株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版のeBook「株式需給の達人 基礎編と投資家編」を出版しました。
需給を制する者は投資を制す!

基礎編

パンデミックを織り込むNY市場

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過去に書いたブログだが・・・
2/1「西高東低、新型コロナ以後の世界」では、米国や欧州の株価上昇とアジア株の低迷と「西高東低」になっているが、実態悪を織り込む時は欧米もアジアも同様に下落するとした。
また、2/9「習近平、中国の危機感」では、新型ウィルス拡大によって中国人は世界で拒否され、中国の孤立化が進む・・・新型コロナの封じこめ宣言と経済回復策を全人代で出さないと、中国は厳しい立場に追い込まれるとした。

ついにNY市場が急落した。
もともと新型コロナ騒動の中で「そんなの関係ない」ぐらいにしか思っていなかったアメリカ人が、新型コロナのパンデミック・リスク、そして、その後起こる経済の実態悪を意識し始めたということだろう。
中国の物流ネットでの孤立化=サプライチェーンの停滞と、中国人の移動制限=消費地として中国市場の停滞という二つの停滞を次に織り込まねばならない・・・そして、グローバル景気への影響も見て行かなけれなならない・・・NY市場の急落はそのための必要な株価調整が始まったということだろう。

経済の3要素は「ヒト」「モノ」「カネ」だ。
2008年のリーマンショックでは、サブプライム金融商品の巨額な損失可能性とそれを保有する金融機関への不信が蔓延し、疑心悪鬼が「カネ」の流れを止め、経済活動が止まった。
2011年の東日本大震災では、東北の発電所や主要な工場・物流ネットワークが地震と津波で壊滅的な打撃を受け、「モノ」が動かなくなり国内サプライチェーンが寸断された。
そして、今回2020年の新型コロナ騒動では、ウィルス感染の拡大から「ヒト」が動けなくなった・・・世界最大の消費地である中国が止まり、世界の工場も稼働を制限された。

リーマン危機で「カネ」のダメージからの回復に1年半かかり、東北地震で「モノ」のダメージからの回復には1年かかった。
しかし、今回は生産施設や物流ネットなどの「モノ」は無傷で残っているし、「カネ」は逆に中国中心に潤沢な金融緩和を行っているので、大きなプラス要因となる可能性も残っている。
制約条件の「ヒト」の動きが自由になれば以前の状態に短期で戻る可能性もあるだろう・・・そのカギは中国の全人代なのではないだろうか?
習近平が封じこめ宣言をすれば、中国のことだから一気に活動再開となる・・・株価も急反発する可能性がある。
問題は延期された全人代がいつ開催されるのか?・・・3月中なのか? 4月なのか? それによって中国経済の見通しは大きく違ってくる。

中国国内の感染者数は7万8000人だが感染者の伸びは400人程度/日と低くなってきた。
そして、マスコミがあまり報道しないが、回復者数も毎日800人程度増え、現在3万人が回復している・・・すでに新規の感染者より回復者の方が多い・・・意外と早いタイミングで、全人代が開催される可能性もある。
いずれにしても、全人代が株価の底入れタイミングになるような気がする。


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主役はいつ戻るのか?

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株式需給を考える面白い素材があったので、これを話題に考えてみよう。
これは2/14に日経の編集委員、鈴木亮氏が「主役はいつ戻るか?」というテーマで外人投資家の動向と株式市場見通しを解説した。
・・・要約すると・・・
「株式市場の主役は保有で3割を占め、市場売買の6割を占める外人投資家だ。彼らが買わないから日本株は上昇しない。3月の全人代以降、外人投資家が日本株に強気になって買ってくるだろう。4月が相場の転換期になる。」

その最大の間違いは、外人投資家を一括りにして捉えていることだ。
外人投資家は日本株の3割以上を保有しているが、この中心は欧米の巨大年金、世界のソブリン・ウェルス・ファンド、グローバル・インデックス・ファンド、ミューチャルファンドやETFなどの長期投資家たちである・・・3割の保有のうち大部分は彼らによって保有されている。
特に最近ではグローバル・インデックス・ファンドが急速に巨大化し、おそらく数百兆円規模に膨れ上がっているはずだ・・・となると、その7~8%が日本株に投資されているので、数十兆円は彼らによって保有されている。

欧米の巨大年金はインデックス・ウェートで日本株は保有していると思うが、アベノミクスが色あせて以来、日本の経済ファンダメンタルから日本株には強気になっていない・・・オーバー・ウェートにする理由がないし・・・はっきり言って日本株には興味なしだ。
産油国などのソブリン・ウェルス・ファンドも一時、日本株の小型株に興味を示しドカンと買ってきたことがあったが、それも一巡した・・・原油価格の下落もあり、日本株をオーバーウェートにするとは考えにくい。

一方、市場売買の6割を占めている外人投資家は、先物中心の短期売買しているCTA、グローバルマクロやイベントドリブンのヘッジファンド、市場価格の歪みを収益化するアルゴリズム投資家、先物と現物の価格差を取るアービトラージ投資家などの短期投資家たちだ。
ここ1年で日本株を売買しているのはCTA、マクロ、イベントドリブン、アルゴ、アーブがほとんどだろう。
昨年9/13に「巨大ファンドが動いているのは間違いない」、9/22に「先週の株式需給を読む」を書き、外人の巨大ファンドが動いていると分析した。
これらの外人買いも明らかにCTAやヘッジファンドの急激な動きだった。

こうしたCTAやヘッジファンドの外人投資家は一旦動き出すと激しく売買し、市場価格を自分の思い通りに動かそうとする。
昔、ジョージソロス・ファンドの運用担当をしていたファンドマネージャーは、「日本市場は楽だ。大口売買を成行で入れて1%の価格を動かせば、あとは国内投資家が追随してくる。」と言い放った。
でも彼らは短期収益を上げると、一転売り越して収益を実現化してしまう・・・長期的には市場には中立な投資家たちだ。

長期的に米国株式に対して日本株が出遅れていくのは、欧米巨大年金やSWFなどの長期投資家が日本をアンダーウェートしているのが大きな理由だろう。
一方、時折見られる大口の外人買いは基本的にCTAやヘッジファンドなどの短期投資家で、市場で話題になるのは彼らが動いている時だ。
ファンダメンタル分析を基に保有を決める年金・SWFが今の日本株を買うとは考えにくく、逆にCTAやヘッジファンドが買うのは、日本株の出遅れが極端になった時・・・たとえば、NYダウが3万ドルを越えて上昇したのに、日経平均が2万3000円台だったら仕掛けが入るかもしれない。

外人投資家についてもっと知りたい人は、以下の「株式投資の達人(投資家編)」を是非読んでいただきたい・・・実際に顧客訪問した実話を基に書いた本です・・・読んでね。


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武漢封鎖の効果

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1/23に中国は武漢を封鎖し、ヒト・モノの移動が制限された。
新コロナウィルス問題がその後急拡大したが、封鎖から2週間と言われている潜伏期間を越えてくる・・・そろそろ「武漢閉鎖」の効果を測定できる時期かもしれない。
そこで専門家ではないので学術的な部分は分からないが、発表されたデータを見て考えてみたい。

          感染者数 伸び率 5日移動 乖離率
2020/1/30 9692 25.69% 4675.4 107.30%
2020/1/31 11791 21.66% 7033.6 67.64%
2020/2/1 14380 21.96% 9909.6 45.11%
2020/2/2 17205 19.65% 12155.8 41.54%
2020/2/3 20438 18.79% 14701.2 39.02%
2020/2/4 24324 19.01% 17627.6 37.99%
2020/2/5 28018 15.19% 20873 34.23%
2020/2/6 31161 11.22% 24229.2 28.61%
2020/2/7 34546 10.86% 27697.4 24.73%
2020/2/8 37198 7.68% 31049.4 19.80%
2020/2/9 40190 8.04% 34222.6 17.44%
2020/2/10 42638 6.09% 37146.6 14.78%
2020/2/11 44276 3.84% 39769.6 11.33%

まず、感染者数だが、2/11現在4万4276人とNHCが発表している・・・上の表を参照。
伸び率は前日比の伸び率だが、20%以上の伸びを示していた頃から比べると、2/11は3%台と伸び率の低下が見られる。
感染者数の5日移動平均を計算し、毎日の感染者数と5日移動平均の乖離率を計算してみた・・・乖離率は一時100%を越える数値を示していたが、現在11%と乖離縮小。
このペースで行くと、今後、1週間程度で伸び率は横ばいになり、感染者の実数が5日移動平均並みになってくる状態が予想される。
「武漢閉鎖」から想定される潜伏期を経過し、感染者数の伸び率が落ちてくる・・・「武漢閉鎖」が一定の効果を生んだともいえるかもしれない。

次に上の中国の地図だが、これもNHCから拝借してきたものだが、感染者数の地理的状況を示している。
真ん中の濃い部分は湖北省で、武漢から発生した新コロナウィルスなので湖北省が最も感染者が多い。
次に濃い部分は、河南省、浙江省、広東省の三つで、河南省は震源地の湖北省と接しているから理解できるが、他の2省は接していない。
しかし、浙江省は上海という巨大都市と接し、広東省には広州・深圳などの主要な工業都市がある・・・つまり、ヒトやモノが集まる地域でそれによって感染者数が伸びたのかもしれない。
一方、湖北省に接している地域の感染者数が多いというわけではない・・・けっこう意外だった。
これが「武漢閉鎖」の効果かもしれない。

素人判断は危険極まりないが・・・データだけ見ていると、武漢閉鎖から2週間の潜伏期を経過し、感染者数の伸び率が低下し、湖北省の近隣地域での伸び率が抑えられていることから、事態のピークが近いという感じを持つ。
市場心理としては恐怖心を織り込んできた状態といえる・・・市場では中国関連株やインバウンド関連株が大きく売られ続けてきたが、そろそろ自律反発に入るかもしれない。
ただし、中国の孤立化=海外による中国の鎖国による企業活動への影響は今後の問題となる。
やはり、3月全人代の習近平が注目だろう。

追伸)本日の中国の発表で、感染者数は一日で14840人増加し、死者も242人の急増となった。
今まで隠してきた分を加えたとか、何かしら事情がありそうだ・・・

やはり事情があり・・・画像診断で新コロナウィルスによる肺炎を判断された人たちを、本日から含めたということで・・・過去分の修正だった。
この修正分が1万3332人あり、今までのベースの数字は1508人の増加となり、まあ、予想の範囲内だ。



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実践的バリュエーションを考える(3)

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実際にPERを使った銘柄選択について考えてみよう。
人気の高い高PERの銘柄を買うか、低いPERの銘柄を買うか・・・そしてもう一つはこれらの中間、ほどほどに成長性がありPERもそれほど高くない銘柄を買う・・・GARP(Growth At the Reasonable Price)アプローチだ。

まず、高PER銘柄を買う場合を考えてみよう。
高いPERを作っている要素、長期のビジネスモデル、売上の成長要因とその継続性、さらに、成長を維持できるキャッシュフローを検討する。
ビジネスモデルとは簡単にいえば「儲かる仕組み」・・・それは結局のところ、企業の成長はトップライン(損益計算書の一番上の項目)である売上高の成長性とそのビジネスの利益率で表せる。
成長企業は利益を次の成長である設備投資に使うので、売上の成長率が高い・・・その反面、利益がなかなか出ないこともありえる・・・その両方に注目したいのが、「40のルール」という経験則だ。

