JANJAN 2007/03/13

 「ワーキングプア」「多重債務」「ホームレス」「生活保護」。これらは密接につながっており、個別に解決できるものではない。それぞれの分野の問題に取り組んでいるNPOや弁護士が、解決に向けて連帯した。

 路上生活者、ネットカフェに宿泊する若者など当事者たちに参加してもらい、東京・渋谷で24日大集会を開く。大集会を前に13日、日本弁護士会館(東京・霞ヶ関)で記者会見を開いた。

 記者会見で口火を切ったのは「サラ金問題」で新聞・テレビでもおなじみの宇都宮健児・弁護士。

 「全国で230万人の多重債務者がいて、そのうち20万人が自己破産し、8000人が自殺した。多重債務は格差や貧困の表現形態です。根本にあるのは貧困。こうやって(それぞれの分野が)連帯することが解決に結びつく」。

 大集会の開催を最初に呼びかけたのは「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠事務局長だ。「もやい」はホームレスの人たちに住宅入居、生活保護取得などの支援をしている組織だ。

 湯浅事務局長は「一人の上に、労働、住宅、福祉の問題が折り重なっている。ワクや分野を越えて取り組んでいこう」と連帯する意義を強調した。

 筆者も上野や隅田川などホームレスの現場を取材してきた。こうした各分野のつながりがないことには、ホームレス問題は解決しないと痛感していた。

 リストラに遭い、失業保険が切れたにも関わらず仕事が見つからない。貯金も底をついた。それで翌日からホームレスになるというわけではない。次ぎのような道を辿る。

 食いつなぐためにサラ金、闇金からお金を借りる→当然、多重債務者となる→地獄のような苛酷な取立てに遭う→それから逃れるために止むなく路上にはじきだされる。

 日雇い派遣は、収入が限りなく不安定であると分かっていながら、頼らざるを得ない。彼らの多くはネットカフェなどで暮らす。ちょっとでも病気をすれば稼ぎはゼロ円となり、ネットカフェにすら泊まることができなくなる。いつ路上生活者となってもおかしくない状況におかれているのだ。

 福祉事務所は、生活保護申請を《受け付けない》ことが“業務”だ。生活保護さえ出ていれば、多重債務者やホームレスにならずに済んだ人は数知れない。

 大集会呼びかけ人の一人、森川清弁護士によれば(写真下段・手前)「ホームレスの7割は借金を背負っている」という。

 「多重債務」「ホームレス」「ワーキングプア」はリンクしているのだ。

 「もうがまんできない!広がる貧困」と銘打たれた大集会は24日午後1時から渋谷区神宮前「東京ウィメンズプラザホール」で開催される。

 実行委員は赤石千衣子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事)、猪俣正(弁護士)、河添誠(首都圏青年ユニオン書記長)、山本創(DPI 日本会議)、湯浅誠(自立生活サポートセンター・もやい事務局長)など。
(田中龍作)