"かぎろひ" 「本」のページ

ビジネス書を中心とした「おすすめ本」の書評を発信していきます

688. 「ファーストクラスに乗る人の自己投資」 中谷彰宏

「ファーストクラスに乗る人の自己投資」 中谷彰宏 きずな出版(16/12)

■書評■

 中谷彰宏さんのファーストクラスに乗る人シリーズです。

 「ファーストクラス」をわざわざタイトルにする必要があるか
分かりませんが、自己投資について、考えさせられる63の事例集
です。

 中谷さんの著作は、読みやすくて、すぐに実行できます。
 
[Amazon]


[楽天ブックス]
ファーストクラスに乗る人の自己投資 このままでは終わらせない63の具体例 [ 中谷彰宏 ]

■目次■

第1章 「投資をすると、人生のテーマが見えてくる」
第2章 「目先の得より、将来の自分に投資しよう」
第3章 「高い料金には高いだけの価値がある」
第4章 「値崩れしない自分の基盤をつくろう」
第5章 「つながる人は、投資の仕方で変わる」
第6章 「リターンは楽しみに、ゆっくり待とう」
第7章 「お金をかけたからこそ、得られるチャンスがある」


■ポイント■

◆「自己投資」と感じないのが「自己投資」
 ・「リターン」を焦らない
 ・「自分の価値観」に従う

◆「投資」とは「未来をここに持ってくること」
 ・「未来」に自分が行くこと
 ・「儲け」を先送りすること

◆「短期のデメリット」は「長期のメリット」
 ・「回収」を焦らない、死ぬまで回収しなくてもいい
 ・「次のアクション」を起こすこと
 ・「積善の家に余慶あり」

◆「使わないもの」を決めて、「使うもの」に集中する
 ・「軸」を定めて、大盤振る舞い
 ・「まず使わないと、勉強できない」
 ・「個性」は「失敗」の数から生まれる

◆「体験」は値崩れしない
 ・「ムダ遣い」「意味の分からないやりたいこと」に本質

◆「投資」:お金を使う 「消費」:お金が出ていく
 ・「投資」:なくなってもいい金
  「財布」:その日に要る金
  「貯金」:動かせる金

◆「循環」を大切に
 ・「投資」→「成長」→「投資」

◆「言われた値段」で買う
 ・「値切らない」「自腹」の感覚を捨てる

◆「値段を見ないで買う」
 ・「いいもの」を見る目を養う

◆「健康投資」は「予防代」

◆「先に払ってしまう」

◆「クリニーング代」は、テンションを買っている

◆「交通費」は、フットワーク代

◆「服」「靴」は、名刺、教材代
 ・「着潰して、次のステップに」

◆「お店のベストメニュー」

◆「ボイトレ」:「声」「呼吸法」
 ・「先生代」はケチらない

◆「ナマ」に触れる

◆「ヒト」に出逢う

◆「ブランド品」は国内で高く買う
 ・「なじみ」「常連」になる

687. 「「いい人」をやめてスッキリする話」 心屋仁之助

「「いい人」をやめてスッキリする話」 心屋仁之助 王様文庫(16/02)

■書評■

 心屋仁之助さんの王様文庫シリーズです。

 人から「いい人」と思われたいから、自分の言いたいことも口に
出せず、気持ちをグッとガマンしてつくり笑い。そんな「苦労」、
僕はもうやめたんです。

 「波風」をこわがらないと人生がもっと面白くなる。

 自分の「好き」「楽しい」「やりたい」を、追いかけてみたくな
る本です。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
心屋仁之助の「いい人」をやめてスッキリする話 (王様文庫) [ 心屋仁之助 ]

