
2000年公開
監督・脚本:カン・ジェギュ
出演:ハン・ソッシュ、キム・ユジン、チェ・ミンシク、ソン・ガンボ ほか
韓国がやたら熱い今日この頃
あえて、懐かしい映画を見たくなりました。
この映画は恐らく、日本国内で初めてある程度ヒットした映画
なのではないでしょうか。
韓国ではこの頃から俳優やアイドルを育成するとともに、
映画やドラマといった映像コンテンツの発展に力を入れ、
コンテンツと商品をセットで輸出しはじめました。
その初期の名作であるこの映画は、南北朝鮮のスパイの男女をめぐる物語です。
しかし、この映画をスパイものとして捉えてしまうと、非常に大味な印象を受けます。
街中で突然銃撃戦系の映画としては、マット・ディモンの「ボーン・シリーズ」にも
相通じるところのあるのですが、リアリティという部分においては少しばかり差があります。

しかし、この映画においては、私は、そんなことはそれ程重要ではないように思います。
だって、ラブストーリーのほうがメインですから。

主演のハン・ソッシュは「八月のクリスマス」などで当時ブレイクしていた大スターであり、
ヒロインのキム・ユジンは、韓国で初めてアメリカのエージェントと正式契約した国際派女優。
劇中で愛し合う、二人は誰もがあこがれる理想のカップルとして前半は描かれていきます。
例えば、二人で洗濯をするシーン。ああ、新婚ってこんな感じだったかな?
筆者のような結婚15年となる者でも、昔を懐かしみニヤニヤしてしまいました。

しかし、逃れられぬ運命が二人を襲い、そして…。
乱暴に説明すると、まさにそういうストーリーなのです。
「えっ!そういう結論!」
ラストは多くの日本人が恐らくそう感じてしまうであろう内容となっています。

映画によって国民性を語ることは、少しばかり危険な気もいたしますが、
「人生というのは、往々にしてなるようにしかならない物だ」
というような発想が、隣国韓国に方には色濃くあるように思います。
そうでなければ、このようなストーリーにはならないでしょう。
そして、「個人の感情より国としての大義の方が優先されるべきだ」
という考え方も明確に語られているように思います。
こういう考え方は現代の日本人が急速に失っているものですよね。
良いか悪いかは全く別物ですが。

そもそも韓国には「大泣映画」というジャンルがあり、
多くの人が涙を流すことにより、カタルシスを得るのだそうです。
筆者も、この映画を見るのは都合3回目となりましたが、
それでもラストは泣くことができました。
行動は理解できないが、感情は共有できる。そんな映画です。
隣国の考えが分からない現代だからこそ、
今時の洗練された韓流ドラマに飽きちゃったあなたにお勧めの映画です。
【今回惚れちゃった女優さん:キム・ユジンさん】

1973年生まれ。意外と筆者と同年代ですね。
全く無意味ですが。厚い唇が健康的な艶っぽさを感じさせる女優さんです。
20代半ばでこの映画に出演していた彼女もすっかりアラフォーですね。
2003年には日韓親善大使に選ばれた彼女は、
日本でも人気のある女優さんです。
この映画のキャンペーンで来日していた彼女が、週刊誌のインタビューで
「日本の男性って、皆私のことが好きなのかな?と思うぐらい優しい」
と答えていたのが印象的です。
多くの韓国女性に来日していただけば、日韓関係も多少は改善しますかね?
【予告編】