株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版のeBook「株式需給の達人 基礎編と投資家編」を出版しました。
需給を制する者は投資を制す!

2019年02月

やさしい投信の選び方(3REITやインフラファンド)

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REITは簡単に売買できる不動産投信で、実物の不動産投資に興味ある投資家が少額で投資できる便利な投信だ。
不動産投資は、悪い意味で話題になることも多い・・・昨年は「かぼちゃの馬車」があったし、今年も年初から「レオパレス」が世の中を騒がせている。
個人投資家にとって実物の不動産投資となると、賃貸アパート経営か、ワンルーム・マンション投資ぐらいの選択肢しかない。
オフィスビル投資となると、巨額の資金が必要になるし、ノウハウも必要にり、かなりハードルが高い・・・というか個人では手が出ないのが実情だ。
上場REITには、オフィスビル専門に投資するもの、商業施設専門に投資するもの、物流施設専門、ホテル専門・・・などなど、様々な種類の不動産投資を行っているREITがある。
個人が都心の一等地のビルや超高級ホテルなどに投資できる唯一の投信がREITだ。
これをうまく使えば、投資ジャンルを一気に増やせ、自分の不動産資産全体の分散効果を高めることができる・・・それがREITの強みだ。

では、REITの60本ぐらいが上場され、時価総額は20兆円弱の規模だが、実際、どうやって選べばいいのだろうか?
第一のポイントは、REITは利回り商品なので配当利回りがまず重要になることだ。
ただし、配当利回りが高ければいいというわけではなく、配当の安定性を含めた利回りの高さが重要になる。
具体的には、時価総額(大きい方が安定しているが利回りは低くなる)、財務状態(借金が多ければ配当が高くなる)、物件の集中度(一部のビルに依存していないか、地域的に集中していないか、など)の三点が重要なチェック項目だ。

一般的な傾向だがREITの時価総額が大きいほど、人気のある大型開発物件が多くなり、業績が安定する。
したがって、時価総額と配当利回りの関係を見れば明らかだが、時価総額の大きさと利回りは反比例する傾向がある。
比較的時価総額が大きく安定感のあるリートを対象に配当利回りを加味して選ぶことが大切だ。

財務状態を指す用語で、LTV(ローン・トウ・バリュー)がある。
これは借入金を資産価値で割ったもので、REITの平均は40~50%といったところになり、LTVが40%あるいは30%台のREITは保守的で安定感が高いといえる。
当然の話だが、借入金を増やしてビル投資をすればそれだけ賃貸料も上がるので、配当利回りも高くなるわけだ。

物件の集中度。大型開発ビルに資産が集中している場合、大口テナントの退去で大きな影響が出てしまうし、特定の地域の物件に集中している場合、その地域が災害などが起これば大きな下方修正要因になってしまうかもしれない。
少数ビルへの集中投資や特定地域への集中投資は、やはりリスクを高め、配当の安定性を損なう要因になりかねない。

次回に続く・・・


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窮鼠(金正恩)猫(トランプ)を咬むかも?

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米朝首脳会談がハノイで開催される。
マスコミが例によって「あーでもない」「こーでもない」と騒いでいるが、重要な視点が欠落しているように思う。
それは金正恩がすでに「窮鼠」だということだ。
北朝鮮の経済状況は極めて悪いというか、中国まで厳格に対応した経済制裁で、北の国内経済は破滅前の状況なのだ。
伝えられているところによると、特権階級である軍人でさえ食料が行き渡らず飢えていて、兵士の士気が下がるばかり・・・女性兵士は上官に売春して食料を回してもらうなど風紀も乱れ、軍の統制が崩壊しているという。
特権階級がこのような状態だとしたら、一般市民の生活は推して量ることができる。
困窮生活に直面した家族をすることは、歴史上、いくらでもストーリーが出てくるが・・・悲惨そのもので、姥捨て、間引き・・・あらゆる非人道的なことが行われる。
北朝鮮も推して知るべしだろう。

こうした厳しい経済状況の中で、金正恩が米国との交渉にあたるわけだ。
米国は北の経済事情を十分に分析しているし、もう待ったなしの状況で金正恩がどのぐらい譲歩してくるかをじっくりと計算し、交渉に入ると想定される。
米国には大きなチャンスが巡ってきているわけで、この際、一気に非核化まで・・・とはいかないが、非核化に向けたプログラムの策定とその完全な履行を北朝鮮に求めるだろう。
北朝鮮は非核化を段階的に認めた上で、食い物を要求するはずだ。
どれだけの食糧を得られるかが金正恩の最大のお土産で、国民を納得させるカギになる。
食料を得られなければ、北朝鮮国内で軍部に不穏な動きがでたり、一般市民が政権批判をし始めるかもしれない。
独裁者は常に民衆の動きに弱い・・・いつでもビビっているのが独裁者で、それを表に出さないように威張るのが常道だ。

おそらく、問題は窮鼠である金正恩にも大きなプライドがあり、場合によっては猫(トランプ)に咬みつくかもしれないということだ。
ここからは想像だが、「体制の保障」に米朝の誤差があるかもしれないと思う。
北朝鮮にとっての「体制の保障」とはあくまで金正恩の独裁・非民主・反自由体制の維持を約束することであり、米国にとっての「体制の保障」は北朝鮮が国家として生き残り、北朝鮮人民の生存が保障されることだ。
北朝鮮人民が生き残り、その後、どんな政治体制を望み作り上げていくかは米国の関与するところではないし、本音では民主化し西側に入ることを求めているだろう。
このニュアンスの違いが首脳会談で浮き彫りになると、窮鼠(金正恩)が猫(トランプ)に咬みつくこともありえる・・・かもしれない。



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どっちにしろピークアウトか?

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次官級会議、閣僚級会議と・・・米中協議が続いている。
さらに2月24日にトランプは対中関税引上げの期限を延期し、グローバル市場は期待感で上昇している。
今のところ、NYに上場しているアリババ株も堅調な動きだし、上海総合株式指数も春節明けから続伸・上昇しているので、交渉進捗を期待する人たち楽観派がグローバルに増加中とみられる。
米中摩擦は中国の社会主義システム、米国はじめ先進国の民主主義システムの決定的な違いがあり、中国が米国に近寄り完全に先進民主主義国になるのはありえない。
となると、どこかで妥協点が探られる事になるが、そこが今回に焦点だろう。

協議の行方はまだ分からないが、米中協議が市場にどのような影響を与えるかを以下のマトリックスで簡単に考えてみよう。
縦軸は米中協議の行方だ。
協議の成功とは、両国間で何かしらの合意がなされる場合(合意に近づき、延長協議になる場合も含む)、失敗とは全く合意できず米国は追加関税に踏み切る場合と定義した。
横軸は市場のセンチメントを取った。
楽観的とは単純に米国株が上昇している状態とし、逆に米国株が下落している状態を悲観的とした。

  市場  
    楽観的 悲観的
米中協議 成功 出尽くし 上昇
  失敗 下落 出尽くし

このマトリックスのように、市場が楽観的で実際に協議が成功すると、株価が先に読んでいたということになり、市場は材料出尽くし状態になる。
また、市場が悲観的で協議が成功すると、株価はポジティブ・サプライズとして上昇する。
逆に市場が楽観的で、かつ、協議が失敗すると、株価はネガティブ・サプライズとして受け止め下落する。
最後に市場が悲観的で、かつ、協議が失敗すると、悪材料出尽くしで株価が反発する。
これらのマトリックスは単純化しており、米中協議以外の材料は考えていない。

米中協議の行方と市場のセンチメントをこのマトリックスで考えると、NYダウはすでに大きく上昇しているので市場は楽観的といえる。
その場合、協議が成功すると市場は「材料出尽くし」となり、逆にもし失敗すると「ネガティブ・サプライズ」となる。
そこから言えることは、協議が成功するか失敗するかに関係なく、株価は下落する可能性が高いということだろう。
「材料出尽くし」よりも「ネガティブ・サプライズ」の方が株価の下落が厳しくなりそうだが、下落率は他の要因(景気や業績やその他)に左右されるので、なんともいえない。

もう一つの可能性は、このマトリックスでは想定されていない、米中の全面和解のケースだ。
この場合、当然、関税引上げなしで、さらに今までの関税引上げ分も元に戻す正常化が行われる・・・知的財産についても和解が成立し巨額の賠償金の支払いとともに今後の知財権の保護も合意される・・・当然ファーウェイの孟晩舟氏も解放され、悪化してきた中国経済も回復に入る。
ここまでは誰も考えていないが、これが合意できれば大きなサプライズで、株価は一段と上昇するだろう。

現実的に考えると、3月相場は株価調整の可能性を頭の片隅に入れておきたい。



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建国の日を勝手に変えた文在寅

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3月1日が近づくと、韓国人がうるさくなる。
先週は2月22日「竹島の日」に韓国人が噛みついた。
「竹島の日」は島根県の条例で定められ、式典は2006年からずっと毎年続いているが・・・今年は韓国の独立運動100周年で、複数の市民団体が抗議のデモを行い盛りあがった。
ナショナリズムとは厄介なもので、毎年毎年、無駄にエネルギーを使うことを全く意に介さない。
こうなると、それ以上に3月1日に何が起こるか気になってしまう。

そもそも大韓民国の建国は、日本の太平洋戦争の敗戦(1945年)後、連合国占領下での独立であり1948年であった。
それ以来、韓国政府も建国を1948年としてきたが、それを文在寅は、勝手に、独立運動の始まりで上海臨時政府を樹立した1919年に変えてしまった。
こんな歴史の改ざんが一大統領が勝手にできていしまうのが韓国という国だ。

文在寅が「建国の日」を勝手に変えたのは、自分の都合にすぎない。
要するに、「建国の日」を1948年にしておくと、北朝鮮の建国と大韓民国の建国がそれぞれ行われ、朝鮮半島の分割を認めてしまうことになる。
1919年の独立運動の「臨時政府樹立」を持って建国とすれば、南北が分割される前の時期に建国された・・・つまり、南北対立の前、朝鮮民族全体の建国となるからだ。
要点は、大韓民国は旧大日本帝国から戦って独立を勝ち取ったという作り話を正当な歴史に作り替えてしまうということだ。

