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昨年10-12月期の運用結果が開示された・・・2018年4-12月の総合パフォーマンスは-4.3%で、6兆7668億円の損失となった。
おそらく、この結果に対して「なぜ、10-12月期に14兆8082億円も大損しているのか?」とか、「国民の大切な年金資産を減らした大罪だ」とか、マスコミは大騒ぎをするかもしれない。
しかし、問題はそんな所にあるわけではない。

GPIFは慎重な投資家で運用資産の8割から9割をインデックス運用をしている。
だから、その結果もインデックス(ベンチマーク)のパフォーマンスから大きく離れることはない。
日本株式はベンチマークのTOPIX配当込み指数で4-12月のリターンは-11.86%だが、実際は-11.82%で、ベンチマークより0.04%低い。
外国株式もベンチマークのMSCI-ACWI(除く日本)で4-12月のリターンは-4.88%で、実際は-5.08%とベンチマークより0.2%低い。
機関投資家の運用ではベンチマークより良いパフォーマンスが期待されるが、GPIFは日本株でも外国株でもベンチマークを下回った・・・実はわずかとはいえ、これが問題なのだ。
この結果の意味は、8~9割の部分はインデックス運用でパフォーマンスがインデックス並みだ。
ということはアクティブ運用比率を20%とすると、日本株アクティブ運用はベンチマーク比0.2%程度負けていることになり、10%だとするとアクティブ運用は0.36%インデックスに負けている計算になる。
また、外国株アクティブ比率が20%とすると1%の負け、同様に10%とすると2%の負けということになる・・・外国株のアクティブの負けが1%~2%という計算になる。
これはおそらくアップルやグーグルなどのITハイテク関連株でのやられだろう。

実は問題はここにあると思う。
ポートフォリオのわすか20%以下のアクティブ運用がベンチマークを下回るリターンに甘んじているということだ。
その原因の一つはGPIFの支払い運用報酬が超低いことかもしれない。
昨年の数字だが、運用資産平残155.7兆円に対して、支払い運用報酬は487億円で、手数料率はわずか0.03%(3ベーシス)だ・・・通常、年金基金のアクティブ運用報酬は20~30ベーシスであり、GPIFの運用報酬は極めて低い。
おそらくインデックス運用はほとんど運用報酬ゼロに近いだろうし、アクティブ運用でも0.1%(10ベーシス)以下で運用していると思われる。
運用会社から見れば、この低い運用報酬ではリスクを取って高いリターンを上げようという意欲は全くなくなる。
むしろ、インデックスに負けない程度の運用をしていれば十分で、余計なことをやってインデックスに負けたらむしろ問題になってしまう・・・という意識が強いだろう。
もちろん、GPIFからすれば国民の年金資産を守るために運用報酬を低くしているという理屈だろう・・「運用収益-運用報酬=ネット収益」だから、報酬が低ければネット収益が上がると考えているかもしれない。
でも、現実はは逆で、こんな低い報酬ならば高い運用パフォーマンスなんて出るわけがないのだ。

また、実現損と評価損を分けて開示しろというマスコミが増えるかもしれない。
個人投資家と違い、実現益/損で税金を払うわけではなく、機関投資家にとっては実現損も評価損も全く意味は同じだ。
企業は時価会計で決算をしているから当然理解しているだろうが、日産のゴーン氏の為替デリバティブでの損失を実現損でないから会社に損害を与えていないとかいうマスコミが多すぎる。
時価会計では評価損も実現損も同じに扱われる・・・これはGPIFも同じだ。
運用会社のパフォーマンス報告もすべて時価ベースで行われる。



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