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前回話の続きだが・・・任天堂は成長株イメージが強く、バリュー投資で任天堂を買うというと一般に違和感があるかもしれない。
しかし我々の眼から見れば、2-3年という短期では成長株といえるが、10年以上という期間でみると明らかにバリュー株なのだ。

2013年から2014年はそこそこのヒットゲームしかなく、WiiUなどのゲーム機器も売れず、業績の端境期で営業赤字に落ち込んだ時期だった。
株価は営業赤字を反映して下落し、ついに一株あたり純資産9400円を割り込んだ。
WiiUの販売の不振やスマホゲームの時代に入り任天堂の成長は終わったと言われた時期だった。

この時、バリュー投資のファンドマネージャーが任天堂株を買い出した・・・理由は二つ。
一つは資産価値の安定度。
バランスシート(貸借対照表)を見ると、過去の蓄積としてドル建ての預貯金が2000億円以上あり、一株あたり純資産は安定していた。

もう一つは前回説明した「永久キッズ・サイクル」によるコンテンツの長期的な価値が高いことだ。
ディズニーや任天堂にとってミッキーマウスやポケモンは世代を越えて人気を維持できる超長期コンテンツだ。
景気悪化サイクルでも次の回復時にポケモンゲームなどを出せば復活できるのが強みだ。

結果は言うまでもないが、株価1万円前後(純資産レベル)で任天堂を買うと、その後株価3~4倍になる・・・バリュー投資が有効な会社だ。

最近、問題だと思うのは「バリューかグロースか」という二元論的な相場解説が多いことだ。
特にPBRやPERを使って割安株と割高株に分類し、割安株をバリュー投資、割高株をグロース投資として区分けし、どっちが強いかを話題にする場合が多い。
しかし、同じ会社でもグロースの観点から評価できる時期もあれば、バリューの観点から評価できる時期もあるのが現実だ・・・任天堂や先の例に挙げたソニーでも・・・。

もちろん、テスラのように上場来赤字の会社はどう転んでもバリュー投資の尺度で買うのは無理だが、成熟化している日本企業は、たいていの場合、バリュー投資の時期とグロース投資の時期が交互に来る。
グロース投資の時期に業績の伸びを期待して買うのもいいが、業績不調の時期にバリュー投資として買うと大きなリターンが出る。
「バリュー投資がダメだ、効かない」と言う多くの株式評論家が言うが、こうした企業の業績サイクルを見て行う「バリュー投資」は今でも有効な投資手法だ。
あまりバリューかグロースかという二元論で考えない方がいい。
業績不調期のバリュー投資が最も簡単にリターンが上がる・・・これが結論だ。


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