住宅ローン

フラット35S

フラット35Sについて。フラット35S(優良住宅取得支援制度)とは、フラット35を申し込んだ人が、省エネルギー性、耐震などの要件を満たす住宅を取得される場合に、次のとおり、金利の引下げを受けることができる制度です。

フラット35S(中古タイプ)  当初10年間 年率1.0%引下げ
フラット35S(20年金利引下げタイプ) 当初10年間 年率1.0%引下げ
11年目以降20年目まで 年率0.3%引下げ

長らく日本ではさまざまな金融商品が発売され、そのサービスの多様性は世界的に見てもかなりのものだといわれてきました。
そんな金融商品の中にあって、特に大きな話題を生んだ、いわばヒット商品。
それが、住宅ローン商品のひとつ「フラット35」です。

フラット35は、住宅金融支援機構が証券化支援事業として行っているローン事業であり、それを基にして民間金融機関が提供を行っている長期の住宅ローン商品です。
フラット35が生まれたのは、2003年10月のことでした。
今でこそ、フラット35は住宅ローン商品として高い人気を誇りますが、実は発売開始直後はあまり人気がなく、契約件数はかなり伸び悩んでいたそうです。

フラット35の需要に転機が訪れたのは、2006年。
1999年に始まったゼロ金利政策が、アメリカの同時多発テロ事件の影響で伸び、ようやく解除された年です。
これ以降、金利推移が不安定になり、住宅ローンの金利がどう動くか予測が難しくなったことから固定金利タイプに人気が集まるようになり、長期固定型のフラット35も徐々に契約が増えていったようです。
それ以降「フラット35」の名称が浸透していき、人気商品になっていきました。

フラット35が生まれたことで、住宅ローン返済の際にも金利推移の動向をほとんど無視できるようになり、比較的安心してマイホームを買えるようになったという意味では、この制度は住宅の売買件数に少なからず影響を与えたといえるでしょう。
非常に大きな意味を持つ金融商品です。

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フラット35 金利推移

フラット35の金利推移について。フラット35は、長期固定金利です。
ただ、固定金利だからといって、フラット35自体の金利推移がずっと同じというわけではありません。
あくまでも、契約した人がずっとその金利で住宅ローンを支払っていくということであって、金利推移自体は変動しています。
そのため、できれば金利が低い時期を狙って契約したいと、誰もが考えることでしょう。
そのためには、契約前の金利推移を読み、今が下がり目なのか、上がり目なのかを判断することが、マイホーム購入、住宅ローン利用のタイミングを決めるひとつの指標となるでしょう。

フラット35における金利推移を見る場合、銀行とノンバンクや信用金庫等では少々傾向が違います。
また、同じ銀行でも、都市銀行と地方銀行とでは傾向が異なります。
では、まず銀行に関して見ていきましょう。

都市銀行の金利推移は、2007年〜2008年には非常に安定していました。
最高金利と最低金利の差が少なく、平均の推移も上下動が少なく、3%前後で推移していました。
2009年になると、最高金利が跳ね上がり、約4%まで上昇しましたが、2010年10月に一時ゼロ金利政策が行われることを機に、全体的に低金利となりました。
しかし、それが終わると徐々に上昇に転じています。

地方銀行の場合は、都市銀行の推移と比べると、かなり最大と最小の差が小さいことが特徴です。
これが第2地方銀行になると、さらに小さくなります。
ただ、2010年のゼロ金利政策解除以降は、やや最高金利が大きくなっています。

銀行の金利推移と比較し、ノンバンクや信用金庫等におけるフラット35の金利は、それぞれの金融機関において、各機関間における金利の差が激しいことが推移から見て取れます。
これは、ゼロ金利政策などの影響に関係なく、フラット35発足時から変わりません。
では、そんなノンバンク等の金利推移を見ていきましょう。

まずは、信用金庫です。
ノンバンクの住宅ローンとしては、利用者数が多い部類に入る信用金庫ですが、その最大の特徴は、最大金利が高いという点になります。
2010年の春頃までは、ずっと3.5%〜4.0%の間で推移しており、同期間における銀行の住宅ローンの最大金利と比較すると、やや高めの数字で推移していました。
しかし、2010年の春以降は、3.0〜3.5%くらいの推移で落ち着いています。
また、最低金利は都市銀行の金利とあまり変わりません。
基本的に、上下の差は大きく、推移の上下動は少ないのが信用金庫の金利の特徴です。