これは「売上の成長率+営業マージン>40」というルール・・・営業マージン=営業利益/売上高で、売上/営業利益率と呼ばれる。
売上高の年平均成長率が40%以上あれば営業利益ゼロ以下あるいは赤字でも許容される・・・同様に売上高の成長率が20%ならば、営業利益率20%が求められるという具合だ。
簡単に言えば、売上の成長が40%以上ある企業は赤字でも十分に評価できる・・・「買い」
だ。
売上の成長率が20~40%の企業は、利益が黒字化することを求められる・・・黒字化すれば「買い」だ。
しかし、売上の成長率が20%以下の企業は利益を上げる=営業利益率がある程度あることを求められ・・・つまり、売上の成長率が20%以下の企業に対して利益水準とともにPERの評価が必要になるという原則がこの「40のルール」だ。

昔の話だが、90年代にアマゾンがNASDAQに上場したが、上場後長らく赤字を続けた。
稼いだキャッシュフローをすべて次の投資に使い、ITと物流拠点に投資し最大効率の物流ネットワークを構築いた・・・このITの強みが現在にAWS(アマゾン・ウェッブ・サービス)の基盤になっている。
このアマゾンの凄いところは、赤字でも売上成長率の40%以上を長期にわたって続けたことだ・・・この特筆すべき売上成長が赤字でも株価が上昇を続けた最大に要因だろう。
アマゾンを調べた時、「売上成長が40%以上あれば、赤字でも株価は上がる」という経験則が生きていると思った。

高成長の高PER銘柄を買う場合は、売上の成長率がカギになる。
売上成長が40%以上あれば「買い」だし、20~40%でも利益やキャッシュフローを見て「買える」、しかし、売上成長が20%以下の企業は利益率やPERによって銘柄選択をする。
さらに売上成長率が10%以下の企業になると、GARPのアプローチが有効になるだろう・・・後に「GARP」についても考えてみたい。
高PER銘柄を買う場合は、この売上成長力が高く利益が出ていない成長企業と、もう一つある・・・この話は次回にしたい。



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テスラの「バイング・クライマックス」

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投資家は心理的に株価が下がると恐怖を感じ、上がると幸福感を感じる・・・この非対称性が株価下落でボラが上昇し、株価上昇でボラが低下するという現象を生む。
株価下落による恐怖心の高まりが「セリング・クライマックス」を作り出すが、株価上昇による幸福感では「バイング・クライマックス」を生まない・・・これが常識だった。
でも、この常識が覆された場面を見ることになるかもしれない。

それが起っているのが、テスラ株だ。
1/30のブログでもEVの雄であるテスラの時価総額がVWを上回り、自動車で世界第二位になったと書いた。
しかし、その後も急騰を続け、1/28~2/4までの1週間で58%の急騰を演じ、現在の時価総額は1600億ドル(17兆円)に迫ってきた・・・世界第一位のトヨタの時価総額25兆円も視野に入ったかもしれない。
この株高の原動力はショート・スクイーズ、つまり、空売り投資家が損失に耐えられなくなり、買い戻しに入り、その買いがさらに株価を上昇させる・・・という展開だ。
アイカーン氏を始め錚々たる投資家が空売りを仕掛け、空売り株数が発行株数の2割に達していた・・・それだけ、テスラに対する懐疑派が多かった、しかも、金持ちの空売り投資家たちだった。

チャートでも異常値圏内に入ってきている・・・100日移動平均347ドルで、この乖離率は100%を越えてしまった・・・つまり、過去100日で買っていた投資家の平均コスト347ドル、これに対して新規の投資家は2倍以上の897ドルで買わなければならない。
新規投資家には極端に不利な状況でとても買いを入れる状態ではない・・・買うことのできる人は空売り投資家の踏み上げの買いだけだろう。

記憶にある「バイング・クライマックス」は1989年に発行された三菱重工の転換社債・・・100円前後で発行される社債にもかかわらず、上場初日に200円近くで取引された。
いくらバブル全盛期とはいえ、いくら株式を買う権利が付いているとはいえ、どう計算してもありえない値段だった・・・まさにバブルの心理が生んだ「バイング・クライマックス」、その数か月後、日本はバブル崩壊に突き進んでいった。
もう一つは1999年のソニー株だ・・・年末にかけて、この代表的大型株のソニー株が小型株のようにストップ高を続け、株価が3万円に達した。
ITバブル絶頂の「バイング・クライマックス」で、翌年の大発会から奈落の底へと崩落していった。

昨日のNY市場ではテスタ株が17%の急落、しかし、NYダウは480ドルの急騰・・・なんか暴力的な株式需給、異常な価格形成・・・何かの予兆かもしれない。


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パニックの後には在庫の山

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新型コロナウィルスをマスクで感染防止できるとは思わないが、マスクがバカ売れし、店頭から姿を消したようだ。
アマゾンなどのネット通販では通常価格の数倍でマスクが売られているらしい。
株式市場でも関連する会社がストップ高に次ぐストップ高で、個人投資家の中にはウハウハな人たちも多くいそうだ。
しかし、気を付けた方がいい。
マスクなんていくらでも増産が可能だし、簡単に作れるものだ。
中国人は道端に捨てられているマスクを集めて、大きな鍋に入れて煮込む・・・煮沸消毒というわけだ・・・そして、再び使う。
日本人はそこまでしないだろうが・・・。

医療や感染の専門家は、マスクをしていたからといって感染が帽子できるわけではないと言う・・・コロナウィルスは接触で感染していくので、手を洗う、手を消毒することが一番大切だという。
売り切れのマスクを探して街をうろつき、様々な物に接触する・・・もし、感染した中国人観光客に振れた物に触れば感染してしまう。
余計な事をせず、自宅でじっとしているのが、最大の新型コロナウィルス対策だ。

マスク狂騒劇はもう限界に来ているだろう。
春節明けで上海市場がオープンした2/3、株式市場ではマスクの関連銘柄が一気に売られだした。
マスクの大幅な増産、そしてその後に起こるのは「マスクの在庫の山」だ。
過去のパニックでも・・・例えば、オイルショック時、「トイレットペーパー」が売り切れパニックを起こしたが、その後、トイレットペーパーの在庫の山ができた。
「たまごっち」が大ブームになり、商品棚から消え、誰も買えなくなった・・・パニック心理が働いた結果だが・・・その後、「たまごっち」の在庫の山ができ、バンダイは数年間業績低迷した。

「パニック後には在庫の山」、繰り返される悲劇だ。


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実践的バリュエーションを考える(2)

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前回は代表的バリュエーション指標であるPERについて基本的なことを考えてみた。
前回はP(株価)=E(利益)×PER(人気)であり、PERとは突き詰めれば人気だと書いた・・・株価は利益と人気の掛け算で決まるといっていい。
また、PERはP(株価)/E(利益)であり、その逆数のE/Pは元本に対する利息に相当する・・・つまり、投資した元本=Pに対してリターン=Eを得るという意味になる。
だから、E/Pは益利回りと呼ばれ、金利とゆるく相関する・・・簡単にいえば、金利が上がるとPERは低下し、金利が下がるとPERは上がる・・・前回はそこまで書いた。

今回はPERをさらに、もう少し、詳しく掘り下げてみたい。
まず、企業成長とPERの関係を考えてみよう。
過去5年の企業ごとの利益成長率と各企業のPERを見ると、たしかに成長率の高い企業がPERも高い傾向は見られる・・・アマゾンは別格としてもグーグルやファイスブック30倍台で取引されている・・・成長企業のPERは高く、一見して成長性とPERは関係しているように見える。
でもよく考えると、過去の成長率が高い企業の株価はそれだけの利益成長により株価が押し上げられてきたということを示すに過ぎない・・・そのために過去の成長率の企業の株価はPERも高かったといえる。
でも、逆に現在のPERが高い企業は今後5年間の成長率も高いといえるだろうか?
これは因果関係が逆で、現在のPERの高い企業は投資家に人気があるといえるが、これは過去の成長率が髙かったからで、今後5年の成長率が高いとは必ずしもいえない。

実際に、5年前のPERとその後5年間の利益成長率をプロットしてみたらほとんど関係が見られないからだ。
あくまでPERは現時点での人気=成長期待を反映している・・・これが将来の企業成長を約束するわけではない。
しかし、GAFAは5年前のPERもその後5年の成長率も高かった・・・その意味では特殊な事例かもしれない。
ここは注意を要する。


次に企業買収の点から考えてみよう。
P(株価)/E(利益)ということは、その会社を時価で買収した場合、何年間の利益で買収資金を回収できるかという意味になる。

投資資金を早く回収できるならば企業買収は容易になる・・・投資回収期間は短ければ短いほど財務負担が小さいからだ・・・なので、低いPERの企業は買収対象となりやすいといえる。
だから、PERの低い企業は買収される危険度が高い・・・こうした企業の経営者
は買収されないように利益水準を引上げ、買収から身を守ろうとするだろう。
だから、低PERの企業の経営者は、なんとか業績を上げようと努力する・・・これが身を結べば、株価が上昇し、PERが上昇し、その結果、買収防衛になる。

もう一つ別の視点だが、事業のビジネスサイクルの長さとPERの関係も重要だ。
ビジネスサイクルから見ると、投資から販売・利益回収までの長い事業サイクルもあれば、単に仕入れて販売するだけという短い事業サイクルもある。
昔の話だが、住友鉱山の鹿児島・菱刈金山で金鉱床が見つかった時、住友鉱山の株価が大幅に上昇し、非常に高いPERになったことがあった・・・この高いPERは、金の採掘ビジネスが事業利益を生むまでの期間が長かったためだ。
一般的に、サイクルの長い事業のPERは高くなり、収益化までの期間が短い事業のPERは低くなる。
企業のバリュエーションを比較する際にも、このビジネスサイクルの違いは頭に入れておきたい項目だ。
特に企業が新規事業の参入するという時には、ビジネスサイクルの長さがPERに影響する場合もあるので気をつけたい。

・・・次回に続く。




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ウィークリー雑感(1/26 事実で売る?)