■目次■

1章 「いい人ぶりっこ」をやめる話
  僕たちはみんな「ぶりっこ」している
  「ダメな自分」を見せたほうがうまくいく

2章 「好きなこと」して生きていく話
  何を「基準」にして生きていくか
  「好き嫌い」は理屈じゃないんだ

3章 「なんとかしよう」としない話
  気張らなくても「意外となんとかなる」もの
  「余計なこと」を考えすぎない

4章 「握りしめている」ことを手放す話
  「丸腰」で生きてる人が、一番強い
  「自分が避けてきたこと」に、答えがある

5章 「なんかいい感じ」に幸せになっていく話
  その苦労、「遠回り」だったかも
  「なんとなく、いい感じ」を大切にする



■ポイント■

◆「いい人ぶる」ことは「心の自殺」
 ・「正直にオープン」に、ちゃぶ台をひっくり返してみる
   「波風を立ててみる」
   「損してもいい」「嫌な目に遭ってもいい」という覚悟
 ・「調子にのってみる」:「リズムにのる」
   「簡単ですよ」「先送りする」(=熟成)
 ・「問題」が発生するのは自然:発生しても大丈夫な自分
   「何が起こってもへっちゃら」

◆「存在給の高いひと」=「何もしない自分」
 ・「自分」を捨てて、「人まかせ」「風まかせ」「運まかせ」

  
◆「好きなこと」をする
 ・「正誤」:「空気」を読む
 ・「損得」:「ケチ」
 ・「好嫌」:「自由」「テンションがあがる」
 ・「ネバーランド」から「タイランド」へ

◆「なんとかしようとしない」:天の采配
 ・「意外となんとかなる」:「なりゆきに任せる」
   「自分の力でどうにもならないことは、何もしない方がいい」
 ・「悩み」は「自分の頭の中の問題」
   「起きたときに考える」

◆「握りしめているもの」を手放す
 ・「丸腰」で生きる
   「知識」に執着しない、「弱さ」を見せる
 ・「執着」とは「避けてきたこと」:「正反対」のことをする
  ・「恥をかく」:イヤな思いをする
  ・「損をする」:貧乏になる
  ・「和が乱れる」:イヤな思いをする
 ・「残念な人」になる覚悟
   「期待」に応えられない:「役立たず」
 ・「他力」にのっかる
   「頑張る」=エゴ我

◆「なんとなくいい感じに幸せ」感
 ・「楽しみ」は裏切らない(努力は裏切る)
   「努力」は「罪悪感」を感じなくするため
    「正しさ」「恐怖」「無知」に従っているだけ
 ・「目標」を立てない
   「今日の自分は、何がしたいか」
   「予定」のない「おまかせコース」
 ・「夢」が無いからこそ、選択肢は無限にある
   「目的のないこと」「無駄なこと」をできる
 ・「やらない」ことに勇気を

◆「私、すごい」を前提に(セルフイメージ)
 ・「足りないものはない」幸せ
   「今、十分にある」

686. 「怒りを鎮める うまく謝る」 川合伸幸

「怒りを鎮める うまく謝る」 川合伸幸 講談社現代新書(17/09)

■書評■

 心理学的実験や行動経済学的な実験を通じて、怒りと攻撃衝動、
謝罪の効用などについて、論理的に明らかにした書です。

 怒りと攻撃衝動は別物であり、怒りは収まらないけれど、行動を
上手くすることにより、攻撃衝動を抑えることができるという論点
は腑に落ちます。

 体の姿勢を変えることにより、気分や行動が変わること等、すぐ
に役立つ方法論も多くあります。

 よい「謝罪の方法」が、役立ちました。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
科学の知恵 怒りを鎮める うまく謝る (講談社現代新書) [ 川合 伸幸 ]

■目次■

第一章 怒りのメカニズム
第二章 関係の修復ーー怒った人は相手に謝ってほしいのではない
第三章 効果的な謝罪
第四章 怒りの抑え方
第五章 仕返しと罰
第六章 赦し


■ポイント■

◆「謝罪の方法」
 ・「自責の念の表出」(悔恨)
 ・「責任の自覚」(責任)
 ・「補償の申し出」(解決策の具体的提案)
 ・「そのような行為に至った理由の説明」(説明)
 ・「今後は適切に振る舞うことの約束」(改善の誓い)
 ・「被害者を傷つけたり不快にさせたことの認識」
 ・「自分の行為が不適切であったことの認識」
 ・「赦しを請う」
 ×「正当化」「逆ギレ」「弁解」

