2009年04月08日

プロローグ〜桜のきせつ〜

性格は真面目な方。


内向的で人見知り。人の目を見て話すのが苦手。


すれ違う人の顔も見れない。


チャレンジ精神はなし。


新しいことを怖れる。変化を怖れる。


超保守。


プライドは高い。


他人に自分が傷つけられる事を極端に怖れる。


だから人と深く接することが嫌い。



これがストを始める前の僕です。



他人のヒソヒソ話が、全部自分の悪口に聞こえる時期もありました。


そんなですから、友人も少ないです。


女友達はいませんし、もちろん彼女もいませんでした。


それはそれは陰鬱な人生を歩んできました。


中学では苛められ、高校では後輩に馬鹿にされ。


挙句に家庭は崩壊してました。


その後の学校生活でも日々おどおどしてました。


楽しいことなど何も無い人生でした。



しかしながら、そんな僕にも1つの転機はありました。


20代の中ごろに、運よく彼女が出来たのです。


これで人生が変わりました。


幸せになれると思いました。


しかし・・・これは幼稚な恋物語でした。


彼女もまた僕と似た人種だったのです。


いや僕以上かもしれません。


彼女の他人に対する敵意は常軌を逸したものがありました。


お互い前を向かず、ただ傷を舐めあうだけの恋愛は数年続きました。



20代も後半に差し掛かり、


ある時から、僕は何かを変えたいと思うようになりました。


そして、その思いは日増しに大きくなっていきました。


何故か、その思いが強くなればなるほど、彼女の存在を疎ましく思うようになりました。


しかし、別れれば再び孤独が待っています。


なぜなら、


彼女がいたこと以外は、僕の人間関係は何も変わっていなかったのです。


いや、人間関係だけではありません。僕の精神もまた変わっていなかったのです。


僕はそこまでは気付いていませんでしたが・・・。



僕「(一時の孤独は怖いが、一度彼女も作ったし、またすぐに出来るだろう。)」


熟慮の上に出た浅はかな考えの下、別れを決意しました。


初めての別れですから、それはそれは情に絆されかなりの時を要しました。


晴れて僕は再び恋愛の自由を手に入れたのです。


輝かしい未来を夢見て、新たなスタートを切りました。



僕「新しい出会い。新しい彼女。そしてまたあのときめく感情。幸せな未来が待っている。」


そう信じていました。


しかし、僕を待っていたものは、そんな素晴らしいものではありませんでした。


孤独、苦悩、嫉妬、葛藤、後悔といったものばかりでした。



僕には人並みの恋愛能力など無かったのです。


恋人は全く出来ませんでした。


友人も全く出来ませんでした。



それでも時は残酷に流れていきます。


やがて30代が視野に入るようになりました。


このままで自分は大丈夫なのだろうか・・・。


幼稚な精神しか持たず、この上若さを失ったらどうなるのだろう・・・。


毎日が苦悩と葛藤でした。



時間が過ぎていくのが怖い。


怖い。


怖い・・・。


いっそ。


いっそ・・・死んでしまいたい。



そのように考えるようになりました。


それからはことあるごとに「死にたい。死にたい。」と思っていました。



しかし僕には「死ぬ勇気など無いのです。弱いのです。」


どんなに辛くとも、醜態を晒しながらも生きていくしか道はないのです。




絶望の日々は続きました。


そんな時に僕はある言葉、行為を知りました。


それが「ナンパ(スト)」との出会いでした。



ネットを閲覧していたら、偶然ある方のブログに辿り着いたのです。


内容を見ると、ナンパという行為をしていました。


彼は闘っていました。大きな逆境に抗っていました。


性格は僕とは違いましたが、その姿に心を打たれました。



僕は何もしていない。思い悩んでいるだけで何も行動していない・・・。

そう痛切しました。


その日から、彼の日記を見ることが習慣になりました。


当時はナン研など知らず、彼の日記だけを見ていました。



そして季節が変わる頃、僕は自分もやってみたいと思うようになりました。

それから少しずつナンパのことを調べて、知識を増やしていきました。


街にも行くようになりました。


しかし、他人の視線が痛くて、すぐに帰ってくる日々でした。


もちろん声などかけていません。


何もしてません。


空気を吸って、ただ歩いているだけです。


それでも、強い疲労を感じました。



日々地蔵です。いや、地蔵以前の問題ですが。

僕は、もちろんそれには気付いていません。



今日は調子悪い。


地元は人が少ないからやりにくい。


やりやすい場所が無い。


などと、出来ない理由を周りに押し付けていました。



