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孫さんのエヌビディア魔法の後編だが、今回はこのゼロ・コスト・オプション取引がエヌビディアの株価をどう影響してきたか、さらにこの取引を解消するとどう影響するのかについて話てみたい。

この30億ドルという巨額のオプション取引は世界でもトップクラスの証券会社しか相手にできない規模だ。
残念ながら、野村でも大和でも日系証券には扱える規模ではなく、たぶん、ゴールドマンかJPモルガンあたりだろうと想像できる。
まず、ソフトバンクが30億ドルのエヌビディア株を買う・・・そして、株価が上昇してきた所で証券会社とオプション取引を行う・・・すると、何が起こるのだろうか?

ソフトバンクには30億ドルの現物株式、プットオプションの買い、コールオプションの売りというポジションができる。
このポジションの損益だが・・・株価がさらに上昇すると、現物株で利益が上がるが、プットオプションの買いがオプション料の損失になり、コールオプションの売りは損失となる・・・というわけだ。
では、この取引を受けた証券会社のポジションはどうなるか?
ソフトバンクの反対で、プットオプションの売り、コールオプションの買いとなるが、さらに、この取引のヘッジのためにエヌビディア株を空売りする必要がある。
オプションだけでは、プットオプションの売りが株価下落時に大きく損失を出してしまう・・・だから、その損失をヘッジするためにエヌビディア株を空売りしなければならない。
つまり、ソフトバンクが株価上昇時でこの取引を行うと、相手の証券会社がエヌビディア株を空売りすることになる・・・株価上昇時ではこの取引によって空売りが増加し、株価の上昇を抑えていくことになる。
ただし、ここで個人投資家は空売りが増えたからといって買ってはいけない・・・この空売りは市場で買い戻しが出てくるような話ではないからだ。
空売り残の急増にだまされてはいけない。

では、もしソフトバンクがこの取引を解消したら、何が起こるのか?
このポジションを解消していくと、逆のことが起こる。
ソフトバンクはエヌビディア株を売却し、プットオプションの買いを売り戻し、コールオプションの売りを買い戻すことになる。
また、相手の証券会社はエヌビディア株の空売りを買い戻し、プットオプションの売りを買い戻し、コールオプションの買いを売り戻すという反対の動きをする。
これが相対で行われるので、お互いのポジションを相殺するだけのことだ・・・だから、市場への影響は中立になる。
結論的にいえるのは、ソフトバンクが保有する30億ドルのエヌビディア株を売却しても、株価にはほとんど影響しないということだ。
ブルームバーグのニュースを見た人が、エヌビディア株を第4位の株主であるソフトバンクが売却すると大変な事になると考え自分の持ち株を売却する、というのは大きな間違いだということになる。



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