◆「怒った時には、寝転べば怒りが収まる」

◆「自らの怒りを収めるカギ「傍観者の視点」」

685. 「やさしいダンテ「神曲」」 阿刀田高

「やさしいダンテ「神曲」」 阿刀田高 角川文庫(11/01)

■書評■

 ダンテの「神曲」の読解ポイントを、やさしい言葉で示してくれる
ガイド本です。

 「神曲」は、今まで、世界史の教科書でしか接点はありませんでし
たが、ダン・ブラウンの「インフェルノ」を読んで、興味を持って、
読んでみました。

 原書ですと、聖書や聖人のエピソードを知らないとついていけない
ところ、著者がギリシャ・ローマ古典や当時のフィレンツェの政治事
情についての知識を踏まえて解説をしてくれています。

 ギリシャ・ローマの思想家、英雄、神々の死後の世界でのポジショ
ンを、地獄の階層で評価してしまうところにダンテの凄さを感じます。

 この「神曲」で描かれた「地獄」が、以降のキリスト教布教にも役立
つことになります。

 イスラム教のムハンマドが、罪人になっている記述があり、イスラ
ム教で禁書となったことも頷けます。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
やさしいダンテ〈神曲〉 (角川文庫) [ 阿刀田高 ]

■あらすじ■

◆地獄篇 Inferno

 人生の半ばにして暗い森に迷い込んだダンテは、地獄に入った。
作者であり主人公でもあるダンテは、私淑する詩人ウェルギリウスに案内
され、地獄の門をくぐって地獄の底にまで降り、死後の罰を受ける罪人た
ちの間を遍歴していく。

 ウェルギリウスは、キリスト以前に生れたため、キリスト教の恩寵を受
けることがなく、ホメロスら古代の大詩人とともに未洗礼者の置かれる辺
獄(リンボ)にいた。

 しかし、ある日、地獄に迷いこんだダンテの身を案じたベアトリーチェ
の頼みにより、ダンテの先導者としての役目を引き受けて、辺獄を出た。

 冥界の渡し守カロンが死者の霊を舟に乗せてゆく。地獄の世界は、漏斗
状の大穴をなして地球の中心にまで達し、最上部の第一圏から最下部の第
九圏までの九つの圏から構成される。

 地獄は、アリストテレスのいう三つの邪悪、「放縦」「悪意」「獣性」
を基本として、「邪淫」「貪欲」「暴力」「欺瞞」などの罪に応じて、亡
者が各圏に振り分けられている。

 「神曲」の地獄において最も重い罪とされる悪行は「裏切り」で、地獄
の最下層「嘆きの川」には裏切者が永遠に氷漬けとなっている。

 「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」と銘された地獄の門を抜ける
と、地獄の前庭とでも言うべきところに、罪も誉もなく人生を無為に生きた
者が、地獄の中に入ることも許されず留め置かれている。