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有名な相場格言に「噂で買って事実で売る」というのがある・・・これは欧米でも「Buy on the rumor,sell on the fact.」という言葉から来ているグローバル市場に通用する格言だ。
ハイテクや半導体関連株の決算が始まっているが、市場が期待する以上の数字を発表する企業も多い・・・市場は活況だが、だんだん「事実で売る」傾向が出てきている感じがする。

ちょうど1年前、日本電産の永守さんが、記者会見で「尋常でない変化が起きた」と発言し、「11月12月とガタンガタンと落ち込んだ。世界的に全セグメントで大きな変化が起きた。」と本音を吐露した。
しかし、実はそこが相場の大底だった・・・日本電産の株価もこの発言から急上昇し、その後も上昇トレンドをたどった。
テンプルトン流にいえば、まさに「悲観の中で相場が生まれ」た瞬間といえる。

そして、まる1年経ち、永守さんは記者会見で業績を下方修正したもの、「業績の底打ちははっきりした。(EV向けのトラクションモーターなど)事業の方向性ははっきりした。」と語った。
おそらく、事業は永守さんの想定した方向で進んでいくのは間違いないはずだ・・・1年前もその後の2回の業績下方修正に追い込まれたところを見ると永守さんは正しかったといえる。
しかし、株価は別物だ・・・1年前の「尋常でない」発言で株価は底入れした・・・今度は「業績底打ちがはっきりした」発言で、相場的には材料出尽くしになるかもしれない。
テンプルトン流にいえば、「楽観の中で成熟し」た局面かもしれない。
1年前と今回、永守さんほどの影響力がある人だからこそ、こうした逆転リバーサルが起こる。

米計測器大手のテラダインが発表した10-12月期決算、売上が+26%と大幅な増収、半導体テスター部門が28%の増収とけん引した・・・しかし、株価は時間外で+9.6%上昇したものの、81ドル台で寄り付いた後、76ドル台(+3.6%)で引けた。
半導体関連企業も業績はここから上昇していく・・・在庫調整が終わり、受注が回復し、売上は増えていくという局面に入るからだ・・・でも、株価はこれを先に織り込んでいる。
その翌日も下落し、株価は72ドルと決算前に水準に戻ってしまった。

決算発表はまだ始まったばかりであり、今の段階でどうのこうのと言うのは早過ぎるだろう。
今週は日本企業の重要な決算が続く・・・特にファナックの決算と株価の反応には注目が怠れない・・・半導体の回復が設備投資全般に波及していく(評論家、平野憲一氏)という市場の期待がどうなるかは注目だ。
じっくりと決算数字を吟味していくたいと思う。



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恐怖心理の読み方

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新型ウィルスの恐怖が拡散している・・・日本でもアメリカでもメキシコでも感染者が出てしまった。
こうなると、ウィルス恐怖が世界に蔓延していく・・・武漢だけでなく、広く中国本土への渡航や出張をやめる人が続出するだろうし、日本企業の中国駐在員が強制帰国になったり、武漢から離れた場所へ緊急避難したりするかもしれない。
2003年のSARSの時は、中国への渡航者数が瞬間的だが7~8割急減した・・・また逆に全体の訪日客数も3割程度と大きく減少した。

まだまだ感染初期の増加フェーズであり、どこまで拡散していくか分からない段階だ・・・上海市場や香港市場でも恐怖心理の広がりから株価が急落している。
日本市場では特に「インバウンド関連」が大きく影響を受けている・・・資生堂やコーセイなどのインバウンド消費が中国人の訪日減少とともに懸念されているし、ユニクロや無印良品の中国・アジアの売上にも影響が懸念されている。
さらにリート市場でもホテル・リートが軒並み安値割れの状況に陥っているし、中国への渡航者減少の懸念からJALやANAなどの航空各社、HISなどの旅行会社の株価が急落を演じている。
おそらく、誰も予想できない、こんな新型コロナウィルスの流行に対して投資家は思考停止し、様子見にならざるを得ない。

こうした恐怖心理は、チャートでいう「日柄」で考えた方がいい・・・当ブログの「チャート分析の話(2)」で日柄について書いた、参照してほしい。
恐怖も心理的なもので、人間には興味を持続できる期間には心理的限界があり、ある一定期間を過ぎると市場では「織り込み済み」となってしまう。
しかも今回の新型コロナウィルスの恐怖はこの中国の春節期間にもっとも高まってくる・・・株番組の解説者も、春節期間の訪日客が急減すると、消費やホテル、レストランなどの売上に直結するとコメントしている・・・ちょっと不安を煽り過ぎじゃないかと思うぐらいだ・・・。

しかし、SARSの事例を参考にすると、香港市場は2003年3月に7%の下落を演じ、その下落期間はおよそ1か月だった・・・日経平均はその間4%しか下落していない。
パンデミックが懸念された新型インフルエンザも、感染者8000人以上かつ死者774人に上ったSARS禍も株価の下落率ではあまり大きくない。
こうした急激に悪化した恐怖心理は最悪期間としてだいたい15日(3週間)程度がで一巡するケースが多い・・・もちろん、これは心理の話で、訪日客や中国渡航者数などのリアルデータはSARSの時でも回復に入るまでに3か月程度かかった。
リアルデータは3か月の悪化を見ておく必要はあるだろう・・・しかし、株価的には3~5週間程度で織り込むという感じになるかもしれない。
とすると、「日柄」から見ても春節期間後の香港市場の値動きがキーになる・・・春節が終わる1月末から2月初の上海や香港市場が焦点だ。

問題は新型コロナウィルスだけではないかもしれない・・・ここにきて原油相場や海運市況が下落し、将来の中国発景気鈍化を織り込み始めているのかもしれないからだ。
もし、今回の新型コロナウィルスが中国の経済活動の停滞につながるとしたら、香港・上海市場の株価の戻りが鈍いだろうし、半年後ぐらいにそうした状況になれば中国の停滞懸念とともにアジア景気が問題となるケースも長期では考えておく方がいいかもしれない。


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個人投資家の最強運用(9 リアルを買うかファンタジーを買うか)

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株式投資を実行する時に、リアル=計算可能なリターンを基に投資を決定するのか、あるいは、ファンタジー=計算できない大きな夢と大きな期待リターンを基に投資を決定するのか、という問題だ。

リアルを重視するとは、実際に計算できるリターン・・・たとえば、配当や分配金などのインカム収益、内部留保額の成長率などから期待リターンを大まかに計算し、それを投資採算の基礎に使う。
企業決算では税引き後の最終利益から株主に配当し、その残りを企業内に内部留保する・・・そしてどちらも株主に帰属するリターンだ。
だから、配当利回りに、内部留保と前期の自己資本から計算できる自己資本の成長率を加える・・・これで大まかな株主の取り分の成長率を計算できる・・・株主持ち分のリターンというわけだ。
これを基準に株主リターンの高い企業に投資する・・・さらに、株式だけでなく、債券やREITなどの高配当投資を組み合わせて、リアルなリターンを確実に狙っていくのがリアル重視の投資だ。

一方、ファンタジーを重視する投資は、証券会社のアナリストやストラテジストが推奨する投資のやり方だ。
エクイティ・ストーリー=株式の価値が上がるシナリオを作る・・・そして、そのシナリオに沿って企業が行動しているかをチェックしながら、株式投資をしていく。
このエクイティ・ストーリーは、例えば、「5Gの時代になって半導体需要が爆発する」などの将来像を示して、投資家にアピールする。
しかし、その示すものはザックリとした将来であり、納得する人もいれば、納得できない人もあるという感じだ・・・将来の話なので、投資家にいろいろな考え方があるということだろう。

リアルを買うか、ファンタジーを買うかは、それぞれの投資家の好みの問題でもある。
しかし、株式投資の本来の醍醐味は長期の成長ストーリーを買うことであり、長期のエクイティ・ストーリーを自分で作り、実際に投資する・・・それがうまく行った時には資産が数倍になって跳ね返ってくる・・・大満足できる。
一方、配当や割安投資でリアルに収益を追求するのは、けっこう大変な作業を伴う・・・財務諸表をきちんと読んだり、世界の資産市場を見て投資採算を想定しなければならないからだ。
結局のところ、チマチマとリアルに収益を重ねていくか、上場後の小型成長株を吟味して長期保有し一攫千金を狙うか・・・どっちのやり方が合っているか、自分のスタイルを考えて資産形成すればいい。


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ウィークリー雑感(1/19 アクティブの死)

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ヘッジファンドリサーチから衝撃的な数字が発表された・・・昨年のヘッジファンドのパフォーマンスだ・・・以下の表だが、ヘッジファンドの戦略別に昨年のパフォーマンスと今年の年初来のパフォーマンスを示したものだ。

列1 CY2019 20201月
イベントドリブン 10.00% 0.90%
マクロ/CTA 4.80% 1.20%
ロング/ショート 10.70% 0.20%
市場中立 -1.90% -0.40%

若干の説明を加えると、イベントドリブンは企業合併を利用した取引、増資や株式分割などの資本政策を利用した取引、株式指数の採用やウェート変更を利用した取引などだが、基本的にロングなので株式市場が上昇する局面ではそこそこのパフォーマンスが出てくる。

マクロ/CTAは指数先物やオプションを使う場合が多く、現物株を組み入れるケースが少ない・・・だから、やはり、市場が上昇し先物が動く場面ではパフォーマンスが上がる。

ロング/ショートは買いたい銘柄をロング/売りたい銘柄をショートにするが、完全に市場中立ではなく、ショートに比べてロングの比重が大きい・・・だから、市場が上昇する時にはパフォーマンスが上がる。

問題は市場中立(マーケット・ニュートラル)だ・・・これは買いたい銘柄をロングにして、その同等の金額の先物をショートにして中立化する・・・買いたい銘柄が株式指数より上昇すればパフォーマンスが上がるというわけだ。
この市場中立だけパフォーマンスがマイナスになっているのを見ると、買いたい銘柄のパフォーマンスが指数を下回った・・・つまり、アクティブに選んだ銘柄がダメだったということになる。
ヘッジファンドのアクティブ銘柄選択がダメだったということは、他のアクティブ運用者にとっても厳しい市場だったかもしれない。
そこで日本の公募投信で調べ、アクティブ運用全体はどうだったのか考えてみたい。

ファンドのパフォーマンス比較が簡単にできる三井住友DSアセットのサイトで確認してみた。
過去1年でパフォーマンス比較してみると・・・SMAファンダメンタルアクティブ(これは機関投資家向けの運用をSMA向けに公募投信化したもの)が+17.92%、同社のインデックスファンドであるSBインデックス225が+21.35%であり、4%ほど負けている。
参考までに(運用会社サイトが異なると比較がやや難しいが・・・)、日興アセットの日本株アクティブ・Jオープンは過去1年で+18.63%と、やはり、SBインデックス225を下回っている。

もちろん、アクティブ投信は運用報酬が高いのでその分パフォーマンスが低く出ている可能性がある。
しかし、こうした要素を含めて考えても、米国のヘッジファンドも日本のアクティブ投信もインデックスに勝てないのは、否定しえない事実なのだろう。
アクティブ運用の死をいえる状況がしばらく続く可能性がある。

最近業績下方修正したファストリと良品計画・・・ファストリは下方修正した当日は下がったがその後上昇、一方、良品計画は下方修正から下がりっぱなし・・・そして、ファストリは最大の225インパクト銘柄、一方良品計画は225非採用銘柄だ。
アクティブ運用の不振とともに運用資金がアクティブからパッシブ(インデックス運用)に一段と流れ、さらにTOPIXから日経225に流れているということかもしれない。


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実践的バリュエーションを考える(1)

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前に書いた「実戦的バリュエーションの話」を読み返してみると「読みにくい」「分かりにくい」部分が多い。
バリュエーションは株式投資の胆でもあり、きちんと理解することで株式投資を理論的に説明でき、合理的に納得するために重要なツールなので、もう一度、「実践的バリュエーションを考える」というブログに書き直してみたい。
簡単にいえば、いかに儲けるかという「実戦的」から、明確な投資を実践するための「実践的」に変更し、基本的な考え方を分かりやすく書きたいと思う。

バリュエーションとは何か?
ある意味「投資の杖」みたいなもので、投資対象資産がファンダメンタルな価値から割高なのか割安なのかを判断するツールだ。
でも、企業のファンダメンタルには様々な側面があり、単純に「これさえ見ておけばいい」というものはない・・・それぞれに長所と短所があるからだ。
たとえば、P/E(Pは株価で、Eは一株利益)は株価が何年分の利益に相当するかを簡単に計算できる・・・企業買収する場合、何年分の利益が投資回収できるかは重要な判断材料になる・・・しかし、一方、利益は操作できる会計数字なので100%信頼できるわけではない。
P/CF(CFはキャッシュフロー)は逆で、キャッシュフローは操作できないので信頼感が高いが、業種によって大きく変わるので業種間の比較がしにくい。
・・・などなど、使い方には注意が必要だ。