前にも書いたが、朝鮮人は抗日運動を何もしていない・・・だから、旧日本がポツダム宣言を受け入れ敗戦した時でさえ、抗日運動をしていない属国のような朝鮮の独立は認められなかった・・・大韓民国の建国が認められたのは、共産主義が拡大する中、南朝鮮を先進国の自由主義陣営に取り込んでおく必要があったからだ。
国民の合意をもとに民主的な独立運動が行われた事実はなく、多くの朝鮮人は民族の独立のために命を懸けた人たちではなく、その時の強い方につく程度の残念な人たちだったからだ。
この残念な歴史を文在寅は嘘で変えようとしているのだろう。
朝鮮人は日本帝国に対して勇敢に戦った人たちで、その戦いに打ち勝ち、大韓民国の独立を勝ち取ったのだ・・・・と。
そして、自分の力で勝ち取った独立だからこそ、日本帝国の戦争責任を追及する権利がある・・・といいたいのだろう。
建国記念日を勝手に変えるというのは強烈な「呆れた歴史の改ざん」で、普通の理性、通常の論理ではありえないし、文在寅の頭を勝ち割って中身を確かめてみたいほど常軌を逸している。
こんな「呆れた歴史の改ざん」を文在寅が勝手にできていしまう国が韓国だ。
1965年の「日韓請求権協定」を変えてしまうのも文在寅にとっては簡単なことなのだろうし、2016年の「慰安婦最終合意」を変えるのはもっと簡単なことだろう。
「歴史の改ざん」に比べたら「日韓の約束」を破るぐらい「への河童」だ。



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ウィークリー雑感(2/24 奇妙な“不景気の株高“)

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今は不景気でもなんでもないし、不景気で緩和的な金融政策が必要な場面でもないのに、グローバル市場の動きは何か怪しい。
というのも、年初からグローバルに株価が上昇し続けている一方、長期債市場は全く反応せず横ばいで推移しているからだ。
長期債市場は景気の悪化を織り込みにいっているようだし、株式市場は米中協議の進展と年後半の景気回復を見込んでいるような動きを続けでいてる・・・株式市場の期待と債券市場の現実感にかなりのギャップがある。
この株価ラリーはFRBパウエル議長の心変わりから始まり、利上げの様子見、さらにFEDのバランスシート縮小の一服というややハト派スタンスが大きく影響しているため、ちょっと奇妙な「不景気の株高」の様相を持っている。

年初来のグローバル市場ではNASDAQ+12.8%、ボぺスパ(ブラジル)+11.2%、NYダウ+10.9%、SP500+10.8%、上海+10.1%、ハンセン(香港)+9.9%、RTS(ロシア)+9.8%・・・と、米国株と中国株、並びに一部新興国株が堅調だ。
一方、米国10年債は2.6%台と年初アップルの下方修正で株価が急落した時に2.5%まで付けたが、そこからほとんど動いていない。
昨年までは、NY株価が上昇すると景気拡大期待が生まれ、債券価格が下落し長期金利が上昇した。
そして、長期金利が3%を越えて上昇すると株価が逆に下落し始める・・・というサイクルを何回か経験した。
年初からの動きは昨年のサイクルとは一線を画している。
つまり、「景気加速による引締め加速」から「景気減速下の政策スタンス」に変化していきているのだ。

今後をどう見るか?・・・やっぱり、景気がじわじわと悪化しているのは事実で、これを反映した債券市場の動きは正しいのだろう。
では、この奇妙な「不景気の株高」の正体は何なのか?
債券市場が織り込む現実の「景気減速感」に対して株式市場には「奇妙な期待感」がある・・・債券と株式市場の違いがこの奇妙な「不景気の株高」の正体なのではないだろうか。
年初来の株価上昇率を見ると、米国株と中国株の年初来上昇率が二ケタ以上で突出している。
つまりは米中協議の期待が引っ張り上げている・・・米中合意により、昨年上がった関税も正常化し、知的財産権での合意とファーウェイの孟晩舟氏の釈放、それで中国景気は回復に入り、米国景気も堅調、やや雲がかかっていた欧州景気も持ち直すという期待かもしれない。
その期待で年初から10%以上上昇した市場が米国と中国だったというわけかもしれない。
この期待が現実化し出尽くしになるか、期待外れに終るのか分からないが、重要なのは株式市場の動きではなく、債券市場が織り込む現実感がどう変化していくかを見ることだろう。
債券市場が年後半の景気回復を読み出し金利上昇を始めるのか? それとも、景気鈍化が続くと読んで金利が低下するのか?・・・というところが目下の最大の注目点だ。
景気悪化傾向を織り込み、株価が上昇しようが頑として動かなかった米国債券市場、その債券市場が今後どう変化していくかを見きわめたい。



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クレジット・リスクと株価(3)

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クレジット投資(社債など)はリスクとリターンが明確で、信用格付けが低い銘柄はリスクが高く利回りも高い。
しかし、価格には一種の断層があり、信用格下げやキャッシュフローの急減などが起こると社債価格は一気に100から70程度に下落する・・・場合によっては50以下になる時もあった。

それでは企業が上場している株式と発行した社債価格はどう変化するか?
忘れられない実例が2009年のフタバ産業だ。
トヨタ系の優良自動車部品会社で、トヨタ向けの売上が7割を占める優等生と思われていた。
ところが、2008年10月に過去3期分の決算訂正をしてから、12月に過去5期分の決算訂正、当時の社長によるロボット開発会社ビジネスデザイン研究所(BDL)への不正金融支援と、次々にボロが出て、社長は辞任、株式は東証の監理ポスト入り、2009年の本決算では営業赤字とともに3期連続の最終赤字に転落した。
最後はトヨタが社長を送り込み、支援をすることでフタバ産業は危機を乗り越え、現在も上場している。

でも、これだけの決算の粉飾、不正金融支援と立て続けに表面化した例は少なく、株式と社債の動きを理解するのに面白い実例となった。
その時、株式ファンドマネージャーはフタバ産業株を保有していたと同時に、債券ファンドマネージャーもフタバ産業の社債を保有していた。
株価はそれまで2500円から3000円のレンジで推移していたが、2008年6月以降下げ続け、最初に決算訂正した10月には下落が加速、2回目の決算訂正時には300円台まで下落・・・株価はピークの1割程度まで、まさにツルベ落としといった暴落だった。
株式ファンドマネージャーは、もちろん、粉飾決算までは認識していなかったのだが・・・下落の途中で、業績下方修正の可能性を考えて売却の判断をし、売却してしまった。
一方、債券ファンドマネージャーは社債保有を続け、粉飾決算が発表され格付けが低下してから売却するかどうかの判断を迫られた。
結局、株式ファンドマネージャーはパフォーマンスの悪化を回避し、債券ファンドマネージャーはフタバ社債の下落でパフォーマンスを悪化させた。

この違いは、株価の動きの方が社債価格よりもずっと早く、株式アナリストが警戒信号を出してもクレジットアナリストは元本棄損の可能性があるキャッシュフローの悪化が表面化するまで売却推奨をしないなどから生じる。
この両者の違いが株式市場全体にも大きな影響を与える。
株価が下落を始め、株式アナリストはその理由を探る・・・業績に問題はないか?経営に問題はないか?環境が変わってきてはいないか?・・・いろいろな要因をチェックして、フタバ産業の例では、業績が下方修正されるかもしれないという問題にたどり着く。
この時点では株式市場だけの問題だった・・・そして、粉飾決算が表面化し、会社の信用問題に懸念が広がってくる・・・この段階でクレジット問題となり、株価はさらに暴落していく。
つまり、クレジット問題はある程度株価が下落してから表面化してくる・・・そこには時間差が生じるということだ。
株式だけを見ている人から見れば、ある程度株価の調整が進み、そろそろ底値圏かもという所から、クレジット懸念による下落がさらに株価を押し下げるということだ。
これがクレジットの恐ろしいところで、株式だけを見ている人には底値の判断が大きく狂ってしまう。また、このようなクレジット問題はソブリン債でも同様のことが起こる。
たとえば、アルゼンチン危機、ギリシャ危機、トルコ危機・・・リーマン後のクレジット・クランチなどなど。
次回はソブリン債のクレジット問題を見てみよう。

このフタバ産業の件で株式アナリストとクレジットアナリストの距離が離れていたことが問題でもあった。
そして、運用本部では企業の業績の変化を追う株式アナリストと、企業のバランスシートから元利支払の安定性を追うクレジット・アナリストの違いがあるが・・・両者をもっと意見交換させて、より早くより正確なクレジット判断できるように意見交流とともに人事交流も行ったが・・・・両者のミゾは埋まらなかった。
基本的な違いだったからだ。



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会社のリストラに応募すべきでない理由

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富士通がリストラの結果を発表し、2850人が希望退職に応じたようだ。
いつも思うことだが、日本企業のリストラに応じてはいけない、というか、応じた人は大きな損をしているのに、誰も口に出して言わない・・・これはどういうことなのだろうか?

過去、日本企業のリストラは数多くあった。
古いところでは1999年の日産、主力だった村山工場など工場の閉鎖で2万1000人を首切りした。
でも、このリストラで業績は急回復しゴーン氏が数十億円におよぶ巨額ボーナスをもらう契機となったが、残った職員も給与とボーナスが大幅に増えた。
2013-14年のソニーのリストラでも1万人の雇用が削減されたが、その後業績が回復し、平井社長は8億円のボーナスを得ている。
その他にも、いろんな企業でリストラをしてその後急回復するという経験を持っている。

そもそも、日本企業のリストラは業績が急回復するように設計されている。
割増退職金の計上だけでなく、構造改革費用として大きな減損を計上し、これがチャンスとばかり経営者はその他のコストも含め、巨額な損失を出す。
リストラという号令の中で、本来ならば次期の費用となる項目を計上し、また、巨額な損失を出して人員削減を正当化するのも日本の経営者の常道だ。
だから、当然のことながら、次期はコストが軽くなり業績は急回復する・・・そして、これを経営手腕だとして巨額なボーナスを経営者が受け取るというわけだ。

今回の富士通はそこまでエグイわけではないかもしれない。
間接部門の5000人を営業部門に再配置すること自体は正しい経営方針だと思う。
でも、その5000人の計画のうち、2850人がわずかな割増退職金をもらってリストラされる。
本人の意志によるもので、会社の責任ではない仕方のないことかもしれない・・・・しかし、これもいつものことだが、結局、居残った人が来期の業績回復で割増退職金以上のボーナスを受け取れる可能性も高い。
友人でも過去、会社のリストラの応じず居残った人がいたが、結局、退職するより良かったと多くの人が実感を語っていた。
結局、日本のサラリーマンはその育った会社でしか通用しないスキルばかりを身に着けている場合が多い・・・だから、その会社では仕事がしやすかったが、リストラで別の会社に行ったら仕事がやりにくく、負担が大きくなり辞めたという人も多くいた。
会社の甘言に乗って簡単にリストラに応募すべきでない。




