"かぎろひ" 「本」のページ

ビジネス書を中心とした「おすすめ本」の書評を発信していきます

636. 「あなたはご本人様でいらっしゃいますか」 福岡伸一

「あなたはご本人様でいらっしゃいますか」 福岡伸一 GignoSystem(13/08)

■書評

 「あなたは本人であることを証明できますか?」

 「動的平衡」の著者、分子生物学者の福岡伸一先生の特別公開授業
を載録した電子書籍版新書。

 「私たちのこの世界のなかに不変なものは、実は何もない。だから
こそ、何か不変なものを心の拠り所にして、私たちは生きていく。
 つまり、いろんなことは変わりうるんだ、変えてもいいんだ、とい
うのはひとつの希望だともいえると思うんですね」

 本質的な質問と、的確な回答で、生命の不思議を、分かりやすく解
説されています。

 「動的平衡」から、「希望」につながる結論は、心地よい。


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■目次■

一時限 あなたは何人で何人種?
二時限 あなたは、ご本人様ですか?
三時限 私という存在を決めるもの。


■ポイント■

◆「人種の「種」は生物学的な意味の「種」ではない」
 ・「ネアンデルタール」は、「人類」とDNAが異なる

◆「日本の歴史の中で一番長く続いていたのは旧石器時代」
 ・「旧石器時代」の人、「縄文時代」の人、「弥生時代」の人

◆「自分が自分であるという思い込みは幻想か」
 ・「10年前の私と今日の私は生物学的には全く別のもの」
 ・「自己同一性を、自分の記憶の中でしか担保できない」

◆「真実は、関係性の中にこそある」
 ・「何になるかは予め決められているのではなく、周囲との
   関係性の中でできていく」

◆「関係性の中で規定される存在〜動的平衡で考える」
 ・「要素に意味があるのではなく、要素と要素の関係性に、
   いろんなことが含まれている」:「相補性」

◆「生命の特徴は常に過剰さを与えて、その後、環境の中で
  どのようにそれが刈り取られていくかによって、その人
  が作られていく」

◆「関係性が絶え間なく変わっているということは、非常に
  頼りないことであると同時に、逆にある種の希望でもある」

635. 「動的平衡」 福岡伸一

「動的平衡」 福岡伸一 小学館新書(17/06)

■書評

 「生命はなぜそこに宿るのか」

 本書は、2009年に刊行された「動的平衡」の新書版で、その後の急速に
進展した生命科学研究の最前線の状況を加筆されたものです。

 「動的平衡」とは、合成と分解など相矛盾する逆反応が絶えず繰り返さ
れることによって、秩序が維持され、更新されている状況を指す生物学用
語です。

 すなわち、「生命は変わらないために変わり続けている」ということ。 

 37兆個もの細胞から成り立つ人間の生命が、このダイナミックなしくみ
をベースに成り立っている。

 「人間は考える「管」である」
 「私たちが見ている「事実」は脳によって「加工済み」」
 「歳をとると、一年が早く過ぎるのは、時間の経過に、生体時計の回転
  速度が追いついていけないから」・・・

 身近なテーマから「生命とは何か」という本質的な命題を論じていく、
知的好奇心が揺り動かされる書です。


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新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか (小学館新書) [ 福岡 伸一 ]


■目次■

0.生命現象とは何か
1.脳のかけられた「バイアス」
  −人はなぜ「錯誤」するか
2.汝とは「汝の食べた物」である
  −「消化」とは情報の解体
3.ダイエットの科学
  −分子生物学が示す「太らない食べ方」
4.その食品を食べますか?
  −部分しか見ない者たちへの危険
5.生命は時計仕掛けか?
  −ES細胞の不思議
6.ヒトと病原体の戦い
  −いたちごっこは終わらない
7.ミトコンドリア・ミステリー
  −母系だけで継承されるエネルギー産出の源
8.生命は分子の「淀み」
  −シェーンハイマーは何を示唆したか
9.動的平衡を可視化する
  −「ベリクソンの弧」モデルの提起


■ポイント■

◆「記憶とは何か」
 ・「記憶物質スコトフォビン」は無かった
  ・「記憶物質」は、存在しようがない。あるのは、絶え間なく動いている
    状態の、ある一瞬を見れば全体として緩い秩序を持つ分子の「淀み」
    そこには、因果関係があるのではなく、平衡状態があるに過ぎない。
  ・「想起」した瞬間に作り出された何ものか(「過去」とは「現在」のこと)
    刺激はその回路の活動電位の波となって伝わり、順番に神経細胞に
    明かりをともす(脳内伝達物質)

◆「脳は、ランダムなものの中に強引に関係性を見る」
 ・「環境」との相互作用の結果として「脳の合理性」が生まれる
    最初から目指されたものではなく、選びとられたもの
    「環境」と「タイミング」
 ・「脳」の個別性:個的な一回性の営み
 ・「バイアス」:「規制」→「生きやすさ」
  「可塑性」 :「自由」→「成長」

◆「時間どろぼうの正体」
 ・「歳をとると一年が早く過ぎるのは、実際の時間の経過に、自分の生命の
   回転速度「体内時計」がついていけない」

◆「私たちは、私たちを規定する生物学的制約から自由になるために学ぶ」
 ・「進化は私たちにバイアスをかけ、一定の規制を敷いた。しかし同時に
   可塑性すなわち自由への扉も開いてくれている」
 ・「直感が把握しづらい現象へイマジネーションを届かせるために学ぶ」

◆「食物は情報を内包している」
 ・「生命体は口に入れた食べ物をいったん粉々に分解することによって、
   そこに内包されていた他者の情報を解体する。これが消化である」
 ・「人間は考える管である」

◆「サステイナブル(持続可能性)とは、常に動的な状態」
 ・「生命活動とはアミノ酸の並べ替え」
 ・「消化酵素もタンパク質。私たちは食べ物とともに私たち自身も食べている」

◆「ダイエットの科学」
 ・「自然界はシグモイド・カーブ」:非線形
    基礎代謝内の量をチビチビ食べたら太らない
 ・「膵臓のランゲルハンス島が、インシュリンの司令塔」
    飢餓こそ人類700万年の歴史
 ・「タンパク質は貯蔵できない」
    タンパク質の流れ「動的平衡」こそ「生きている」こと

◆「食品添加物」は、「動的平衡」の負荷となる
 ・「青い薔薇」の教訓:単一の「青の遺伝子」などない

◆「全体」は「部分」の総和ではない
 ・「生命の仕組み」と「機械のメカニズム」の違いは「時間」
    不可逆的な時間の折りたたみの中に生命は成立する
 ・「部分」は多数タイミングよく集まって初めて一つの機能を発揮する
   「+α」=「エネルギー+情報」→「効果」→「次のステージ」

◆「それぞれの細胞は将来、何になるか知っているわけではなく、
   また知らないままにあらかじめ運命づけられているわけでもない」
 ・にもかかわらず、各細胞はそれぞれ徐々に専門化の道を歩み始める
   話し合いによって分化が進む(発現)
 ・「他律的」に進み、形作っていく

◆「ES細胞」は、空気が読めない、しかし、増えることをやめない細胞
  「iPS細胞」は、ES細胞を人工的に作出したもの
  「ガン細胞」と「ES細胞」は似通っている

◆「ノックアウトマウス:えびす丸一号」:GP2部品が欠けたマウス
 ・一部品が無くても、バックアップ機能が働き、バイパスを開く生命
   生命の持つ、柔らかさ、可変性、全体としてバランスを保つ機能

◆「一回性」で「不可逆的」な働き:「動的平衡」
 ・「タイミング」と「パーツ」は、時間に沿って組織化される

◆「細菌」−「ウィルス」−「プリオン」

◆「ミトコンドリア」:エネルギーの生産
 ・「共生」(パラサイト)
 ・「ミトコンドリア・イブ」:母系の先祖

◆「機械論」から「生命論」へ
 ・「カルティジアン(デカルト主義)」の弊害
 ・「生命」は開放系:「環境」との「大循環」の輪の中
   生命現象とは構造ではなく「効果」であり、生命は「流れ」であり、
   身体はその「流れの淀み」であり、生命は環境の一部、環境そのもの。
 ・「局所的な加速」(効率化)は、動的平衡に負荷をかけて「流れ」を乱す
 ・「適材適所」:部分部分はそれぞれが置かれている動的平衡の中でのみ、
   その意味と機能をもち、機能単位と見える部分にも、境界線はない

◆「エントロピー増大の法則」に先回りして、自ら壊し、再構築すること
 ・「生きている」とは、エントロピー増大の法則と折り合いをつけること
 ・「アンチ・アンチ・エイジング」:自らの身体を自らの動的平衡に委ねる

◆「ベリクソンの弧」:「動的平衡」モデル
 ・「坂を登りながら、全長を短くしていく」
   「分解」が先:作る以上に壊すことが必要(オートファジー)
   「有限性」→「時間」の発生
 ・「閉じた円」は落下していく
 

634. 「インナーゴルフ」 ガルウェイ

「インナーゴルフ」 ガルウェイ 日刊スポーツ社(02/04)
    "The Inner Game of Golf" by W.Timothy Gallway

■書評■

 本書はプロのテニスプレイヤーで、「コーチング」の元祖の一人と
も言われているガルウエイが、ゴルフを題材に著した書です。

 「インナーゲーム」とは、心と肉体の連係に着目した「集中力の科
学」です。

 「インナーゲーム」が良かったので、それをゴルフに適用すると、
どうなるのだろうと、興味をもって読みました。

 スコアが上がるかどうかは分かりませんが、ゴルフに対する考え方
が大きく変化しました。

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新インナーゴルフ [ W.ティモシー・ガルウェイ ]


■目次■

 1.「ゴルフはなぜ難しいか」
 2.「発声練習で90を切る」
 3.「力みはなぜ起きる」
 4.「自己不信の克服」
 5.「知覚力の活用」
 6.「習得の技術」
 7.「ショート・ゲーム」
 8.「インナー・スイング」
 9.「スランプからの脱出」
 10.「リラックスした集中」
 11.「自分自身のゲーム」
 12.「アウターからインナーへ」


■ポイント■

◆「型」(Formula)から、「感覚」(Feel)へ

◆「集中力の科学」:「勇気のゲーム」
 ・「現実直視の勇気」
 ・「「二人の自分」を認める勇気」
 ・「感じ取る勇気」:自分自身の動きを感じ取る
 ・「自分を信頼する勇気」:「セルフ2」にすべてを任せる
 ・「待つ勇気」:「自然発生」を集中しながら待つ
 ・「変化を恐れない勇気」:「失敗」も貴重な体験として蓄積
   「今の体験」に集中し、結果や変化を恐れない
 ・「異体験の勇気」:全く異なった動きを体験し、感覚に刺激を与える
 ・「Enjoyの勇気」:「リラックスした集中」のためには「Enjoy」を目的に
 ・「競争する勇気」:「ともに高め合う」
 ・「勇気を持つ勇気」:外から内へ発想転換、価値観を変える勇気

◆「ACT」の法則
 ・「知ること(Awareness)」
 ・「選ぶこと(Choice)」
 ・「信じること(Trust)」

◆「Should」から「is」へ
 ・何をするべきかを頭で知ることではなく、今この瞬間の動き・感覚を感じ取る
   ゴルフのスイングは、物的な意識で意図的にコントロールすることは不可能

