァンプ(文庫版) vol.1〜5

【白泉社・橘裕】

単行本の方も持ってはいるのですが。ラストの再審書き下ろしマンガと冊数の少なさに惹かれてコチラを選択。したのですが、文庫版は絵が縮小されるので目が疲れてきてちょっと大変でした。もうちょっと考えればよかったですね。
話のほうは、ヴァンパイアの少年と、健康元気少女のバカップルマンガ、ですね。
幼少時のトラウマからホラーと、それに出演していた俳優に似ていることから少年を怖がっていた少女が。少年の優しさとひたむきさにほだされて付き合うようになって。少年がヴァンパイアであることから起こる障害を踏み越えながら絆を深めて愛情を深めてゆく、というお話。ですかねぇ。
基本的にひたすらバカップルでちょっとえっちぃマンガです。
作者さんの初期の頃からちょこちょこと描かれ続けられてきたお話なので。絵の変遷や話の作り方の変遷を見るのも楽しさの一つでしょうか。絵の方は、表紙と後書きが最新なので、なおのこと楽しめます。かなり変わりましたしね。
連載当初(読みきり)から今までずっと、好きなストーリーのひとつです。はい。

≪個人的評価:星4コ強≫

再読本

『HONEY〜君は輝ける星〜 vol.1〜9(白泉社・橘裕)』

以前の紹介は コチラからどうぞ。
ある作者さんのシリーズを読み出すと、別のシリーズも読みたくなる、というワケで。逃避も手伝って没頭してしまいました。
途中からオワリの予想がついてしまう話の上、甘々でベタ甘なのですが。嫌いではないシリーズですね。
基本的に、読み返したところで感想が変わるタチでも、深く読み込むわけでもなく、いつもと同じように“読みきった達成感”が重要だったりするので。目新しい感想が書けるわけでもないので。特に今回もこれといった感想はないですね。
ただ、やっぱりそれなりに面白かった、というくらいですかねぇ。
一応教師と生徒の禁断恋愛(かなりオープンなので禁断度は非常に低いですが)で、年の差恋愛で、ベタ甘で、ちょびっっとエッチくさい雰囲気のシリーズですので。好きな人には好きなお話でしょうねぇ。
微妙といえば微妙なのは、作者さんの自己ツッコミが多い、というくらいですね。雰囲気に合わなくはないですが、ちょっと多すぎる、かな。

≪個人的評価:星3コ半強≫


2007年04月18日

ガッチャガチャ vol.1〜7

【白泉社・橘裕】

男運の悪い少女と、女のコウォッチングが趣味の外見美少女中身は野獣な少女と。タチの悪い少女に惚れ抜いているダメ少年と、真面目な優等生で堅物な生徒会長と。の4人がメインの、複雑な友情や恋愛を描いた、一応学園ラブコメ、でしょうかねぇ。
非常に(最近の)作者さんらしいテイストで描かれているので、ヘタレはえらくヘタレですし、少女に対する視点がおっさんです(笑)。個人的にはそこが気に入っているのですけども。
野獣な美少女とその姉を軸に複雑に絡んでいた恋愛関係が少しずつほぐれてきまして。もうそろそろクライマックスに向かってる…んだろうという感じですかねぇ。
個人的には堅物で一見カッコイイのに実はただのヘタレな生徒会長がお気に入りなので、彼には頑張って欲しいです。あと、野獣な美少女の視点は共感できる部分もあるので、彼女にもこれからも突っ走って欲しいです。
隔月刊行雑誌での連載ですので、順調に進んでも時間がかかるのが泣き所ですが、頑張って完結させて欲しいシリーズです。はい。

≪個人的評価:星4コ≫

2007年03月28日

天国の花 vol.1〜6

【講談社・稚野鳥子】

一途な純情少女と、シスコンで傍若無人な少年とのラブストーリーです。結構濃い愛情や歪んだ愛情が描かれてますが、絵柄とキャラは少女マンガといってもいいくらい可愛らしいです。
話の最初の頃はあまり好みではない流れなのですが、後半から最後の流れは好きですね。記憶をなくしたまま少女と再会した少年が素直に少女に気持ちを表現するのが微笑ましくて。最初の頃の、素直になれなかったり自分の気持ちに気付いていない少年が後から可愛くなってきます。
内容の重さはあるのに、あまり長くもならずに完結しているのも個人的に好感度大ですね。
久しぶりに読んだら面白かったです。はい。