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高山ラーメンととうじそば

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飛騨の新平湯温泉に松宝苑という旅館がある。
今では古民家風旅館もよくあるが、昔は珍しかった。
しかし開業して48年の歴史を重ね、古民家風から本当の古民家風古旅館になり、いっそう味が出ている。
以前にもここに数泊し、極上の温泉と朴葉みそなどの飛騨料理を楽しんだ。
ずっともう一度行きたいと思っていたが、願いかなわずそのままになっていた。
最近、地図を見ていて、住んでいる山梨から飛騨高山は意外と近いことが分かりとりあえず行ってみた。

小淵沢から2時間程度で平湯に着いた。
ちょっと腹が減ったので、飛騨高山にラーメンを食べに行こうということになり、高山まで30分ほどの雪道ドライブをした。
高山では地元の人のお勧めに従って、「麵屋しらかわ」というラーメン屋に入った。
平日にもかかわらず、行列ができているので場所は誰でもすぐに分かる。
寒い中、ブルブル震えながら30分ほど行列待ちして、やっと食することができた。
高山ラーメンの特徴でもある、細ちじれ麺で、魚介系さっぱりスープだが、さらにコクがすごいという組み合わせがなんとも絶妙なラーメンだ。
黒コショウともよく合い、微妙な辛さがほどよく、スープまですべて完食した。

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平湯からの帰りにちょっと松本に寄り道。
とうじそばを食べるためだ。
汁に投じると書いて、投汁(とうじ)そばと言う、松本の地元の名物そばだ。
山菜やキノコ、ねぎや油揚げなどを煮込んだ田舎汁に、しゃぶしゃぶのように投汁かごに入れたそばをシャブシャブして食べる。
つけ麺みたいな感じなのだが、麺が暖かいので身体中あったまり汗が出てくる、そして、これがうまい。
そばを食した後、この田舎汁にそば米(そばの実の殻を取ったもの)を入れて、さらに卵で軽くとじて雑炊にする。
この雑炊がまた美味しく、あったまる。
そば米がちょっと固めで、水を含んでもグニャグニャにはならないし、田舎汁が良い味を出している。
素朴でさっぱりとした味わいに大満足。

高山ラーメンもとうじそばも・・・日本の田舎には美味しいものがたくさんある。



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理想のパワーカップル

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パワーカップルとは、夫婦共働きで合計年収が1000万円を越える世帯のことらしい。
そして、このパワーカップルは合理的で省力的なライフスタイルで、他の世帯と大きく異なっていると言われている。
夫婦の外出中にルンバで部屋を掃除し、料理にも様々なプリクック商品やカット野菜など、手間のかからない簡単で美味しい料理方法を使い、iDeCo、つみたてNISAなどで積極的な資産運用を実践するという特徴がある。

このパワーカップルに「理想」という接頭語が付くのは、全世帯の上位5%に入る世帯年収で、かつ、このライフスタイルを続けていくと老後も安心できるということが理由のようだ。
現代の若い世代ではことのほか老後に対する不安が強い。
マスコミがいろいろと「年金減額」「長生きリスク」「老後破産」などと書き立てることから、必要以上に自分たちの老後を若いうちから気にしてしまう。
その老後に不安にないライフスタイルとしてこのパワーカップルは「理想」なのであろう。

この世帯年収1000万円は、上場企業のサラリーマンの平均年収およそ500万円✖夫婦二人という水準に当たり、夫婦ともに上場企業のサラリーマンなら平均的に達成できるレベルだ。
でも一方、終身雇用や年功序列が大きく変わってしまった日本の社会で、こんな階段を登っていくような安定したサラリーマン生活を送っていける人はどれだけいるのだろうか? 
転職が普通になっている雇用の流動化した現代で理想的なパワーカップル生活を何十年も続けられる人はどのぐらいいるのだろうか?
それこそ、中小企業のサラリーマンや自営業となると、年収レベルはバラバラでそれこそ平均が意味を持たない・・・中小企業や自営業では物凄く稼ぐ人もいる一方、日々の生活ギリギリの人たちも多いはずだ。

投資家目線で考えると、年収はリターン、年収のバラツキはリスクであり、リターンとリスクのバランスを最適に管理することが教科書だ。
この「理想的なパワーカップル」というライフスタイルには、年収のバラツキ=リスクの考え方が含まれていないところに違和感を感じてしまう。
人生にリスクはつき物であり、年収のバラツキを考えた上で資産運用をすることが大切だろう。
景気が良くなったり悪くなったり、これは個人ではどうしょうもない事だ。
会社が経営悪化してリストラされたり、倒産したり、これも個人ではどうしようもない。
こうした個人では対応できない事まで考えて、つみたてNISAやiDeCoを使うことは非常に意味がある。
重要なのは、パワーカップルになるかどうかではなく、自分の人生をリスクを含めてトータルで考えて多少キツくても少額な資産運用を継続していくことだろう。




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株式投資の基礎(3会社は誰のモノ)

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日本語では株式だけだが英語では様々な言い方があり、それぞれが株式の特徴をよく言い表している。
一番なじみのあるのはストックという言葉だろう・・・経済でいうフローとストックのストックだ。
例えば国際収支でいうと、毎月の経常収支はフロー、それが積みあがった外貨準備などはストックと呼ばれる・・・会社の中で蓄積されたものがストックであり株というわけだ。
また、シェアと呼ぶ場合もある・・・会社の価値を小分けにしてその一単位がシェア(株)というわけで、そのシェアを持つのがシェア・ホールダー(株主)というわけだ。

ちょっと日本人には理解しにくいかもしれないのが、エクイティ・・・デット(負債)が期限があり返さなければならない資金であるのに対し、エクイティ(自己資本)は返さなくていい資金のことだ。
昔はエクイティファイナンスというと返さなくていいタダの資金をもらったと勘違いする経営者も多かったが、株主が期待するリターンをきちんと上げることがエクイティファイナンスの約束で、タダでもらったわけではない。
株主が払い込んだ資金がエクイティ(自己資本)であり、株主の期待リターンを資本コストと呼ぶ。

最後にステークという言い方だが、この言葉はちょっと注意が必要だ。
というのは、株主重視の欧米ではステークは株式と同義語なのに対して、日本では株主以外の利害関係も含めてステークという場合が多いからだ・・・これは会社は誰のものかという基本に根差しているから注意する必要がある。
欧米の会社は経営と執行が完全に分離していて、従業員は契約で雇われた者にすぎない・・・この雇用契約は厳密に仕事の範囲責任を明確にし、従業員は自分の会社とは考えもしない。
しかし、日本では従業員が会社に滅私奉公して出世の階段を登り、社長などの経営者になる・・・従業員の代表が社長をしているようなもので、従業員は自分の会社だと考えている。
だから、欧米ではステークホルダーは株主とほとんど同じ意味なのに対し、日本では従業員、取引先、株主などを含めて利害関係者(ステークホルダー)となってしまう。

会社の損益計算書にはこれらの利害関係者の立場がよく表れている。
まず売上げがあり、売上原価を引いて売上総利益を、そこから人件費などの営業費用を引いて営業利益を、さらに金利などの営業外費用を引いて経常利益を、特別損益を引いて純利益を出す。
取引先へ払う原材料購入は最初に引かれ、従業員に払う人件費は次に引かれ、さらにいろいろ引いて最後に残った純利益が株主のものになる。
最終的に企業の経営責任を負っているのが、自己資本=エクイティを出資する株主だ。
従業員には経営責任もないし、彼らは会社の所有者でもない・・・だから、本来、ステークを持つのは株主のはずだ。
でも、日本での、会社は従業員のモノという意識は・・・年功序列+終身雇用の日本で、従業員は運命共同体であり、会社は従業員の生活の責任も持つ・・・だからこういう家族的な一体感を持つ「社員は家族」的な経営が日本人には合っていたということだろう。




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エアバスA380の思い出

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今から8年ほど前になるが、初めての中東の顧客訪問の旅だった。
普段ならファンドマネージャーが訪問すれば十分だったのだが、いろいろ運用で問題があり責任者として中東顧客と意見交換するために出かけた。
当時は中東行きのフライトというと、成田を深夜に出発する便しかなかった。
夜、10時に成田の待合室で同僚と待ち合わせ、深夜12時のエミレーツに乗ってドバイを目指した。
それがA380に乗った最初の記憶だった。

とにかく、内部の広さにはびっくりした。
エコノミー席は3席ー5席ー3席の横11席あり、ビジネス席は完全なフルフラット、カーテンを閉めれば完全な個室になる作りだった。
オーディオシステムは、おそらく数千枚ぐらいになると思うが、ものすごい量のCDと、とても選べないぐらいの世界中の映画に対応していた。
オーディオシステムで自分のお気に入りマイリストを作成するだけで30分以上かかってしまったと思う。
一度作ってしまえば、そのリストを聞きながら眠るだけだ。
スーツを脱ぎ、スエットに着替えて、アイマスクをして、ヘッドフォーンをかけ、毛布にくるまって眠る。

成田からドバイまでは10時間程度、時差は6時間で、ドバイには早朝5時頃到着する。
ターミナルに行くと、ちょうど朝のコーランの時間で、近代的な巨大空港ドバイが一気に中東っぽくなる。
ドバイでトランジットして、クウェートやリャドなどのもっとディープなアラブ世界に向かう。
その時はもう仕事モードにあるので、成田からドバイまでのエミレーツでの時間がリラックスタイムで、ホッとできるひと時だった。
だからこそ、余計にA380の大きさ、ファシリティの良さ、アメニティの良さを感じてしまう。
中東での顧客ミーティングを終え、帰りにドバイまで来るとやっぱりホッとする。
ディープなアラブ世界から現代に戻った安心感が身体を緊張感から解放する。
そして、乗るのがA380の巨体だ。
A380が伝統的アラブ世界と現代をつなぐ架け橋のような存在だった。
それから何回もA380に乗ったが、その位置づけは不変だ。
そのA380が生産中止になるらしい。
現存する数十機が最後のエアバスA380になる。
もう乗る機会がないかもしれないが、A380は記憶に残る飛行機だった。



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ウィークリー雑感(2/17 利食い千人力)

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1/20のウィークリー雑感で、「今の株式市場が市場心理に影響されすぎている。半値戻し、2/3戻しを達成して市場関係者が強気になる頃、市場はピークを付けるのではないか」と書いた。
2/3のウィークリー雑感で、「アリババやテンセントの株価が順調に戻りを演じているので、NY市場は米中摩擦協議に楽観的なのではないか」と書いた。
その後、NYダウは順調な戻り相場を展開し、先週末(2/14現在)25883ドルまで戻り、10月初の高値25951ドルからの下落分の8割を戻してしまった。
株式評論家がよく使う言葉で「2/3戻しは全値戻し」があるが、株式番組のコメンテーター諸氏も皆、強気になってきた。
日経平均はもたもたしているが、NYダウはそろそろ正念場に差し掛かっている。
そんな戻り場面での重要な相場格言として「利食い千人力」を考えてみたい。

