株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版のeBook「株式需給の達人 基礎編と投資家編」を出版しました。
需給を制する者は投資を制す!

六本木ヒルズとツイン21

六本木ヒルズとツイン21(続編)

DCF9CD36-E1FC-4DDF-8EC5-EF2DA7CD4110








昨年11月に「六本木ヒルズとツイン21」というブログを書いた。
通常オフィスビルの算定価格なんて一般には手に入らないが、リートの保有物件にはビル毎の情報開示があり詳細が手に入る。
これを使って大阪と東京の都心オフィスビルの価値がどうなっているのか探ったのが昨年11月のブログだ。
それから1年経ってどうなっているのか再検討してみた・・・ワシはしつこい性格なのだ。

前回のブログの注目点は、東京都心のピカピカの六本木ヒルズ、その過去4年の上昇率は+5%だったのに対し、大阪のランドマーク・ツイン21の上昇率が+21%とかなり高かった事だ。
リーマン危機でやられた大阪の不動産市場が長期的に順調な回復を見せてきたことを示している。
そこで結論として、ツイン21を保有するMCUB-MIDCITY(当時の分配利回り6%)は魅力的だとした。

その後1年経って、もう一度、決算短信から両ビルの算定価格/賃貸面積を計算してみた。
すると、ツイン21の算定価格が4年間で+30%と大幅上昇していたことが分かった・・・それに対して東京都心の六本木ヒルズは+8%だった。
都心のオフィスビルに比べて、大阪のオフィスビルの価値はこの1年でさらに加速して上昇していた。
RIETのパフォーマンスを見ると、六本木ヒルズを保有する森ヒルズリートは1年間で+20%と順調に値上がりしたが、ツイン21を保有するMCUB‐MIDcityリートはなんと+37%と大幅な上昇を達成していた。

実はこのMCUB-MIDcityは、不動産売却益による分配金の上乗せ分が今年6月期最後になくなり、12月期の分配金は1955円と、6月実績2751円から大きく低下する予想になっている。
そして、分配金利回りも4%台前半から3%台前半へと1%も低下してしまった。
この分配金の低下=利回りの低下で株価は天井を打つと思ったが、決算発表の後も上昇トレンドを続けた・・・分配金利回りが低下しても不動産価値が増加している場合は、REIT価格は上昇するという教訓かもしれない。
利回り水準以上に、各REITの組入れ物件の価値を時系列で見ていく必要があるのだろう。

これはREITを運用する投資家にとっては大きな変化だ。
従来、REITは利回り商品であって利回り水準と保有リスクが逆相関・・・利回りの高いREITはリスクも高く、利回りの低いREITはリスクが低かった・・・分配金利回りを見て分散すれば良かった。
しかし、不動産価値の増加=モメンタムという視点を入れると、個別の物件価値を調査して買うというボトムアップのモメンタム型になる・・・こうなるとまるで株式と変わらない。
REITは利回り商品といえ株に近い商品へと変化してきている・・・つまり、それだけモメンタム重視のイケイケの過熱局面に入ってきたともいえる。


六本木ヒルズ、森タワーの不動産価値(単位:㎡2 百万円)
  賃貸面積 算定価格 帳簿価格 算定/面積
2015年7月 21482 66100 56331 3.08
2016年1月 25942 80900 68108 3.12
2016年7月 43041 134300 114076 3.12
2017年1月 43041 134900 113638 3.13
2017年7月 43041 134900 113323 3.13
2018年1月 43041 134800 112900 3.13
2018年7月 43041 138500 112621 3.22
2019年1月 43041 142800 112229 3.32
2019年7月 43041 143300 112049 3.33

ツイン21の不動産価値(単位:㎡ 百万円)
  賃貸面積 算定価格 帳簿価格 算定/面積
2015年6月 82313 46000 67553 0.56
2015年12月 82313 47400 67156 0.58
2016年6月 82313 48700 66760 0.59
2016年12月 82304 49500 66471 0.60
2017年6月 82304 51700 66248 0.63
2017年12月 82304 54500 66131 0.66
2018年6月 82304 55800 65985 0.68
2018年12月 82304 56700 65856 0.69
2019年6月 82304 59800 65971 0.73





株式需給の達人 (投資家編))
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


株式需給の達人(基礎編)https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM







にほんブログ村


六本木ヒルズとツイン21(後編)

IMG_0322
















前回は東京都心の六本木ヒルズを取り上げたが、今回は大阪のビジネスパークにあるツイン21を考えてみたい。
1986年竣工でちょっと古いが、高層のツインタワーで大阪ビジネスパークのランドマークだ。
パナソニックが建てたビルだが、現在は、MCUB-Midcityリートが所有しているので、六本木ヒルズと同様に詳細開示が行われる。
東京と大阪の違いを考えるのにピッタリの物件なので取り上げてみたわけだ。