まず、今回はPERについて実践的に考えてみよう。
P(株価)をE(一株利益)で割った、あるいは時価増額を利益総額で割っただけの簡単な指標だ。
これだけ簡単で単純な指標なのに意味するところが多くある。
PER=P/E・・・つまり、P=E×PERとなる。
と考えると、株価は利益×PER・・・株価は利益と人気の掛け算となる・・・簡単に言うと、PERは人気であり、人気のある企業はPERが高く、人気のない企業はPERが低いということになる。
株価は利益と人気で決まる・・・要は「ケインズの美人投票」のようなもので、ケインズ先生は正しかいことを言った。
でも、この人気がくせ者で、どういう訳で人気が出るのかをちゃんと考えなければならない。
美人といってもいろいろタイプがあるし・・・背が高いのか、鼻が高いのか、スレンダーなのか、ぽっちゃりなのか? 
どの美人に人気が集まるのかってなかなか簡単には判断できない。
PERも同じで、成長性が髙い企業が人気になるのか、ユニークなビジネスをしている企業が人気になるのか、はたまた、利益を稼ぎ配当を出している企業が人気になるのか・・・いろいろだ。


そこの理屈付けがけっこう難しい・・・そこで、まず、PERをひっくり返してみる。
利益/時価総額となり何かに似ているのが分かる・・・利息と元本の関係と同じだ。
時価総額を元手として事業を行い利益を得ることと、元本を投資し利息をもらうことは、同じような投資とリターンの関係だからだ。
利益/時価総額を益回りと呼び、利息/元本を金利(利回り)と呼ぶ。
だから、両者はゆるく連動する。
景気が良くなり金利も上がり利益も伸びるが、その逆数のPERは下がる・・・景気が悪くなり利益が下がると金利も下がるので、その逆数のPERは上がるというわけだ・・・理論的にはPERは金利と逆方向に動くことになる。
金利が上がるとPERは下がるし、金利が下がるとPERは上がる・・・ただし最近の市場ではその関係はホントにゆるく、明確ではなくなってきた。

NY市場のPERが上昇していることが話題になっているが、このPERの上昇の一つの要因として昨年のFRBの3回連続の利下げと米長期金利の3%台から1.5%までの低下が上げられる・・・金利が下がるとPERが上昇する・・・というわけだ。
もし今後FRBが利上げに転じ、長期金利が上昇していくことがあれば、NY市場のPERが下がっていくことも考えられる。
金利とPERはゆるく関係しているからだ。


次回に続く・・・


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バフェット指数は株価暴落を示唆

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ウォーレン・バフェットが重視したということで「バフェット指数」と呼ばれているが、考え方は昔からあったものだ。
株式価値の大きさを示す株式時価総額と、実物経済の大きさを示す名目GDPを比べたものだが、これが再び投資家の注目を集めている・・・計算式は簡単・・・株式時価総額/名目GDP×100だ。
実物経済はGDP成長率でせいぜい3%しか増加しないので・・・ブームによって株価が上昇しすぎると、実物経済に比べ株式時価総額が高すぎる状態になる。
つまり、バフェット指数は実物経済に比べ、株価価値が膨らみ過ぎていることを示す指標だ。

過去、日本の1980年代のバブルで、1989年12月に日本バフェット指数が145を記録して、その後、バブル崩壊、1990年代の長期低迷を招いた。
また、米国でもITバブルの絶頂期であった2000年3月に米国バフェット指数が148まで上昇し、その後、ITバブルは崩壊、2000年代前半のハイテク不況につながった。
というわけで、バフェット指数の150(株式時価総額は名目GDPの1.5倍)となると、行き過ぎで株価が暴落するという経験則ができてしまった。

そして、米国のバフェット指数だが、現在150台に上昇し、過去の経験則ではバブル崩壊=株価大暴落が予想される状況が起こっている。
ちなみに日本のバフェット指数は現在122であり、まだ、余裕がある状態だ。
では、この米国のバフェット指数の150をどう考えるか?

2018年9月にも米国バフェット指数が146になった時があった・・・バフェット指数を見ている投資家には警戒感が強まった・・・そして、NY株価はクリスマス暴落に向かって下落した・・・昨年のクリスマスの事だったので、多くの人の記憶に残っているだろう。
そして、1年後のクリスマスに再びバフェット指数が鬼門の150を越えてきた。

でも、考えておくべきことは、グローバル化した米国企業が世界を相手に利益を荒稼ぎしてEPSを増加させてきたことで、株式時価総額は増加してきたという事実だ。
一方、名目GDPは国内事業の総付加価値であり、企業の海外活動で荒稼ぎした収益が反映されていない・・・その意味ではGDPではなくGNPを使う方がいいかもしれない。
ともかく、米国企業のグローバル化時代で、バフェット指数の分母の名目GDPと分子の株式時価総額のベースが一致しなくなってしまったといえる。
分母の名目GDPび米国企業が海外で稼いだ付加価値を加えるたら、バフェット指数はもっと小さくなるし、見方も変わるかもしれない。。
それでも株式時価総額と実物経済の大きさを比較することの重要度は全く変わらない。


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チャート分析の話(10チャートは学んで忘れろ)

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「チャート分析の話」の最終回になる。
株式投資をしている人は分かると思うが、材料と株価は必ずしも連動しない・・・たとえば、減益決算を発表すれば株価が下落するという場合もあるし、減益でも株価上昇する場合もある。
株価が先に織り込んでしまっている場合も多いからだ。
最近でも下方修正した半導体株が次々と買われる現象が市場で起こった・・・これも半導体の悪化は一年前から織り込んできた材料で織り込み済みだったと説明された・・・これも本当かどうか分からないが、株価が下げなかったのは事実だ。

この材料と株価の関係がバラバラで、投資家が迷ってしまう。
こうした現象が起こるのは株価が先行きを織り込んで動いているからだが、これは市場心理に表れる。
つまり、市場が悪材料を織り込み楽観的ならば、業績下方修正でも株価が上昇する・・・逆に市場が悲観的ならば、減益決算を発表すれば株価が下落する。
材料と株価の関係、その間には、市場心理というブラックボックスみたいなものがある。
これは市場の究極の特性であり、投資家は材料などのファンダメンタルの変化を読み、さらに市場心理を読み、投資判断をしているのだ。

この市場心理というブラックボックスがあるから、株式投資は面白い。
もし、業績上方修正すれば株価が必ず上昇するのだったら、個人投資家は、多くのアナリストを抱えたプロの運用会社には勝てない。
しかし、現実は数十人のアナリストを抱えたプロ集団も個人投資家に負ける場合もある。
市場心理というブラックボックスがあるから、オートマティックな投資が成り立たない・・・だから、株式投資は面白い。

チャート分析が有効なのは、この訳わからないブラックボックスを探るツールになるからだ。
でも、チャート分析の前に、正確な企業分析、マクロや金融市場の投資環境の判断が重要なのは言うまでもない。
だから、チャート分析は学んで忘れろ・・・と言いたい。
チャートに頼りすぎると相場の本質が見えにくくなってしまう。
ファンダメンタルの変化を読むのが一番、それが市場心理にどう影響されるかをチャート分析で読むのが二番だ。


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11月グローバル投信に大幅な資金流入

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11/24のウィークリー雑感で「6週連続の外人買い」というブログを書いた・・・今回の6週連続の海外投資家の買いは、SWF(国家ファンド)や海外年金ではなく、グローバル投信ではないかという推測だった。
その後、2週間経ち、11月のグローバル投信の資金流入が確認された。

三井住友DSアセットがレポートしている数字を使った。
まず、全体のグローバル投信の資金流入は+1036億ドルで、10月+1028億ドルに続き、資金流入となった。
その内訳では、MMFに+372億ドル、債券ファンドに+339億ドル、株式ファンドに+350億ドルとなっている。
特に株式ファンドは10月の144億ドルの資金流出から一転、大幅流入に転換した。
その中ではグローバルファンドに+135億ドルの流入、10月は+22億ドルの流入だった。

11月は世界全体で株高が起こり、NY市場が新高値を更新し、欧州でもフランスCACが新高値に取った・・・その他、欧州、アジアでも株高となり、日本も日経で2万3000円を越えた。
この世界的な株高の原動力の一つは、CTAなどのトレーダーが株式のウェートを引上げたことだろうし、グローバル投信への資金流入が拡大したことも要因の一つだったというわけだ。
株式ファンドのうちグローバルファンドに135億ドル流入したということは、円ベースで1兆5000億円、その10%弱が日本株に配分されたとすると1000~2000億円の日本株の買い需要になった計算だ。

しかし、一方、国内の投信の資金流入状況を見ると、国内株式投信は3158億円の流出、国際株式投信も1819億円の流出と運用資金が減少・・・バランス型のみ1572億円の流入となった。
バランス型はNISAやiDeCoで組入れられる投信が増えているのに加え、先物を使ったグローバル3倍3分法ファンドが販売好調だったと報じられている。

ここに大きな差が見える・・・つまり、グローバルには株式ファンドの資金が急増しているのに、国内では株式ファンドから資金が逃げている。
日本株投資には(1)国内投信よりグローバル投信の資金需給がより大きく影響する、(2)レバレッジ型バランスファンド=現物株を組み入れず先物に投資する資金が増加し、現物よりも先物の動きが重要になっている、(3)個人投資家は相変わらずの逆張り投資が続いている。
この三点には今後も注意しておく必要がありそうだ。


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個人投資家の最強運用(8 モメンタム投資かリバーサル投資か)

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個人投資家の最強運用として、運用ポジションを取り方、運用評価の仕方、リスク判断のやり方、運用コストの考え方などの基本的なことを話してきた。
今回からもう少し踏み込んで、運用商品の売買タイミングについて話をしようと思う。

その中で重要なのが、モメンタム投資とリバーサル投資だ。
モメンタムとは「勢い」のことで・・・株式投資の場合なら企業業績の勢いを考えて売買するのがモメンタム投資だ。
企業業績の伸び率がどんどん拡大していく時をイメージすれば、どんどん良くなる=モメンタムが上昇していると言う。
また、企業業績が減益でも減益幅がだんだん小さくなる場合はモメンタムは上向きになったといえる。
逆に、増益決算でも増益率がどんどん小さくなっている場合や、減益率がどんどん拡大している場合はモメンタムが低下しているといえる。
このモメンタムが上向きになり、さらに上昇していく時には投資を行い、モメンタムが下向きに変わり、さらに低下していく時には売却をするというのがモメンタム投資だ。

市場では買われたり/売られたりして銘柄間の格差が広がるが、これも行き過ぎると反対に「買われた銘柄が売られ/売られ銘柄が買われる」という局面に入る・・・これがリターン・リバーサルと呼ばれる現象で、これを利用したのがリバーサル投資だ。
これは「ミーン・リバージョン=平均への回帰」と呼ばれ、資産市場全体でよく見られる現象の一つだ。
行き過ぎた株価上昇した銘柄を売り、行き過ぎて売られた銘柄を買う・・・そして、平均に回帰するのを待ってリターンを上げるというわけだ。

実は、モメンタムが有効な市場とリバーサルが有効な市場では大きな違いがある・・・この違いを使い訳ないと、考えられない損失を被ることがあるので要注意だ。

モメンタムが有効な市場は、たとえば、米NASDAQのように、長期的に右肩上がりのトレンドを持つ市場だ。
GAFAなどの成長株の業績モメンタム(売上成長が加速したり、EPSの増加率が上昇したり・・・)が良くなる時期に投資をする・・・その時はPERやPBRなどは無視する。
これがモメンタム投資の典型だ・・・比較的簡単な投資方法だ。