この「利食い千人力」は今すぐにポジションを解消して、すべて換金しろという意味でない。
まだまだ上昇する相場の中で売った後に上昇してしまうリスクが当然あるのだが、こうしたリスクを考えても利食いしていくことの重要性を説く相場格言だ。
たとえば、現在100ドルの株価の会社を保有していたとする。
目先は業績も良く今後の成長が見込まれていて、今後120ドルに上昇する可能性もあるが、来期の業績が不透明で株価も下落する可能性(たとえば、80ドルまで)があるという場合だ。
投資家としては120ドルで売却できればベストだが、事前の策として現値100ドルで売却することが「利食い千人力」だ。
もったいないかもしれないが、利食いして実現益を確保することが重要な時もある。

この「利食い千人力」を勧める相場の局面としては・・・まずは相場の成熟化だ。
成熟化とは長い間上昇していて、たいていの好材料は全員に知れ渡っているという状況を示す。
明確な悪材料もないので、なんとなく上昇基調が続いているが強いて売買する材料もないし、なかなか売るきっかけがないというのが、この「利食い、千人力」を考えるタイミングになる。

もう一つは短期の相場変動が大きくなる局面だ。
景気が成熟してくると市場のセンチメント(雰囲気)で株価が上下し、ちょっとした材料で大きく動いていしまう。
これが相場変動が短期化し、しかも市場心理で変動幅が拡大するような状況だ。
ちょっとした材料で市場のセンチメントが大きく傾き、不安心理から投資家が神経質になり景気実態以上の振れを拡大する。
こんなタイミングでも「利食い、千人力」を考えるところだろう。

一部の米国企業の業績が変調し、英国のブリグジットも見通せない状況にあり、米中貿易摩擦の協議は進んでいるようだが予断を許さない状況にある。
その中でも1月以降は戻り局面にあるが、基本的にリーマン危機後の株価ボトムから10年間、上昇相場を続け、多くに投資家が想像できる好材料は織り込んでいる。
そんな中、昨年から相場の上下変動が激しくなってきている・・・こうなってくると、すぐにどうなるわけでないが、米国株投資では「利食い千人力」を考える局面だ。
欲張らずに「利食い千人力」を心がけるのが、この相場格言の意味するところだ。



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自然災害リスクを考える(2)

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日本株投資をする上で避けて通れない「自然災害リスクを考える」の二回目だ。
百貨店販売で確認してみよう。
  全国 YOY 札幌 YOY 大阪 YOY
Jul-18 513220 -6.10% 13313 -2.60% 12454 -1.70%
Aug-18 411802 -0.20% 11981 1.10% 10673 5.00%
Sep-18 419751 -3.00% 10868 -11.10% 9872 -4.10%
Oct-18 472162 1.70% 12880 -1.40% 11766 4.60%
Nov-18 530419 -0.60% 13987 4.10% 12320 0.00%
Dec-18 530419 -0.70% 18640 0.20% 18083 2.20%
金額は百万円、YOYは前年同月比%

全国の百貨店販売はずっと伸びていないが、札幌と大阪は海外からの訪日客で比較的堅調な地域だ。
この堅調な地域に昨年9月台風と地震という災害が襲った。
札幌と大阪の両地域ともに9月の百貨店販売は、札幌で前年比-11%、大阪で-4%と大きなダメージとなった。
しかし、大阪は9月に100億円割れから、10月には117億円と急激に回復した・・・前年比でも+4.6%と好調なペースに戻っている。
この復元力の強さは注目に値するだろう。
一方、札幌だが、9月の販売は108億円、前年比-11%と大きく減少した・・・10月が128億円前年比では-1.4%で、11月の販売数字で大きく戻し、139億円+4.1%と前年比でも大きなプラスとなった。
災害でダメージを受けた小売り売上は、1~2か月で回復しているといえる。

次にホテルの客室稼働率
 大阪   Jul-18 Aug-18 Sep-18 Oct-18 Nov-18 Dec-18 累計
客室稼働率 実績 96.5 96.6 72.2 96.2 94.8 96.2 92.8
  YOY -0.9 -0.6 -22.5 -0.4 -1.7 -1 -2.9
ADR 実績 19809 20401 16589 18261 19026 20362 19469
  YOY -1316 -1615 -459 -1958 -1213 -1192 -384
 神戸                
客室稼働率 実績 85.4 93.4 79.1 86.8 90.9 85.9 84.8
  YOY 1.1 2.7 -5.8 2.7 4.5 1.7 0.8
ADR 実績 15577 20542 16421 17075 17826 19480 17166
  YOY -1808 -902 479 -630 52 -858 161
  札幌                
客室稼働率 実績 88 91.9 66.1 83.1 77 89 82.2
  YOY -1.1 -0.6 -21.8 -1.3 -2.5 -1.9 -2.4
ADR 実績 17814 17448 13505 12311 11906 13446 13747
  YOY 349 955 -1476 125 1504 568 619
なんば:なんばオリエンタルホテル、神戸:神戸メリケンパーク、札幌:メルキュール札幌
客室稼働率は%、ADRは平均客室単価で円、YOYは前年同月比実額

ホテルの稼働率でみると、災害の影響は大きい・・・大阪のなんばオリエンタルホテルは台風21号の被害が出た9月に稼働率が72%と90%台の稼働率から大きく落ち込み、客室単価もそれまでの2万円近い水準から下落し、1.6万円台に落ち込んだ。
しかし、回復も早く、翌10月には96%の稼働率と客室単価1.8万円台、11月には95%の稼働率と1.9万円台の単価と通常レベルに戻った。
神戸のメリケンパークホテルも同様に落ち込んだが、翌10月には稼働率も従来水準に戻り、客室単価も2か月で従来水準に戻った・・・関西地域の回復力の強さが確認された。
札幌のメルキュール札幌も9月の落ち込みが厳しく、稼働率では60%台まで低下、客単価も大きく下落した・・・大阪のホテルに比べ戻りが鈍いが、北海道は冬に入りオフシーズンに入ったことが影響しているだろう。
10月-12月の数字を見ると、稼働率で前年比若干のマイナス、客室単価は前年比プラスまで回復している。

結論として言えるのは、総じて日本企業の災害からの回復は非常に速いこと、さらにインバウンド客の増加というトレンドに乗っている地域では災害からの復旧だけでなく短期間で前年比プラスにまで回復しているという事実だ。
津波による広域の破壊、原子力発電の放射能漏れなどがなければ、かなりの被害でも日本企業は1~2か月で対応できることが証明された。
今年もまたどこかで自然災害が起こる可能性があるが、日本企業の災害対応力の高さを考えると、投資家としては災害リスクには逆張りで対応できると思う。



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クレジット・リスクと株価(2)

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リーマン危機後の日本のクレジット・クランチは債券運用者には特に厳しく、何人もの債券ファンドマネージャーが姿を消した。
その後、クレジット環境は安定していたが、2011年、あの東日本大震災の後にもう一度、クレジット問題に直面することになった。

東日本大震災は東北地方全体に大きなダメージを与えたが、日本の社債市場に大きく影響したのは、東京電力の社債、東電債だった・・・電力会社は日々のキャッシュが極めて安定しているため信用力の高い社債で、債券ファンドマネージャーには人気の債券だ。
ところが、福島原発が津波で破壊され大きな被害を出した時、原発と放射能漏れをどう安定させるか、廃炉にするのかという問題が浮上し・・・こうなると、東京電力の純資産よりも大きい放射能漏れ対策や廃炉費用がかかり、将来の負担を考えれば実質的に破たんしている状態となるので、当然のことながら、社債は償還できるか疑問が生じた。
社債の恐ろしいところは信用格付けが下がったり元本償還に疑問符が付くと、一気に社債価格が下落することだ。
この時の東電債はパーの100から一気に70まで30%下落した。

残存期間は2年程度だったので、2年破たんせずにいれば元本100が返済される。
この2年間に破たんしてしまえば、元本は全額返ることはない・・・損失を出してしまう。
もし全額返済が期待できないならば、30%の実現損を出して社債を売却する方がいいかもしれない。
でもそこで彼らが考えたのは、東電を破たんさせてしまったら原発被害の補償することも40年で数十兆円といわれる廃炉費用を支払うこともできなくなってしまうということだ。
多くの人たちに嫌味を言われ厳しい状況に追い込まれながら、「実質破たんながらも将来の支払いのために破たんさせられない」という判断をして、この債券ファンドマネージャーはこのパフォーマンス悪化にじっと耐えて最後に無事に償還金を受け取った。

日本の社債市場は俗に言う「厚み」が少なく、格付けの引き下げや業績懸念が表面化すると社債価格が一気に下落してしまう。
東電債の例でもわかるが、クレジット・リスクを取って社債価格の下落時に買い向かうという投資家が少ないことが日本市場の「厚み」のなさにつながっている。
一般にクレジット・クランチは株式市場の混乱に拍車をかける・・・つまり、株式市場の大きな下落はクレジット問題によって引き起こされる。
要はクレジット市場の状況を把握していないと株式市場で起こる事にも対応できない事になる。
それだけクレジット市場と株式市場は連動している。
次回は株式市場とクレジット市場の連動性を考えてみたい。



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レオパレスとかぼちゃの馬車

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世の中、「うまい話には裏がある」というわけで、株式市場でも「フリーランチはない」、「ただ(無料)ほど高いものはない」と言われている。
不労所得を得ようと欲をかいている人たちには、昨年の「かぼちゃの馬車」事件と今年の「レオパレス」事件はショックだっただろう。
シェアハウスと賃貸アパートと少し違っているが、サブリースの不動産賃貸業という意味では一緒だ。
サブリースの仕組みの中で業者が利益を上げる仕組みやそのカラクリはよく似ているし、一種の詐欺に近い部分もある。
両社の事件のカラクリを考えてみよう。

まず、第一にサブリースはオーナーが自分の土地に建物を建て業者にリースすることだ。
かぼちゃの馬車でも土地価格の比較的安い地域に1~2億円という高額でシェアハウスを建てさせ、建築会社と儲けをシェアしていた。
レオパレスは「コストではなく作業効率を上げる」ために設計と異なる資材を使っていた・・・作業時間が短くなれば人件費を削れるので・・・・コストを下げて差額を着服していたということだろう。
オーナーが業者の言いなりで高額な建物を建てさせられ、資材や人件費、その他で業者が大儲けをしてきたことが共通している。