◆「Performance」=「Potential」(Self 2)−「Interfare」(Self 1)

◆「4音節練習法」:集中力の練習であり、技術的な注意点を心に持たない
 ・スイングの全ての位置で、クラブヘッドの感覚を感じ取る
 ・「テークバックの最初」(ダァ)
  「バックスイングの終わりの最遠点」(ダァ)
  「インパクトの瞬間」(ダァ)
  「フォロー・スルーでヘッドが止まったとき」(ダァ)

◆「力み」とは、無関係な筋肉細胞のスィッチまでONにすること
 ・力の入れすぎ(Overtightness)
 ・頭で理解するのではなく、自身の「力み」を自身の感覚で捉え、認識する
 ・「力み」を感じる(意識する)だけで、自修作用が始まる
 ・自分のハミングの調子に聴き入る

◆「力み」の即効薬
 ・「最大の弛緩を得るには、まず最大限に緊張し、それから解き放つべし」
 ・「意識的に力む」ことで、血行が良くなり、スイングや音、クラブヘッドの位置
   などを感じ取るセンサーが敏感になる
 ・「自己に対する不信感」(Self-doubt)が、ミスの根源的要因

◆「自己不信の克服」:分離する
 ・自分自身の本能を信じないから、ついつい人は頑張りすぎる
   頑張ることは、自身への不信の代償行為
 ・自分とは異なるモノになろうと頑張るから、自己成長を阻害する

◆「頑張る」のをやめる:「リラックスした集中」
 ・意図して何かをやろうとせず、ただ自分自身にスイングさせて、何が起こる
か見る
 ・セルフ2の奏でるメロディに合わせて踊る
 ・価値判断を交えずに冷静に見つめる

◆「容易の法則」:イージーリンク
 ・平易で絶対に失敗しないような動作と連想で結びつける
   ex. ホールからボールを拾い上げる動作を、映像で生き生きと思い描く
     野球のボールを投げる:ドライバーショットと結びつける
 ・「易しく、しかし細心の注意力で」:集中力が必要な動作

◆「体験による学習」
 ・"Education"は、"Educare"(導き出す)を語源:必要な知力はすでに内側にある
 ・「体験」を通して直接的に獲得する「自然な習得」:経験そのものが教師
 ・「学ぶ」ことは「変化」すること
   「知覚」(Awareness)して、「体験」が内側の「変化」につながる
 ・「セルフ2」は「体験」から学ぶことを信じ切る

◆「知覚力の法則」:「今」を感じ取って「知覚」してみる
 ・「何かに変化を起こさせるには、まず今の状態をよりよく知覚すること」
 ・「知覚力自体に、治癒力が含まれている」
 ・「知覚」の能力を一点に絞り込んでいくのが「注意力」
 ・「自分自身の「体験から自然に学ぶ力」をどれくらい信じるか」
 ・「自己判断や評価をしない」
 ・「違和感を数値化してみる」
 ・「失敗という概念はない」
 ・「真剣に継続する」
 ・「パットして、どちら方向に、どれだけころがるか感じてみる」

 [命令型]
  スイングを通して、頭をうごかすな。頭を動かせばスイングがぶれる。
 [知覚型]
  スイング中、頭部の動きを感じ取ることができるだろうか。
  スイングを続けながら連続して感じ取ってみよう

 [命令型]
  ダウンスイングの初期に、右ヒジは右脇腹に戻らねばならない
 [知覚型]
  スイング中、右ヒジの動きに意識を集中してみよう
  意図して変えてはいけない、特にダウンスイングの初期に気をつけて

 [命令型]
  左腕はまっすぐ伸ばす
 [知覚型]
  スイング中、左腕が伸びているか、多少曲げられているか感じ取る
  真っ直ぐなら0、少し曲がっていたら1で数値化してみよう

 [命令型]
  バックスイングが終了しないうちに、ダウンスイングを始めない
 [知覚型]
  ダウンスイングで打ち急ぐ動きをしているかチェックしてみよう
  どの筋肉が打ち急ぎの動作をするのか感じてみよう

 [命令型]
  左手の甲が、目標線を指しているか
 [知覚型]
  左手の甲に意識を集中して、甲が目標線に対して、スクエアか
  オープンか、クロースか感じ取ってみる

 [命令型]
  トップでのシャフトは、飛球線と平行になるのが理想
 [知覚型]
  目を閉じて、シャフトが飛球線と平行か、インサイドかアウトサイド
  かを感じ取ってみる

◆「習得の技術」
 ・「感覚」そのものを「記憶」することが「体験」
 ・「プロの技術」を、ただ素直に単純に「見る」
   どこを見るべきかは、セルフ2が自然に選び出す
 ・「客観的に眺め」ながら、自分の動きを感じ取り、結果を観察する
 ・「常に変化」するもの:手本を毎日作っては、そして壊している
 ・「必要なことは自身がやってくれるので、信頼して任せる」

◆「ショート・ゲーム」
 ・「グリーン」の表面をもっと鮮明に「ソフトに見る」
   目をリラックスさせて、全体を見る
 ・「他人のパット」を体験する
   他人のパットも、セルフ2のデータ蓄積の好機
 ・「体で距離を感じる」
   目を閉じてホールまで歩き、逆にもったパターの柄を差し込む
 ・「グリップ」
  ・両手が一体化し、パターの動きを最大限感じるように、できる
   だけ多くの皮膚面積でパターの柄をグリップする
  ・方向性の感覚のために、左手の背面と右手の掌の面を平行に
 ・「しっかりとしたアドレス」
 ・「パターヘッド」の動きは、振り子と同じ
  ・肩、腕、手首の3点をしっかりとしたトライアングルに
 ・「タッチ・ゲーム」
  ・入れようとせず、ボールが止まる位置を事前に感じ取る
   (距離、方向性)
 ・「目を閉じて打つ」
 ・「センサーを探す」
  ・何の感覚によって、ボールの行方を感じ取るのかを感じ取る
   (ブレードの向きを感じ取る、どこで向きが変わるのか感じ取る)
 ・「感覚」を追求し、結果に関連ある源流の要素に辿り着き、
   そこに「集中」して、必要な変化が起こるのを「待つ」
    

633. 「ネクスト・ソサエティ」 P.F. ドラッカー

「ネクスト・ソサエティ」 P.F. ドラッカー ダイヤモンド(02/05)
 "Managing in the Next Society" by Peter F. Drucker
 
■書評■

 ドラッカーの「ネクスト・ソサエティ」を再読。

 組織には経済機関、人的機関、社会機関の3つの側面があり、米国の
「株主主権モデル」は経済的側面を、日本の「会社主義モデル」は人的
側面を重視しすぎていた。

 また、ドイツに象徴された「社会市場経済モデル」も、社会を安定さ
せられなかったと分析する。

 新たな社会においては、それら3つの側面をバランスよく制御すること
で社会的な正統性を勝ち得た組織だけが生き残るという。

 ドラッカーは、トップマネジメントこそが優れた企業の条件で、他の
経済活動はすべてアウトソーシング可能だとまで言い切るが、そこは、
少し疑問。


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ネクスト・ソサエティ 歴史が見たことのない未来がはじまる [ ピーター・ファーディナンド・ドラッカー ]

 
■目次■

第一部 「迫る来るネクスト・ソサエティ」
 1.「ネクスト・ソサエティの姿
 2.「社会を変える少子高齢化」
 3.「雇用の変貌」
 4.「製造業のジレンマ」
 5.「企業のかたちが変わる」
 6.「トップマネジメントが変わる」
 7.「ネクスト・ソサエティに備えて」
 
第二部 「IT社会のゆくえ」
 1.「IT革命の先に何があるか」
 2.「爆発するインターネットの世界」
 3.「コンピュータリテラシーから情報リテラシーへ」
 4.「eコマースは企業活動をどう変えるか」
 5.「ニューエコノミーいまだ到来せず」
 6.「明日のトップが果たすべき五つの課題」
 
第三部 「ビジネス・チャンス」
 1.「起業家とイノベーション」
 2.「人こそビジネスの源泉」
 3.「金融サービス業の危機とチャンス」
 4.「資本主義を超えて」
 
第四部 「社会か、経済か」
 1.「社会の一体性をいかにして回復するか」
 2.「対峙するグローバル経済と国家」
 3.「大事なのは社会だ」
 4.「NPOが都市コミュニティをもたらす」


■ポイント■

◆「雇用形態の変化」
 ・「人口の高齢化」と「若年人口の減少」
   →70歳代半ばまで働く時代に。
 ・正社員では無い雇用形態の人たちのマネジメント力が重要

◆「市場の変化」
 ・「移民問題」への対応力
 ・消費市場は「中高年市場」へ。

◆「知識社会での高度競争化」
 ・知識社会の定着
   →組織にとっても個人にとっても、高度な競争的な社会に。

◆「主役の交代」
 ・主役は「知識労働者=新種の資本家」に
  「テクノロジスト(技能技術者)」が急速に増加
 ・知識を最新に保つための継続「教育」がポイント
  「教育」が成長産業に

◆「保護主義の復活」
 ・製造業は、かつての農業に
   製造業の雇用減少→保護主義の復活

◆「変化をチャンスと捉える前向きなかまえ」
 

632. 「なぜ「学習する組織」に変われないのか」 フランチェスカ・ジーノ

「なぜ「学習する組織」に変われないのか」 フランチェスカ・ジーノ ダイアモンド(16/05)

■書評

 「学習する組織」は、多くのマネジャーにとって理想の企業像である。
しかし、その実現が容易でないことも衆目の一致するところだ。

 何が問題なのか。長年にわたる多くの業界での研究の結果、人間の持つ
バイアスに原因を見つけた。

 マネジャーも従業員も過剰に、「成功」「行動」「適応」「専門家への
依存」を求めようとする傾向が、「学習」への障害になっているのだ。

 本書では、人間の本性に根差したこれらの傾向がどのように行動に表れ
るかを考察し、その制御の方策を提示する。

*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2016年5月号)』 


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■目次■

・人間の本性に根ざすバイアスが学習を妨げる
・成功へのバイアス
・思考の型と脳内活動の関係
・行動へのバイアス
・適応へのバイアス
・専門家へのバイアス
・専門的経験により見えなくなるもの


■ポイント■

◆「成功へのバイアス」:「成功の行き過ぎた重視」
 ・「失敗への恐れ」
 ・「固定型」思考:人の知性・才能は生まれつき
   「誤り=無能」→ うまくやることを重視
   vs「成長型」思考:「誤り=学習と向上のチャンス」
 ・「過去の実績」への過度の依存
   「潜在能力」を構成する四つの要素
    「好奇心」「洞察力」「専心」「決断力」
 ・「帰属の誤り」:失敗を不運としてしまう
   「事実」との正対

◆「行動へのバイアス」:「性急な行動」
 ・「疲労」
 ・「振り返りの欠如」:「常に臨戦態勢」
   「スケジュール表」に「休憩」を盛り込む
   「考える」ためだけの時間をつくる

◆「適応へのバイアス」:「過剰反応」
 ・「適応する必要があると信じてしまう」
 ・「自分の強みを活かすことができない」
   「順応しない行動」
   「何をすべきかを指示しない」