一方、労働金庫や信用組合、ノンバンクといった融資先の場合は、最高金利と最低金利の差がかなり少ない金利推移となっています。
ただ、推移が安定しているかというとそういうわけでもなく、信用金庫よりかなり短期での上下動が激しく、変動しやすいのが特徴です。
2007年以降の最大金利と最低金利の差は1.5%以内で収まっているものの、わずかな期間で何度も上下動を繰り返す時期は何度もありました。
そういう意味では、必ずしも安定はしていないことがわかります。
そうした点も、住宅ローンを組む場合の参考にしてみてはいかがでしょう。

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住宅ローン つなぎ融資

住宅ローンのつなぎ融資について。金利推移が動いている状況で住宅ローンを組む場合、そのタイプによってはリスクが生じる可能性があります。
金利固定型であれば、その後金利推移が上昇しても、契約当時の金利のままで支払いが可能です。
ですが、極めて短期間で金利の見直しが行われる変動金利型等で契約を結んだ場合は、気が気でないというのが正直なところですね。
場合によっては、金利の上昇を理由に、驚くような金利に変動させる悪徳業者もいないとは限りません。

そういった状況である程度リスクを軽減させるには、慎重なプラン選びが必要となってきます。
特に、安全面を考慮した場合は、公的融資等の住宅ローンが有効といえるので、そういった金融機関を軸に選ぶ必要があるでしょう。

ただ、公的融資等の安全な融資を受ける場合は、ひとつ問題があります。
住宅ローンを申し込んでから、実際に融資が行われるまで、時間がかかることが多いという点です。
もしマイホームができ上がった時点でもまだ融資が始まらないと、購入が間に合いません。
そこで「つなぎ融資」という制度が有効となってきます。

つなぎ融資というのは、こういったケースにおいて、本命の融資先が融資を開始するまでの短期間に別の機関から受ける融資です。
これを利用すれば、融資までに時間がかかる機関であっても安心して選択ができます。
住宅購入時にそのお金を支払うタイミングは三つあり、まず建築請負契約が成り立った時点で頭金、すなわち手付金を支払い、次に棟上が終わったところで中間金を支払い、最後に住宅の引渡しの際に残りを支払います。
この最後の段階でもまだ融資がなされない場合は、つなぎ融資が必要です。

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返済方法

返済方法について。ローン返済を行う場合には、どのような返し方をしていくかということも重要となってきます。
というのも、返済の方法次第で支払い総額も変わってくるからです。
そこには当然、金利推移も関わっています。
金利が変化しない固定型であれば、基本的には返済額に変動はありません。
ですが、金利推移が動く状況であれば、返済期間によって返済額が変わってきます。
住宅ローンの場合、元の額が大きいこともあって、その変動額もかなりのものです。
その点を踏まえた上で、返済方法を考えるようにしましょう。

住宅ローンの返済方法としては、主に二つがあります。
ひとつは「元利均等返済」 。
もうひとつは「元金均等返済」です。

元利均等返済は、返済する毎回の額を一定の金額に設定する返済方法です。
多くのローンの場合、この方法が選択されているのではないでしょうか。
月々の支払い額が同じなので、基本的に返済計画が立てやすく、負担が少ない返済方法です。

一方、元金均等返済は、利息を含まない返済元金を一定にするという返済方法です。
よって、毎月の返済額は金利の変動に左右されます。
そのため、月々の支払いが一定の額になるとは限りません。

一見、元利均等返済の方が良いように見えますが、実は双方にメリット、デメリットがあります。
元利均等返済と比較し、元金均等返済は支払い額が不安定で計画が立てにくい一方で、金利の総額が少なくて済みます。
よって、返済総額は少なくなる可能性があります。
安定した返済か、後々楽になる返済か、どちらかを状況によって決めると良いでしょう。

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複利

複利の計算について。住宅を購入する際には住宅ローンを組む人がほとんどかと思いますが、この際に重要になってくるのが返済計画です。
完済までどれだけの総額が必要か、そしてどれだけの年月が必要になるのか、またひと月あたりの返済額がいくらに設定されるのか。
こういった計画をしっかり立てられれば、その後の日常生活にも支障がなくなり、健全な状態で返済していくことができるでしょう。

その返済計画を立てる上で、鍵となってくるのが金利です。
もし、住宅ローンを組んだ時点で返済総額が決定していれば、計画を立てることは非常に容易ですが、そうとは限りません。
多くの場合、金利が変動するプランが選択されていますから、ローンを組んだ時点では、まだ返済総額は確定していない状態でしょう。
その場合、返済計画は「見越しの計画」となります。
つまり、今後金利の割合がどうなるのかを見越しつつ、おおよその額を算出して計画を立てるということになるのです。