第二に家賃保証の問題だ。
「かぼちゃの馬車」のケースでは入居率が低下し、サブリース契約にある家賃保証を払えなくなったことが問題となった。
「レオパレス」のケースは不良工事が明らかになり、レオパレスが入居者の移動、追加補修工事、その後の家賃保証すべてを自己の責任で全うできるのかが問題なっている。
おそらく家賃保証の前提となる入居率は8割程度だっただろうから、それ以上の入居率ならば業者の儲けになったはずだが・・・結局、うまくいかず。
家賃保証といっても、業者の経営状態によっては、当然ながら履行されない。

第三に30年一括借り上げの問題だ。
30年建物を一括して借り上げるという契約が長すぎるのではないかという問題で・・・オーナーを安心させるための30年一括で実際は問題が出ているのではないかと推察される。
30年の間には、人の流れが変わったり社会構造が変化するし、業者の経営状態も変わる。
契約を見ていないが、おそらく、当初と異なる状態について付帯条項(たとえば、見直し条項)が付いていると思われる。
いずれにしても期間が長すぎ、一定の契約でカバーするのは無理で、これをあまり信じすぎないようにする方がいいと思う。

不動産賃貸で不労所得を得ようとしている人は今の世の中たくさんいる。
ここ数年、建築着工統計でも貸家の新規着工がものすごい勢いで増えてきた。
人口減少する日本で、しかも賃貸人である若い人たちの所得が伸びていない日本で、ワンルーム・マンション投資が長期的に難しい・・・多くの疑問が残った事件だった。




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自然災害リスクを考える(1)

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日本株への投資の大きなリスクの一つが自然災害だ。
毎年のように台風や地震があり多くの被害が出ている・・・昨年9月の台風21号と北海道胆振東部地震の被害は特に大きく、関西と北海道の両地域には大きな爪痕を残した。
9月4日台風21号。
関西地方を直撃し、停電が145万戸、死者9名、重傷者46名、軽傷者897名と甚大な被害が出た。

さらに関西空港では滑走路は浸水しただけでなく、係留中のタンカーが流され橋梁に激突したため、交通が麻痺し3000人が関空ターミナルに取り残されてしまった。
航空便も大混乱で4日に979便が欠航、5日は325便が欠航、6日は欠航なし(他の空港へ回避したと思われる)、丸3日間も空港機能が停止してしまった。
空港の正常化が始まったのが9月7日でB滑走路から発着が始まり、完全に正常化するまで1週間を要した。
大阪や神戸での停電や交通の混乱が観光客を直撃し、関西圏の商業施設やホテルなどの宿泊施設も相次ぐキャンセルで売上げ減少が深刻化した。

もう一つは北海道の胆振東部地震。
台風21号のわずか二日後9月6日のことだった。

地震とともに発生した北海道電力の主力発電所である苫東発電所が運転を停止し・・・この停止によって北海道全域が停電という前代未聞の被害を受けた。
死者41名、重傷者15名、軽傷者674名の人的被害とともに、千歳空港では7日に167便欠航、8日に44便欠航となり、国内線は7日から順次、国際線は8日から再開した。
でもこれで札幌周辺の観光客はキャンセルが相次ぎ、大きな影響を受けた。
あれから4か月経過し、各企業の公開データや決算数字でいろんな事が確認できるようになった。
投資家は日本に投資する以上、自然災害のリスクを受けるわけだが、過去のデータをきちんと整理しその影響度をきちんと把握し理解すべきだと思う。

まずは、JALの決算データから四半期ごとの旅客収入、旅客数、単価を拾ってみたのが、下の表だ。
       1Q/FY18 2Q 3Q YOY
国際線 収入(億円) 1248 1443 1342 14.60%
  旅客数(千人) 2251 2353 2267 4.80%
  単価 55441 61346 59208 9.40%
国内線 収入(億円) 1172 1508 1365 2.30%
  旅客数(千人) 8297 9110 9029 3.20%
  単価 14137 16555 15125 -0.90%

9月には関西空港の閉鎖と欠航、さらに千歳空港の閉鎖と欠航と二重苦だったが、2Q(7-9月期)の数字は特に影響が見られない。2Qに含まれる夏休みの好調が9月の災害被害を相殺したものと思われる。
3Q(10-12月期)の国際線は前年比二けたの収入増と比較的堅調だが、国内線はやや低調で旅客数と単価ともに2Qに比べ落ち込みが見られる。
前年比では収入が2.3%の伸びと低いし、単価は-0.9%とマイナスになった。
9月の災害を受けて10月に国内旅行のキャンセル等が出たかもしれない。
しかし、国際線の方が全く影響が出ていないのは、好調なインバウンドがマイナス影響を相殺したといえるだろう。

次回は災害が百貨店売上にどう影響したかやホテルの稼働率にどう影響をしたかを数字を使って考えてみよう。



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ソフトバンクの光と影

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ソフトバンクの決算説明を読んだ・・・そこに書いてある事は長年様々な会社の決算を見てきた人からでさえ、感動的な数字も連続だった。
孫さんがもはやソフトバンクは投資ファンドだと宣言しているとおり、通信のソフトバンク(IPO済)とスプリント、ヤフー事業を完全に切り離す処理をしている・・・連結対象だが、部門として整理され、いつでも切り離せる状態になっている。

投資ファンドとしてみると、一番の問題になるのは有利子負債とキャッシュ・フローのバランスだ。
有利子負債は流動負債8兆5472億円、長期借入金5兆2272億円、社債6兆7785億円。
その他の負債にはビジョンファンドの外部投資家持ち分やデリバティブ負債があるが、リアルな負債は流動負債+長期借入金+社債の約20兆円だ。
これに対して、投資先の評価益をいろいろ計上し営業利益は膨らんでいるが、問題はこれらの評価益がキャッシュフローではないことだ。
今期4-12月の営業利益は1兆8590億円(∔7102億円)と大幅な増加だが、営業キャッシュフローが9112億円だ。
その他、投資キャッシュフローはー2兆7109億円(ファンドの投資など)、財務キャッシュフローは3兆1138億円(社債発行、外部投資家のファンドへの払い込み、通信子会社株の売却など)。
つまり、負債20兆円に対して営業キャッシュフローは1兆円弱と、キャッシュフローを丸々返済に回しても20年もかかる借金を抱えているということだ。
もし、世界景気の後退などがあれば、通信子会社やスプリント、ヤフー、アリババの資産売却に追い込まれるかもしれない。

一方、孫さんが天才的だと思うのは、株式市場の変動に対して極めて冷静で合理的な対応をしていることだ。
エヌビディア株をデリバティブでヘッジしていたことで、昨年秋からの市場下落を全く損失を出さなかったことは当ブログでも「孫さんのエヌビディア魔法」として取り上げた。
決算では株価下落による評価益の減少が2995億円に対してデリバティブ利益が2495億円と開示された。
でも、これだけではなく、アリババ株についても同様で株価が上昇していた時期に「カラー取引」で値上がり益をしっかりヘッジし固定化している。
アリババ株の持ち分投資利益の減少が621億円、デリバティブ利益が3659億円で今期についてはデリバティブ利益が大きく上回った。
「シンギュラリティに向けた長期投資」というお題目ながら、「長期投資だから市場が上がろうが下がろうが投資を続ける」というような甘い相場観による投資はしていない。
市場は上がれば下がるもので、その市場変動に合わせてデリバティブを駆使して値上がり益をしっかりと固定していくという極めて合理的な戦略を持っている。
長い間株式市場を観察しそこで活躍する人たちを見てきたが、孫さんはどこのヘッジファンドマネージャーよりも損益を厳しく管理している。
一見「シンギュラリティの夢を追いかけている人」に見えるが、実は感動的な冷徹な投資を実践している。

今後、気になる点は、ファンドで投資している未上場株はおそらく自己資本ベースでの評価なのだろうが、その評価単価が最近のFANGの下落に影響されず上昇を続けていることだ。
上場株の下落はデリバティブでヘッジできるが、未上場株はできないし、その評価もやや過大なのかもしれない。
さらに世界的な景気停滞に落ち込むと、ソフトバンクはその負債の大きさとリアルなキャッシュフローの小ささから厳しい局面も考えられることも今後の不安材料だ。
孫さんならなんとかしてしまうかもしれないと思わせるような決算だったが・・・。



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株式投資の基礎(2株主権と投資価値)

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、前回、株式を保有すると漏れなくもらえる三つの権利について話した・・・一つは配当請求権、二つは残余財産請求権、三つは会社支配権(議決権、その他)だ。
この三つの権利は重要で、この権利を元にして株式の投資価値を図る7ことができるからだ。

まず、最初の配当請求権・・・配当を受け取る権利だが、受け取れる配当の金額から株式の価値を考えることができる。
(1)配当を株価で割ったもの(配当/株価)が配当利回りで、他の資産に投資した場合の利回りと比較することで株式に投資する価値があるかどうかを判断できる。
たとえば、債券利回りで円債0.05%、米10年債で3%、英国債で1.3%の時、日本株式の配当利回り2.0%に投資するかどうか・・・投資のリスクをリターンと比較して投資を判断することになる。
また、個別銘柄の配当利回りを比較して投資するかどうかを決めることもできる。

(2)将来にわたって配当を受け取れるので、将来の配当の成長を加味することができる。
これは配当還元モデルと呼ばれるもので、将来の予想配当を金利で割り引いて現在価値に換算した理論値を計算し、その理論値と株価と比べ割安かどうかを判断する。
計算が面倒な人は、今の配当利回りに数年後の利益成長を足して考えればいい。
同じ配当利回りなら、利益成長性の高い銘柄が割安になるし、利益成長が同じなら今の配当利回りが高い方が割安になる。

(3)配当の元である利益(一株利益)と株価を比べ、株価が何年分の利益となっているか(株価/一株利益=PER)で割安/割高を判断することもできる。
これは何年分に利益で投資を回収できるかという考え方で、成長性が高ければ年数が長くても投資できるし、成長性のない銘柄なら短い期間で回収できる方がいい。
配当は利益に配当性向(配当/利益)をかけたものなので、配当性向を引き上げる会社は配当利回りが上昇する・・・こうした経営者の株主に対する姿勢も判断に入れることができる。