まず、同じように数字を見てみよう。
賃貸面積 算定価格 帳簿価格 算定/面積
2014年12月 82396 46000 67813 0.56
2015年6月 82313 46000 67553 0.56
2015年12月 82313 47400 67156 0.58
2016年6月 82313 48700 66760 0.59
2016年12月 82304 49500 66471 0.60
2017年6月 82304 51700 66248 0.63
2017年12月 82304 54500 66131 0.66
2018年6月 82304 55800 65985 0.68
面積はm2、価格は100万円、

前の六本木ヒルズ森タワーより分かりやすいというのも、賃貸面積が変わっていないので鑑定士の算定がストレートに変化率となって現れるからだ。
算定価格のこの間の上昇率は∔21%と、東京の六本木ヒルズ森タワーの+5%に比べてかなり高い。
六本木ヒルズでは賃貸面積が増加していたのでその分上昇率は低めに出ることなどの条件や鑑定士の質などに多少の違いがあるとは思うが、この5年間に大阪の物件価値が大きく増加していたのは間違いないだろう。

公示地価などの統計でも地方都市の地価上昇が明確になってきているので、この結果も受け入れやすいだろう。
大阪の不動産価格の方が東京よりも上昇率が高いということだ。
一方、このMCUB-Midcityのツイン21の帳簿価格が算定価格より低く、含み損が出ている状態だ。
これは過去10年~20年では大阪がバブル崩壊の影響を大きく受けてきたので不動産価格の下落はむしろ東京より大きかったのが理由じゃないかと思う。
帳簿価格は毎年の減価償却で下がっていくので、算定価格の上昇と帳簿価格の低下で含み損は大幅に改善されてきている。
マネージメント会社のMCUBへの変更後、大坂中心からバランスの取れた不動産ポートフォリオに変えたこともプラスに働き、MCUB-Midcityの投資口価格は森ヒルズと違ってこの5年で80%ぐらい上昇している。
しかし、分配利回りは6%と高く、依然として魅力的な水準にある。
これはこの夏の物件入れ替え(松下IMPとMID京橋の売却、横浜アイランドタワー取得)による影響もあるが、大阪という地域特性も反映されていると理解している。
大阪、強し・・・・だ。



にほんブログ村

六本木ヒルズとツイン21(前編)

IMG_0322















六本木ヒルズ森タワーは2003年にオープンし、一時観光名所にもなった複合施設だが、多くの外資系企業や大手企業が入居しているオフィスビルでもある。
東京の中心でもある地域の大規模開発であり、都心型オフィスの代表的指標ともいえる。
森ビルによって開発されたが、現在森ヒルズリートが部分所有しているので、リートの開示資料を見れば、普通手に入らない詳細資料を見ることができ、ビルの価値の変化がいろいろな事が分かる。

森ヒルズリートの決算短信から拾った数字が次の通り。
賃貸面積 算定価格 帳簿価格 取得価格 算定/面積
2014年1月 17602 54200 46999 47590 3.08
2014年7月 17602 53900 46828 47390 3.06
2015年1月 21482 66400 56531 57280 3.09
2015年7月 21482 66100 56331 57280 3.08
2016年1月 25942 80900 68108 67280 3.12
2016年7月 43041 134300 114076 115380 3.12
2017年1月 43041 134900 113638 115380 3.13
2017年7月 43041 134900 113323 115380 3.13
2018年1月 43041 134800 112900 115380 3.13
2018年7月 43041 138500 112621 115380 3.22
面積はm2、価格単位100万円、各期の決算短信より。

賃貸面積を見ると、2015/1期、2016/1期、2016/7期に親会社の森ビルとの優先契約により部分所有を増やしているのが分かる。
不動産鑑定士による算定価格は542億円から1382億円に増加しているが、面積も増えているため面積当たりの算定価格に直すと、2014年の308万円から2018年に322万円に上昇していた。
算定価格は2014年から2018年までの10期5年で5%の上昇ということで、よく言われるような「東京都心のバブル」的な急上昇はしていないことが分かる。
もちろん、時価でオフィス部分を買い増しているため上昇率が小さく見えることもあるだろうし、森ヒルズリートの不動産鑑定が保守的な見積りをした可能性もあるが・・・

森ヒルズは森ビルから優先的に物件供給を受けているので、都心5区(千代田、中央、港、渋谷、新宿)の物件が全体の93%を占めるピカピカの典型的な都心型オフィスリートだ。
保有物件は同じ地域の物件が中心で、六本木ヒルズだけではなく他の都心物件でも不動産価値は順調に増えているはずだ。
つまり、東京都心ではバブルというにはほど遠い、ゆっくりした不動産価値の上昇が続いている良い投資環境にあるといえる。
しかし、その間の森ヒルズの投資口価格は14万円程度でほぼ横ばいだったあので、分配金の利回りは3%から現在の4%に上昇している。



にほんブログ村



プロフィール

kabusanjin

最新コメント
「最新トラックバック」は提供を終了しました。
楽天市場
カテゴリー
QRコード
QRコード
読者登録
LINE読者登録QRコード
「Amazonライブリンク」は提供を終了しました。
  • ライブドアブログ