◆「専門家へのバイアス」:「専門家への過度の依存」
 ・「専門性の定義が狭すぎる」
   「自分の経験が学習を妨げる可能性がある」
 ・「現場の従業員の関与が不十分になる」
   「干渉せずに任せる態度」

631. 「衰退の法則」 小城武彦

「衰退の法則」 小城武彦  東洋経済新報社 (17/05)
 「日本企業を蝕むサイレントキラーの正体」

■書評■

 なぜ、同じような業界・経営環境でありながら、繁栄する企業と破綻
する企業に分かれてしまうのか。

 破綻する日本企業には「衰退のメカニズム」が存在する。

 通常は大きな問題を引き起こすことはないし、見過ごしてしまうこと
が大半である。

 しかし、ひとたび事業環境が変化をすると、突然牙をむき始めて、ズ
ルズルと業績を下げ、企業を破綻に追いやってしまう、いわば「サイレ
ントキラー」である。

 具体的には、ミドルによる社内調整、出世条件と経営陣登用、経営陣
の資質と意思決定といったことが、企業の業績の成否を分けている。

 サイレントキラーの駆動を避けるには、何をすべきだろうか。

 企業再生の最前線で活躍してきた著者が膨大な現場の生の声と、経営
学・心理学の知見から紡ぎ出した経営組織論のフロンティア。


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衰退の法則 日本企業を蝕むサイレントキラーの正体 [ 小城 武彦 ]

■目次■

序章 破綻企業に共通する「衰退の法則」をあぶり出す
第1章 破綻企業の内側
第2章 日本企業への文化の影響
第3章 優良企業の内側
第4章 オーナー系企業の内側
終章 日本企業への警鐘

■ポイント■

◆「破綻企業の組織衰退(OrganizationalDecline)プロセス」
 ・破綻した日本企業には共通する組織内メカニズムが駆動
 ・当該メカニズムは事業環境安定時には問題とならない一方、
  ひとたび事業環境が変化すると適応を著しく困難にさせる
 ・日本企業には当該メカニズムが駆動しやすい文化的な癖が存在

◆「破綻する日本企業組織の類似点」
 ・役社員が内向きで本質的な議論が行われていない
   激しい議論が大人気ないと思われている
 ・危機感の欠如
   負け戦をしている実感がない
 ・経営陣の経営リテラシーの不足
   表層的な数字ばかり追いかけ、現場の実態に迫っていない
 ・戦略性の欠如
   採算の見込みのない事業をズルズル引っ張る

◆「バブル崩壊後の日本企業のパフォーマンスの悪さの原因」
 ・過剰な「和」志向
 ・経済合理性から離れた内向きの合意形成
 ・フリーライダー問題
 ・経営リテラシー不足

◆「破綻企業の特徴」
 1.予定調和性の高さ
  ‖侘回避志向
  ¬鮨・年次といった既存秩序の過度な尊重(幹部が異常に「偉い」)
  G蛭供Τ愴凝の政治的な集団の存在(意見内容<誰の意見)
 2.予定調和的な会議運営
  〃磴靴さ掴世硫麋髻弊杵澄瓠崑膺裕い覆ぁ廖
  ¬鮨上位者への過度な同調(社長「ああ、いいねぇ。」で決定)
  A寛餔戝弩饗
  ち蠍濾垈朕原則:部分最適>全体最適
 3.PDCA の欠如
   嵌反傭気靴呂靴覆ぁ廖PDのみ
  ∪功・失敗の判断曖昧(白黒つけない)

擬卞眥汗哀廛蹈札后Щ前調整の重視と妥協色の強さ
 1.反対意見を抑えることが目的
  ヽ僂ドンドン丸く。「毒にも薬にも」
  玉虫色の表現テクニックで逃げ切る事務方⇒同床異夢
  H紳个鰺泙┐れないと上程を先送り
 2.優良企業の事前調整
  ゝ掴世鮨爾瓩覦戮了前調整

競潺疋觸仞ぞ魴錙Υ管登用プロセス
 1.出世条件(「できるヤツ」)
  ー分の意見の自粛、幹部の意向の忖度(「上が見たい絵」)
  ⊆存修琉戮亮卞眥汗偉蓮焚餤弔鯆未肯蓮
  G蛭供学閥、本流など有力グループへの所属
  ぁ崕于瓩ない、気が利く」
 2.登用プロセス:政治性・恣意性
  〕力者による「引き上げ」
  業務成果による淘汰メカニズム欠如
   i.PDCA欠如
   ii.人事評価システム機能不全(対立回避規範:甘い評価)

祁弍調管堯Ъ卞眄治力と人間関係志向のリーダーシップ
 1.強い社内政治力
   嵬鮨Α廖◆嵶場」、「人間関係」をテコにした仕事の仕方
 2.経営リテラシーと実務能力の欠如
  ゝ掴世梁臠召経験談と持論
  ▲侫.トに基づく戦略論不得手、不勉強
  スタッフ依存(丸投げ):自分で決められない
    発言要領、想定問答
    会議のお付
  ぜ蠡海的指示偏重、数字の後講釈
 3.人間関係偏重のリーダーシップ
  .蝓璽澄璽轡奪2軸:成果志向性と人間関係志向性
  ⊃祐峇愀源峺性に偏重
 4.パワー源泉
  ‐霾鵐僖錙次癖殕する情報及び判断の適切さ)
  同一パワー(憧れ)
  正当性パワー(役職・権限)
  ぞ淅灰僖錙次紛寡檗
    破綻企業では、圧倒的にと

◆「サイレントキラー」
 ・事業環境が一定であれば問題は顕在化しない。
   所与の目的を前提に社内資源を動員するにはメリットあり
   破綻企業も環境変化が生じる前は、優良企業
 ・事業環境が変化すると、適応不全を起こす

 ヾ超変化への感度の低下
  ・社員の関心:社内>顧客・競合・市場
  ・日常会話の話題:ほとんど社内人間関係と人事の噂
  ・危機感の欠如
 幹部の意思決定の戦略性、経済合理性欠如
  ・低リテラシー:前例踏襲ができないと戦略性、経済合理性が極端に低下
 社内に摩擦を生じる事業構造改革への躊躇
  ・対立回避:必ず誰かが反対する議案を意思決定できない

◆「優良企業との比較」
 [共通点]
  ^媚弖萃螢廛蹈札后対立回避、予定調和的意思決定の傾向
  ⊇仞ぞ魴錙破綻企業の条件も一定程度必要
  7弍調管堯Ъ卞眄治力も必要
 [決定的な差異]
  〇実をベースとした議論を尊重する規範の存在
  ⊃融部局の統制に基づく公正な登用プロセス

◆「文化的自己観」
 ・北米「相互独立的自己観」
   人は、他と切り離され、独立に存在する主体
   一人前=自分自身の誇るべき特徴を見出し、外へ表現し、その特徴の存在を自ら確証すること
 ・東アジア「相互協調的自己観」
   人は、周囲の人々との役割や立場を介した関わりの中で成り立っている
   一人前=意味ある社会的関係に所属。相応の位置を占め、他の人々と協調的な関係を持続

630. 「言いにくいことを言える職場」 ジェームズ・R・ディタート

「言いにくいことを言える職場」 ジェームズ・R・ディタート ダイアモンド(16/07)

■書評

 リーダーやマネジャーは社員の率直な声を聞くことを望んでいると言う。

 ところが、そのためにさまざまな手段が講じられても、社員には逆のメッ
セージと感じられ、効果が上がっていないケースが多い。

 たとえば、匿名で意見を募る提案箱などは、逆に自由に話すことのリスク
を強調しているようなものだし、実際に問題を解決するには、当の社員に話
を聞く必要も出てくるからだ。

 本書では、真に社員が自由に物を言える職場を実現するために、まずそれ
を阻害する「恐れ」と「諦め」という2つの要素について解説したうえで、
声を上げやすい文化を創造するための具体策を提案する。

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2016年7月号)』


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■目次■

・門戸を開いていると標榜はしていても
・「恐れ」の要素
・「諦め」の要素
・声を上げやすい文化の創造


■ポイント■

◆「結果に対する恐れ」と「徒労感」

◆「匿名フィードバック」の難点
 ・「匿名」を認めると、自由に話すことのリスクが強調される
 ・「匿名」を認めると、魔女狩りが始まりかねない
 ・「匿名」だと、その問題に対応するのが難しい

◆「声を上げやすい文化の創造」:「安心」の場
 ・「フィードバックを日常的なものにする」
 ・「透明性を高める」
 ・「働きかける」
 ・「パワーシグナルを弱める」:MBWA
 ・「矛盾したメッセージを送らない」
 ・「手本を示す」:部下の代弁を上司に
 ・「コミュニケーションを怠らない」
  

629. 「組織に必要な感情のマネジメント」 シーガル・バーセイド

「組織に必要な感情のマネジメント」 シーガル・バーセイド ダイアモンド(16/07)

■書評

 企業文化とは構成メンバーの思考や行動に影響を与える。

 これには2種類あり、一つは「認知的文化」で、仕事の上での発想や
行動を方向づけるもの。

 もう一つは「情緒的文化」で、これによって職場におけるメンバーの
感情の表出が決まる。

 ともすれば「認知的文化」のみが重視され、「情緒的文化」は見落と
されがちであるが、後者が従業員満足度やチームワーク、さらには財務
業績などの定量的な面にも与える影響は大きいという。

 しかもヘルスケアなどの気持ちが重視される業界だけではなく、金融
やコンサルティングなどの業界にも当てはまる。

 本書ではこの情緒的文化に焦点を合わせ、そのマネジメントの方法を探る。

 『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2016年7月号)』

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■目次■

・「認知的文化」と「情緒的文化」
・水面下の実情を探る
・情緒的文化の実際
・感情の相互作用
・情緒的文化を培う
・あらゆる階層で実践が重要である


■ポイント■

◆「認知的文化」:「考え方」
 ・目標達成への指針としてメンバー間で共有される、知的な理念、規範、成果、前提等
 ・職場での発想や行動の方向付けがなされる

◆「情緒的文化」:「感じ方」
 ・メンバーが共有する情緒的な理念、規範、成果、前提等
 ・職場で示す感情、抑えた方が無難な感情が決まる

◆「水面下の実情を探る」
 ・組織に最も深く根付いた文化的要素は、極めて見えにくい

◆「情緒的文化の実際」
 ・「楽しむ文化」
 ・「友愛の文化」
 ・「不安の文化」
   「対脅威萎縮」(過度のストレスが前頭葉前部皮質に与える影響)

◆「感情の相互作用」
 ・「友愛の文化」は「不安の文化」を中和する役割
 ・「情緒的文化」形成には「不安」と「怒り」が大きな影響

◆「情緒的文化を培う」
 ・「すでにある感情を活性化させる」
 ・「培いたい感情を率先して振りまく」:意識的に体現
   「模倣」相手と同じ感情が芽生える
 ・「なり切るまで模倣を続ける」:「深層演技」
  ・特定の感情を持とうとして重点的に努力するうちに、不意にその感情が湧き上がってくる
  ・背後にある理念や前提を人々が心から信じたなら、その文化ははるかに強力になり、持続性を増す