一方、リバーサルは東京市場のように長期的に大きなレンジ内で推移している市場だ。
成長性が低くPBRなどの割安な市場は業績モメンタムの最も高い=誰でも強気になる局面でピークを付ける・・・だから、業績が好調で皆が強気の時は買ってはいけない・・・皆が弱気で業績が減益の時に買う市場だ。

という意味では、日本の個人投資家がリバーサル(逆張り)を実践しているのは、理にかなった投資方法だったといえる。
おそらく、個人投資家の長い経験の中で「株価が下落時に買う」というリバーサル投資が身についてきたのだろう。
評論家は株価が上がると強気になるが、日本の個人投資家は相変わらずリバーサル・・・個人投資家も大した者だと思う・・・ご立派。
評論家諸氏は「日経ダブルインバースの口数が増加している=指数に対する売り圧力」として、踏み上げ期待で日経平均は2万4000円を越えて上昇するとしている・・・個人投資家の「リバーサル投資」対「株式評論家のモメンタム投資」、これがどう決着するのか? 興味津々・・・だな。

ただし、米NASDAQのようなモメンタム市場に投資する時は考え方を変えなければならない・・・市場の性格を見て投資タイミングを変える必要がある。


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バブルを期待する事の矛盾

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来年は「NYダウが3万3000ドルになってもおかしくない」というマネックス証券の吉田恒氏。
その根拠は1998年との対比・・・米景気が拡大基調の中でFRBが3回連続利下げを行い、その後株価が急上昇した1998年からその後2000年のITバブルを、今回のNYダウに当てはめると来年NYダウは3万3000ドルになるという。
これは新しいストーリーではなく、バブルが好きな証券会社ストラテジストがよくする話題でもある。

当ブログでも過去のバブルを検討したことがある・・・「バブルの物語」を書いた。
その中で1998年から2000年までの「ITバブル」についても検討した・・・参照してほしい。
このITバブルではニューエコノミーとして情報通信関連が集中的に買われ、その他製造業などはブリック&モルタル企業として売られた。
米国ではアップル・アマゾン・グーグルなどがPER数百倍まで買われ、日本でもソフトバンク株が20万円(分割前)、光通信が10万円以上に押し上げられた。
このITバブルの構成要素は、(1)アジア通貨危機・ロングタームの破たんを背景に米FRBが3回の連続利下げを行った金融緩和、(2)インターネットの勃興期で夢のある成長企業がどんどん上場したこと、(3)ニューエコノミーに対する集中投資で投資家がロング/ショートを通じてレバレッジを高めたことが挙げられる。

本来、バブルは後になって「あの時のソフトバンク株価の20万円は高かったな」とか、「あの時、ソニーが歴史的な高値3万円を付けた」とか、「携帯電話を販売しているだけでITとはいえない光通信が大暴騰した」とか・・・思い出して「バブルだった」という結論になるわけだ。
冷静な市場では考えられない相場がバブルで、バブル相場を説明する理屈はない・・・ここに大きな矛盾がある。
つまり、説明できないバブルが起こるという理屈がないことだ。

金融緩和が必ずバブル相場につながるわけではない・・・ロング/ショートが必ずレバレッジをかけるわけではない・・・GAFAの夢物語も永遠ではない。
1998年と似ているのはFRBの3回の利下げ・・・というだけで、すぐに「ITバブルの再来」に結びつけるのは乱暴な議論のように感じる。
バブルの最中は楽しいけど、その終わりは悲惨だ・・・80年代の日本バブルの崩壊後、日本経済は悲惨な目にあったし、ITバブル崩壊後の数年間はグローバル経済が停滞した。
そして、楽しいが故に誰もうまく逃げられない・・・悲惨な目に合う・・・それでもバブルを期待するのだろうか?


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自社株買い、「やるやる詐欺」を許すな!

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自社株買いは、大きな、そして安定的な株の買い需要として投資家の注目を浴びている・・・しかし、日本の企業経営者には自社株買いを発表すれば株主は満足する、実際にやる必要はないという株主軽視の態度も多く見られる。
日本の経営者は本音では従業員や取引先などよりも重視し、「なんで俺たちが株主に気を使わなければならないのか?」ぐらいしか思っていない。
株主=主権の理解が進んでいないからだ・・・こうした意識が垣間見れらるのが、実は自社株買いだ。

今年は多くの大企業が1000億円以上の大規模自社株買いを決めた・・・しかし、その発表金額の10分の1しか実行していないケースも見られる。
自社株買いの発表時には最大株数と最大金額が決められており、株価水準によって変わるものの最大株数か最大金額のどちらかは達成すべき、株主との約束=コミットメントだ。
自社株買いの実施状況を正確に把握し、「やるやる詐欺」だとしたら株主総会で経営者を吊るし上げるぐらいの対応をすべきだろう。

今年の大規模自社株買いを調べてみた。
NTT・・・自社株買い枠5300万株/3000億円、それに対して実行額は4898万株/2510億円・・・枠に対して実行率は92%(株数)、83%(金額)だった・・・つまり10%程度は「やるやる詐欺」だったわけだ。

KDDI・・・自社株買い枠7300万株/1500億円、それに対して実行額は649万株/190億円・・・つまり、枠に対して実行率は9%(株数)、12%(金額)・・・つまり、9割は「やるやる詐欺」だった・・・自社株買い期間は12月までなので、あと1か月あるが・・・場合によっては酷い「やるやる詐欺」になるかもしれない。

大和グループ本社・・・自社株買い枠5000万株/300億円、これに対して実行額は5000万株/250億円・・・株数では100%達成・・・「やるやる詐欺」の汚名は避けた、自社株買いの優良企業だ。

しかし、同業の野村証券・・・自社株買い枠3億株/1500億円に対して、実行額は3492万株/190億円と実行率は10%に過ぎない・・・まだ、自社株買い期間が来年3月まで残っているが・・・

トヨタ・・・自社株買い枠3400万株/2000億円に対して、実行額は322万株/251億円と実行率は低い・・・自社株買い期間は来年3月までなので今後の推移を見守りたい。

三井住友ファイナンシャルG・・・自社株買い枠3200万株/1000億円に対して、実行額592万株/226億円と、2割しか実行していない・・・自社株買い期間は終わっており、つまり、8割は「やるやる詐欺」だ。

東京エレクトロン・・・自社株買い枠1400万株/1500億円に対して、実行額は74万株/166億円と、実行率は5%(株数)11%(金額)と、マジ「やるやる詐欺」企業だ。

NTTはさすがに枠の実行率90%で「やるやる詐欺」とはいえないし、大和証券グループ本社はほぼ100%実行した・・・中田社長、さすがだ。
しかし、三井住友FG、國部さん、「やるやる詐欺」決定!!
KDDIの高橋さん、ほぼ「やるやる詐欺」確定しそう(自社株買い期間12月まで)、同じく、当東京エレクトロンの河合社長も12月までになんとかしないと「やるやる詐欺」企業だ。

バイサイドのファンドマネージャーやチーフ・インベストメント・オフィサー諸氏、来年株主総会までに自社株買いデータベース構築し、こうした「やるやる詐欺」企業の株主総会では、経営陣にきちんと「何故、やるやる詐欺の自社株買いをしたか?」を徹底に問うべきだ。
そうしないと、日本企業の経営者の株主軽視がいつまでも続くことになりかねない。


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「見せ玉」「フロントランニング」何でもやりたい放題

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SBI証券のトレードシステムで個人投資家の注文状況を他の顧客にも見えるというのが指摘され、アルゴ取引業者が注文状況を見て先に取引し収益を上げていたのではないかと疑う記事が問題となった。
これはSBI証券のPTSと東証との価格差を使ったアルゴ取引と解説されていた。
以前大手証券の自己勘定運用を担当していたが・・・その時にも、こうした顧客の注文を利用して取引利益を上げる行為はいろいろ問題になったことがある。
これらは、「見せ玉(偽装売買)」や「フロントランニング」と呼ばれ、顧客の取引機会を奪う可能性もあるし、顧客との利益相反が問題になる場合もある。
というわけで、証券会社にとっては禁じ手だし、場合によっては証券取引法違反も可能性さえある。
しかし、コンピュータによる高速売買取引の拡大で状況が大きく変わってしまった。
個人投資家が1~2円下に指値買いがあり成行売りしたところ、なんと10円下で約定してしまった・・・1~2円上に指値売りがあったので3円上に指し値買いをしたら、空振り、約定できなかった。
こんな経験をした個人投資家も多いと思うが、これらも高速売買によるものかもしれない。

基本的な約定は、寄付きや引けで行われる「板寄せ方式」とザラ場で売り指値を買う/買い指値を売るという「ザラ場方式」がある。
「板寄せ方式」はすべての注文を集めて「完全合致」で行われるので、すべての投資家が同じ価格で売買するので不正取引の入り込む余地はない・・・成行売りを隠しておいて寄付き直前に出して急落させるぐりの手口は見られるけど・・・。
しかし、「ザラ場方式」ではわずかなタイミングの違いで約定できなかったり、たまたま大口成行注文が入り思わぬ約定になってしまったという場合も多く、予定の約定ができるかどうかは神頼みに近い。
それは証券会社の自己勘定やHFT(ハイ・フレキュエンシー・トレード)が100分の1秒単位で市場の売買注文状況をウォッチして、先回り発注をしているからだ。

顧客がオーダーを発注すると証券会社のサーバーから東証のサーバーに電文が流れ、東証のシステムで約定するというのが一般的な注文の流れだ・・・SBI証券の問題は証券会社内部のシステムの問題であるが、その途中の段階でも電文注文の流れは見える。
でも、人間が発注するスピードの100倍もの速さで発注できるだけでなく、市場内の注文状況をミリ秒単位でコンピュータが把握し自動的にプログラム発注する世界になると事情は大きく変わる。
たとえば、成行の買い注文が市場に発注されると、その注文を利用してより高い株価で売る・・・買いたい時は上値の大きな売り指値を出し、その売り指値を見て下値を売ろうとする投資家を誘い安く買う。
大口の指値売りや買いを時価から離れたところに持ち、その大口売りや買いを見た投資家の低い指値売りや高い指値買いを誘い利用することもできる。
こうした市場内心理を学習をしたAIやアルゴが暴走し出すかもしれない・・・こうなるとアルゴトレーダー間、トレーダーと一般投資家との心理戦でもある。

大口の指値注文を出して投資家を惑わせ有利な約定をする・・・これは「見せ玉」や偽装売買という証取法違反にもなりかねない。
また、市場に出された成行注文を利用して有利な約定をする・・・これも「フロントラニング」になりかねない。
しかし、「見せ玉」の場合は約定する気が全くないという悪意を証明しなければならないし、「フロントランニング」は顧客の注文を見て先回りしたという証拠が必要になる。
しかし、残念ながら、勝手に学習するAI・アルゴ取引ではそうした証拠が得られそうもない。
人間が手で入力して発注する時は、その意図が明確にあるが、コンピュータがトレード採算を決定して発注するAI・アルゴ取引には「悪意」という意図がない・・・だから取り締まりは困難だろう。
AIやアルゴが席巻する市場は確実に歪められている。


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日銀ETF、出口はどうなる?

