消費者金融などの利用者が過去に利息制限法の上限を超えて支払った金利の返還を求める「過払い金返還請求」で、金融庁は請求した事実を個人の信用情報に反映させない方向で最終調整に入った。請求後に借り入れなどで不利な扱いを受けないようにする。貸金業者への返還請求が増える可能性もある。

 金融庁は返還請求の有無は利用者の支払い能力と直接関係ないと判断。改正貸金業法の柱の1つである「指定信用情報機関」を認定する際の条件としても請求記録の消去を掲げる方向だ。消費者金融などが加盟する「日本信用情報機構」は、過払いの返還請求をした利用者の信用情報に「契約見直し」という情報を加えて管理している。返還請求をした利用者は「当初の契約を守れなかった債務者」とみなされ、その後の借入が難しくなりがちだった。金融庁はこうした情報の消去を求める。

 多重債務問題の解消を目的とした改正貸金業法は、2010年6月までに貸出上限金利の引き下げや貸出総額を年収の3分の1以下にする「総量規制」を導入することが柱。総量規制は利用者の借入状況を正確に把握することが必要不可欠になる。金融庁は信用情報の精度を高める一方で、利用者に著しく不利になりかねない情報の消去も促す。

 過払い金の返還請求が信用情報機関に記録として残らなくなれば、借り入れができなくなるリスクを恐れていた利用者の請求が増える可能性もある。アコム、プロミス、武富士、アイフルの大手4社が09年3月期に返還した過払い金は合計3000億円に達した。過払い金の返還請求が一段と増えれば、消費者金融の業績を一段と圧迫する可能性がある。
2009/08/13 NIKKEI.NET