◆地獄界の構造

アケローン川 - 冥府の渡し守カロンが亡者を櫂で追いやり、舟に乗せて地
獄へと連行していく。

第一圏 辺獄(リンボ) - 洗礼を受けなかった者
第二圏 愛欲者の地獄 - 肉欲に溺れた者
第三圏 貪食者の地獄 - 大食の罪を犯した者
第四圏 貪欲者の地獄 - 吝嗇と浪費の悪徳を積んだ者
第五圏 憤怒者の地獄 - 怒りに我を忘れた者
第六圏 異端者の地獄 - あらゆる宗派の異端の教主と門徒
第七圏 暴力者の地獄 - 他者や自己に対して暴力をふるった者
 第一の環 隣人に対する暴力
 第二の環 自己に対する暴力
 第三の環 神と自然と技術に対する暴力
第八圏 悪意者の地獄 - 悪意を以て罪を犯した者
 第一の嚢 女衒 - 婦女を誘拐して売った者
 第二の嚢 阿諛者 - 阿諛追従の過ぎた者
 第三の嚢 沽聖者 - 聖物や聖職を売買し、神聖を金で汚した者
 第四の嚢 魔術師 - 卜占や邪法による呪術を行った者
 第五の嚢 汚職者 - 職権を悪用して利益を得た汚吏
 第六の嚢 偽善者 - 偽善をなした者
 第七の嚢 盗賊 - 盗みを働いた者
 第八の嚢 謀略者 - 権謀術数をもって他者を欺いた者
 第九の嚢 離間者 - 不和・分裂の種を蒔いた者
 第十の嚢 詐欺師 - 錬金術など様々な偽造や虚偽を行った者
第九圏 裏切者の地獄 - 「コキュートス」(嘆きの川)氷地獄。
 第一の円 肉親に対する裏切者(弟アベルを殺したカイン)
 第二の円 祖国に対する裏切者(トロイア戦争で裏切ったアンテーノール)
 第三の円 客人に対する裏切者(マカバイを祝宴に招いて殺害したプトレマイオス)
 第四の円 主人に対する裏切者(イエス・キリストを裏切ったユダ)

◆煉獄篇 Purgatorio

 煉獄は、地獄を抜けた先の地表に聳える台形の山で、ちょうどエルサ
レムの対蹠点にある。

 「浄火」あるいは「浄罪」とも言う。永遠に罰を受けつづける救いよ
うのない地獄の住人と異なり、煉獄においては、悔悟に達した者、悔悛
の余地のある死者がここで罪を贖う。

 亡者は煉獄山の各階梯で生前になした罪を浄めつつ上へ上へと登り、
浄め終えるとやがては天国に到達する。

 地獄を抜け出したダンテとウェルギリウスは、煉獄山のペテロの門の前
で天使の剣によって額に印である七つの P を刻まれた。

 P は煉獄山の七冠で浄められるべき「七つの大罪」、Peccati を象徴す
る印です。

 そして、ウェルギリウスに導かれて山を登り、生前の罪を贖っている
死者と語り合う。ダンテは煉獄山を登るごとに浄められ、額から P の字
が一つずつ消えていく。

 山頂でダンテは永遠の淑女ベアトリーチェと出会う。ウェルギリウスは
キリスト教以前に生れた異端者であるため天国の案内者にはなれない。

 そこでダンテはウェルギリウスと別れ、ベアトリーチェに導かれて天国
へと昇天する。

◆煉獄山の構造

煉獄前域 - 煉獄山の麓。小カトがここに運ばれる死者を見張る。
第一の台地 破門者 - 教会から破門された者
第二の台地 遅悔者 - 信仰を怠って生前の悔悟が遅く、臨終に際してようやく悔悟に達した者
ペテロの門 - 煉獄山の入口
第一冠 高慢者 - 生前、高慢の性を持った者
第二冠 嫉妬者 - 嫉妬に身を焦がした者
第三冠 憤怒者 - 憤怒を悔悟した者
第四冠 怠惰者 - 怠惰に日々を過ごした者
第五冠 貪欲者 - 生前欲深かった者
第六冠 暴食者 - 暴食に明け暮れた者
第七冠 愛欲者 - 不純な色欲に耽った者
山頂 地上楽園 - 常春の楽園。煉獄で最も天国に近い所。

◆天国篇 Paradiso

 ダンテは、ベアトリーチェに導かれて諸遊星天から恒星天、原動
天と下から順に登っていく。

 ダンテは、地獄から煉獄山の頂上までの道をウェルギリウスに案
内され、天国では、至高天(エンピレオ)に至るまではベアトリー
チェの案内を受けるが、エンピレオではクレルヴォーのベルナルドゥ
スが三人目の案内者となる。

