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今年は不動産詐欺が話題になった年だった。
まずは、「かぼちゃの馬車」だが、シェハウスの運営会社が借金でシェアハウスを建てれば安定した賃貸料が稼げるという甘言で、不労所得を得ようとした投資家をうまく誘い込んだのはいいが、空室を埋められずキャッシュフローの不足で最後は破たんしてしまったという事件だ。
ここまでは詐欺なのか?単なるビジネスの破たんなのか?分からないが、スルガ銀行が無理やりな融資をして投資家を借金だらけにしてしまったところに詐欺的な臭いはする。
不動産のいろいろな問題をすべて含んでいるだけに勉強になる事件だ。(詳しくは当ブログ不動産編を参照)。

また、もう一つ世間を騒がせたのが、五反田の土地をめぐる地面師による詐欺事件だ。
これはプロ中のプロの仕業で、だまされたのが住宅・不動産の大手である積水ハウス、しかも55億円という規模の詐欺だった。
五反田の物件は元旅館で駅に近い希少な土地なので、積水ハウスも他の業者が入ってくる前に早く決めたかったため、地権者に「なりすまし」おばさんに引っかかったのだろう。
慎重に土地の所有者を見極めていたら詐欺には引っかからなかったのだろうけど、そこがプロの地面師の腕だったのだろう。

こうした不動産取引に対する不信感が東証のJリート指数にも反映されているようだ。
リート価格はこの3年間弱含み、分配金利回りは2014年3.02%から現在の4.13%に上昇し、NAV倍率は2014年1.57倍から現在1.06倍と低下してきた。
不思議なのは、この間、地価もオフィス価格も値上がりし不動産のCAPレートが低下しているにもかかわらず、Jリート価格が下落し利回りが上昇していることだ。
実物の不動産市場は好調なので本来ならばJリート価格も上昇してもおかしくはない。
でも、分配金利回りは大きく上昇しNAV倍率はどんどん低下してしまったというわけだ。

  J-REIT市場 東証REIT指数(配当なし) 投資口価格関連指標
銘柄数 時価総額 指数 騰落率(対前年) 予想分配金利回り NAV倍率
2013 43 7,614,443 1,515.01 35.91% 3.60% 1.38
2014 49 10,578,436 1,897.92 25.27% 3.02% 1.57
2015 52 10,560,331 1,747.54 -7.92% 3.42% 1.30
2016 57 12,123,315 1,855.83 6.20% 3.52% 1.24
2017 59 11,475,087 1,662.92 -10.39% 4.19% 1.03
2018 61 12,923,643 1,777.18 6.87% 4.13% 1.06
各年は年末値、2018年は10月末値

Jリートは不動産取引の中では珍しく毎日売買され、毎日評価が表示される特殊なものだ。
だから、不動産を取り巻くセンチメントがJリートの取引価格に反映されやすいといえる。
Jリートの価格下落は不動産市場への懸念を映しているのだろう。
不動産詐欺などが増えて不動産投資にネガティブな雰囲気が作れていることも影響しているだろうし、不動産ブームの過熱懸念で都心を中心とした地価上昇で今後値下がりに対するリスクを感じている人が増えていることもあるだろう。
さらに主に米国での金利上昇とはいえ、国内の貸出金利もジリジリと上昇しているので、金利に敏感なリート価格は反応しているかもしれない。
実際には不動産向けの融資はまだゆるい状態で貸出金利の上昇が実際に不動産市場に影響しているとは思えないが、Jリートは実物以上に敏感な市場だ。

この好調な実物不動産市場と懸念を織り込むJリート市場の違いがどう修正されているかは興味があるところだ。



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