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日銀が今年9月末の財務諸表をHPで開示した・・・もちろん、注目は量的緩和で買った株式指数ETFやRIETのETFの残高等の数字だ。
株式指数ETFの残高(簿価)は27兆6213億円で、前年比+5兆8180億円と、大体、日銀の予定通りの買入れ額がだった。
そして、REITのETFの残高(簿価)は5293億円で,同じく前年比+374億円だった。

・・・損益状況も開示している。

  簿価 時価 損益
株式指数ETF 27兆6123億円 31兆6112億円 3兆9898億円
REIT・ETF 5293億円 7463億円 2112億円

日銀のETFは時価ベースでおよそ31.6兆円となっている。
株式市場が上昇基調である限り、これ以上の買入れはしないかもしれない・・・下がれば買うという方針になるだろう・・・ちなみに日経平均18000円程度が損益分岐点になるようだ。
ここまでは市場の下支え要因として日銀のETF買いを歓迎してきた投資家も、これ以上の日銀の買いを期待するより、その出口をめぐって不安感を増長させることにもなりかねない。

もし31兆円ものETFを市場売却したら、市場はパニックになる・・・でも逆に、永遠に日銀が買い続けたら市場の歪みも大きくなる。
日銀のETF買いによる歪みを簡単に列挙すると・・・
1)日銀の買いは市場の時価総額の5%に達しているので、多くの企業で5%以上の保有株主になってくる・・・モノを言わない日銀はコーポレート・ガバナンスを後退させてしまう懸念がある。
2)本来は市場を退出すべき悪い会社でもインデックス買いにより株価が支えられてしまい、市場の新陳代謝が疎外される・・・その結果、ボロ会社ばかりになり、市場としての魅力を大きく失ってしまう。
3)日経225に採用されているファストリなどの一部の値嵩株などに強い上昇バイアスがかかる・・・値嵩株やインデックスウェートの高い銘柄が割高になり、銘柄間の格差が拡大する。
・・・などなど、枚挙にいとまがない。

だから、日銀も永遠に株式指数ETFを買うわけにはいかない・・・では、量的緩和の出口では、この保有ETFをどうするのだろうか?
金額が大きいだけに選択肢は限られてくる。
考えられる線としては・・・
①放っておく・・・つまり、日銀の資産として永遠に保有する。
②GPIFなどの年金基金に買ってもらう。
③外為特別会計を国家ファンドに組織変更し、国家ファンドで日銀ETFを買う。

①の放置策だが・・・いつまでも日銀のバランスシートで保有すると、いつか来る株式暴落時に日銀に大きな損失が出る可能性があり、その場合日銀の信用を傷つけ信用不安を起こす可能性がある。
また、②について・・・年金基金の日本株パッシブ運用に組み入れるためには、日銀ETFを買い取ると同時に同金額の既存のパッシブ運用が解約されることになり、結局、株式市場にパニックを起こす。
一番市場に影響が少ないのは、③の外為特会をシンガポールのGICや中国のCICのように国家ファンドに衣替えをすることだろう。
外為特会は前年度末で146兆円の残高があり、大半は米国債で運用している・・・31兆円のETFを買う余力は十分にあるだろう。
しかし、米国債を売ることになり、トランプ大統領が何をツイートするかわからない・・・安倍さんはこれを怖がるかもしれない。


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チャート分析の話(9陰陽線の解釈)

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二つのチャートを並べて「買うのはどっち?」という広告がある・・・これを見て気になった一般投資家をサイトに呼び込む・・・こんなサイトに騙されないようにしてほしい。
ほとんど100%インチキだ・・・チャート分析で相場の上げ下げを予測することはできない・・・「ウォール街のランダムウォーカー」という良い本があるので読んでみてほしい。

というわけで・・・今回は「陰陽線」の話だ。
このチャートにある、白い線(陽線)と黒い線(陰線)の並び方で株価の強さを判断するのが、陰陽線と呼ばれるチャート分析だ。
考え方はシンプルで、寄付き値から株価が上昇して高く引けると「陽線」となり、強い買い方がいるとされている・・・逆に寄付き値から株価が下落して引けると「陰線」となり、強い売り方がいるとされる。
この「陽線」と「陰線」の組合せで市場の強弱を判断するのが「陰陽線」だ。

でも、はっきり言って矛盾だらけなので解釈が難しい。
たとえば、「大陽線の丸坊主(寄付きから上げ続け高値引け)」というのがある・・・これは上昇相場の始まりで出現すると、「最も強い足」とされるが、上昇の後半に出ると「天井足」とされる。
「大陽線」が強い買い方がいることを示すが、高値引けとなると全員が強気になる最後の買いで持ち上げられた天井となる・・・ほとんど理解不能だ???

たとえば、「赤三兵(陽線が三日続く)」というのがある・・・「短い陽線が三日続くと、上昇相場のスタートになる」とされるが、一方、「三日上昇で一休み」するとも言われている。

たとえば、「寄引同値(寄りと引けが同じで十字足になる)」というのがある・・・これは寄りと引値が同じで攻防の分岐点=売り買い勢力の拮抗を示す。
底値圏で出れば底入れ足となり、天井圏で出れば天井足となると言われる重要な足だが、一方で「十字足はつなぎ足」として上昇の途中で一服した状態とする見方もある。

要するに、どっちの解釈もできる・・・つまり、読み手次第なのである・・・こうなると、分析ではなく、直感の世界で、いわば、アートの世界だ。
天才的に直感が優れている人は、「陰陽線」で相場を判断し、大儲けできるかもしれない。
でも、我々一般の投資家にはとても無理な話だ。
一番上の「A B 買うのはどっち?」を何故インチキと言い切ったか、それは「陰陽線」がアートであり、それを一般投資家でも儲けられる手法だというのはありえない・・・とすれば、陰陽線で商売することはインチキとしか言えない。

「酒田五法は風林火山」という昔の本があるが(今、入手可能かは分からない)、興味のある人は呼んでいただきたい。
酒田の商人、本間宗久氏の投資手法だが、やっぱり、まさにアートの世界で才能がある人だけができる投資手法だろう。
才能に恵まれている人か、凡人かはこの本を読めば分かる。


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ウィークリー雑感(11/24 6週連続の外人買い)

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海外投資家による現物と先物の両方買い越し(合計はなく現物と先物のそれぞれの買い越し)が6週連続したというニュースが流れている。
確かに10月に入ってから、海外投資家は東証でずっと買い越しで日本の株価も上昇してきた。
過去の海外投資家の連続買い越しには、「たいだい5~6週で3~4兆円を買い越すと一巡してくる」という経験則がある。
その経験則に照らすと、そろそろ買い越しが止まるかもしれない・・・でも6週以上続く可能性も否定できない・・・なんとも見方が分かれてくるところかもしれない。

当ブログでは、9/13に「巨大ファンドが動いているのは間違いない」を書き、海外のパッシブファンドの買いである可能性を指摘した・・・さらに9/22に「先週の株式需給を読む」でその海外投資家の動きが東証の需給表に表れたとして若干の分析を行った。
9月には海外投資家に大きな変化の兆しが出ていたというわけだ。
でも、その後、重要な変化も出てきているので、もう一回、海外投資家の動きを考えてみたい。

今回の海外投資家は、おそらく従来型の巨大ファンド・・・ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)や海外年金ファンドではないと考えられる。
原油価格も50~60ドルで安定し産油国のSWFが動いている感じはしない・・・サウジはアラムコを安い値段で国内上場させるぐらいであり財政状態が苦しいだろう。
海外年金ファンドは基本的にファンダメンタルズにそった運用をするので、現局面で大きなアロケーションの変更をしてくるとは考えにくい。
となると、以前に推測したように海外の巨大パッシブファンドのリバランスと考えるのが一番現実的だ。
・・・海外投資家について詳しく知りたい人は、拙著「株式需給の達人(投資家編)」を参考にしてください・・・買ってね。

一つの要因がパッシブ投信への急速な資金流入だ。
2019年は米国でパッシブ投信残高が4.27兆ドル(460兆円)と、アクティブ投信の残高4.24兆ドルを始めて上回った年となる・・・しかも、資金フローではアクティブ-1241億ドルと流出だったのに対し、パッシブは+889億ドルと流入超過で好対照となった。
このパッシブファンドへの資金集中とともに、日本株にも資金が配分されてきた可能性がある。
パッシブ投信では最大のベンチマークがMSCI-ACWI(オールカントリーワールド、アクウィと読む)であり、このベンチマークでは日本は7.5%のウェートがある。
パッシブ投信への資金流入が続くと、その一定割合で日本にも資金が入ってくる仕組みになっている。

もう一つ考えられる要因が、日本株のアウトパフォームだ。
9月末から11月20日のパフォーマンスを見ると、MSCI-ACWIが+4.43%、S&P500が+4.42%であるのに対して、ドル建て日経平均は+5.85%と、MSCI-ACWIやS&P500の上昇を上回っている・・・ちなみにNYダウは+3.37%にすぎない。
ドル建て日本株が相対的に強い(MSCI-ACWIの日本株ウェートが上がる)ので、パッシブ投信のファンドマネージャーにはその分追加で買う必要が出てくる。

もう一つ忘れてならないのがCTAなどのトレーディング会社だが、彼らが日本株のアンダーウェートやネットショートを買い戻したことも日本株上昇の大きな原動力になった。
しかし、彼らは先物中心に激しい売り買いをするものの、中長期ではポジションをスクエア(中立)にするトレーダーであり、中長期の需給にはあまり影響しない。
したがって、今後も海外投資家の買いを続くかどうかと判断するには、海外のパッシブ投信への資金流入と、日本株とMSCI-ACWIのパフォーマンス格差を見ていかなければならないだろう。


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心配なのはアメリカじゃなく国内景気

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ほとんどの評論家や投資家の眼がアメリカに向かっている。
米国景気がいいとか悪いとか、トランプが何をツイートしたか、NY株式が新値を取ったとか・・・etc。
確かに日本の株価はNY株が上昇すれば上がるし、下落すれば下がる・・・でも、そんな表面的な事柄だけでなく、経済指標を見ると日本の国内景気が一番心配になる。
最近の経済指標から確認してみよう。

まずは、7-9月期のGDP.。
全体は前期比年率で+0.2%・・・微妙な数字だが、消費税前の駆け込みを考えると弱めだ。
内訳の個人消費+0.4%・・・9月の家電販売などの数字を見るとかなり駆け込み買いが入っていたので、それを差引いて考えるとかなり弱い数字ではないか・・・10-12月期の個人消費で確認すべきだが感覚的には弱い。
設備投資+0.9%・・・製造業の業績悪化の反面、非製造業は好調で設備投資全体を引っ張った。
純輸出ー0.2%・・・輸出ー0.7%に対して輸入+0.2%、韓国向けや中国向けなどの輸出環境が悪化しているため、GDP全体にはマイナス寄与となった。

次に10月の貿易統計。
貿易収支は4か月ぶりの黒字だが・・・問題は輸出ー9.2%ではなく、輸入ー14.8%と大きく減少したことだ・・・これは内需の失速を示しているかもしれない・・・7-9月期の輸入はまだプラスだったが、10月に入り急減速した。

そして、日本の製造業PMI。
世界でセンチメントの回復が見られるが、日本は6月の49.3から一貫して低下、10月は48.4まで下がってきた・・・11月の暫定値は48.6とやや反発した。
一方、世界のPMIを見ると株価の反転とNYやフランスの新高値更新でセンチメントが改善してきている・・・だのに、日本の製造業では全く改善していない。