次に残余財産請求権・・・会社の純資産が株主に帰属することから、純資産から株式の価値を考えることができる。
(1)PBRは株価を一株純資産で割ったもので、資産価値の代表的な株価尺度だ。
考え方は簡単で株価が一株純資産の何倍かを示すもので、市場全体と比較したり同業他社と比較できるし、1倍か1倍以下なら絶対値として割安と判断する。
しかし、解説書によってはこのPBRを解散価値としている説明しているが、厳密には間違いで解散価値ではない・・・PBRの「B」はブックバリューのBでこれは帳簿上の価値という意味だからだ。
帳簿上の価値は簿価であって時価でないため、解散時に簿価と時価の価値は大きく異なっている場合も多い。
リートの場合は資産が基本的に不動産なので、時価評価したネット・アセット・バリューを使っている・・・こちらの方が解散価値に近いだろう。

(2)純資産の成長率・・・これも大きな株式評価の要素だ。
決算ですべての材料や金利などの費用、人件費、税金などを支払った残りが純利益だが、純利益から役員報酬と株主配当を差し引き残った利益が内部留保で、この成長率が株価の決定要因になる・・・つまり、内部留保の蓄積が自己資本の成長そのものだ。
内部留保率が自己資本の成長率を決め、PBRを一定とした場合の株価の上昇率を決める。

そして、支配証券としての価値は企業買収や資本提携の場合に重要な要素で、買収先とのシナジー効果がどのぐらいあるかによって変わってくるので簡単ではない。
アクティビストと呼ばれる投資家は支配証券としての価値創造を目指しているが、様々な活動をしている・・・その評価は簡単ではない。
個人投資家には、まず議決権を行使して自分の意見を経営に伝える、意思表示することが重要だろう。

株主の権利から株式の価値をどう考えるかをテーマにしたが、これらの投資尺度は株式投資をする場合には非常に重要なので、実際の評価尺度の使い方は別途きちんと説明したい。



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ウィークリー雑感(2/10 自社株株買い、新時代)

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いよいよ、山が動くか?
日本企業は長期にわたって内部留保を蓄えてきた・・・法人企業統計では日本企業の内部留保は460兆円にのぼると推計されている。
「日本企業は貯めこみすぎ」、「使わないカネなら株主に返せ」、「過剰資本が資本効率を引き下げる」・・・などなど外人投資家から散々な言われ方をしてきたが、ついに「山」が動くのか注目される。

自社株買いの成否は結局、市場のセンチメントで決まる。
投資家が自社株買いを評価して「買い」を入れ株価が上がるならば、多くの企業が自社株買いをしようとなるが・・・今までは、少額な自社株買い(発行株数の1~2%という小刻み)が多く、株価の反応も今一つだった。
しかし、ソフトバンクの6000億円(発行株数の10%? 時価次第で5%?)の自社株買い発表で株価が20%上昇したり、ソニーが1000億円上限の自社株買い(発行株数の2.6%)を発表し、株価が4%以上上昇した。
自社株買いの規模よりも株価上昇が大きいことが市場のセンチメントを変える可能性がある・・・こうした自社株買い➞株価上昇の方程式ができれば、より多くの企業が自社株買いをする誘因になる。

ソフトバンクは高株価の子会社IPOで儲けたカネ(通信子会社を買った人は可哀そうだが)のほんの一部を株主に還元しただけでこの株高を演出した孫さんの手腕もすごいと思うが・・・・実は二つの問題がある。
一つはその借金だらけの財務内容で、当然ながら自社株買いよりも借金返済に回すべきだったことだ。
もう一つは通信子会社のIPOで子会社の株主から得たお金で親会社の自社株買いをし、親会社の株主還元したことだ。
これで、通信子会社の株主は孫さんの興味がないことに加え、子会社からはカネを搾り取るという方針に改めて気がついたはずだ・・・損失株を手放そうとするかもしれない。

以下の表は東洋経済の資料から取ったもの。
豊富なネットキャッシュ(現預金+短期保有有証券-有利子負債)の多い企業には、是非、自社株買いを積極的に行ってもらいたい。





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AI時代の働き方(3)

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AIの進歩で多くの仕事が自動化され、人手が不要になる。
この点をもって多くの人たちが仕事を奪われる恐怖から反対デモを行ったり、世界中で反対運動が盛り上がっている。
でも、技術の進歩でルーティン・ワークから解放され、より付加価値の高い仕事に集中できるメリットもある。
この点からRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を取り入れたのが損保ジャパンだ。
2017年の始まったRPAの導入で、定型的な業務を「ルーティン業務」として自動化すると同時に、付加価値の高い業務を「価値創造業務」として時間を増やす・・・これをKPIとして管理するというものだ。

具体的に見てみよう。
初期段階では低コストで使いやすいPC稼働型から始まり、各拠点の管理業務を本社に集約しサーバー管理型に移行するという計画だ。
開発は外部開発会社にまかせ、運用ルールやロボットの監視、RPAを適用できない業務の規定、等の体制づくりを行った
全体の監視アプリは「Uipath Orchestrator」を導入、開発案件の管理に「salesforce」、プロジェックト管理に「Redmine」を利用したというが、ワシにはシステム的なことは良く分からない。

結果として2018年12月には110の業務をRPA化し、年換算で43万時間の効率化を達成し、年度末までにさらにRPA化を進め、60万時間の効率化を達成したいという。
災害による保険金支払いなどの集中して発生する業務を自動化し、今まで社員を災害地に派遣して対応しいていた業務などを効率化できたという。
RPA化する業務をユーザー部門から募る時には「仕事が奪われる」という意見も当然出たが、「時間を生み出すことがミッション」としてコミュニケーションを図り浸透させていたったという。

政府の働き方改革でも残業時間の削減が義務付けられたが、残業時間の減少で手取り収入が減る社員も多く出るはずだ。
さらに、ロボットによる業務の自動化で余った時間をどう使うかという面は今後の問題だろう。
しかし、そこで「価値創造業務」をどう進めるかという本題が問われてくる。
損保ジャパンは、まだこの点をコメントしていない・・・ぜひ、この「価値創造業務」がどのように広がったかを見てみたいものだ。


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「空気」を逮捕できない

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日大のアメフト部悪質タックル事件で、日大第三者委員会の調査結果から追放された元監督の内田氏とコーチの井上氏が警察では「不起訴」になった。
一方、悪質タックルを実行した宮川選手は示談が成立しているものの、書類送検された。


明確な悪質タックルの指示を確認できなかったということで訴追をあきらめたわけだが、第三者委員会の結論とは大きく異なるだけに「日大は無実の罪で内田氏を追放したのか?」、「第三者委員会の調査は間違いだったのか?」、「それじゃ悪質タックルをした選手本人が悪いのか?」、などなどネットはブーイング、世間は揺れ動いた。

でも、悪質タックルの実行、第三者委員会の調査、内田氏の日大追放・・・という一連の流れの中で、もっとも難しいのは「(ケガをさせろという)明確な指示はなかった」のに、従順な選手がありえない悪質タックルをしてしまったという事実関係だろう。
日大の調査委員会は多くの学生や関係者をインタビューし、おそらく「やらなければならない空気」」がアメフト部や一部関係者にはあったことを認めたのではないだろうか?
一方、警察や検察は明確な証拠を求めるから、具体的な指示や実行の監視などの事実がないと刑事責任を問えないのだろう。

日本人にとってはこの「空気」はずっと昔から厄介な大問題だった。
かつて日本軍が真珠湾攻撃を実行し太平洋戦争が始めったが、軍部内部で「空気」によって開戦に向けた雰囲気が作られていったという評論を読んだことがある。
「空気」で戦争がはじまり、数十万、数百万の人たちの命が失われたとしたら、こんな悲劇はない。
日大のアメフト部の問題でも、結局、悪質タックルした本人が書類送検になった。
内田氏や井上氏が作った「空気」を逮捕することはできない。
これは警視庁の捜査の限界、法律の限界を示しているように思われてしかたがない。
そして、「空気」で読んで動く日本社会に大きなウォーニングを出しているのではないだろうか?
職場の空気や上司の空気を読んで行動して褒められる時代は終わっている。
空気を読んで行動しても変に責任を負わされるだけだ。
日本人には「空気」を読まない勇気が必要なのだろう。



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若者による新しい日韓関係に期待

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1月31日にサムスン電子が発表した10-12月期決算だが、営業利益が前年同期比28.7%と大幅に減少し、10兆8000億ウォンとなった。
通期決算では2018年の営業利益58兆8900億ウォンと過去最高だったが、10-12月期からi一転して利益急減に見舞われた。
過去最高の7-9月期から38%の営業利益の急減、半導体事業の営業利益は半減、スマホ事業も大幅減だ。
LG電子も同様で、10-12月期の営業利益は80%減少の760憶ウォン、スマホ事業が赤字転落した・・・この10-12月期は断崖から突き落とされたような数字となったが、これが韓国の政治・経済に大きな影響を与える。

韓国は日本と違い財閥が解体されず経済を牛耳っている・・・ちょっと古い統計ではGDPの7割を10大財閥が占めたとも言われているる。
この財閥の独占を今までの政権が許してきたというか、財閥と政権が常にを阿吽の連携を取り韓国は成長してきた。
その財閥が業績悪化に見舞われると、韓国経済は一気に厳しい状況に追い込まれる。
文在寅としては、財閥の業績悪化ー韓国経済の停滞ー国民の不満という流れを断ち切る必要があり、今まで以上に、朝鮮民族の統一という美辞麗句で彩られた対北朝鮮政策、あるいは、徴用工裁判によってカネ(20万人の徴用工に1000万円づつ=2兆円)をむしり取るという対日政策に注力することになるだろう。

でも、韓国国民はバカじゃないし、その程度のレトリックは見透かしているだろう。
韓国の若者は実は日本の若者と近い感覚を持っているからだ。
ちょっと古いデータだが、2017年の韓国からの訪日客数は714万人で中国の次で第二位だ。
しかし、一人当たりの支出金額を見ると、1位はオーストラリアで24.6万円、2位は中国23.1万円、スペイン、イタリア・・・と続き、韓国は20位で7.0万円だ。
多くの韓国人が訪日するが、日本での支出は7万円と低い・・・これが意味しているのは、韓国からの訪日客は若者が多いということだろう。
漫画・アニメやゲームやアイドルなどのオタク文化にも共通点が多い韓国の若者は、距離的にも近い日本とよく行き来していて、よく両国の文化・社会に親しみがあるのではないかと思う。

