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昔から「親の心、子知らず」と言われる。
長い間、時には厳しい態度で手塩にかけて育ててきても、子供は自分で勝手に成長したと思いこみ、親の心が分からない・・・よくある。
特に、人材育成に長時間がかかる技能職ではとてもたいへんな問題だ。
ジャニーズなどの芸能事務所は、10代の子供の頃から歌・ダンス・芝居を仕込み、巨額の費用をかけて人材育成している。
今の話題の吉本興業なども若手タレントのためにNSC養成所を運営し、大金を使ってお笑いタレントの育成をしている。
でも、売れっ子になった若手タレントは、今の人材流動化の時代、他の芸能事務所を移籍したり、自分の芸能プロダクションを設立したり、よりギャラの良い所、良い仕事があるところに簡単に異動してしまう。

これでは巨額の初期投資が回収できないので、芸能事務所は人材の異動に神経を尖らすことになる。
ジャニーズがSMAPの移籍に関して、3人の出演番組を終わらせたり、この3人が出演する番組には他のジャニーズは出演させないと暗黙の圧力をかけたことが独禁法に抵触する可能性を検察に指摘された・・・あるいは、脅したり、恫喝したりという圧力をかけて引き留める・・・などなど、人気のある歌手やタレントが移籍に関して芸能事務所とトラブルを起こすことも多い。
これは人材育成の初期投資が高く、人気が出たからといってギャラの高い所に移籍されてはたまらんからだ。
実は、ファンドマネージャーやアナリストも同様の問題を抱えている。
一流のファンドマネージャーやアナリストに育つまでには、少なくとも10年はかかる。
その間、様々な実務研修を行い、先輩のファンドマネージャー(チューター)について勉強し、レベルを引き上げていく。
でも、人材流動化の時代、高い給料で引き抜きに合うと、意外と簡単に移籍してしまう・・・全く、「親の心、子知らず」の状態に陥る。

でも、世の中は逆に、「子の心、親知らず」の状態に入ってきたのかもしれない。
それを強く感じたのが、今回の吉本の社長会見だ。
人材の流動化は避けられないとしたら、育てた人材に優遇した仕事場を与え、高い給料を与え、その上で活躍してもらわなければ初期投資を回収できないということが明確になっているからだ。
これは運用会社でも同じで、若い頃から仕事内容やその実績に応じた仕事環境や収入を与えていかなければ優秀な若手社員を引き留めできない。

以前、証券会社の自己勘定運用部を担当していた時、部員20名のうち、なんと6名が一気に辞めたことがあった。
これは上げた収益の10%以下の年収じゃやってられないという不満が背景だったが、証券会社の給料は処遇テーブルで決まっていたためなんともできず、大量の退職者を出してしまった。
ある意味、芸能人も同じだろう・・・吉本はギャラの9割が会社で1割が芸人というのは否定したが・・・5~6割会社で4~5割芸人というのは認めた。
やっぱり・・・「子の心、親知らず」だったということだろう。
人材流動化の時代、人材育成とその投資回収はだんだん難しくなってきたと思う。


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