628. 「本好きのためのAmazon Kindle 読書術」 和田稔

「本好きのためのAmazon Kindle 読書術」 和田稔 金風舎(17/05)

■書評■

 AmazonとKindleと読書。
海外赴任していると、電子書籍の大切さが身にしみます。

 「Kindle Unlimited」や、色々なツールを使ったKindleとの連携に
ついての具体的な方法論も分かりやすく記載されています。

 特に、「ハイライト」部のテキスト化が、こんなに簡単できるとは
知りませんでした。

 久しぶりのノウハウ本ですが、有用でした。


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■目次■

第1部 電子書籍による多読のすすめ
はじめに

第1章 Kindleと電子書籍の基礎知識
1-1 端末はどれがいい? 意外と知らない端末の選び方
〈コラム〉意外とわからない!? iPhoneからKindleを購入する方法
1-2 どうやって本を見つけるか
1-3 Kindleの普及で広がる電子書籍マーケット
1-4 ついに日本上陸。Kindle Unlimited

第2章 KindleはAmazonのクラウドサービスだ!
2-1 Kindleなら蔵書管理もサクサクできる
2-2 ハイライト機能で手軽にアウトプット
2-3 お得な情報を逃さない! セールの活用法
〈コラム〉買っているのは「本を使用する権利」

第3章 ソーシャルメディア時代のアウトプット読書術
3-1 忙しくても読める。隙間時間で読書
〈コラム〉読書を習慣化する6つの方法
3-2 読んだだけでは終わらせない。アウトプット活用法
〈コラム〉メディアマーカーを活用してKindle情報を獲得する
〈コラム〉どこの読書系サービスを利用するか
3-3 Kindle読んだ本で書評をブログにアウトプットするコツ

第4章 Kindleをオーディオブックとして活用する
4-1 端末の設定方法
4-2 Amazonのオーディオブックサービス「Audible」
4-3 音声の活用シーン

第2部 多読で得た情報をKindleで整理する方法

第1章 「Kindle for PC/Mac」の登場で変わる読書のスタイル
1-1 デスクトップ環境でKindle本を読むための2つのツール
1-2 Kindleと情報処理の仕組みを考える

第2章 読書環境の使い分けでインプットとアウトプットの質を高める
2-1「Kindle for PC/Mac」で快適な学習環境を構築する
2-2 Kindleのハイライト編集をサクサク行う
2-3 Evernote Webクリッパーで参考資料を作成する
〈コラム〉本のハイライトやスクリーンショットはどこまで利用して良いのか
2-4 Kindleで理想の情報処理ワークフローを構築する
〈コラム〉InstapaperからKindleへWeb記事を送信する方法

第3章 その他のドキュメントもKindleに送信する

おわりに Kindleは読書の概念を変えようとしている


■ポイント■

◆「ハイライト」部は、http://kindle.amazon.co.jpでテキスト化

◆「紙の本」「電子書籍」「オーディオブック」の使い分け

◆「読み上げ」は、iPhoneのKindleで

◆「メディアマーカー」で、書籍管理

◆「デスクトップ」には、「Kindle for PC」
 ・「ハイライト」部での連携

627. 「生物学に学ぶ企業生存の6原則」 マーティン・リーブス

「生物学に学ぶ企業生存の6原則」 マーティン・リーブス ダイヤモンド(16/06)

■書評■

 事業環境はかつてないほど多様化し、ダイナミックな変化を続けている。
こうした変化に多くの企業はうまく対応できているのだろうか。

 こうした疑問から3万社超の米国企業を調査したところ、企業の短命化が
進んでいることが判明した。

 上場企業が今後5年以内に上場廃止になる確率は3社に1社であるという。

 本書の筆者たちは、企業が長く存続するための知見を「複雑適応系」に求めた。

 「局地的な相互作用」「創発」「フィードバック」のサイクルを繰り返して進化
を続ける複雑適応系の原則は、自然界においてもビジネス界においても生命力を強
化するものである。

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2016年6月号)』
"The Biology of Corporate Survival" by Martin Reeves

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■目次■

原則1.「異種混合」を維持する
原則2.「モジュール化」を続ける
原則3.「冗長性」を保持する
原則4.「予測」はできないが「不確実性」は減らせる
原則5.「フィードバックループ」と「適応メカニズム」を構築する
原則6.「信頼」と「互恵主義」を育てる


■ポイント■

■ポイント■

◆「企業の死亡率を高める三つのトレンド」
 ・「ビジネス環境の多種多様化」
 ・「変化スピードの高速化」
 ・「企業相互関連の緊密化」

◆「複雑適応系」
 ・「事業戦略」と「生物学」と「複雑系」の三つが重なる交差点
 ・「局地的な相互作用」「創発」「フィードバック」のサイクル
 ・「入れ子構造」の重層化

[原則1] 「異種混合」:「多様性」の重要性
 ・「人材」「発想」「取り組み」での「多様性」

[原則2] 「モジュール化」:「個」の独立性と「他」との関連性
 ・「系の構成要素が互いにゆるやかに繋がっている」状態
 ・「緊密に繋がること」のメリットとデメリット
   「クローズ」と「オープン」

[原則3] 「冗長性」:「効率性」追求の誤謬
 ・「生物」における「冗長性」(非効率性)の重要性

[原則4] 「不確実性」の低減:「周縁部」の動向に注視
 ・「変化」は業界の「周縁部」から発生する

[原則5] 「フィードバックループ」:「適応メカニズム」の構築
 ・「局所的行動」と「マクロな結果」との間の「因果複雑性」
   「局所レベルで「ゆらぎ」(秩序の破壊)を創出」(バタフライ効果)
 ・「組織の末端(現場)」での「シグナル」検知→「ゆらぎ」の創出
   「現場での対話」→「空気」を感知→「行動」(ゆらぎ)

[原則6] 「信頼」と「互恵主義」:「環境」と「風土」創り
 ・「信頼」ベースの「組織」創り
  ・「自主性」「協調性」を育む「環境」創り
  ・「失敗」を恐れない「風土」創り
 ・「他の利害関係者に対する貢献」:「三方よし」

626. 「多動力」 堀江貴文

「多動力」 堀江貴文 幻冬舎(17/04)

■書評■

 すべての産業が「水平分業型モデル」となり、結果「タテの壁」が溶けていく。
この、かつてない時代に求められるのは、各業界を軽やかに越えていく「越境者」だ。

 そして、「越境者」に最も必要な能力が、次から次に自分が好きなことをハシゴしまくる
「多動力」なのだ。

 ホリエモンの、良さと弱点が詰まった書です。

 内容は、ちょっと薄っぺらいですが、こういう考え方もありなのでしょう。
ただ、既存の価値観の中の良さにも、心を寄せたていきたいものです。


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多動力 全産業の“タテの壁”が溶けたこの時代の必須スキル [ 堀江貴文 ]

■目次■

1.一つの仕事をコツコツやる時代は終わった
2.バカ真面目の洗脳を解け
3.サルのようにはまり、鳩のように飽きよ
4.「自分の時間」を取り戻そう
5.自分の分身に働かせる裏技
6.世界最速仕事術
7.最強のメンタルの育て方
8.人生に目的なんていらない


■ポイント■

◆「肩書き」を複数もって、それぞれはまってみる

◆「見切り発車」を

◆「多動力」の源泉は「好奇心」と「集中力」
 ・「飽きた」は「成長」

◆「原液」を創る「教養」

◆「仕事」は「リズム」
 ・「リズム」を乱す阻害要因を避ける

◆「睡眠力」

◆「嫌われる勇気」

◆「目的」「目標」はいらない
 ・とにかく「行動」

625. 「鈍感力」 渡辺淳一

「鈍感力」 渡辺淳一 集英社(07/02)

■書評■

 2007年の流行語大賞にノミネートされた「鈍感力」を再読。

 「鈍感力」とは、人生の途中で遭遇する苦しいことや、辛い
ことに対し、立ち上がって前に向かって明るく進んでいける
したたかな力のことです。

 作家、渡辺淳一さんが、自身の経験も踏まえた17のエッセイ
にまとめられています。

 具体的な対応策がないので、物足りませんが、軽い読み物と
して。


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鈍感力 (集英社文庫) [ 渡辺淳一 ]

■目次■

1.ある才能の喪失
2.叱られ続けた名医
3.血をさらさらと流すために
4.五感の鈍さ
5.眠れる大人
6.図に乗る才能
7.鈍い腸をもった男
8.愛の女神を射止めるために
9.結婚生活を維持するために
10.ガンに強くなるために
11.女性の強さその1
12.女性の強さその2
13.嫉妬や皮肉に感謝
14.恋愛力とは?
15.会社で生き抜くために
16.環境適応能力
17.母性愛この偉大なる鈍感力


■ポイント■

◆「鋭」より「鈍」
 ・「鈍さ」の効用

◆「血をさらさらと流す」
 ・「副交感神経」

◆「眠れる大人」
 ・「睡眠力」

◆「調子にのる」才能
 ・「褒める」大切さ

◆「雑菌レス」がいいとも限らない
 ・「抵抗力」

◆「母の愛」
 ・「鈍感力」がないと育児できない

624. 「東芝解体 電機メーカーが消える日」 大西康之

「東芝解体 電機メーカーが消える日」 大西康之 講談社現代新書(17/05)

■書評■

 巨大な負債を抱え、会社解体の危機に喘ぐ東芝。

 かつて日本企業を代表する存在だった総合電機が軒並み苦境
に陥っています。日本の電機メーカー各社がなぜ凋落すること
になったのか。

 日経ビジネス編集委員もされた著者が、電機業界と政界や官
界との関係について、コンパクトにまとめられています。

 東芝・ソニー・日立ほか大手8社の歴史や経営を詳細に分析す
ることで、日本の総合電機がはまった巨大な陥穽が描かれてい
ます。

 フィリップス、ノキア、シーメンスができたことが、日本では
なぜできないのか。

 「東芝解体」に象徴される電機産業の壊滅は、日本経済が新た
なステージに踏み出すための「通過儀礼」なのか。

 製造業に身を置く立場として、考えさせられます。


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東芝解体 電機メーカーが消える日 (講談社現代新書) [ 大西 康之 ]

■目次■

1.東芝・・・ 待ち受ける”廃炉会社”への道
2.NEC・・・ 通信自由化時代30年を無策で過ごした
3.シャープ・・・ 台湾・ホンハイ傘下で再浮上
4.ソニー・・・ 脱エレクトロニクスで見えてきた光明
5.パナソニック・・・ 「車載電池」「住宅」の次に目指すもの
6.日立製作所・・・ 「技術の日立」を過信し、消費者を軽んじた
7.三菱電機・・・ 実は構造改革の優等生?
8.富士通・・・ 進取の気性を失い、既得権にしがみつく宗教


■ポイント■

◆「電電ファミリー」と「電力ファミリー」が競争力を奪った
 ・「電電ファミリー」:NEC、富士通、日立、東芝
 ・「電力ファミリー」:東芝、三菱重工、日立
 ・「寡占」状態で、「電話代」「電力代」→「ファミリーへ」

◆「経産省」と「産業革新機構」、「原発政策」
 ・「エルピーダメモリ」:NEC、日立
 ・「ルネサスエレクトロニクス」:日立、三菱電機、NEC
 ・「ジャパンディスプレイ」:東芝、日立、ソニー
 ・「原発政策」:経産省、東電、東芝