文在寅の政権が強く推し進める反日政策、徴用工や慰安婦を利用したタカリ政策は惨めの一言だが、若者は文政権と違う考え方を持っているのではないかと思う。
就職が厳しい韓国では、日本企業への就職が人気になっていると聞く。
頻繁に行き来する韓国の若者にそれぞれの国の歴史・事実を理解してもらうことが重要で、韓国と日本の若者はもっと近くなれる。
外国人に労働市場を開放するタイミングで、日本企業にはメンタルが比較的近い韓国の若者を積極的に採用し、政治が作ったミゾを埋める活動をしていほしいと思う。




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株式投資の基礎(1株主の権利)

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今まで断片的に株式投資について書いてきたが、是非一度きちんと考えてみたいと思い、この「株式投資の基礎」を立ち上げた。

まず、一回目として株式とは何かを考えてみたい。
株式の保有者=株主の権利は法律で決まっていて安心して投資ができるわけだが、株式を保有すると何かいいことがあるのだろうか?
まず、株式を持つと、配当をもらえる権利を得られることだ。
配当請求権と呼ばれる権利が会社法で定められているとおり、一部例外はあるが、基本的に株主総会で配当額が決定され、株主は配当を受け取る。
会社は売上から、製造にかかった費用を資材調達先や取引先に支払い、従業員に給料を支払い、借金をした債権者(銀行等)に金利を支払い、法人税や固定資産税やその他の税金を国や地方に支払う。
そして、最後に残った純利益が株主のモノになる・・・その純利益から、株主に経営を任された役員に役員報酬を支払い、株主には配当を支払う・・・その残りは内部留保として会社に蓄えられる。
この順番が重要で、最後の純利益から配当を受け取る株主は最後の出し手と呼ばれるのはこのためだ。

第二に、株主は会社を清算した後に残った財産(残余財産)を受け取る権利を持つことだ。
これも会社法で決められているが、会社の資産から負債を引いた純資産が株主のものになる・・・これを純資産や自己資本または資本の部と呼んだりする。
会社清算では債権者会議が開催され、その会議で倒産会社の財産を精査し・・・まず従業員の給料の未払があれば先に支払い、銀行などに借金があれば返済され、最後に残った財産が株主に分配される。
でも、会社清算や会社倒産などの場合、債務超過(借金>資産)に陥っているケースが多く、従業員や取引先への支払いを優先し、銀行に借金の返済をすると株主には何も残らないケースもありえる。
だから、株主は株式投資した分が損失になる場合がある・・・その場合株主にはこれが最大損失となる。


第三に、会社の経営を監視し、株主総会での投票を通じて意見を表明できる権利(議決権)だ。
実は株主には議決権だけではなく保有比率により様々な権利が与えられている。
発行株式総数の1%以上を保有する株主には株主総会で議題を提出する株主提案権、3%以上を保有する株主には帳簿閲覧権が与えられ、5%以上保有すると財務省に大量保有報告の提出義務が生じ大口の保有者をしてリストアップされる。
さらに20%以上保有すればその保有企業を持ち分法会社として連結対象にすることができ、1/3以上を保有すると株主総会での特別決議に拒否権を持ち、50%以上になるとその会社を連結子会社にできかつ単独で株主総会の普通決議を可決させることができる。
2/3以上になると特別決議も単独で通せるし、85%以上になると東証の上場廃止基準に到達し上場廃止される。


この株式保有比率に応じて様々な権利が株主に与えられているので、何%の株式を保有しているかが会社を支配するカギになっている。
2/3以上の株式を保有すれば実質的な支配者だし、85%以上保有すれば東証から上場廃止され非公開会社としてほぼ完全に会社を支配できる。
その中間の株式保有比率がいろいろ問題になる・・・たとえば、ルノーの日産株の保有比率は43%、ということは連結決算の対象にはなるが、株主総会で普通決議を単独可決できない・・・つまり、他の株主との協働が必要になるから「ルノーは日産を支配している」とはいえない。

この支配証券としての価値を最大限に利用するのがアクティビストと呼ばれる投資家たちだ。
ソフトアクティビストとしてGPIF(日本の巨大年金)の運用も受託しているタイヨウパシフィックのファンドマネジャーと会ったことがあるが、極めて特殊な運用手法だった。
上場小型株の30-40%を保有して、企業経営者に圧力を掛けるのは常とう手段だが、彼らは上手な日本語を駆使して社長と個人的に懇意になり、社長の息子の米留学をアレンジしたり、フトコロに入り込む、そして、自分たちのプラスになる提案をしたり、企業にアドバイスして、企業価値の増加を目指す。
本来、「経営と執行の分離」原則の株式会社だが、ここまで経営者と運用者が密接だと会社の内部情報が運用者に漏れてしまう可能性があり、「インサイダー規制」に引っかかる可能性が心配になる。





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クレジット・リスクと株価(1)

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株式市場の大暴落の背後にはクレジット・クランチがあった。
過去、クレジット・クランチから株価が5割以上の大暴落をしたことが何回もあるぐらいだ。
クレジット・クランチは金融市場だけでなく株式市場にも大きな影響を与えてきた。
そこでクレジット・リスクをどう考えるか、どう対処するかという話を取り上げてみたい。

円債のクレジットはけっこう難物で、過去2回、痛い目にあったことがある。
債券運用は細かい数字を積み上げていく精密な運用で、株式のように将来の収益予想をザックリとやって投資するわけではない。
株式が暴落しても「株ってそんなものだろう」と株式投資家は受け取るだろうけど、債券が暴落したら債券投資家は「取り返せない損失」と受取り絶望する。
数十ベーシス(1ベーシスは1%の1/100)、あるいは数ベーシスのリターンを取るために必死に運用しているのが債券ファンドマネージャーなので、数%の損失は致命傷になってしまうからだ。
取引単位も債券は1本=百万ドルで、それを10本とか100本とかをまとめて一度に売買する、株式に比べて、微々たるリターンを上げるために巨額の取引をしているのが債券ファンドだ。
だからこそ、クレジット・イベントによる債券運用の失敗はその大きさから多くの投資家に影響し、債券市場だけでなく株式市場にも他の資産市場にも巨大な影響を与えてしまう。

最初にびっくりするほどの損失を出したのは、リーマンショック後の2008年から2009年の事だった。
リーマン・ショックはサブプライムや不動産融資の証券化ビジネスで大儲けしていた米大手証券を直撃し、金融取引のカウンターパーティ・リスク(取引相手のリスク)が急激に拡大した。
証券化商品の取引だけでなく、あらゆる金融取引でカウンターパーティ・リスクが過度に意識され、貿易金融でさえ一時凍結されたほどだ。
当然、社債についてもクレジット・リスクが急速に高まり、不動産関連や消費者金融などの業種の発行体はそれだけでも敬遠されることになる。
さらに、クレジット・リスクの評価基準である信用格付けも引き下げられ、社債の償還(元本の返済)ができなくなる懸念が出れば、社債価格がドスンと暴落してしまう。

この2008年から2009年の社債市場は酷かった。
もともと不動産関連会社や消費者金融会社が発行していた社債は利回りが高く、その利回りにつられてどちらかというと山っ気のある債券ファンドマネージャーが買い手になっていた。
消費者金融会社の社債が格付けBBB(投資適格)で発行されていたとすると、格付けが一段階下げられただけでBBのジャンク債となってしまい・・・その場合、その社債価格が当初の100から一気に30~40に下落するケースが次々と出てきた。
数%程度の年リターンを取るための社債投資で、一発で60~70%の損失を出してしまうという厳しい状況だった。

あるファンドマネージャーは高利回り社債への積極的な投資で有名で、2005年から2007年まではリターンの高さで年金コンサルタントからはピカピカの高評価だったし・・・本人も自信満々で高利回り債券に集中投資していた。
ところが、リーマンショックで見事に反転、債券ポートフォリオなのに年リターンがマイナス10%近くと、ありえない損失を出してしまった。
これからが大変で、年金基金などの顧客回りをして、ひたすら謝罪を続ける、でも顧客は罵倒するだけ罵倒し、絶対に許してくれない。
結局、ほとんどの顧客に解約され、そのファンドマネージャーは消えてしまった。
債券の運用の恐さはここにある・・・つまり、社債の価格にポッカリと空白の価格帯があることだ。
株式ではストップ安で値が付き、次の日ストップ安でもまた値が付く・・・しかし、債券では全く取引なしに50%も60%も下落することもありえる。
だから社債投資(クレジット投資)には一歩リスク管理を間違えると致命傷になりかねない恐さがある。
次回に続く。



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私募ファンドの話(2私募投信の運用)

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私募投信には大きく分けて二つのニーズがある。
一つは金融機関のトレーディング益を上げるためのツールで、もう一つは小規模の年金基金のための少額投資商品だ。
金融機関のトレーディング部門は、手っ取り早くトレードできる利便性と高い換金性があり、価格が透明でパフォーマンスが毎日計算される透明性が重要だ。
だから、複雑な投資収益を上げる私募投信よりも、簡単で分かりやすいインデックス型の私募投信が求められる。
昔した運用会社でも金融機関向けには、日経225の連動した投信、MSCI-グローバル指数に連動した投信、ユーロストックスに連動した投信など利便性・換金性・透明性の高い各種インデックス投信が金融機関向けでは人気があった。

もう一つの年金基金向けは、大手年金や海外のSWFに向けた大型のアクティブ運用商品を元に私募投信を作り、小規模の年金基金の少額投資に対応できるようにしたものだ。
基本的には大型の投資顧問の商品は最低投資金額に制限があり、小口の投資家には向かない。
しかし、私募投信に作り替えれば、小口の資金の出入りにも対応できる。
さらに通常の四資産バランス型とは異なる、ロング/ショート、不動産投資、太陽光発電、インフラ・ファンドなどのオルタナティブ商品も続々と出されたことも、品揃えの良さで私募投信が売れた理由だ。

その中でも人気のあったのが、ロング/ショートやマーケット・ニュートラルなどの絶対値運用だ。
これらは株式投資の基本的運用プロセスを変えない、ファンドマネージャーが自分のやり方でできる絶対値ファンドで、彼らにはに慣れた運用手法で安定性の高い運用でもある。
と同時に市場が上がっても下がっても絶対値の収益が取れることで、運用ポートフォリオ全体のリスクを引き下げる効果もあり、リターンの下支えをできる点も評価されている。
特に短期金利の低い時期には、絶対値で3%程度のリターンを上げるロング/ショートやマーケットニュートラルは年金基金にはありがたい存在なのだ。
ロング/ショートの場合、年金基金によっては現物株の空売りを禁じているところもあり制限を受けるが、私募投信への投資ならば基金の規則上もクリアーできるので、この分野では私募投信に強みがある。