 天国へ入ったダンテは、各々の階梯でさまざまな聖人と出会い、
高邁な神学の議論が展開され、聖人たちの神学試問を経て、天国を
上へ上へと登りつめる。

 至高天において、ダンテは、天上の純白の薔薇を見、この世を動か
すものが神の愛であることを知る。

◆天国界の構造

火焔天 - 地球と月の間にある火の本源。
第一天 月天 - 生前、神への請願を必ずしも満たしきれなかった者。
第二天 水星天 - 徳功を積むも、現世的な野心の執着を断ち切れなかった者。
第三天 金星天 - まだ生命あった頃、激しい愛の情熱に駆られた者。
第四天 太陽天 - 聖トマス・アクィナスら智恵深き魂。
第五天 火星天 - キリスト教を護るために戦った戦士たち。
第六天 木星天 - 地上にあって大いなる名声を得た正義ある統治者の魂。
第七天 土星天 - 信仰ひとすじに生きた清廉な魂。
第八天 恒星天 - 七つの遊星の天球を内包し、十二宮が置かれている天。
第九天 原動天 - 諸天の一切を動かす根源となる天。
第十天 至高天 - エンピレオ。ダンテは永遠なる存在を前にして見神の域に。

684. 「インフェルノデコーデッド」 マイケル・ハーグ

「インフェルノデコーデッド」 マイケル・ハーグ 角川書店(13/01)

■書評■

 ダン・ブラウンの「インフェルノ」をより理解するためのガイド本
です。

 ダンテの「神曲」、ボッティチェルリの「地獄の見取り図」、マル
サスと「トランスヒューマニスト」について。

 また、ヴェッキオ宮殿、ボーボリ庭園等、フィレンツェ、ヴェネツ
ィア、イスタンブール等、「インフェルノ」の舞台となった都市につ
いての理解が深まります。
 
[Amazon]


[楽天ブックス]
インフェルノ・デコーデッド [ マイケル・ハーグ ]

■目次■

第1部 ダンテとその世界
     ダンテ・アリギエーリ
     ベアトリーチェ
     『神曲』
     フィレンツェと黒死病
     人文主義ーよりよい世界の再発見
     ボッティチェルリと“地獄の見取り図”

第2部 世界は危機にあるのか
     マルサスの数字
     現代の終末論か
     トランスヒューマニストー永遠の楽観主義者

第3部 『インフェルノ』の舞台
     フィレンツェ
     ヴェネツィアとイスタンブール

第4部 ダン・ブラウンの世界
     ラングドンとブラウン
     悪魔の用語集

683. 「偽りの帝国」 熊谷徹

「偽りの帝国」 熊谷徹 文藝春秋(16/08)

■書評■

 2015年のフォルクスワーゲン(VW)排ガス不正事件について、25年間にわたって
ドイツで活躍されたジャーナリストが現地徹底取材で記されたノンフィクション。

 世界の自動車市場でトヨタと1位、2位を争うVWグループでの、創業以来最大の
スキャンダル、一部のディーゼル車のエンジンに違法なソフトウエアを搭載する
ことによって、米国の厳しい窒素酸化物規制をかいくぐっていた。

 株価は一時約40%下落し、250億ユーロ・3兆5000億円の株式時価総額が吹き飛び、
ヴィンターコルンCEOは、引責辞任に追い込まれた。

 世界中に12の自動車メーカー、60万人の従業員を抱える、ドイツの看板企業であ
り、コンプライアンスを重視する優良企業が、なぜ排ガスデータを捏造したのか?

