NASDAQのEPSと長期金利(10年)
NASDAQEPS202408
















米国は4-6月期決算発表の途中だが、NASDAQ銘柄は徐々に発表が進み、予想EPSが修正されてきている。
通常この時期は今年半期の結果が出るとともに1年先の予想も修正される。
四半期決算では実績よりも予想EPSがどう変化するかが一番投資に役立つ。

1-3月期は好調な売り上げと利益で予想EPSは大きく上方修正されたが、この4-6月期は何か違ってきている感じがする。
上のグラフはNASDAQ銘柄の1年先予想EPSの推移だが、ここにきてちょっと下方修正が目立っている。

1-3月期のEPSが織り込まれた5月初にEPSは、NYダウで2100ドル、S&P500で247ポイント、NASDAQで688ポイントだった。
そして3か月後の8月初は、NYダウで4.2%減少の2012ドル、S&P500で2.7%減少の241ポイント、NASDAQで4.1%減少の660ポイントだった。
つまり、各インデックスの予想EPSは3か月前から2~4%程度は低下したことになる。

なぜ、EPSが低下し始めたのか?

気になるのは小型株の予想EPSの低下だ。
ラッセル2000のEPSは4月の89.8から低下し、8月には72.3ポイントへと低下した。
小型株ラッセル2000はNASDAQが急落した7月には出遅れ感から急激に買われた。
しかし株価上昇とは逆に、EPSは3か月で15%という大きく低下し、ファンダメンタルの悪化が明確になった。
この小型株の利益低下のスピードが筆者の懸念材料だ。

米国の経済指標は徐々に停滞感が出てきている。
価格の安いECは伸びているものの、全体として小売りは低下し、インフレ率を下回る状態になった。
好調だった労働市場でも雇用の伸びが11万人程度で低下し時間当たり賃金も3%台へと鈍化した。

まだリセッション(景気後退)とは言えないが、この変調がリセッションの兆しなのか、じっくりと見ていきたい。

主要株価指数のEPS推移
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2024年8月 2012.01 -4.23% 241.16 -2.74% 660.49 -4.12% 72.36 -15.62%
2024年7月 2056.18 -1.01% 245.79 -0.35% 691.02 2.31% 78.71 -12.42%
2024年6月 2058.3 -1.32% 246.18 0.54% 677.4 12.33% 81.75 -3.02%
2024年5月 2100.8 0.71% 247.96 10.76% 688.9 15.78% 85.75 16.78%
2024年4月 2077.1 14.59% 246.65 11.53% 675.44 15.78% 89.87 23.53%
2024年3月 2085.77 13.77% 244.86 9.09% 603.06 3.86% 84.3 9.44%
2024年2月 2086.05 14.34% 223.87 -1.02% 595.03 1.47% 73.43 -6.71%
2024年1月 1812.58 -2.28% 221.15 -1.60% 583.4 1.77% 72.75 -3.69%
2023年12月 1833.36 -0.27% 224.46 0.25% 580.67 2.52% 77.03 -0.75%
2023年11月 1824.39 0.83% 226.17 4.80% 586.39 11.90% 78.71 0.92%
2023年10月 1854.95 0.18% 224.75 2.70% 573.25 10.25% 75.54 -5.12%
2023年9月 1838.41 -4.87% 223.89 -1.08% 566.39 7.66% 77.61 -4.75%




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