また、不動産投信、特に私募リートは上場リートとは評価方法が異なる。
上場リートは市場に上場しているため毎日時価が変動するが、私募リートは時価変動がなくNAV(ネットアセットバリュー)で評価されるため評価時価が安定しているのが強みだ。
上場リートのバラティリティを懸念して、NAVでの評価になる私募リートを組み入れている年金基金も多い。
太陽光発電やインフラファンドは、株式や債券と異なる収益源泉を持つため、株式市場や金利の変動から独立しているのが強みだ。
でも、太陽光発電は買取価格の如何によってパフォーマンスが決まってしまうし、インフラファンドは日本では規模が小さいため機関投資家の運用対象にはなっていない。
もちろん海外のインフラファンドは規模も大きくリターンも高いので、一部の積極的な年金基金は海外ンフラファンドに投資している。





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ウィークリー雑感(2/3アリババの語るもの)

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12月初にファーウェイの副会長CFOの孟晩舟氏が逮捕され、米中摩擦の拡大懸念でグローバル市場が売られた(ファーウェイ暴落の第一弾)。
そして、今度は米国がカナダ政府に対して、孟晩舟氏の身柄引渡しを要求した・・・これを持って一部の評論家はファーウェイ暴落の第二弾が始まるのではないかと予想している。
先進国が人権問題等で取引を制限している、いわば、ちょっと傷のある国・地域の開拓をファーウェイは得意としている・・・おそらく、先進国に無視されているアジア・アフリカ・中南米などの非民主的な政権やテロ組織と取引することで簡単に市場開拓できると考えていたのだろう。
でも、この考えは先進国の価値観に抵触し、今回のようなフリクションをもたらす。
そういう意味で今後いくらでもこの手の話は出てくるだろうし、米国は徹底的にファーウェイ叩きを続けるだろう。
だからといって、米中摩擦でグローバル市場が影響を受けるわけではない。

下の表は主要なIT・ハイテク企業の昨年後半の下落率とこの1月の戻り率を計算したものだ。
特にNY市場の上場する中国Eコマースの巨人アリババと、香港市場に上場する中国SNSやネット決済の大手テンセントの動きが注目される。
昨年米中摩擦の激化で両社株は他のITハイテク株よりも早い時期から下げ始め、アリババはピークから38%の下落、テンセントは47%と大きく下落した・・・これは業績というより政治的な懸念が大きくバリュエーションに響いたということだろう。
ところが、今回の戻り率を見るとアリババが下落幅の47%の戻り、テンセントが42%の戻りと、米中摩擦の問題がありながら、アマゾンやグーグルに次ぐ戻りを記録している。
これが意味するのは、株式市場はファーウェイ問題を米中国家間の問題というより、個別の問題との認識を深めているということだ。

  高値 安値 下落率 現在値 戻り率
AAPL 233.47 142 -39.18% 166.44 26.72%
FB 218.62 123.02 -43.73% 166.69 45.68%
NVDA 292.76 124.46 -57.49% 143.75 11.46%
AMZN 2050.5 1265.93 -38.26% 1718.73 57.71%
BABA 211.7 129.77 -38.70% 168.49 47.26%
TENCENT 476.6 251.4 -47.25% 347 42.45%
GOOG 1273.89 970.11 -23.85% 1116.37 48.15%
アップル、ファイスブック、エヌビディア、アマゾン、アリババ、テンセント、グーグルの下落と戻り率の一覧。現在値は1/31の株価」。

国家間の問題としては、中国副首相の訪米で、トランプ大統領と習近平主席との会談に向けて話が進んでいるようだ。
大局的な視点で中国が西側の価値観をすべて受け入れるとは思えないが、米国の農産物の大量輸入で貿易バランスを改善する、あるいは技術の盗用、スパイ行為の禁止を約束する程度は考えられる。
この程度でも合意できれば、当面の下値リスクは限定されるだろうけど・・・それを期待してアリババやテンセントが順調な戻りをしていると思われる。
基本的な価値観が異なる両大国であり基本的に折り合うことはないにしても、しばらく米中摩擦の休戦という状況はありえるかもしれない。



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GPIFは14兆円損したが・・・真の問題は?

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昨年10-12月期の運用結果が開示された・・・2018年4-12月の総合パフォーマンスは-4.3%で、6兆7668億円の損失となった。
おそらく、この結果に対して「なぜ、10-12月期に14兆8082億円も大損しているのか?」とか、「国民の大切な年金資産を減らした大罪だ」とか、マスコミは大騒ぎをするかもしれない。
しかし、問題はそんな所にあるわけではない。

GPIFは慎重な投資家で運用資産の8割から9割をインデックス運用をしている。
だから、その結果もインデックス(ベンチマーク)のパフォーマンスから大きく離れることはない。
日本株式はベンチマークのTOPIX配当込み指数で4-12月のリターンは-11.86%だが、実際は-11.82%で、ベンチマークより0.04%低い。
外国株式もベンチマークのMSCI-ACWI(除く日本)で4-12月のリターンは-4.88%で、実際は-5.08%とベンチマークより0.2%低い。
機関投資家の運用ではベンチマークより良いパフォーマンスが期待されるが、GPIFは日本株でも外国株でもベンチマークを下回った・・・実はわずかとはいえ、これが問題なのだ。
この結果の意味は、8~9割の部分はインデックス運用でパフォーマンスがインデックス並みだ。
ということはアクティブ運用比率を20%とすると、日本株アクティブ運用はベンチマーク比0.2%程度負けていることになり、10%だとするとアクティブ運用は0.36%インデックスに負けている計算になる。
また、外国株アクティブ比率が20%とすると1%の負け、同様に10%とすると2%の負けということになる・・・外国株のアクティブの負けが1%~2%という計算になる。
これはおそらくアップルやグーグルなどのITハイテク関連株でのやられだろう。

実は問題はここにあると思う。
ポートフォリオのわすか20%以下のアクティブ運用がベンチマークを下回るリターンに甘んじているということだ。
その原因の一つはGPIFの支払い運用報酬が超低いことかもしれない。
昨年の数字だが、運用資産平残155.7兆円に対して、支払い運用報酬は487億円で、手数料率はわずか0.03%(3ベーシス)だ・・・通常、年金基金のアクティブ運用報酬は20~30ベーシスであり、GPIFの運用報酬は極めて低い。
おそらくインデックス運用はほとんど運用報酬ゼロに近いだろうし、アクティブ運用でも0.1%(10ベーシス)以下で運用していると思われる。
運用会社から見れば、この低い運用報酬ではリスクを取って高いリターンを上げようという意欲は全くなくなる。
むしろ、インデックスに負けない程度の運用をしていれば十分で、余計なことをやってインデックスに負けたらむしろ問題になってしまう・・・という意識が強いだろう。
もちろん、GPIFからすれば国民の年金資産を守るために運用報酬を低くしているという理屈だろう・・「運用収益-運用報酬=ネット収益」だから、報酬が低ければネット収益が上がると考えているかもしれない。
でも、現実はは逆で、こんな低い報酬ならば高い運用パフォーマンスなんて出るわけがないのだ。

また、実現損と評価損を分けて開示しろというマスコミが増えるかもしれない。
個人投資家と違い、実現益/損で税金を払うわけではなく、機関投資家にとっては実現損も評価損も全く意味は同じだ。
企業は時価会計で決算をしているから当然理解しているだろうが、日産のゴーン氏の為替デリバティブでの損失を実現損でないから会社に損害を与えていないとかいうマスコミが多すぎる。
時価会計では評価損も実現損も同じに扱われる・・・これはGPIFも同じだ。
運用会社のパフォーマンス報告もすべて時価ベースで行われる。



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カタールとアブダビのピッチ外の戦い

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アジアカップの準決勝でカタールがUAEに勝ったが、アブダビの観客がペットボトルや靴をピッチに投げ入れるなどの暴挙が世界に放映されてしまった。
UAE(アブダビ)とカタールはけっこう因縁の関係であり、UAEは試合後、国際的な非難を浴びることになった。
でも、そんな事でひるむアブダビではない。
カタールの2選手にFIFA規定の違反の疑いがあるとして公式な抗議をFIFAに送った。
FIFAの規定では外国からの帰化選手は5年居住して初めて出場できるのだが、カタールの2選手はカタール生まれではなく規定に反しているという抗議だ。
ただでは起きないアブダビだ。

中東のハブ空港としては、ドバイ空港(エミレーツ航空)、アブダビ空港(エティハド航空)、ドーハ空港(カタールエアー)の三つがあるが、この三つの航空会社の競争は激しい。
そのうちエミレーツとエティハドはUAEの会社で、カタールエアーをたたき出そうとしている。
ドーハ空港は非常に近代的で美しい空港だが、なんとなくガラーンとしていて寂しい感じがある。
一方、アブダビはちょっと狭くて混みあっているが活気があり、ドバイは有名な巨大ハブ空港で膨大な旅客数をさばく。
これがUAE(アブダビ)とカタールの差だろう。

カタールはアラビア半島からペルシャ湾に突き出た「出べそ」のような国で、人口は200万人しかいないが、有数の天然ガス田を持ち一人当たGDPが10万ドルに近い超富裕国だ。
こんな条件下で、サウジ、イラン、UAEなどの周りの大国とバランスを取って生き延びてきた。
当然ながら、スンニ派のサウジやUAEだけでなく、シーア派のイラン、独裁国シリア、パレスチナ、いろんな組織にも寄付したりと関係を持ってきたため、逆にアラブの主流派スンニ派からは警戒されてきた。
そして、現在はシリアの反体制ISなどを支援した疑惑で、サウジやUAEから国交断絶を突き付けられている。

次のワールドカップはカタール・ドーハで開催されることもあり、スタジアムからホテルやその他の施設まで建設ブームで、あちこちにインド人がいて建設労働をしている。
人口の少ないカタール人は基本的に身体を動かさない・・・だから、労働者はインドやパキスタンから、サッカー選手は運動能力の高いアフリカ人を連れてきて登用する。
お金で海外からの帰化させたサッカー選手が多くいる・・・だから、ここ数年で強くなったわけだ。
でもこんなカタールに対してサウジやUAEは怒りを隠さない。
そして、今回のような直接対決では、スポーツマン精神とはかけ離れた暴挙に出てしまうのもこうした背景がある。

アジアカップの決勝戦、カタールの帰化選手2人が出場するかどうか分からないが、こうしたゴタゴタが心理的にマイナスに出てくる可能性がある。
特にカタール人サポーターはアブダビと国交断絶で入国できないだけに、ピッチは前回のイラン戦とは違うムードになるだろう。
アブダビのサッカーファンはアンチ・カタールで「敵の敵は友」とばかり日本の応援に回る可能性があるからだ。

ガンバレ、日本!



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