 事件の経過、VWの歴史、社内権力構造から、事件の闇に光を当てられている。

 問題の本質は、日本企業にも共通の「空気」なのだろう。


[Amazon]


[楽天ブックス]
偽りの帝国 緊急報告・フォルクスワーゲン排ガス不正の闇 [ 熊谷 徹 ]

■目次■

第1章 VW排ガス不正の衝撃
     吹き飛んだ平和な週末
     逃げ隠れはできない
     上限値の35倍の排出データ

第2章 帝国の内なる不安
     影の最高権力者
     ポルシェ・ピエヒ家の絶大な影響力
     ヒトラーが国民車開発を命令
     軍需工場と化したVW
     「経営に調和は不要だ」

第3章 不正はいかにして行われたか
     訴訟抗弁書が明らかにする不正の実態
     米国市場攻略の大号令
     NOXと燃費のジレンマ
     空気を読んだエンジニアたち

第4章 襲いかかる巨額の経済負担
     米国でマンモス訴訟開始
     訴訟ジャングルで虎の尾を踏んだ

第5章 不正は氷山の一角
     すべての企業が抱えるジレンマ
     規則違反が法律違反にエスカレート
     問題は構造そのもの


■ポイント■

◆「ミッテルシュタント(Mittelstand)」:ドイツ企業数の99.5%
 ・従業員が500人未満、もしくは、売上高5000万ユーロ未満の中小企業が
  ドイツ経済を支えている

◆「VW排ガス不正」がドイツ自動車業界の非炭素化、デジタル化を加速
 ・本事件が、内燃機関への依存からの脱却に拍車をかけるかも

682. 「ロストシンボル」 ダン・ブラウン

「ロストシンボル」 ダン・ブラウン 角川書店(12/08)
  "The Lost Symbol" by Dan Brown

■書評■

 ダン・ブラウンの、「ラングドン」シリーズを、映画化された
三作を読んだ後、まだ映画化されていない、ロストシンボルを、
読んでみました。

 本作は、書籍の出版順では、「天使と悪魔」「ダビンチコード」
に続く、ラングドンシリーズ第三作目でしたが、第四作目の「イン
フェルノ」が先にが映画化されています。

 その理由は、色々あると思いますが、他の三作がヨーロッパが舞
台で、キリスト教の謎がベースとなっていますが、本作は、舞台が
米国で、現実にあるフリーメイソンがメイントピックなので、映像
化しにくかったのかもしれません。

 ストーリーも、他の三作に比べて、少し雑でしたが、フリーメイ
ソンについての理解が深まります。

 帯に書かれたあおり文句は、

 「ヴァチカンの闇を暴いた「天使と悪魔」、モナリザに潜むキリ
ストの秘密を描いた「ダ・ヴィンチ・コード」。そして、次なる謎
は、世界最大の秘密結社 フリーメイソン」

 です。


[Amazon]


[楽天ブックス]
ロスト・シンボル(上中下合本版)【電子書籍】[ ダン・ブラウン ]

■あらすじ■

世界最大の秘密結社、フリーメイソン。
その最高位である歴史学者のピーター・ソロモンに急遽講演を依頼され
たラングドンは、ワシントンDCへと向かう。

しかし会場であるはずの連邦議会議事堂の〈ロタンダ〉でラングドンを
待ち受けていたのは、ピーターの切断された右手首だった。
そこには第一の暗号が。

ピーターからあるものを託されたラングドンは、CIA保安局局長から、
国家の安全保障に関わる暗号解読を依頼されるが。 

681. 「インフェルノ」 ダン・ブラウン

「インフェルノ」 ダン・ブラウン 角川書店(13/06)
  "Inferno" by Dan Brown

■書評■

 ダン・ブラウンの、「ラングドン」シリーズの、書籍、映画を
楽しみました。

 第三弾は、「インフェルノ」です。

 本作は人口の増加が止まらない現代が舞台で、フィレンツェ、ベ
ネチア、イスタンブールと、映画の映像も素晴らしかったです。

 これまでダヴィンチとガリレオの謎を解いてきたロバート・ラン
グトンは、今回は生化学者ゾブリストが仕掛ける謎を解き、さらに
「人類を半分まで減らすか」、「100年後に滅亡するか」の究極の選
択を迫られます。

 結末は、「天使と悪魔」同様、書籍と映画で異なりましたが、美
しい映像が印象的でした。

 本作も、書籍と映画、それぞれがそれぞれの良さを持っています。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)【電子書籍】[ ダン・ブラウン ]