見越し計画の際に行われる金利の計算は、金利の種類によって異なってきます。
最も厄介なのは、その金利が「単利」か「複利」かです。
あまりローンや金融商品に詳しくない人は、つい金利のパーセンテージのみを注視しがちですが、この単利、複利という点も非常に重要な要素となります。

単利とは、利息に対し元金を組み入れない方式です。
それに対し、複利は利息に対し元金を組み入れる方式で計算を行います。
例えば、元金が100万円で、年利5%とします。
この場合、年間にかかる金利は100万円×5%=5万円です。
以降、単利の場合はそのまま2年で10万、3年で15万、10年で100万円となります。
一方、複利の場合は、2年目から1年前で増えた分も含まれるので、2年目は105万×5%=52,500円となり、以降もどんどん増えていく割合が増加します。

金利推移を見ていくと、単利は直線のグラフで書けますが、複利の場合は曲線のグラフになります。
住宅ローンの金利推移を見る場合は、その線の形状にも注意をしておくと良いでしょう。

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フラット35

フラット35について。フラット35の特徴は、当然ながらその「35」の部分に集約されます。
この35の意味は、最長35年ローンであることを意味しています。
住宅ローンにおいて、生活レベルを落とすことなく支払いをして行く基準といわれるのが、20年〜35年という数字です。
これらの期間において支払いを行っていくことで、定年までの間に住宅ローンを完済しつつ、生活水準を保てるということがいわれています。
つまり、フラット35というのは、一世代で完済できる範囲のマイホーム購入に対しての住宅ローン商品というわけです。

もちろん、ただの35年ローンというわけではありません。
フラット35は、この期間において金利が固定される長期固定型の住宅ローンとなっています。
また、この他にも、保証料不要、繰上げ返済手数料不要と、必要コストをかなり省略できる制度となっているのです。

何より大きいのは、20〜35年という長期の間、金利が固定されるという点でしょう。
ただ、このフラット35が誕生したばかりの頃は、それが逆にネックとなっていました。
当時はゼロ金利政策真っ只中で、低金利時代でした。
つまり、もしこのゼロ金利政策が続けば、金利が固定されるメリットがあまりなく、金利自体の設定数値が高めになる分、むしろ損をすると考えられていたのです。
当初敬遠されていたのは、それが一番大きかったようです。
ですが、その後にゼロ金利政策は解除され、金利推移は変動するようになりました。
そうなってくると、35年という長期に亘り、金利がどう動くのかという金利推移の見通しを立てることが困難な中で、ずっと固定であるというメリットはかなり大きく、人気商品となっていったのです。

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自己資金

住宅ローンの自己資金について。資金計画を立てるにあたり、マイホームの購入代金の全てを住宅ローンに充てる必要があるかというと、実はその必要はありません。
もし、ある程度まとまった資金がある場合は、それを当初に支払い、残りを住宅ローンにするという方式が可能です。

そもそも、マイホーム購入にかかるすべての資金を住宅ローンにすることはできなかったりします。
少なくとも、頭金と諸費用は自己資金で賄う必要があります。
ただ、それ以外の資金に関しても、自己資金である程度負担した方が返済額が少なくて済む分有利です。
自己資金による支払額が多ければ多いほど、金利がかかる元金が減り、その分コストも減るためです。
そのため、全額は無理でも、何割かは自己資金で支払ってしまう方が購入にかかるコストは少なくて済むのです。

では、マイホーム購入資金のうち、自己資金で賄うパーセンテージはどれくらいが妥当なのでしょう。
一般的には、トータル額の30%が目安といわれています。
残りの額は、住宅ローンで融資を受けて返済していく形を取るのが一般的です。
よって、マイホームを購入する場合、まずはその購入代金の30%を貯める必要があるというわけです。
この数字は、金利推移の変動による負担の増加や、一般のサラリーマンがある程度の年齢にさしかかる時期に貯められる金額などを考慮した場合に、これくらいの数字が妥当だということで算出されたパーセンテージです。
そのため、場合によっては20%でも40%でも構いませんが、少なからず自己資金は必要ということは覚えておく必要があるでしょう。

金利推移がどのように変動していくかにもよりますが、できればある程度自己資金の割合が多い方が、後々苦労せずには済みます。
一刻も早くマイホームを手に入れたい場合は、住宅ローンの割合を多くして、購入時期を早めても良いでしょう。