◆「東芝」
 ・「粉飾」の原因である「原発事業」は、西田の野望から
   「経団連会長」の椅子
 ・「西田」vs「佐々木」の内紛が「粉飾」発覚のきっかけ
   「内部告発」で「粉飾」発覚
 ・「半導体」「メディカル」「白物家電」を売却して解体

◆「NEC」
 ・「PC98」「携帯」「半導体」の「日本一」からの凋落
   「レノボ」へ売却、「NECモバイルコミュニケーション」の解散
   「ルネサス、エルピーダ」への分社化
 ・「NEC本社(スーパータワー)」は、関本、西垣の墓標

◆「シャープ」
 ・「亀山」「堺」の液晶大型投資と「サムスン」「鴻海」
   「販路」開拓無き、技術の垂直統合
 ・「JDI」の「大塚価格」(対シャオミ)の裏に「経産省」
   「オールジャパン」構想
 ・「町田・片山」と「テリー」
   「社内紛争」で戦略まとまらず
 ・「日本電産」「鴻海」の「EV戦略」(テスラ・アップル)
   「シャープ買収」は、その序章

◆「ソニー」
 ・「メーカー」から「リカーリングビジネス」へ
   「プレステ」事業のポテンシャル(VR,AI)
 ・「出井」「ストリンガー」から「平井」へ
   「創業家」との確執
 
◆「パナソニック」
 ・「人事抗争」と「MCA買収・売却」
   「谷井」と「松下正治−森下」
 ・「マネ下電器」の行き詰まりと、「三洋」「電工」の買収
   「中村」の「プラズマ投資」と「三洋社員迫害」
 ・「水道哲学」の限界
   「リサイクル」と「シンク・ガイア」(三洋の野中)
 ・「ギガファクトリー」の今後
   「テスラ」一社依存かどうか

◆「日立」
 ・「GNP企業」:政官財の「鉄のトライアングル」
 ・「日立社長」の三条件
   「東大工学部卒」「重電畑出身」「日立工場長経験者」
 ・「庄山」の「ハードディスク買収」が裏目に
   「リストラ」だけで、成長分野育たず
 ・「河村」の「本業回帰」
   「三菱重工」との統合へ

◆「三菱電機」
 ・「逃げるが勝ち」戦略
   「勝てない事業から撤退し、勝てる分野に戦力集中」
 ・「FA」「昇降機」「放電加工機」「レーザ加工機」
   「地道に努力を積み重ねること」

◆「富士通」
 ・「IBM」対抗の歴史と「ダウンサイジング」
   「関澤」「秋草」の13年間の無為
 ・「富士通テン」「ニフティ」を手放す愚

623. 「おとなの教養」 池上彰

「おとなの教養」 池上彰 NHK新書(14/12)

■書評■

 私たちはどこから来て、どこに行くのか?

「教養」とは、「自分を知ること」との副題で、池上さんが、
リベラルアーツとして、現代の教養七科目について語ります。

 「すぐに役立たないこと」が、実は長い目で見ると役に立つ
というフレーズに心が惹かれます。


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おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書) [ 池上彰 ]

■目次■

1.宗教
2.宇宙
3.人類の旅路
4.人間と病気
5.経済学
6.歴史
7.日本と日本人


■ポイント■

◆「リベラル・アーツ」の意味は、「人を自由にする学問」
 ・「すぐに役立たないこと」が、実は長い目で見ると役に立つ

◆「宗教」:唯一絶対神はどこから生まれたのか?
 ・「超自然的な存在」への畏怖の念
   「人間は弱いからこそ、宗教を信じる」
 ・「一神教」は、砂漠で生まれた宗教
 ・「八百万の神」は、自然が豊かな地域で生まれた
 ・「輪廻転生」の考えは、インドの暑さの中で生まれた
 ・「ユダヤ教」は民俗宗教、「キリスト教」は世界宗教
 ・「コーラン」は「声に出して読むべきもの」の意味
 ・「アッラー」=「ゴッド」
 ・「宗教の争い」は、実は「土地や資源」をめぐる争い

◆「宇宙」:ヒッグス粒子が解き明かす私たちの起源
 ・「神が作った世界の論理」を追求
   「中世キリスト教社会」を脱して、市民社会への移行へ
 ・「科学」:「自分はどこから来たのか」を知ること
   「科学」も「宗教」も、世界や宇宙の謎を説明しようとする
 ・「ハッブル」の大発見:「宇宙膨張説」(1929年)
   「ドップラー効果」で星の色で提唱
 ・「ジョージ・ガモフ」の「ビッグバン理論」(1940年代)
   「火の玉宇宙」
 ・「ピーター・ヒッグス」の「ヒッグス粒子」(1960年代)
   「インフレーション理論」からの仮説
   「質量」の誕生:水素→ヘリウム→・・・→人間
     →2012年に発見:ノーベル賞

◆「人類の旅路」:私たちは突然変異から生まれた
 ・「ホモ・サピエンス」の誕生から、「自分自身を知る」
 ・「進化」=「進歩」ではない
 ・「種の起源」(ダーウィン)
   「様々な生き物は突然変異を繰り返している、突然変異を
    繰り返しているものの内、その時々の環境に一番適応で
    きる生き物だけが生き残ってきた」
     →「私たちは、奇跡の存在」
 ・「人類はアフリカから始まった」
   「ホモ・サピエンス」は20万年前に、アフリカ東部で誕生
    「イーストサイドストーリー」
    「ミトコンドリア・イブ」:ミトコンドリアのDNAは母親から
 ・「メラニン色素」が少ない突然変異が起こり、北上して移動
   「黒人」「黄色」「白人」に
 ・「ネアンデルタール人」の遺伝子は、私たちには入っているが、
    アフリカにいる人には入っていない

◆「人間と病気」:世界を震撼させたウィルスの正体
 ・「病気」によって「進化」してきた
 ・「吸血ダニ」との格闘から「花粉症」は生まれた
   「日本」は清潔すぎて、ダニがいなくなり、スギ花粉に作動
 ・「メラトニン」はがん細胞の増殖を抑制する働きあり
   「夜勤」をすると、乳がんになりやすい
   「夜」は暗くして、熟睡すること
 ・「ウィルス」には細胞膜はなく、遺伝子がタンパク質に包まれているだけ
   「ウィルス」は生き物と物質の中間にある存在
   「抗生物質」は「ウィルス」には効かない:「細菌」に対するだけ
 ・「インフルエンザ」は、星の「影響」で起こる
   「スペイン風邪」の猛威(1918-19年):アメリカから始まる
     第一次世界大戦を終わらせた(戦争より風邪で死んだ人が多い)
   「スペイン風邪」は「鳥インフルエンザ」由来
 ・「中国南部農村地帯」で、新しいウィルスが生まれる
   「豚」と「人間」が同じ屋根の下で暮らしている
   「豚インフルエンザ」→「新型インフルエンザ」
 ・「ペスト」→「生き残った農民」が農奴解放に
  「イギリス人ピューリタン」→「インディアン」を病気に

◆「経済学」:歴史を変えた四つの理論とは
 ・「人間自身の営みの中にも法則」
 ・「アダム・スミス」(古典派経済学):「国富論」(1776年)
   「富とは国民の労働で生産される必需品と便益品である」
   「利己心から仕事をして、結果的に分業となって経済を回す」
   「見えざる手」:「自由放任」
 ・「カール・マルクス」(マルクス経済学):「資本論」
   「資本主義は最終的に限界に達して、社会主義が樹立される」
   「労働価値説」:「社会主義計画経済」
 ・「ジョン・メイナード・ケインズ」(ケインズ経済学)
   「財政均衡政策」から脱却→「赤字国債」で公共事業
   「乗数効果」「累進課税」
   「ケインズは死んだ」:現実には、財政赤字は拡大一方
 ・「ミルトン・フリードマン」(シカゴ学派)
   「政府の規制をできるかぎり撤廃」
   「新自由主義」「マネタリズム」→「格差の拡大」
   「勝ち組の理論」
 ・「行動経済学」:「感情」「心理」が経済活動に影響
   「松梅」なら「梅」だが、「松竹梅」なら「竹」を選ぶ

◆「歴史」:過去はたえず書き換えられる
 ・「歴史」とは、「勝者」によって描かれてきた「勝者の物語」
 ・「文字」と「紙」が発明されることによって、知見の蓄積、文明の発展に
 ・「歴史の真実」は変わる:「新事実」「権力」
   「北朝鮮」「韓国」

◆「日本と日本人」:いつ、どのようにして生まれたか
 ・「国家意識」は、他国との関係性で生まれる
 ・「ジャパン」の起源は「ニッポン」
 ・「日常的な場所」で「ニホン」、「あらたまった場所」では「ニッポン」
 ・「日本人」は、1873年に誕生した
   「国籍」の考えは、それまで無かった
 ・「他者」との関わりの中で、「自分が何者」かが見えてくる

622. 「「全世界史」講義I」 出口治明

「「全世界史」講義I」 出口治明 新潮社(16/11)

■書評■

 人類共通の「5000年史」を学べば、世界がひとつに
つながって、歴史がいきいきと動きだす。

 ライフネット生命CEOの著者による、文明の誕生から
現代まで、人類5000年の歴史書です。

 歴史というタテ糸と、世界というヨコ糸を俯瞰して、
複雑な歴史の流れを分かりやすく説明しようとされる
著者の思いが伝わります。

 本書は、BC3000年からAD1400年までの古代・中世編です。

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「全世界史」講義(1(古代・中世編)) [ 出口治明 ]

■目次■

前史 人類が文字を発明するまで

<第1部 第一千年紀―第二千年紀>
1章 文字の誕生と最初の文明 (BC3000―BC2001)
2章 チャリオットによる軍事革命 (BC2000―BC1501)
3章 黄河文明の登場とBC1200年のカタストロフ (BC1500―1001)

<第2部 第三千年紀>
1章 世界帝国の時代 (BC1000―BC1)
2章 知の爆発の時代 (BC1000―BC1)

<第3部 第四千年紀>
1章 漢とローマ帝国から拓跋帝国とフランク王国へ (AD元年―500)
2章 一神教革命の成就 (501―700)
3章 ムハンマドなくしてシャルルマーニュなし (701―800)
4章 イスラムの大翻訳運動とヴァイキングの活躍 (801―900)
5章 唐宋革命とイスラム帝国の分裂 (901―1000)

<第4部 第五千年紀前半>
1章 ユーラシアの温暖化と商業の隆盛 (1001―1100)
2章 中世の春 (1101―1200)
3章 パクス・モンゴリア (1201―1300)
4章 寒冷化とペストの時代 (1301―1400)

(以下は「II近世・近現代編」の目次)
<第4部 第五千年紀前半>
5章 クアトロチェント(1401―1500)

<第5部 第五千年紀後半>
1章 アジアの四大帝国と宗教改革、そして新大陸の時代(1501―1600)
2章 アジアの四大帝国が極大化、ヨーロッパにはルイ14世が君臨(1601―1700)
3章 産業革命とフランス革命の世紀(1701―1800)
4章 ヨーロッパが初めて世界の覇権を握る(1801―1900)
5章 二つの世界大戦(1901―1945)
6章 冷戦の時代(1945―2000)