■あらすじ■

ハーバード大学教授のロバート・ラングドンは悪夢にうなされていた。
死者が沈み行く血に染まった河。黒いヴェールの女性。銀髪で首には「蛇の
お守り」が掛けられている。

時が尽きていきます、探して、見つけなさい。

彼の最後の記憶はハーバード大のキャンパスを歩いている時のものであった
が、それは二日前の出来事だった。

直ぐに自分が今はフィレンツェにいることに気づく。担当医のシエナ・ブルッ
クスとエンリコ・マルコーニは頭部に銃創を負ったことで逆行性健忘に陥って
いるのだと告げる。

そこに突然武装したヴァエンサが現れ、ラングドンの病室めがけて発砲。マル
コーニ医師は兇弾に斃れる。

シエナはラングドンの逃亡を手助けし、二人は彼女のアパートへ逃げ込む。シ
エナはラングドンが担ぎ込まれた際に「ヴェーリー・ソーリー」という英単語
を譫言のように繰り返していたことを伝える。

更にシエナが気にしていたのはラングドンの上着ポケットにバイオハザードの
記号が印された円筒形の容器が入っていたことだった。ラングドンは保護を求
めるためアメリカ領事館へ連絡を取る。

間もなくすると領事館に伝えた場所に銃を持ったヴァエンサが現れる。これを
見たロバートとシエナは合衆国政府がラングドンの命を狙っていると思い込む。

ラングドンは円筒形の容器の中に、古い骨でできた円筒形の小型プロジェクタ
を見つける。そのプロジェクタからはダンテの「神曲」に描かれた「インフェ
ルノ」をモチーフとしたボッティチェリの「地獄の見取り図」の映像が映し出さ
れるが、そこには一部修正が加えられていた。

また、その映像の下には「真実は死者の目を通してのみ見える」と書かれていた。
その時、武装した部隊がシエナのアパートのビルに突入してきた。

シエナの機転を利かせた演技で危機を脱し、ラングドンとシエナはプロジェクタ
の映像とダンテとの関係を探るために旧市街に向かう。だが、そこは地元警察と
国家警察が橋を封鎖してロバートたちを探していた。

ボーボリ庭園近くの建設現場でロバートは再度プロジェクタの映像を確認し、そ
こで "C-A-T-R-O-V-A-C-E-R" の10個の文字が「地獄の見取り図」の10層の各階層
に1文字ずつ隠されていることに気付く。

しかもこの階層順序は原本とは異なっており、これを正しく並べる事でこの10個の
文字が "CERCA TROVA(探せよ、さらば見つかる)" というメッセージを成す事を発
見する。

ラングドンはヴェッキオ宮殿にある、ヴァザーリが描いた絵画「マルチャーノの戦
い」の中に同じ言葉が描かれている事を思い出す。ラングドンとシエナは何とか追
っ手を逃れ、ヴァサーリの回廊を使って旧市街に入る。

「地獄の見取り図」の映像にあった「死者の目」の言葉と結び付く場所を示す手掛
かりを見つけようと、ロバートは絵画「マルチャーノの戦い」の前に立っていた。

それを見掛けた看守がヴェッキオ宮殿の管理人であるマルタ・アルヴァレスにロバー
トの存在を知らせる。マルタはその前夜、ドゥオーモ付属美術館の館長であるイニャ
ツィオ・ブゾーニ、そしてラングドンと会っていた。

彼女はラングドンとシエナを「マルチャーノの戦い」の掛かった場所の傍の階段に案
内する。その時ラングドンは「マルチャーノの戦い」に描かれた "CERCA TROVA" とい
う文字と階段の最上部が同じ高さにある事に気付く。

マルタが言うところによればその前夜、彼女は「マルチャーノの戦い」が掛けられた
場所から通じる廊下の先の部屋に展示されているダンテのデスマスクをラングドンと
イニャツィオに観せていた。

デスマスクの所有者は大富豪の遺伝学者ベルトラン・ゾブリストであり、彼の許可が
なければマルタでさえ展示ケースを開けられない。ラングドンは自分が奇しくも自身
の前夜の足取りを追っているという事に気付く。