≪個人的評価:星3コ半≫

2007年03月08日

しましまえぶりでぃ vol.1〜4 他計10冊

【朝日ソノラマ・TONO(うぐいす姉妹)】

しましまえぶりでぃは、作者さんと作者さんの妹さん(うぐいすみつる)のお二人で描かれている、とてもステキで楽しい猫との暮らしが描かれた猫漫画です。移り変わってゆく様々な猫との、それぞれ個性的な猫との暮らしはどれも宝物のような感じなのが良く伝わってくるお話ですね。そして、猫飼いとして共感できる部分が多くて。あぁそうやって遊ぶよね、と思いながら読んでしまう所が多いです。いい単行本です。
その他は。ちょっと怖いエッセイが収録された『よからぬ話 vol.1,2』と。お父さんや周囲の方のお葬式について赤裸々に、ちょっと面白く描かれた『おれたちの葬式本』と。ちょびっとエッチな話について赤裸々に楽しく描かれた『けしからぬ話』と。うぐいすみつるさんの読者投稿のエッチなエッセイ『ピンクのお部屋』と。
新しく連載がスタートした『新・しましまえぶりでぃ』の1巻、の計10冊になってます。
どれも作者さんらしいノリの日常エッセイですね。大体楽しくて面白いですが、『よからぬ話』は作者さん達の体験エッセイがメインで、読んでると背筋が寒くなるお話が収録されてますので怖いお話が苦手な方は避けてくださいませ。っていうくらい、怖かったです。霊感があるって怖いですね。
とりあえず。猫好きさんには『しましまえぶりでぃ』オススメです。思わず猫飼いたくなります。きっと。

≪個人的評価:星4コ強≫

2007年03月06日

犬童医院繁盛記 vol.1〜3 他計5冊

【朝日ソノラマ・TONO】

先日の『カルバニア物語』から“TONOさん祭り”開催中です。猫エッセイ、その他エッセイ、ファンタジー、ギャグと、どれもページ数は短いながら幅のあるお話を描いてる方で。どれも面白くて好きです。特に猫エッセイが個性的です。その内紹介しますけども。
今回のコチラは、ファンタジーギャグ、かな。14歳の少年が医者として病院を経営するお話です。が、まぁ、ギャグですね。その面白さを表現する上手な言葉が思いつかない自分の語彙の少なさが恨めしいですが、とても作者さんらしいステキな設定と展開とオチで、素晴らしいです。
連載なのですが一話完結で、終わりも微妙なのですが、それももうそのままでも全然構わない感じのほったらかし感がとてもステキなお話です。
他2冊は『博士の魚たち』と『薫さんの帰郷』。短編集で、やはりどれもこの方独特のセンスに満ちたお話ばかりです。
5冊とも初期の頃ですが、あまりソレを感じさせないですね。まぁ、絵の雑さは今以上ですが。しかしそれも味にしてしまっているので、個人的には気になりませんでしたね。
好きです。

≪個人的評価:星4コ≫

2007年03月04日

ダスクストーリー vol.1,2 他計3冊

【集英社/白泉社・TONO】

独特な色彩センスが遺憾なく発揮されている表紙と、個性的な設定と展開も遺憾なく発揮されている内容と。本当に作者さんらしい一作、です。
他、というのは『カレンのファスナー』というタイトルのオムニバスストーリーなのですけれども、こちらも作者さんらしい設定とキャラとギャグやオチに満ちてます。素晴らしいです。
『ダスクストーリー』の方は、霊や他人の強い思いで形作られる幻想が見える力を持った日系の少年と彼の養父母や友人との暮らしや、霊との関わりやそれによって知り合った人々とのお話などが描かれています。不思議な力を持つ、というのはとても大変だと思いますし怖いこともたくさんあるのでしょうがそれだけじゃなく素晴らしいことも楽しいこともあるし、だからといって他人と付き合うのが大変なわけでもないよ、という感じの内容になってますね。この作者さんにしては少々シリアス成分が多いですが、それでも作者さんらしい表現も多く含まれていますし、何より重過ぎない展開で非常に読みやすいように思います。
『カレンのファスナー』も読みやすくて面白いです。この方は短編の方がむしろ描きやすいのかな、とも思いますしね。短くてもちゃんと面白く読めるのでイイです。よ。