これらの数字から何を考えるか?
まず、個人消費だが10-12月期はかなり減速してくる可能性がある。
(1)消費税の引き上げが、キャッシュレス・ポイント還元の恩恵を受けない高齢者世帯には大きなマイナスになる。
(2)企業業績の悪化で冬のボーナスがマイナスになる・・・上期の業績で冬のボーナスが決まる会社はかなり厳しいボーナスになる。
(3)消費税前の駆け込みの反動だが、9月の小売り販売から推測すればそこそこの反動減が出てくる可能性がありそう。

そして、設備投資も経営者の景気判断から先送りされてくる可能性がある。
日本のサラリーマン社長にとっては、業績が悪い中での設備投資、フリーキャッシュフローの減少は難しい判断になる・・・業績悪化の最中に果敢に設備投資をして数年後に大きな売上成長をするという判断をしにくい。(目先の業績悪化は自分の責任で、成果が出る数年後には退任しているかもしれないから)
日本企業は内部留保が大きく、それを使って設備投資をすればいいのだが、内部留保は過去の社長の実績であり、なかなか取り崩すという判断ができない。
比較的業績の良い非製造業が設備投資を引っ張っているが、下期はやや慎重になるかもしれない。
というわけで、下期の設備投資にはあまり期待できないかもしれない。

それでは輸出はどうか?
輸出環境は全く変わっていない・・・韓国への輸出は抑えられるだろうし、中国も米中問題の前に中期的減速が明確になっているからだ。
対米輸出もそれほど大きく増加するとは考えにくい。

・・・となると、個人消費、設備投資、輸出と、国内景気はけっこう厳しいかもしれない。


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個人投資家の最強運用(7運用コストを考える)

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運用コストは税金と並んで個人投資家の運用には避けて通れない重要な負担項目だ・・・しかも組入れ商品によって大きく変わるので細心の注意が必要なだ。
個人投資家の運用コストには、株式の売買手数料、信用取引の金利や品貸し料、投信の販売手数料や運用報酬、外国債券の販売手数料や為替手数料、口座管理料(ない場合もある)などが含まれる。

運用コストが最も透明で分かりやすく、しかも、相対的に安いのが生株(ナマ株)、生REIT、金延べ棒・・・なんでも生(ナマ)の金融商品はコストからみれば「お得」だ。
でも、選ぶのが難しいという投資家もいるだろう。
その場合、ファーストチョイスとして、株価指数ETF、REIT指数ETF、金ETFなど、各種ETFを買うことを勧める・・・ETFの運用報酬は価格に含まれているので、ETF投資家が払うコストは売買手数料だけだからだ。
生(ナマ)商品と同じく市場で売買でき、簡単でコストも安いのが各種のETFだ。
ただ、単なるインデックス運用なので「大儲け」の期待は低い。

注意を要するのが投資信託、外国債券(外貨預金を含む)、外国株式など公募投信や海外商品だ。
公募投信を買うと、まず証券会社に3%近い売買手数料を取られる(最近は下がっているかも)、そして、運用報酬が1~2%(運用会社と証券会社に半々で支払う)・・・つまり、最初に1年で5%近い手数料や運用報酬を取られてしまう。
この運用コスト(手数料と運用報酬)以上のリターンが取れる投信なのか?・・・ここを考えなければならない。
外国株投信の中には、運用を再委託している仕組みの投信もある・・・この場合、運用報酬をまず販売会社(通常、証券会社)、委託会社(通常、国内運用会社)、さらに委託先(通常、海外の運用会社)に支払う・・・その分だけ運用報酬が高くなる傾向があるので、目論見書などできちんとチェックすることを勧める。

そして、外債は多大な運用コストがかかるので要注意だ。
外債は取り扱う証券会社に「抜き」がある・・・これは証券会社が現地で外債を仕込む(この時に1%程度抜く)、さらに国内で販売する時にまた1%程度抜く、さらに為替手数料で1%以上抜く・・・つまり、顧客には3%程度の「抜き」がコストとして重くのしかかってくる。
現在のような低金利の時はこの「抜き」も小さくなっているだろうが、投資家は気をつけるべきだ。
また、仕組債なども同じように「抜き」があるので要注意だ・・・聞いた話では仕組債で10%も「抜いた」というのも聞いたことがある。
複雑な金融商品ほど、この「抜き」が多いと考えておくべきだろう。

外貨預金も要注意だ。
「1か月で金利5%」などの金利優遇キャンペーンがあるが、この金利5%は年率で1か月だけだとほとんど0.3~0.4%程度しかない。
しかも出し入れする時に為替手数料が1%以上かかるので、1か月程度では「コスト負け」してしまう・・・したがって、外債や外貨預金をするなら別口座の外貨ポジションを保有し、そこで慎重に長期運用することが大切だ。
短期で出し入れすればするほど、為替コストがかかり「コスト負け」する可能性が髙い。

証券会社の看板商品となったファンド・ラップにも注意が必要だ。
一定の手数料を払えば、投信の入れ替え時の売買手数料がかからないラップ(包括)口座だが、組み入れる投信の運用手数料は別途かかる。
たとえば、ラップ口座の口座管理料が2%だとしても、アクティブ投信(運用手数料1~2%)を組み入れれば合計で3~4%のコストがかかることになる。
しかも販売手数料と異なり、毎年口座管理料がかかる・・・パフォーマンスがマイナスでも2%は取られることになる。

いずれにしろ運用コストが確実にマイナス要因となる反面、運用リターンは運に左右される。
確実なマイナスである運用コストを管理していくことが個人投資家の最強運用の胆であることは間違いない。


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ウィークリー雑感(11/17 相場はグローバル市場に聞け)

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昔からの相場格言に「相場は相場に聞け」というのがある。
知恵者がいろいろな相場講釈をしては、それに乗った周りの素人投資家たちが損をする・・・これを見て相場のことは知恵者に聞くより、相場=価格の動きを見る方がよっぽどマシだということになった。
これを拡大解釈して、日本の評論家たちも株価が上昇していれば、「相場は先行きの景気回復を読んでいる」とか、「相場が常に正しいので、足元の悪い経済指標は見てもしょうがない」とか言う声が聞こえてくる。
「相場は相場に聞け」というわけで、株価が上昇している限り「景気底入れ説」が声高に主張されることになる。
でも、評論家は論理的な説明を放棄して「株価に聞け」と言っているのかもしれない。
それでは、グローバル市場に聞いてみたら、どんな答えが出てくるのだろうか?
主要株式市場の年初来の上昇率をランキングしてみたのが、下の一覧表だ。

    株式指数 年初来上昇率(%)
1 RTS指数 34.46
2 イタリア40 28.15
3 NASDAQ総合 27.79
4 DAX 24.83
5 CAC40 24.75
6 S&P500 23.53
7 オランダ25 22.01
8 ブラジル ボぺスパ 21.24
9 NYダウ 19.1
10 台湾 加権指数 18.54
11 中国 上海総合指数 16.72
12 日経平均 16.4
13 TOPIX 13.57
14 SENSEX 12.23
15 FTSE100 8.39
16 韓国総合指数 5.95
17 香港 ハンセン指数 2.08

この株価指数上昇率を見て、二つの特徴に気づく。
(1)中央銀行の利下げドミノが起こった国の株価は高い。
米FRBが景気が悪くもないのに3回連続で利下げをしたが、FRBに追随して、欧州、豪州、メキシコ、ブラジル、インドなどが利下げに踏み切った・・・これらの利下げドミノ国は、いずれも株高につながった。

(2)政治的な要因が大きな重しになった。
三大政治要因は「米中摩擦」「ブレグジット」「香港の民主化運動」だが・・・
米国株は政治に関係なく上昇し、一方、中国株も上昇率でこそ下位だが、一応、上海総合指数も16%上昇した。
しかし、英国はEU離脱のゴタゴタが続き株価は低調だったし、最下位の香港は、政治ゴタゴタの張本人でもあり株価が不調を続けた。
中国経済の悪影響を受けているドイツや欧州諸国は景気は悪化したが、金融緩和期待により株価は強かった。

この一覧表を見て明らかだが、中銀が利下げを行った国・地域と政治的混乱の影響が少なかった国・地域が株価上昇率の上位になった。
これは今年の相場が景気回復を買った相場ではなく、金融緩和と政治的安定度を買った、いわば、金融相場=需給相場だったということだ。
そして、株価が上昇しているので、その地域や国の景気先行指標は好転する(株価指数が先行指標の一つの構成要素だからだ)。
来年は、センチメントの好転だけでなく市場が期待する通りの実質的な景気回復があるかどうか、そして現状の株価が織り込んでいる以上の景気回復があるかどうかが、最大のポイントになってくるだろう。


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チャート分析の話(8チャートパターンは何も語らず)

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テクニカルな説明でよく出てくるのが、チャートパターンだ。
「これは三角保合いだから、将来上昇する」とか、「これは逆三尊だから底入れを暗示する」とか、評論家が相場の説明にチャートパターンを使うことが多い。
聞いた方がなんとなく、三角保合いだから上昇するのか・・?などと半信半疑ながらなんとなく納得してしまう。
しかし、株式の運用で生活をする人=プロ投資家は、三角保合いだろうが、ボックス相場だろうが、三尊天井だろうが、あまり気にしない。
特に現代の株式市場では市場取引の大半がインデックス売買であり、チャートパターンはほとんど意味を持たなくなっているからだ。

たとえば、代表的な「三角保合い」を考えてみよう。
売り方は「強い根拠と意思」を持ってその銘柄を売り、買い方が「強い根拠と意思」を持って買う・・・その結果、売り方が上値を抑え、買い方が下値をサポートする、そして、三角形のチャートができる・・・買い方の勢力が強ければ上放れ、そこから上昇相場に入る。
これが欲に言う「三角保合い」だが、昔の仕手筋が暗躍していた市場とは違い、現代の市場では売り方と買い方がガッチリ四つに組むなんて銘柄はほとんど存在しない。
ヘッジファンドには空売りを得意とする連中もいるので、彼らが売り崩しを狙った銘柄ではこうした場面もあるだろう・・・極々少数の銘柄では「三角保合い」というチャートパターンが作られる可能性はある。
しかし、極々、稀にできる程度であり、あまりパータンを信用しない方がいい。

それよりもインデックス売買が席巻する現代の市場では、個別銘柄が「強い根拠と意思」を持って売買されることがそもそも少ない・・・というかほとんどない。
大半の売買はインデックス売買で、その銘柄に対する「強い根拠と意思」はなく売買されている。
その結果、チャートの形が「三角保合い」のような形をしていても、本当の意味では「三角保合い」ではなく、たまたま似たような形になっただけなのだ。
そんな形に騙されてはいけない。
現代の市場ではほとんどのチャートパターンは意味を失ってしまったのかもしれない。

個別銘柄のチャートではチャートパターンは意味がなくなったかもしれないが、市場全体では参加者の心理が影響するので、チャートパターンは一定の意味を持つかもしれない。
その意味で、株価指数などのインデックスでは、ダブル・トップ(ボトム)、トリプル・トップ(ボトム)、アセンディング・トライアングルやディセンディング・トライアングル(三角保合い)などは多少の意味を持つかもしれない。
でも、個別銘柄では「チャートパターンは何も語らない」と考える方が現実的だ。