終章 どしゃ降りの雨で始まった第六千年紀


■ポイント■

◆「ドメティケーション」とは、狩猟採集生活から農耕牧畜社会への転換
 ・植物を支配する農業、動物を支配する牧畜、金属を支配する冶金
  「自然界の摂理」を支配しようとする心が「God」という概念を生んだ

◆「メソポタミア」から文明が始まった
 ・「メソポタミア」→「エジプト」、「インダス」、「黄河」
  ・世界最古の都市国家シュメール→初の統一国家アッカド帝国サルゴン

◆「第二千年前半」:BC2000-1501
 ・「エジプト中王国」(BC2040-1794)←「ヒクソス(チャリオット:馬が引く二輪戦車)」
    ギリシャ文明のもとに
 ・「バビロニア王国」(BC1595滅亡)←「ヒッタイト(鉄器)」
    ハンムラビ法典
 ・「夏王朝」(二里頭)

◆「第二千年後半」:BC1500-1001
 ・「黄河文明」:商(殷):甲骨文字
   「商周革命」(牧野の戦い:BC1023)
 ・「エジプト新王国」(BC1540-1070):アメンヘテプ三世
    ヒッタイトとの戦い(カディシュの戦い:BC1286)→同盟関係に
 ・「BC1200年のカタストロフ」:「海の民」の民族移動
    ヒッタイト、ミケーネ、カッシート滅亡
 ・「フェニキア人」「アラム人」「ヘブライ人」(イスラエル王国)
    アルファベット、ダマスカス、ダビデ・ソロモン
 ・「アーリア人」インド侵入(BC1500)
    バラモン教、リグ・ヴェーダ

◆「第三千年」:BC1000-BC1 世界帝国の時代
 ・「アッシリア」(最初の世界帝国):首都ニネヴェ
    サルゴン二世、エサルハドン、アッシュールバニパル
    粘土板のくさび形文字
 ・「新バビロニア」「メディア」「エジプト」「リュディア」
    ネブカドネザル二世(BC605-562)「バビロン捕囚」
 ・「アカイメネス朝ペルシャ」
    キュロス二世:バビロン解放
    カンビュセス二世:エジプト征服
    ダレイオス一世:王の道、共通語、サトラップ(知事)
            王の目、王の耳、通貨、ペルシャ戦争
      →ヘレニズム文化(ギリシャ文化とペルシャ文化融合)
 ・「マケドニア王国」
    アレクサンドロス:ペルシャ侵攻(BC334)アカイメネス朝滅亡
    (イスカンダル)  BC323急逝
    ディアドコイ戦争(BC323-280)
     アンティゴノスのマケドニア
     プトレマイオスのエジプト
     セレウコスの大シリア→パルティア(アルサケス朝)
 ・「ローマ」
    ポエニ戦争(BC264-146):フェニキア人のカルタゴ
     自作農→貴族の大土地所有者
    グラックス兄弟の改革(BC133-121)、マリウス軍制改革の失敗
    カエサル(-BC44)→オクタビアヌス(BC27-AD14):ローマ帝国
 ・「マウリア朝インド」←アレクサンドロス侵攻が契機
    アショーカ王(BC268-232)時に大帝国に
 ・「春秋戦国」→「秦」(BC221):中央集権国家
    「項羽と劉邦」により滅亡→劉邦が「漢」
    「匈奴」の冒頓単于の侵略
    「文景の治」(文帝、景帝)→「武帝」

◆「鉄器」と「地球温暖化」が知の爆発を引き起こした
 ・BC500年頃に、ソクラテス、孔子、ブッダが活躍、旧約聖書


621. 「ガイアの思想」 田坂広志

「ガイアの思想」 田坂広志 Kindle(17/05)

■書評■

 ジェームズ・ラブロックの語る「ガイアの思想」。

 本書は、その中で、著者の論文のみを収録した作品です。
著者の思想の背景にある、存在論、宇宙論、生命論などの哲
学が、分かりやすく語られています。

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■目次■

・なぜ、この世界は「存在」するのか
・なぜ、この世界は「生成」するのか
・なぜ、この世界は「自己組織性」を持つのか
・なぜ、この世界は「複雑性」を持つのか
・なぜ、この世界は「分析」できないのか
・なぜ、この世界は「分割」できないのか
・いかにして、「世界」は誕生したのか
・いかにして、「生命」は誕生したのか
・生命とは、この世界の「奇跡」か
・生命とは、この世界の「必然」か
・生命とは、この世界の「矛盾」か
・生命とは、この世界の「本質」か
・生命とは、何か
・精神とは、何か
・なぜ、世界に「精神」が生まれたのか
・なぜ、世界は「自己」を認識するのか
・世界の「未来」は、定まっているか
・「未来」を、いかに切り拓くべきか
・思想の持つ「生命力」とは、何か


■ポイント■

◆「いかに」(How)の問いを突き詰めていくと、「なぜ」(Why)
 という言葉の境界が消滅している

◆「存在(Being)から生成(Becoming)へ」(イリヤ・ブリゴジン)
 ・「熱力学第二法則が支配する世界においても、開放性、非平衡性、
   自己触媒性、という三つの性質を持つシステムは、自己組織性を
   獲得し、自ずと高度な秩序や複雑な構造を生み出す」

◆「世界は、複雑化すると、新しい性質を獲得する」
 ・「水(H2O)」の例
 ・「要素還元主義」の限界:細かく分析しても、元の性質を見出せない

◆「機械的世界観」から「生命的世界観」へ
 ・「全体性」(Wholeness:不可分な一体)

◆「宇宙の創成の歴史」
 ・「137億年」の「複雑化」の歴史
 ・「物質」→「生命」→「精神」→「社会」の複雑系
 ・「奇跡」のごとき条件において生まれた「生命」

◆「生命」とは、「世界の性質」が必然的に生み出したもの」
 ・「複雑性」(Complexity):複雑化すると新しい性質を獲得する
 ・「創発性」(Emergence):個の自発性が全体の秩序を生み出す
 ・「自己組織性」(Self organization):自然に秩序や構造を形成する
 ・「進化」(Evolution):突如まったく異なった存在へと不連続に変化

◆「奇跡」と「必然」の「絶対矛盾的自己同一」(西田幾多郎)
 ・「奇跡」のごとき希有な条件の中から、「必然」的に生まれてくる存在

◆「生命観」の転換:「生物」から「世界」へ
 ・「世界の生命的豊穣性」を見出していく
 ・「地球」そのものが「恒常性維持」(ホメオスタシス)機能をもった生命体
  
◆「複雑なものには、こころが生まれる」(グレゴリー・ベイトソン)
 「こころとは、生きていることの証である」
 ・「物質が複雑化すると生命が生まれ、その生命が複雑化すると精神が生まれる」
 ・「システム全体に「いのち」「こころ」が生まれてくる」

◆「ロンドンの霧は、それを詩人が歌ったとき、はじめて存在した」
 ・「存在」と「精神」に関する矛盾
 ・「人間原理宇宙論」(Anthropic Principle)
    宇宙の「存在」を認識する「精神」の発生なくして、宇宙は「存在」するのか
 ・「世界の自己認識」
   「世界は、その胎内に生み出した精神によって、「自己」を認識する」

◆「自己言及性」:「認知フィードバック」
 ・「自己の現在の姿を認識し、自己の将来の姿に言及することによって、自ら変化していく」
    →「開放系の未来」の獲得

◆「創造的進化」(アンリ・ベルクソン)
 ・「未来」は、何も定まっていない

◆「「真の知性」とは、「答えの無い問い」を問い続ける力である」(亀井勝一郎)
 ・「生命力を持つ思想」は、「答えの無い問い」を問い続ける力を求める
 ・「狭隘なイデオロギー」から「豊穣なコスモロジー」へ

620. 「フリーズする脳」 築山節

「フリーズする脳」 築山節 生活人新書(05/11)

■書評■

 脳神経外科医として数多くの診断治療に携わっておられる著者
が、脳をボケさせないための処方箋を、分かりやすく記載されて
います。

 「脳はボケるようにできている」
 「脳は環境によってつくられている」

 インターネットが生活の中に入り込み、意識しないと、脳の活動
が偏ってしまいがちです。

 事例も具体的で、語句も平易に記載されていますので、読んで
すぐ役立ちます。

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フリーズする脳 [ 築山節 ]


■目次■

1.不意に言葉に詰まる、物忘れをする
2.「まあいいや」が人をボケさせる
3.パソコンにカスタマイズされる脳
4.ネット依存と「思い出す力」の低下
5.人の話が聞き取れない、頭に入らない
6.血流の問題、脳を損傷している可能性
7.クリエイティブな能力を失うとき
8.「逃げたい心」が思考を止める


■ポイント■

◆「もうこの人には無理はさせられない」が致命傷
 ・「脳は基本的に怠け者」
    訓練の機会が減って、ますますできなくなり、
    できなくなると、ますます助けてしまう

◆「脳の使い方のバランスが悪いことがボケの原因」
 ・「苦手」→「やらない」→「ますますできない」
 ・「前頭葉」を使わず、「パターン的行動」だけに
 ・「まあいいや」で済ませられる環境がボケの要因

◆「新しく組み立てていく部分」があるか
 ・「選択、判断、系列化」機能を使っているか
 ・「話す」ことは「系列化」
 ・「頑固」=「新しく組み立てられない」
 ・「変化」に対する訓練
 ・「新鮮」「興味」

◆「記憶を引き出す」方法
 ・「繰り返し思い出す」
 ・「ファイル化する」
 ・「手がかりを増やす」

◆「五感を鋭敏にする訓練」
 ・「目を動かす」「フォーカスを変える」「パノラマ視」
 ・「立体感(質感)を捉える」
 ・「はっきりと大声で話す」「会話」
 ・「身振りで表現する」

◆「ボケ」対策
 ・「起きる時間を一定に」
 ・「一時間歩く」:太陽の光を浴びながら、リズムある運動
 ・「音読」:感情を込めて、人に聞かせるように読む
 ・「部屋の片付け」
 ・「ラジオを聴いて、要点をメモする」
 ・「雑多なことを、こまめにやり続ける」
 ・「基本回転数を保つ:忙しいことが幸せ」
 ・「活動をマルチにし続ける」(仕事と趣味)
 ・「社会の歯車の効用」(意志ある歯車)

◆「カクテルパーティ効果」:「聞き分ける能力」
 ・「書き写し」と「音読」

◆「感情系の刺激」を「思考系の問題」に
 ・「腹を割って話せる友」
 ・「殺されるわけではない」
 ・「積極的に向かう」(来るなら来い)

619. 「砂の器」 松本清張

「砂の器」 松本清張 新潮文庫(73/02)

■書映評■

 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。
被害者の東北訛りと「カメダ」という言葉を唯一つの手がかりに
老練刑事の今西は、執拗に事件を追う。

 松本清張の「砂の器」の映画版(1974年)、TV版1(2004年)、TV版2
(2011年)を立て続けに見ました。

 それぞれ、持ち味があり、いずれも良かったですが、大きな違い
は、原作、映画版が、犯人の親がハンセン氏病なのに対し、TV版は
どちらも殺人犯になっていたことです。

 時代背景等で仕方なかったかもしれませんが、大きく異なるのは
殺人犯は「罪を犯している」が、ハンセン氏病は「何も罪を犯して
いない」理由で、逃亡を余儀なくされていることでしょう。

 不合理なのにやってしまう宿命的な行為が、まさに犯人が犯して
しまう恩人の殺人であり、犯人が上奏する作品も「宿命」。

 宿命から逃れようと必死で生きている犯人、なのに結局その宿命
に落ちていく犯人、逃れられない厳しい宿命。

 時代とともに、ハンセン氏病に対する差別が風化していくことは
いいことかもしれませんが、考えされられました。
 

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砂の器(上巻)改版 [ 松本清張 ]
砂の器(下巻)改版 (新潮文庫) [ 松本清張 ]


■映画・TVのポイント■

         映画    TV1     TV2
・和賀英良   加藤剛   中居正広  佐々木蔵之介
・今西栄太郎  丹波哲郎  渡辺謙   小林薫
・吉村弘    森田健作  永井大   玉木宏
・三木謙一   緒形拳   赤井英和  橋爪功

・主役     今西刑事  和賀英良  吉村刑事

・放映     松竹映画  日曜劇場  テレビ朝日
 時間     2時間15分  1時間*11回 2時間*2回

618. 「Search Inside Yourself」 C. Meng Tan

「Search Inside Yourself」 C. Meng Tan 英治出版(16/05)

■書評■

 なぜGoogleの社員は、楽しく創造的に働き、柔軟性を持ち、優れた
成果を上げられるのか?