≪個人的評価:星4コ≫

2007年02月26日

砂の下の夢 vol.2

【秋田書店・TONO】

新刊が出ました。が、まぁ、相変わらず。ですね。あまり目新しい展開もなく、今回も基本の設定のまま、でした。
が、何となく何かが面白いんですよねぇ。キャラの性格がどのキャラも個性があっていいですし。簡単そうな、ある意味では雑な絵ですがそれなりに雰囲気出てますしね。
これから何か目新しい設定が出てこなくても、何となく読み続けたいシリーズです。はい。

≪個人的評価:星3コ半≫

2007年02月18日

BASARA vol.1〜28

【小学館・田村由美】

ちょっと前から読み返したかったのですが、読み出したら止まらないのが目に見えていたので、何も予定のない今日まで読み返せずにいたシリーズなのですけども。
ようやく読みました。お昼過ぎから、合間にちょこちょこと用事を挟みながら、結構な時間をかけましたが読破。しました。スゴイ達成感でイッパイです。
カテゴリを恋愛モノにしていいのかちょっと悩みましたが、まぁ間違ってもいない気がしたので。でも少女マンガ、というよりはちょっと年齢高めの方のほうが面白く感じられる話ですよね。男性が読んでも面白いかとも思いますし。
連載投じは人気方か交野で知っている人も多いとは思いますが。軽く説明しますと。
一度文明滅んだ後、荒れた大地になってしまった日本を圧制の元支配する王制を倒そうと頑張る、人を導くと予言された少女と。王の末子として生まれながらその王家に災いをなすと予言された王子との。愛憎が複雑に絡み合った恋愛と。より良い暮らしを求めて少女の元でともに戦う人々などを描いた、ファンタジーロマン、な感じでしょうか。
最初の頃は互いの素性を知らずに惹かれ合ってゆく二人にハラハラし、途中からは互いの本当の姿を知った二人の行く末にハラハラさせられながら。二人を取り囲む周囲の人々にホロリとさせられたり軽く笑わせられたりしながら。深くて思いお話なのですが、どんどんぐいぐい引き込まれて。気が付くとスゴイ長い時間が経過している、というオソロシイお話ですね。
本当に面白いんですけども。何度読んでも面白いです。
相変わらず、紀州の二人と群竹さんの絡みとかに笑ってしまいましたし。揚羽も相変わらず憧れのお兄さんですし。茶々姐さんもウットリです。
オススメ、するまでもないお話ですが、オススメです。一日空いてるときに、ですけども。

≪個人的評価:星5コ…弱≫

2007年02月16日

カルバニア物語 vol.1〜10

【徳間書店・TONO】

一部の女性向け、な雑誌に連載されてはいるのですが、このお話は別に同性愛モノではありません。女王とかお城とか貴族とかドレスとかがいっぱいの、中世っぽいけど微妙に現代の世相も反映されてる感じの、ファンタジーモノです。
主人公は、一見男装の麗人なのに中身はケモノっぽい、だけどドレスアップするととっても美女な貴族の一人娘で。友人で乳姉妹で本当の女王様や、父親、友人らと楽しく暮らしたり。女性が進出できるようにはなってきたけどまだまだ根強い男尊の思想に懸命に抗っていたりするお話。です。
こう書くとシリアスっぽいのですが、基本はギャグです。結構笑えます。テンポが独特なのですが、間とセンスが絶妙で。個人的に好きな方ですね。
ただ、絵は大雑把なので、それがダメな人には難しいかもしれません。キャラも背景も設定も大雑把で、線も洗練されてるはずもなくて。全体的にキレイとは言いがたいのですが、個人的にはソレこそがこの方の魅力だと思ってます。
イイです。特にハゲが。ハゲの集団が。あと、男ばあやとか。非常にツボです。何回読んでも笑えます。
連載雑誌が隔月の為、刊行ペースはとても遅いのですが、ようやく終わりが見えてきたかなぁ、というところ。先が楽しみなシリーズです。

