一昨日より当ブログでは三井化学(4183)および三井物産(8031)による本州化学工業(4115)に対する公開買付け(TOB)開始予定の開示に際して提示された株式価値算定書のDCF法評価について検証を行ってきました。検証の方法として株式価値算定書の計算過程を逆算するなどして用いられた数値や金額が適切なものであったかを検証してきましたが、用いられている数値や金額が複数あるため、これ以上は計算過程の復元は不可能ですので、今回は管理人が本州化学工業(4115)株式のDCF法評価を行った結果を記すことにします。

 割引率は一般的な方法で算出された本州化学工業株式の加重平均資本コスト(WACC)や業種ベータ値を参考に5%としました。用いる予測期間フリー・キャッシュ・フローはより保守的な管理人算出のものを、継続期間のフリー・キャッシュ・フローとしては予測期間最終年度の売上高に対応する投下資産として管理人の推定した投下資産に新規の投下資産に対する投下資産利益率(RONIC)を掛け合わせて7%、永久成長率は簡便に0%と仮定して算出した金額を用いました。非事業性資産と負債の差額はざっくりとですが20億円としました、その結果がこちらです。一株当たり2,705円の評価額を得ました。

 今回、本州化学工業の直近の年度の投下資本利益率(ROIC)が10%とWACCに比べて高い数値であることと、この超過収益がそう簡単には消失しないだろうとの感覚からざっくりと7%のRONICを採用しましたが、これを割引率と同水準の5%とした場合の評価額はこちらにある通り1,852円となり、公開買付価格に近い価格となります。

 本州化学工業は完全子会社ではない子会社の利益が連結会計上の収益収益に大きく貢献しており、当該子会社の収益が完全に自由にできるキャッシュ・フローといえるのか、あるいは当該子会社の非支配株主持分の帳簿価額が企業価値評価上適切なものなのかといった問題はありますが、今回の公開買付予定価格はかなり保守的な印象を受けます。