何も出来ていませんが、無常にも時だけは過ぎていきます。


気持ちは焦りますが、相変わらずどうにもなりません。


僕の中で地蔵の壁は万里の長城をも凌ぐのです。



そんな日々が続いている中、


ネットで「ナンパ 地蔵」を検索していたら「地蔵脱出ナンパ塾」というものを発見したのです。


非常に興味をそそりましたが、法外な価格に信憑性の低さ。


僕は「こんなものに頼るなんて、男として失格だ。」と思いました。


変わっていません。プライドが高いのです。



次こそは、次こそは、明日こそは、明日こそは、と思い続けること更に数ヶ月・・・。


何も変わっていません。


過ぎていくのは時間だけです。


それでも意固地になり、まだ出来ない理由を外に求め続けていたのです。


しかし、頭の中にはあのナンパ塾がチラついていました。



そんな日々の中、またひとつの転機が訪れました。


知り合いの人が、東京へ泊まりで遊びに行くというのです。



知り合い「1人より2人のほうが、ホテルが断然安くなるんだ。一緒に遊びに行かないか?」


そう言われました。


僕は当然東京なんかに興味はありません。



僕「(高いお金を払って、東京へ言って何が楽しいものか。)」


そう思いました。



僕「行かないよ。」


にべもなく断るつもりでした。



しかし、その時にあることが頭に浮かびました。


「地蔵」です。



東京でナンパを実行するならば、


今まで地蔵の理由にしていたものの多くが、解消されることに気付いたのです。


金銭の出費からくるプレッシャーも、自分の追い風になると思いました。


絶対にいけると思いました。


今度こそ地蔵は終わり。


楽しい未来が待っていると思いました。



ただそれと同時に、


僕「(しかし、万が一のこともある。


いや、これで何も出来なければ、自分は本当のへたれだ。


いやいや、さすがに大丈夫だろう。


でも、もしこれで駄目なら・・・もはや自分の力ではどうにもできないだろうな・・・。)」


こんなことを思っている自分もいました。




このころ、僕の地元の桜は綺麗なつぼみをつけていました。



気が付けば、僕は1人で池袋に立っていました。知り合いとは別行動にしたのです。


気力は充実しています。


人は沢山いるし、ここは地元ではないので、誰の目も気にする必要は無いのです。


やりたい放題です。



カワイイ子が幾人も目の前を通過します(実際にはあまり顔を見れてはいないのですが)。


次々に通過します。



さあゆくんだ。


気持ちを鼓舞し一歩前へ。そして声をかける。



僕「こんにちは。」



「・・・。」



「・・・。」



「・・・。」



「・・・。」



「・・・。」




妄想です。



僕の足はアスファルトに凍り付いていました。


このうららかな春の日に、凍り付いていました。



桜が美しかったです。


花びらが優雅に舞い落ちていました。


しかし、その花びらの先には、日陰に座して俯いた僕がいました。


僕は下を見ていました。



そのまま7時間俯いていました。


次の日も8時間同じことをしていました。



もう何も言い訳はありませんでした。


僕は1人東京駅へ向かい、新幹線に乗り、あることを思い出していました・・・。



家についた僕は迷わずパソコンの電源を入れました。


ネットを立ち上げ、マウス操ります。


直に右手は動きを止めます。


僕はモニターを見つめていました。

 


その時、モニターに映っていた文字は、「・・・ナンパ地蔵脱出塾でした・・・。」

 


そして・・・

 


今日も僕は、知らない女の子に声をかけています。( kaba)

 


〜終わり〜



kabadream at 15:41│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by くろたん   2009年04月21日 14:24
目頭に熱いものを感じています。
KABA大先生にもこういう時代があったのですね。かつての自分と重なる部分が多く、あらためて努力して変わることはすごいことなんだと感じました。
2. Posted by kabadream   2009年04月28日 13:58
クロタソ様>共感していただきありがとうございます^^
今もそんなには変わっていませんが、昔はほんとにオタクでした。
河木さんやクロタソという素晴らしい仲間に出会えて、少しづつですが変わっていけて嬉しい今日この頃です。
今後も一層努力していきたいと思います。

そして決して原点を忘れず調子に乗らないように気をつけます。

今後ともだめなkabaをひとつよろしくお願いします☆

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