先日から行っている常磐開発(1782)のMBOの実施に関連して提出された株式価値算定書におけるDCF法評価について、今回は投下資本利益率(ROIC)について検証を行います。

 なお、投下資本について時価で考慮するために含み資産について当ブログで取り上げた他の銘柄では検証を行ってきましたが、常磐開発については登記情報を確認しないと含み益を計算できない資産が多いため、有価証券報告書の賃貸等不動産関係に記載の時価と簿価の差額のみを今回考慮しています。こちらに参考資料をアップしますので、より詳しく検証したい方は登記情報をを取得して非上場会社の発行済株式数や土地の地積を参考にするとよいでしょう。

 投下資本利益率(ROIC)ほかの検証の結果、実績値でおよそ20%程度の非常に高いROICが確認できました。一方で、DCF法評価の逆算により求めた継続期間のフリー・キャッシュ・フローを前提とした場合、財務予測期間の「経常的に生じる営業外損益」と「減価償却費」が異常値となってしまいました(こちらを参照。)。

 そこで、DCF法評価における継続期間のフリー・キャッシュ・フローについて、経常的に生じる営業外損益を無視して財務予測最終年度営業利益616百万円×(1-実効税率30.62%)=463百万円から投下資本の変動を考慮して事業価値を求めた場合に事業価値と企業価値の評価レンジが一致する投下資本を逆算すると10,829百万円となりました。、投下資本の実績値がおおむね60億円程度でしたので、今度は過大な投下資本が算出されてしまいます(こちらを参照。)。

 算定機関によるDCF法評価は全体的に整合性がとれているかどうか、ここまでの検証結果を見る限りやや怪しい感じがします。次回は、管理人によるDCF法評価を試みることにします。