 その鍵を握るのが、「心」に関する独自の研修「サーチ・インサイ
ド・ユアセルフ(SIY)」です。

 心を整える手法「マインドフルネス」を、科学に基づき、日々実践
しやすい形にしたこの研修は、Google内で熱狂的に支持され、SAPやア
メックス他の企業や大学にも次々に採用されています。

 本書は、その開発者自ら語った、マインドフルネス実践バイブルです。

 1分でできるものから本格的なものまで、自己管理力、創造性、人間
関係力など様々な能力を高める技法をわかりやすく記載されています。

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サーチ・インサイド・ユアセルフ [ チャディー・メン・タン ]

■目次■

1.エンジニアでさえEQで成功できる
2.命がかかっているかのように呼吸をする
3.坐らないでやるマインドフルネス・エクササイズ
4.100%自然でオーガニックな自信
5.情動を馬のように乗りこなす
6.利益をあげ、海を漕ぎ渡り、世界を変える
7.共感と、脳のタンゴ
8.有能であってしかも人に愛される
9.世界平和への三つの簡単なステップ


■ポイント■

◆「マインドフルネス」
 ・「今すでにいる場所に完全に存在し、その完全な存在と意識の力を
   今この瞬間に認識すること」
 ・「時間という枠を完全に外れ、気づきそのものの中にただとどまる」
 ・「自分の意識を今の現実に敏感に保つこと」(ティク・ナット・ハン)
 ・「サティ」(パーリ語):「回想、熟慮」
    心の穏やかさ+深い洞察、熟慮を促す

◆「幸せの水準の測定」
 ・「左と右の前頭前野の特定領域で活性度の度合いを比べる」
    左:喜び、熱意、活力
    右:ネガティブな情動

◆「SIY」の三つのステップ
 ・「注意力のトレーニング」:認知能力と情動能力の基礎
 ・「自己認識と自制」:観察力
 ・「役に立つ心の習慣の創出」:他人の幸せを思う

◆「EQ」
 ・「自分自身と他人の気持ちや情動をモニターし、見分け、
   その情報を使って自分の思考や行動を導く能力」
  ・「自己認識」:自分の内面の状態、衝動を知る
  ・「自己統制」:自分の内面の状態、衝動を管理する
  ・「モチベーション」:
  ・「共感」
  ・「社会的技能」

◆「注意力を鍛える」:「情動」に対する反応の仕方を変える
 ・「情動」に翻弄されず、同化するのではなく、客観的に眺める
   「反応柔軟性」:刺激−反応のあいだに間を置く
 ・「情動ラベリング」:気持ちに単語のラベルをつける

◆「生理的なレベルで鍛える」:「情動経験」は「生理的経験」
 ・「身体」で「情動」を、より鮮明に経験できる
 ・「情動」を高解像度で知覚する能力開発には「マインドフルネス」

◆「マインドフルネス」から「EQ」へ
 ・「情動経験を高水準の明瞭さと解像度で知覚する能力」はEQの土台
 ・「さまよう注意を自発的に繰り返し引き戻す能力を与えてくれる技能」

◆「マインドフルネス瞑想」
 ・「2分間、自分の呼吸に意識を向ける」
   「何かをするモード」から「あるがままでいるモード」へ
 ・「注意」と「メタ注意」
   「メタ注意」:自分の注意がそれたことを知る能力
 ・「リラックスしていて、隙のない状態」(リラックスした集中)
   「穏やかさ」「明瞭さ」「幸せ」が自然に現れてくる
   「幸せ」なのは、心の基本設定状態(ただあるがままでいること)
   「持続可能な幸せ」は、自分の呼吸に注意を向けるだけで達成できる
 ・「運動」のように、抵抗を克服することで進歩する
   「注意」がそれた時、それを元に戻すたびに、「注意」の筋肉が強くなる
    「注意」がそれたら、それが練習の機会
 ・「意図」を生み出す(自分の穏やかさを取り戻す等)
   「相手」に敬意を持つという「意図」もいい
 ・「愛情に満ちた母の目で自分を眺める」
 ・「山になったつもりで坐る」「川の流れのように呼吸する」
 ・「認める」(雑念が起こってきた)
  「評価や判断も反応もせずに経験する」
  「放っておく」(雑念が去ろうと居座ろうと構わない)
 ・「練習に何も期待しない」
   「結果に拘ると、執着が生まれる」
 ・「喜ばしいマインドフルネス」から「マインドフルネス」へ
   「嬉しい経験に浸る」→「呼吸に意識を向ける」
 ・「漸修頓悟」(禅)
   「進歩を感じられなくても続けていれば唐突な進歩が訪れる」

◆「歩く瞑想」:トイレ休憩の度に実施
 ・「足裏にかかる圧力」「立っている身体」「動き、停止の身体」

◆「他人に向けたマインドフルネス」
 ・「マインドフル・リスニング」(センターで聴く)
   「他人に対する貴重な贈り物は、私たちの存在」
 ・「ルーピング」
   「共同作業で、コミュニケーションのループを完結させる」
 ・「ディッピング」
   「自分自身と会話する」(気が散っていることを感じる)
     (耳にしている内容について自分がどう感じているか知る)
    「中心注意」を相手に、「周辺注意」を自分自身に向ける

◆「瞑想のサーキットトレーニング」
 ・「集中した注意」と「開放的な注意」を鍛える
  ・「一瞬一瞬の注意を絶えず元に戻す」→「集中した注意」(静)
  ・「評価や判断や執着を捨てる」→「開放的な注意」(動)

◆「自己認識」を深めるのは、「自分の内側の明瞭さ」の向上
 ・「高い解像度」と「鮮明さ」
 ・「自己認識」は情動のプロセスに「大脳新皮質」を引き入れる
 ・「自覚」→「意味」(自己客観性)→「自信」
   「失敗モード」と「復元モード」を理解する
 ・「自己認識」と「マインドフルネス」は同じプロセス

◆「ボディスキャン」
 ・「身体の緊張は、身体に注意を払っていないから積み重なる」

◆「ジャーナリング」
 ・「自分に向けて書く」:制限時間内に、頭に浮かんだことを書く
   「今感じているのは」「今日、やってみたいのは」「愛とは」

◆「私の情動は私ではない」
 ・「情動」はただの生理的現象で、身体で経験するもの
   「空」:自分−「雲」:思考、情動

◆「自己統制」
 ・「衝動」から「選択」へ
   「情動」を抑えるのではなく、あしらいがうまくなる
 ・「執着」と「嫌悪」を捨てる
   「痛み」と「嫌悪」は異なる:苦しみ抜きで痛みを経験する
    「評価」せずに、ただ経験する
   「喜び」に「執着」(終わらないで欲しいという思い)しない

◆「苦悩」に対処するための一般原理
 ・「痛みがない時を知る」
   「苦悩」の不在に、たえず気づく、「苦悩」の無い幸せ
 ・「いやになることにいやにならない」:「エゴの行為」
   「苦悩」は自然に湧き起こる現象
 ・「怪物どもに餌をやらない」
   「怒りの怪物」は、怒りに満ちた話という餌を必要としている
 ・「あらゆる思考を優しさとユーモアをもって始める」
   「優しさ」がもつ「癒やし」の効果、自分のしくじりをユーモアに

◆「シベリア北鉄道」:「情動」が起こる「トリガー」に対処する方法
 ・「停止する」(Stop):「間を置く」(聖なる中断)、10数える
 ・「呼吸する」(Breathe):「深呼吸」で「聖なる中断」を強化
 ・「気づく」(Notice):「身体」の中の「情動」を気づく
 ・「よく考える」(Reflect):「情動」がどこから来ているのか考える
   「誰もが幸せになりたいと望んでいる」
   「この人は、、このように振る舞うと幸せになると考えている」
   「リフレーミング」で、意味を再認識する
 ・「反応する」(Respond):一番優しくて、ポジティブな反応を想像する
   「片手を握りしめ、残っている情動をすべて掴み、ゆっくりと手を
    開いて、その情動のエネルギーを放してやる」

◆「網の目化」:進んで情動を経験し、受け入れる気持ちを生み出す練習
 ・「情動」が通り抜けていくのを観察する
   「自分が網戸になったつもりで、情動を自分の身体を通過させる」

◆「自己統制」から「自信」へ
 ・「外に向けたネガティブな思考は、自分の嫌悪感から湧き起こるもの」
 ・「情動」と仲良くなること(やみくろと仲良くなること)

◆「セルフモチベーション」
 ・「整合性」:自分の仕事と、自分のコアバリューと整合させる
   「フロー」:「活動中の禅」
   「自律」「熟達」「目標」
 ・「想像する」:理想の未来がすでに実現したかのように書く
 ・「回復力」
   「内面の穏やかさ」:「幸せ」を浮かび上がらせる
   「情動的な回復力」:「情動」を抑え、執着や嫌悪を捨てる
   「認知的な回復力」:「楽観的」に捉える(起こることすべて良きこと)
    「悲観的」3:1「楽観的」

◆「自己認識」と「共感」は相関関係
 ・「Compassion」(「思いやり」「ともに苦しむ」)
 ・「同調化」:「情動のタンゴ」
 ・「優しさ」は「共感」の原動力であり、「持続可能な幸せ」の源

◆「私とまったく同じ/愛情に満ちた優しさ」の練習
 ・「私とまったく同じ」:この人は私とまったく同じ
 ・「愛情に満ちた優しさ」:この人が幸せになりますように
    好きな人、好きでも嫌いでもない人、嫌いな人の順で

◆「共感」は「信頼」を築く
 ・「弱点」をさらけ出せる関係性
    自分のエネルギーをチーム共通目的の達成に集中できる
 ・「信頼の欠如」
   「対立への恐れ」
    「責任感の不足」
     「責務の回避」
      「結果への無関心」
 ・「誠実さ」「優しさ」「率直さ」
 ・「心から褒める」:「結果」ではなく「プロセス」を称賛
   「成長志向の姿勢」へ