≪個人的評価:星4コ半≫

2007年01月31日

WORKING!! vol.1〜3

【スクエアエニックス・高津カリノ】

北海道某所に存在するらしい、ちょっと変わったファミレスで働く人々を描いた、Webで大人気の4コマが単行本化されたもの。です。
相方が面白いよ、といって購入してきたのですが、確かに面白かったです。ありふれていると言えばありふれている気もするのですが、キャラ立ってます。おかしな人ばっかりです。そして働いてません。
チビッコ童顔キャラとか、主婦業に疲れている少年や、男嫌い過ぎて近づいた男性を殴ってしまう少女とか、ヤンキー上がりで食べてばかりで働かない女性店長とか…とにかくどのキャラもイイです。
つい、自分の周辺を振り返ってしまうような、設定としてはありがちな感じなんですけどね。そんなキャラたちを上手に描いてます。話のテンポや盛り上げ方も上手です。絵も可愛いけど読みやすいですしね。
面白いです。オススメです。

≪個人的評価:星4コ強≫

2007年01月16日

無頼猫 vol.1,2

【新書館・高野宮子】

個人的にはこの作者さんは、ギャグやコメディの才能が素晴らしい方だという認識なのですが。このお話はシリアスです。ただし、猫を多少擬人化した上での猫の目線でのお話なのですけどね。
多少、というのは。たまに飼い主の人間が出てきた時に猫本来の姿で描かれたりもしているから、です。大半は擬人化した姿で、猫の爪などの武器を刀に見立てて描いたりしているところなどは素直に尊敬しました。
基本の時代設定がちょびっと昔だからか、飼い猫であっても外で遊ぶのが当たり前のように描かれてます。野良猫は言うに及ばず。事由に、縛られることなく暮らす猫たちをそのままに描いていながら叙情的でリリカルで。
猫は猫のままなのに、猫の視線に少しだけ近づけるような、そんなお話かな、と。思います。
終わり方もキレイで、良くまとまったいいお話だと思います。重さも丁度良かったですしね。

≪個人的評価:星4コ強≫

2007年01月07日

IWAMAL 岩丸動物診療譚 vol.1〜9+1

【小学館・玉井雪雄】

犬や猫などの小動物から象やサイ、果ては肉食獣まで、あらゆる症状の動物を治す獣医が世界中を駆け回っていろいろな動物を治す、というお話。なんですけれども。扱っている動物や症例が、とにかく普通じゃなく。なのでもちろん、主人公のキャラも普通じゃないです。
登場の仕方もすごかったですが、知識も半端じゃないこの主人公は、『世界中のあらゆる動物は一枚布を形成するように関わりがあり、だから自分は人間を生かすために獣医をしている』というポリシーの元に仕事をしている、というのがまたすごいです。描いている方の知識もすごいなぁ、と普通に感心してしまいます。
動物の生き死にをぼかすことなく描くので、苦手な方にはきついかもしれませんが、勉強できるお話ですよ。
人間と動物、特にペットとの接し方も客観的に描かれていて。身につまされるところは多いのですが。ともすれば重暗くなりそうな設定のお話を、助手のドジな新米獣医の女性キャラを落としどころにしたりして一息つかせてたりもしてますので、読みにくいということもないですし。
面白くてためになる、いいお話です。ホント。

≪個人的評価:星4コ≫

2006年11月12日

セーラー服にお願い! vol.4

【白泉社・田中メカ】

最終巻、出ました。スッキリ短く気持ちよく、ですねこの方のシリーズ。個人的に、とても嬉しいです。長いシリーズだと続きも終わりも気になってしようがないのです。
相変わらず恥ずかしくなるような恋愛描写が入ってますね。クライマックスですしね。ここの出版社は安心して読めるのが救いですが。
基本設定の辺りはきちっと丸く収まりまして、本当にスッキリなのですが。ただ。一つだけ気になるのは、黒い狛犬さんが時を取り戻して消えて罪を償いに行ってから人間界に戻ってくるまでが短すぎる気が。しかも、6年後に16歳? あれ? そしてオマケマンガなどでもフォローなし、でしょうか。見逃してるだけでしょうか。かなり、気になってます。
が、まぁ、そこを除けばいい感じで終わったと思います。恋愛描写の雰囲気もいいですし、合間に絶対入るギャグのセンスも大好きです。今巻でも、クライマックスなのにかましてくれてます。ステキです。
それに、おまけマンガで九尾の狐さんと主人公の友人とのその後も覗けましたしね。それもいい感じでした。よ。
とりあえず、近い内にまとめて読み返して、感想書けるといいなぁと思ってます。
新連載も期待して待てる、数少ない作家さんの一人、です。オススメ。

≪個人的評価:星4コ≫