株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

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株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版のeBook「株式需給の達人 基礎編と投資家編」を出版しました。
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小型株のパフォーマンス悪化を考える

小型株のパフォーマンス悪化を考える(2)

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前回は主要な小型株ファンドの概要を見てきたが、今回は小型株ファンドのパフォーマンスに焦点を当てて考えてみたい。
過去3年のリターンは小型株がTOPIXより圧倒的高いが、この1年ではTOPIXを下回る低調なパフォーマンスだ。
特にここ6か月と1年のリターンは東証TOPIXを大幅に劣後している。
資産残高 パフォーマンス    
    3か月 6か月 1年 3年
ひふみ投信 1307億円 12.1% -13.1% -10.3% 35.0%
日本中小型株 254億円 4.9% -15.9% -16.7% 46.5%
コモンズ30 151億円 7.2% -14.1% -9.8% 29.6%
小型ブル-チップ 105億円 9.7% -15.4% -12.9% 29.4%
TOPIX   7.7% -11.2% -5.9% 26.2%

その理由をいくつかの点から考えてみよう。
まず、景気期待との関連だ。
小型株、特に新興市場株などは、一般的に、IT関連のサービス、ソフトウェア開発、その他一般サービス産業が多く、東証1部のように製造業のウェートが高い市場ではない。
したがって、サービス産業などの非製造業は景気変動の波を受けにくく、小型株は景気敏感ではない。
こうした点で1月以降の景気持ち直し期待で上昇した市場ではどちらかというと出遅れてしまうのかもしれない。

次に市場内の需給関係との関連だ。
年初来の値動きでは日経225の値嵩株の動きが良く、NT倍率(日経225/TOPIX)が上昇を続けた。
ある意味、225のインデックス買いが株高の大きな原動力になったといえる。
こうしたインデックス売買が市場を席捲している状況では、小型株はサイドラインに置かれてしまう傾向がある。
これも小型株のリターンが低調だった理由だろう。

さらに考えておきたいのは、もう少し中長期の株式需給だ。
2017年は小型株に大きな外人投資家の買いが入った年で、逆に2018年は外人投資家売りが続いた年となった。
2016年から17年は、今でも覚えているが、中東のオイル系の大手運用機関が小型株投資を増加させた年だった。
当時、新規に委託を受けた投資額は小型株への投資としては非常に大きい規模の数百億円だった。
こうした外人投資家の買いが市場にインパクトを与え、小型株ファンドのリターンを向上させた。
逆に昨年は外人投資家が売り越しを続け、小型株のパフォーマンスが悪化したというわけだ。

ここから得られる教訓は、(1)小型株は非製造業・サービス企業が多く、景気が悪化しても比較的強い、(2)インデックス売買が席巻している市場では疎外される(リターンが上がらない)、(3)個人投資家の好きな銘柄が多く、一見、個人投資家動向に左右されると思われているが、実は長期投資家の姿勢に大きく影響される・・・この3点だ。
そして、このパフォーマンスの悪化は、今の市場需給が多くの要因だということだ。
インデックス売買中心の市場でパフォーマンスが悪化するのはあたりまえで、むしろ、このパフォーマンス悪化時期が買い場になるのかもしれない。




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小型株のパフォーマンス悪化を考える(1)

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小型株ファンドのパフォーマンスが落ちている。
「やさしい投信の選び方」でも書いたが、小型株投信のファンドマネージャーはけっこうプロ意識が強く、そしてかなりマニアックな連中が多い。
そして、これらのマニアックなファンドマネージャーが意外と苦戦している。

主な小型株・独立系ファンドを一覧表にまとめたのが下の表だ。
まず、ここ数年で大きく資産残高を伸ばしてきたのが「ひふみ投信」。
もともとジャーディンフレミングで小型株アナリストをしていた男が、その後いろいろあって独立系投信を立ち上げたのがこの「ひふみ投信」で、ここ数年の好調なパフォーマンスに加え、確定拠出年金やNISA向けの対象ファンドに選ばれ、宣伝のうまさもあり急成長してきた。
現在、公募の「ひふみ投信」、NISAやiDeCo向けファンドの元となっているマザーファンドは7500億円にも達し、純粋に小型株だけで運用できる限界をとうに超えてしまった。
そのためにアメリカ株も組入れるなどの組入れ銘柄の拡大対応をしているが、もはや小型株ファンドとは呼べなくなっている。
過去3年のリターンは+35%と高いが、ファンドの変質とともに高いリターンは期待しにくい。

「日本中小型ファンド」は超マニアックなファンドマネージャーが運用しているが、毎日4~5社の経営者と面談し、年間1000社の面談結果とデータを基に組み入れ銘柄を決める。
企業の中期的に達成可能な利益水準と適正なバリュエーションを想定して、上値余地の大きい銘柄を組み入れていくという運用手法を取る。
さらに新興市場と東証2部銘柄がファンドの10%以上あり、他のファンドより小型株バイアスが強いこともこのファンドの特徴だ。
ファンドのパフォーマンスは純粋に小型株から生じているため、他のファンドよりもパフォーマンスのバラツキが大きい・・・過去3年で+46%と圧倒的なリターンを生み出している反面、過去1年で-16%と一番やられが大きい。

「コモンズ30投信」は、著名ファンドマネージャー氏が独立系運用会社を立ち上げ、公募投信を運用しているものだ。
これも純粋に小型株・新興市場株ファンドとはいえないが、独特の投資判断で長期投資を実践するファンドで当然小型株の成長をリターンの源泉にしているファンドだ。
でもパフォーマンスとしてはあまりパッとしない・・・過去3年で+29%、過去1年で-14%とどちらも中程度だ。
渋沢栄一の子孫が立ち上げた会社なので、今度の新紙幣発行で多少人気になるのことを期待しているかもしれない。

「小型ブルーチップ」は最大手の運用会社が運用する小型株特化の投信だ。
この最大手運用会社と親会社の強力な販売力で設定した投信はどれでもよく売れてしまうので、運用のプロである必要はなく、サラリーマン的なファンドマネージャーで十分なのが投資家から見るとマイナス要因だ。
このあたりの事情がパフォーマンスにも表れているのだろう・・・過去3年で+29%、過去1年で-15%と、他の投信と比較して、儲かる時は小さく損する時は大きいという特徴がある。

次に、小型株のパフォーマンス悪化が何を意味しているかを次に考えてみよう。

資産残高 パフォーマンス    
    3か月 6か月 1年 3年
ひふみ投信 1307億円 12.1% -13.1% -10.3% 35.0%
日本中小型株 254億円 4.9% -15.9% -16.7% 46.5%
コモンズ30 151億円 7.2% -14.1% -9.8% 29.6%
小型ブル-チップ 105億円 9.7% -15.4% -12.9% 29.4%
TOPIX   7.7% -11.2% -5.9% 26.2%




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