◆「思いやりのあるリーダーシップ」:「レベル5」(Visionary Company2)
 ・「志」と「謙虚さ」
 ・「私」から「私たち」への変化
 ・「認知的要素」「情動的要素」「動機付け要素」(思いやりの三要素)

◆「善良さを増す瞑想」:「視覚化」
 ・「息を吸う時に、自分の善良さを吸い込んでいるとイメージし、
   心の中で、その善良さを10倍にするところを思い描き、
   吐き出す時に、その善良さを世の中に与えるところをイメージする」
 ・「自分と他人の中に善良さを見る」
  「善良さをすべての人に与える」
  「自分の中にある、変える力を信頼する(善良さを増すことができる)」

◆「トングレン(授受)の瞑想」
 ・「ネガティブなものを吸い込み、ポジティブなもの(光の筋)に変換して、
   世の中に吐き出していく」

◆「ゴットマンの割合」
 ・「ポジティブなやりとり」:「ネガティブなやりとり」=1:5

◆「SCARFモデル」(社会的な脳の行動原動力)
 ・「地位(Status)」:対他人より、対自分の「熟達」
 ・「確実性(Certainty)」
 ・「自律性(Autonomy)」:ハンドルを握る
 ・「関係性(Relatedness)」:敵/味方
 ・「公平性(Fairness)」:公平性のために自分の利益を犠牲にすることもある

◆「三つの会話」
 ・「内容に関する会話」(何があったか?)
 ・「気持ちに関する会話」(どんな情動が関わっているか?)
 ・「アイデンティティに関する会話」(ここから自分について何がわかるか?)

◆「厄介な会話」への対応
 ・「影響は意図と異なる」
    相手の意図と、こちらの受け止め方は異なる
 ・「内容・情動」の他に「アイデンティティ」が絡んでくる
    私は有能か? 私は善良な人間か?

◆「内面の幸せは伝染する」
 ・「内面の幸せ」と「社会的な幸せ」の好循環

◆「行動するのではなく、行動に導かれる」
 ・「内面の平穏を深め、思いやりを増し、志を強める」



617. 「「貞観政要」が教える究極のマネジメント思考」 田口佳史

「「貞観政要」が教える究極のマネジメント思考」 田口佳史 PHP研究所(16/05)

■書評■

 「貞観政要」は、中国史上、最善の政治を行なったといわれる
唐の太宗と、それを取り巻く名家臣たちの言行録で、北条政子や
徳川家康なども座右の銘としてきた書です。

 太宗がどんな問題に直面し、どう行動したかについて、「論語」
など中国古典の叡智をふんだんに交えつつ、紹介していきます。

 本書は、社長とその先輩の対話形式で「貞観政要」を読み解い
ていきます。

 現代の企業事例も引きながら、「貞観政要」のエッセンスが明
解、かつ具体的に語られています。 

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上に立つ者の度量 [ 田口佳史 ]

■目次■

1.リーダーとして一番大切なこと
2.組織の盤石な構えをつくるために必要なこと
3.「六正六邪」の教えと究極の人材育成法
4.業績アップの秘訣を世界帝国「唐」に学ぶ
5.社長になったら、すぐに後継者選びを始めよ
6.君が何をするかは、全部天が見ている


■ポイント■

◆「隋が早々に滅んだのは」
 ・「煬帝が暴君で、隋の官僚達が面従腹背になったから」
    北条政子も、徳川家康も、長期政権とするために学んだ

◆「四書五経」は材料、「貞観政要」はその材料をどう使うか
 ・古典のガイドブック

◆「部下の話をきちんと聞くリーダー」
 ・「諫言大夫」

◆「滅亡する国の十の特性」
 ・「側近が保身の国」:かばいあう体質
   「相惜顔面」
 ・「法を万能とする国」:あるべき論だけで運営
 ・「見栄を張っている国」:実態とかけ離れた見栄
   「正論」を言えない雰囲気
 ・「力づく一点張りの国」:威圧的姿勢
 ・「問題のない国」:問題が浮上せず、先延ばし
   「問題は育つ」
 ・「次のビジョンが明確でない国」
 ・「好き嫌いで人事が行われている国」
 ・「独裁にしてその自覚のない国」
 ・「後継者が定まらない国」

◆「創業」から「守成」へ
 ・「守成」とは「新しい象徴的なもの」を創ること
   ex. 「西川産業」:「布団屋さん」から「寝室デザイナー」
     「アサヒビール」の「コク」と「キレ」両立
 ・「組織」をいじるだけは、「エセ改革」
   「積み上げてきた経験知や暗黙知」が破壊され、人心が疲弊
   「組織」という「魔物」は、エネルギーを吸い取る
 ・「武断政治」から「文治政治」(太宗)
   「宮殿」より立派な「弘文館」

◆「大人虎変」して「君子豹変」する
 ・「実力のある中堅幹部」が虎変して、改革が進む

◆「君は舟、民は水」(荀子)
 ・「水は則ち舟を載せ、水は則ち舟を覆す」
   「民への敬意と畏れ」=「若手社員のコンセンサス」
   「社員あっての自分」
 ・「覇道」から「王道」へ(太宗)
   「王道」:民が暮らしやすい国を創ること

◆「組織の盤石性を創る」:「根源思想」
 ・「木の長ぜんこと求むる者は、必ず其の根本を固くす」
 ・「側近の諫言を聞き入れようとする姿勢」:「諫議大夫」
   「名君」は「兼聴」、「暗君」は「偏信」
   「起居注」(トップの言行記録):常に見られている
 ・「トップと四天王」が一枚岩に
   「倒産する会社は何が悪いのだろうか?」と問い続ける
   「一枚岩」の接着剤は「問題意識の共有」
   「緊張感」と「危機感」の共有:「他責」から「自責」に
   「五人」で必ず話しをする(個別にしない、公平に)

◆「吐哺握髪」でいい人材を採用する
 ・「食事や風呂の途中でも、飛んでいく」

◆「学習」と「感化」
 ・「感化」:トップが自分の足りない部分を無くしていこうと
       努力しているかどうか

◆「六正六邪」:まずトップが「六正」に
 ・「聖臣」:物事の兆しがまだ表れていないときに見抜く
  「良臣」:礼儀正しく、諫言する
  「忠臣」:しっかり働く
  「智臣」:失敗しないように、誤りの源を断つ
  「貞臣」:文化や法律を守り、倹約する
  「直臣」:こびへつらわない
 ・「具臣」:官職の立場に安住して禄を貪る
  「諛臣」:おべっか使い
  「奸臣」:好き嫌いで評価をする
  「讒臣」:悪巧みをして讒言をする
  「賊臣」:主君を利用して、私財を富ます
  「亡国の臣」:主君にへつらい、悪いところを隠す

◆「六観」:人物を見抜くポイント
 ・「貴ければ則ち其の挙ぐる所を観る」:どんな人を抜擢するか
 ・「富みては則ち其の与ふる所を観る」:富の使い方
 ・「居りては則ち其の好む所を観る」:自宅で好んですること
 ・「学べば則ち其の言う所を観る」:学んでいるとき何を言うか
 ・「窮すれば則ち其の受けざる所を観る」:困窮しても拒否するもの
 ・「賤しければ則ち其の為さざる所を観る」:譲れない筋

◆「褒めるのは人間、叱るのは規則」
 ・「ダメな会社」は、規則を甘くして、叱る時は人間を怒鳴りつける
 ・「プロ」として恥ずかしいことはやらない
 ・「叱る」より「学ばせる」:トップ自ら学ぶ姿勢

◆「命令の一貫性とフレキシビリティの両立」
 ・「綸言汗の如し」:一度出した命令は変えない
 ・「時既に恒ならず、法令定まること無し」(状況に応じ変化)
   「揺るぎの無いコア」で軸足を固め、多様化していく

◆「回転」と「調和」
 ・「回転」:ヒト、モノ、カネ
 ・「調和」:顧客、マーケット、社会

◆「エネルギーが外側に向かっていく会社」:健全
 「エネルギーが内側に向かっていく会社」:不健全
  「安定化」指向→不健全に
 ・「社員の自主性」をいかに

◆「善極まれば悪となる。陽極まれば陰となる」
 ・「組織」は「安定」を望むが、望みすぎると「内向き」になる

◆「核」-「場」-「熱」の相乗効果
  「団結力」+「当事者意識」+「行動力」
 ・「核」となる軸(理念、意義、夢、使命)
 ・「燃える場」(祭り、大宴会)
 ・「熱」のキャッチボール

◆「革新」は「辺境」から来たる
 ・「計数」ではなく、「本質的な実力」の伸びを図る
   「昨日できなかったことが、今日できるようになった」

◆「後ろから追うリーダー」
 ・「問うマネジメント」「聴くマネジメント」
    カリスマ的リーダーの弊害
 ・「天を畏れ、民を畏れる」リーダー
    人間一人の能力はたいしたことは無い
    欠点をさらけだす

◆「危機感を常に」
 ・「ちょっとプラスになりかけた頃が一番危ない」
   「謙虚さ」「慢心の芽を早めに摘む」

◆「十思九徳」
 ・「誠に能く欲すべきを見れば、則ち足るを知りて以て自らを戒むるを思ひ」
    無一文の時を思って感謝の心を
 ・「将に作す有らんとすれば、則ち止まるを知りて以て人を安んずるを思ひ」
    投資は人材確保に回す
 ・「高危を念へば、則ち謙沖にして自ら牧ふを思ひ」
    実るほど頭を垂れる稲穂かな
 ・「満溢を懼るれば、則ち江海の百川に下るを思ひ」
    基礎体質の向上を目指す
 ・「盤遊を楽しめば、則ち三駆以て度と為すを思ひ」
 ・「懈怠を憂ふれば、則ち始を慎みて終を敬するを思ひ」
    初めから終わりまで慎重に
 ・「擁蔽を慮れば、則ち心を虚しくして以て下を納るるを思ひ」
    謙虚に人の声を聴く
 ・「讒邪を恐るれば、則ち身を正しくして以て悪を退くるを思ひ」
    常に他人に敬意を払う
 ・「恩の加はる所は、則ち喜びに因りて以て賞を謬る無きを思ひ」
    論功行賞は、喜びが去ってから行う
 ・「罰の及ぶ所は、則ち怒に因りて刑を濫りにする無きを思ひ」
    罰を与えるときは、怒りが去ってから行う

 ・「寛にして栗」:寛大で、かつ、繊細
 ・「柔にして立」:柔和だが、てきぱき
 ・「愿にして恭」:厳しいが、横柄ではない
 ・「乱にして敬」:リーダーシップはあるが、慎み深い
 ・「擾にして毅」:静かだが、毅然
 ・「直にして温」:率直にものを言うが、温和
 ・「簡にして廉」:大まかに物事を捉えるが、筋道がしっかりしている
 ・「剛にして塞」:剛毅だが、思慮深い
 ・「彊にして義」:実行力があるが、道理をわきまえて行動する

◆「天命」(実力50%、運50%)
 ・「側近」が「鏡」
 ・「十年先を見据えた戦略」
 

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