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シェイキー(揺れ動く)な相場

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シェイキーな相場というのは、大崩れというわけではないが、その前兆みたいな激しい揺れが続く市場のことだ。
11/12の午後、突然、日経平均が急速に買われ188円高、逆に東証REIT指数が2%という急落を演じた。
この現象に対して、評論家たちは「弱気筋の買い戻しだ」とか、「売り方の踏み上げ相場が始まった」と解説していた。
そして、日経平均がじり高を続けていることについても「強い、しっかりした相場」という評価が大半だった・・・しかし、それだけでは説明できないほどの揺れ動いた(シェイキーな)相場だったといえる

11/12午後の急変は明らかにシェイキーな感じだった。
30年債の入札が不調だったことから、大口トレーダーがそれまで保有していた国債先物のロングを大量に売ったと見られている(ブルームバーグ)・・・そして、10年国債利回りはー0.055とほぼゼロ金利近辺にまで急速に上昇(価格は下落)した。
同じくロングを持っていたREIT指数や金先物も同時に売却し、逆にショートを持っていた株式先物を買い戻したという。
ファンダメンタルに基づくトレーディングではなかったので、株式も業績に関係なく買われたし、REITもファンダメンタルの関係なく売られた。

日経平均がジリジリと上昇(日経平均だけでなく、NYダウもドイツDAXも同じだけだ)しているので、株式評論家たちは安心しきっている。
でも、日本株以外の市場ではかなりのシェイキーな相場展開になっている・・・日本株だけ見ていてもこの感覚はわからない。
債券や金価格、REITなど様々な市場を俯瞰して見ていると・・・膨大なポジションの入れ替えているトレーダーが多く存在しているということは想像できる・・・さらに、そのポジションで大きな損失を抱えるかもしれないことも想像できる。
大口トレーダーのポジション調整が終われば、一旦、相場が安定してくるかもしれない。
しかし、シェイキーな相場が続く場合、大損したファンドでパフォーマンスの悪化による解約が殺到する可能性もあるし、大口トレーディング会社が資金流出で破たんする可能性もある・・・???

日経平均のEPSが7月の1795円から11月には1668円と7%低下しているにもかかわらず、日経平均は上昇し、その結果、PERは14倍を越えた。
この株価上昇は景気回復への期待とか米中摩擦緩和への期待と説明されているが、実は、ファンダメンタルに関係なく動いている大口トレーダーたちのポジション調整が大きく影響しているのかもしれない。
シェイキーな相場が少し落ち着いてくれないと、どこかで株価の下落とともにボラティリティが上昇し始め、VIX先物の過去最大のネット・ショートポジション20万枚に影響するかもしれない。
ファンダメンタル要因に支えられている相場ではないだけに、よく見ていかなければならないと思う。


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ウィークリー雑感(11/10 債券バブルの破裂?)

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ファンダメンタルの良好な米国株だけでなく、景気悪化の欧州株もアジア株も買われている反面、世界の債券利回りが急速に上昇に転じている。
数か月前には世界の国債の3分の2以上がマイナス金利だったが、それでも債券が買い進まれた・・・当ブログでも3か月前の8/16から3回にわたり「マイナス利回り債券は買えるか?」をテーマに取り上げた。
要約すると、マイナス利回りの債券を買う理由は
(1)さらに高い価格(低い利回り)で買ってくれる投資家がいると考えていること、
(2)マイナス利回りでも債券を組み入れることでポートフォリオ全体のリスクを引き下げられること、
(3)イールドカーブが立っていれば、ロールダウン効果からリターンが得られること、
の3点を上げた。
こんな債券買いは普通ではないが、米国10年債が1.4%まで買われ、ドイツ国債がー0.7%、フランス国債がー0.4%、オランダ国債がー0.5%、日本国債がー0.24%まで買われた現象をこの3点で説明できる。

しかし、このところの米中摩擦改善期待や景気回復期待による株高で、この債券相場がひっくり返ってしまった。
そうなると、考えておかなければならないのは、債券バブルの破裂だ。
マイナス利回りの債券を買う理由の(1)を振り返ってみよう。
自分がー0.2%の国債を買ったとしても、ー0.5%で買ってくれる投資家がいれば、価格上昇(利回り低下)で利食うことができる。
マイナス利回りといってもクーポン(表面利率)は0.1%なので、マイナス金利で買った(=100以上の高価格で買った)投資家も償還時までに売却してしまえば損はしない・・・でも、満期に100で償還されるため満期保有すると損失が出る。
したがって、債券投資家は、もし中銀が政策金利を引き下げないとしたら、高値で買ってくれる投資家を見込めなくなり、損失を回避するために、保有しているマイナス利回りで買った債券を売るかもしれない。
彼らは元々、満期保有する気がない投資家でトレーディングには慣れているだろうから、動きは迅速だろう。

こうした投資家行動が債券市場に出てくるかが最も注目だ。
その分岐点は米国10年債の2%を越えること、欧州10年債や日本10年国債がプラス利回りに転じてくることだろう・・・もし、そんな事が起これば、債券投資家たちは一斉に損失回避の行動に出るかもしれない。
しかし、一方、高い利回りで新規に買うチャンスでもあるので、市場では高い価格で買った既存投資家の投げと、新規の債券買いがぶつかることになる。
この攻防の結果、売り方(既存投資家)が強かれば、債券市場の混乱につながる・・・一方、買い方(新規の債券買い)が強ければ、一旦、底打ちとなるかもしれない・・・いずれにしてもここが最大の注目点だ。
現在、米国10年国債は1.94%、ドイツ10年国債はー0.26%、フランス10年国債は0.02%とプラ転、オランダ10年国債はー0.14%、日本10年債はー0.07%と上昇してきている。


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金利が上昇を始める時、REITは天井を付ける

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NY市場が新高値を付け、景気が悪化している欧州株も上昇しフランスCACが新高値を取り、ドイツDAXも高値に接近してきている。
出遅れてきたアジア市場も新高値は取っていないものの、日本株、上海株、台湾株も上昇し、投資家にネグられてきた韓国株も上昇に転じている。
一方、米国10年債が静かに売られ、利回りが1.86%まで上昇してきた・・・米中摩擦の混乱の中で買われてきた金価格も8月の高値1551ドルを付けた後、下落に転じ現在1483ドルと軟化してきた。
世界の各地域で各資産クラスで、局面の変化が感じられる。
そんな局面変化でおそらく一番問題となるのが、米国の金利上昇と不動産・REITの天井形成だろう。

第一に、REITの分配金利回りがこの半年で大きく低下し、4%台から現在3.4%まで低下してきたことだ。
分配金利回りが3%を割り込むREITも、日本ビルファンドの2.61%、ジャパンリアルエステートの2.69%をはじめ、オリックス不動産2.99%まで8銘柄に増加している。
この利回りの低下で、さらに上昇する長期金利との差が急速に縮小している・・・もし、米10年債が2%を越えるようならば、両者の利回り格差は一気に縮まり、資金の流れが一気に変化し、グローバルにREITが暴落する状態も考えられる。

第二に、主要国のREIT価格が上昇し、米REIT指数は年初の1160ポイントから10月1524ポイントまで+31%、日本のJREIT指数も年初の1750ポイントから10月2254ポイントまで∔29%と大幅な上昇を記録したことだ。
ここまでの上昇でグローバル投資家は大きなリターンを手にしている・・・いつ売りに転じてもおかしくないほど儲かっているといえる。
大口の売りがいつ出てきてもおかしくないという市場心理、これがREIT市場を不安定化させるだろう。

そもそも、REIT指数が大幅な上昇した理由は大きく分けて二つだ。
(1)不動産景気が堅調で、オフィスの空室率が低く、賃料も増加基調をたどったというファンダメンタルの好調。
(2)昨年12月のFRBの政策変更とともに米長期金利が3%台から1.4%にまで急低下してきたという金融緩和。
この理由のうち、(1)のファンダメンタルはまだまだ堅調を維持している・・・オフィス空室率は東京や大阪だけでなく、名古屋も福岡も仙台も非常に低い状態が続いているし、オフィス賃料も安定して上昇基調だ。
しかし、(2)の金融環境は変化の兆しがある・・・そこに注意が必要になる。
10月のFOMCでFRBが利下げ打ち止めを暗示し、想定された範囲にしろ米中摩擦は一時休戦の可能性が出てきて、企業業績の底入れ期待が一気に拡大した市場・・・市場心理が一気に好転し、NY株価が新高値に進むと同時に、米長期債が売られ、金価格が売られ、REITが売られ始めていることには注目を要する。

今後、米10年債がさらに売られ、利回りが2%を越えてくると、おそらく、2%台の分配金利回りのREITはもたない。
ファンダメンタルの良さが救いだけど、REIT市場の調整はありえる・・・そうなれば、REIT価格の下落が実物不動産市場にどういう影響を与え、さらに不動産担保の融資やクレジット市場にどう影響するのかが次のポイントになる。
こうした連鎖は懸念に過ぎないが、チラッと気になる。


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チャート分析の話(7 窓ギャップ)

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チャート分析でいう窓(ギャップ)とは、買い気配や売り気配で株価が大きく動き、取引がない価格帯ができることで、その価格帯を窓(ギャップ)と呼ぶ。
ある日突然、業績の上方修正や新製品の開発など何かしら好材料が出て、投資家の心理が一変する・・・すると、翌日の朝、大量の買い注文が集り、買い気配を上げて寄り付く。
ここでできるのがギャップで、その意味は、全く違う大きな変化が起こったということだ。

窓(ギャップ)には大きく分けて三つの種類がある。
大きな株価材料で会社が大きく変わるという時に窓(ギャップ)を開けるわけで、こうしたギャップをブレークアウェイ・ギャップと呼ぶ。
このブレークアウェイ・ギャップを会社の大きな変化を示しているわけで、通常、窓埋めをしない。
窓埋めとは一度窓が開いた後、株価が下落して元の水準に戻ること・・・元の木阿弥になってしまったということだ。

次にさらに会社の変化が進展したというニュースで株価上昇の途中に窓を開けることがある・・・これがランアウェイ・ギャップで、変化の進展による窓だ。
これは窓埋めしないとは限らない。
会社の変化が持続的に起こるのか、それとも途中で失速するのか、という問題で、途中で失速してしまえば窓埋めが起こる。

そして最後に買い方がすべての力を使い果たして開けるギャップ・・・これはエグゾースチョン(消耗)・ギャップと呼ぶ。
売り方の踏み上げや買い方の最後の全力買いで、窓を開けて上昇することがある。
でも、これはトリの花火のようなもので、派手だが長続きしない。
だから、このギャップは比較的短期で窓埋めをするというのが定石だ。

この三種類のギャップをどう見分けるかでパフォーマンスが違ってくる。
会社のファンダメンタルが大きな変化をして開けるブレークアウェイ・ギャップだとしたら、押し目買いを一貫しなければならないし、上昇途中のランナウェイ・ギャップならば、ここから上は短期勝負で臨まなければならない。
そして、一番危険なのはエグゾースチョン・ギャップで、これだと判断したら「即売り」が賢明だ。
企業のファンダメンタルの変化とギャップの性質を比較して判断するしかない。

俗に言う「三空、踏み上げ型」とか「三空、叩きこみ型」とか言われる三つのギャップを開けるパターンは、先に上げた三種類の窓(ギャップ)が連続して起こる型だ・・・ただし、三空とは限らない・・・ワシの経験では「孫悟空=損、五空」という形もありえる。

ただし、日経平均などでは窓はあまり意識しない方がいい。
というのは、NY株式が上昇すれば日経平均は上値に窓を開けるし、NY株式が下落すれば日経平均は下値に窓を開ける・・・ファンダメンタルな意味はほとんどないからだ。


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