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長期固定金利

長期固定金利型住宅ローンについて。変動金利型とは対照的に、金利が動かないことを原則としたものが長期固定金利型となります。
基本的に、当初契約した金利から数字が動かないので、住宅ローンを組んだ時点で金利、そして支払総額が決定します。
この特徴がそのまま長期固定金利型のメリットといって良いでしょう。

長期固定金利型は、会社やプランによってやや内容や名称が異なることがあります。
例えば、何年返済にかかる場合でも、一切金利が動かない場合は「完全固定金利型」等という名称で用意されているケースがあります。
また、それに近い契約内容の場合は「超長期固定金利型」等と呼ばれることもあります。

長期固定金利型のメリットは、返済計画の立てやすさにあります。
返済総額が決まっているので、後はそれをどれだけの年月をかけ、一度にどれくらいの額を返済するかを決定するだけでよく、非常にシンプルな契約といえます。
また、固定型の大きなメリットとして、金利水準を基にした金利推移に左右されない点もあります。
住宅ローンを組んで以降、景気が変わり、金利政策に変化が訪れた場合であっても、金利、そして返済額に変化がないので、世相を気にする必要がありません。

その一方で、固定金利型では設定される金利が高めとなるケースが多く見受けられます。
変動はしないものの、初期設定から高めになっているので、当初の支払いでは特に苦労する可能性があります。
この点はデメリットとなることもあるでしょう。
また、金利水準が低下し、全体的な金利推移が低下しても、契約のままに支払いを行う必要がある点もデメリットといえるのかもしれません。

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変動金利

変動金利の住宅ローンについて。金利の種類は多数ありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
それを全て把握した上で、どの金利タイプの住宅ローンを選択するかを決める必要があるでしょう。

まず、変動金利型ですが、最大の特徴は金利と返済額が定期的に、そして頻繁に変動していく点が挙げられます。
ただし、当初の5年間に関しては、返済額に変動はありません。
最初に決定した額に合わせて返済を行っていきます。
ですが、5年が過ぎてからは返済額にも変動が出てきます。

一方、金利に関しては、毎年4月1日、10月1日に見直しが行われます。
つまり、年に2回見直しが行われるということです。
これは、どの住宅ローン会社の変動金利型であっても共通の特徴となっています。

変動金利型のメリットは、当初の返済額が比較的少ない点が挙げられます。
そのため、収入が5年後に上がることが決まっている場合は有利といえるでしょう。
また、返済の途中に金利水準が低下した場合、金利推移が下がるという可能性もあります。

その一方で、デメリットもあります。
金利が頻繁に変動するということは、金利推移の頻繁な上昇もあり得るということです。
また、そういった変動も含め、返済開始時に返済総額が確定しない点も不安材料となるでしょう。
住宅ローンはかなり高額のローンですから、返済総額は非常に大きな額となります。
その中で額が確定しないとなると、将来しっかりと返済できるのかという不安が生じてしまうでしょう。
変動金利型は、金利水準が下落傾向にある場合に有効なタイプです。

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公的融資

公的融資について。基本的なこととして、住宅ローンの金利推移は全ての融資機関において同じ動きをするという傾向があります。
ですが、全ての融資機関が連動しているわけではありません。
マクロな金利推移でいえば同系統の動きを見せていますが、ミクロの動きを追えば、必ずしも全ての機関が足並みを揃えているとは限りません。
そのため、あちらが下がればこちらも下がる、というわけではないのです。
よって、住宅ローンの金利を学ぶ上では、漠然とした金利推移だけではなく、各融資機関の特徴を知っておく必要があります。
まずは公的融資を見ていきましょう。

公的融資というのは、厳密には「住宅ローン」の貸付を行っている機関ではなく、「住宅融資」を行っている機関です。
その代表格が「公庫融資」で、住宅金融公庫が融資を行っています。
住宅ローンと便宜上分類している融資の中では、最も知名度の高い代表的なローンですね。
金利が低いこと、固定金利で変動がないことが特徴で、非常に返済しやすい融資といえます。

また、「財形住宅融資」というローンもあります。
公的融資の中では比較的条件の締め付けが弱く、間口が広いのが特徴です。
変動金利なので、必ずしも最初に返済額が決定できるわけではないという点が注意事項でしょうか。

この他にも、「自治体融資」や「都市機構の割賦払い制度」といった、その地域独自の公的融資もあります。
母体が自治体や独立行政法人都市再生機構となっているので、地方の特色が金利にも出る公的融資です。
そのため、場合によっては「公庫融資」等よりも金利が低いケースもあります。

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