マルタはラングドンとシエナをデスマスクの展示場まで案内するが、その展示場から
マスクは消えていた。防犯カメラの映像の映像を確認するとマルタがトイレに立った
僅かな隙にラングドン自身とイニャツィオがマスクを持ち去ったことが判明。

しかしそこでイニャツィオの秘書より、彼が心臓発作で亡くなり、その直前にロバート
への伝言を残していると伝えられる。そして秘書から伝えられたロバートへの伝言に
よれば、デスマスクが隠された場所は "パラダイス25" であるとなっていた。

一方、姿をくらませたラングドンとシエナを追う組織「大機構」はある種の混乱に陥
っていた。彼らの依頼人が自ら命を絶ち、その前日、依頼人は遺言紛いに作戦指揮を
担う総監に不可解なメッセージが添えられた「神曲」と動画入りの赤いUSBを託し、
期日になったらネット上に公開するよう求めていた。

しかるべき推薦人から紹介された依頼人の素性や目的を探ることは組織のタブーであ
ったが、あまりにも腑に落ちない点が多すぎた。更に信頼する部下ローレンス・ノー
ルトンから動画の内容を確認して欲しいという異例の要請があった。

総監の心には「自分たちがとんでもない悪事の片棒を担がされているのではないか」と
いう疑惑が芽生えていた。

ラングドンとシエナは警備員達の手を逃れるがそこに武装兵達が到着し、二人は「コジ
モ・デ・メディチ1世の礼賛」の天井画の上の屋根裏を通って逃走。この時、命令に背い
て追ってきたヴァエンサをシエナが屋根裏から突き落とし、ヴァエンサは息絶える。

ロバートは "パラダイス25" が「神曲」の「天国編」第25章を意味していると考え、そ
の部分の解読を試みるためサンタ・マルゲリータ・デイ・チェルキ教会に向かう。

数多の観光客を欺いて天国の門を潜って教会内に入った二人は洗礼盤に隠されたデスマス
クを発見。裏面は巧妙に加工され、ゾブリストが残した謎のメッセージが刻まれていた。

シエナの説明によれば、ゾブリストはWHOに対して彼らが現在の人口増加に対して有効な手
段を講じていない現状を憂慮した上で人類の生殖の抑制を提唱しており、またその為の病
原の開発に取り組んでいると噂されていた。

二人は再び武装兵達に追い詰められるが、WHOの職員であると称するジョナサン・フェリス
という男が二人の逃走を手助けする。この男は胸に大きな傷を隠し、顔は酷い発疹で覆われ
ていた。

三人はデスマスクに刻まれた謎を解くべくヴェネチアに向かうが、そこで突然フェリスが意
識を失う。シエナの診立てではフェリスは大量の内出血を起こしており、ラングドンはフェ
リスがゾブリストが開発したウィルスに感染しているのではと疑う。

ラングドンは黒服をまとった武装兵達に捕らえられ、その間にシエナは逃走するのだった。

ダンテと彼に触発された美術家たちを巡るフィレンツェでの逃亡劇に始まり、ヴェネチアを
経てイスタンブールへ。狂気の化学者ゾブリストが作り出した恐るべきウィルステロを防ぐ
ため、記憶喪失のラングドンが三都を奔走する。

自らの素性を隠すシエナ。ゾブリストを巡って対立するWHOと「大機構」。とんでもない大ど
んでん返しが待ち受ける結末や如何に。


■映画■ "Inferno" 2016年

監督:ロン・ハワード

キャスト
ロバート・ラングドン トム・ハンクス
シエナ・ブルックス   フェリシティ・ジョーンズ
エリザベス・シンスキー シセ・バベット・クヌッセン

680. 「天使と悪魔」 ダン・ブラウン

「天使と悪魔」 ダン・ブラウン 角川書店(06/06)
  "Angels & Demons" by Dan Brown

■書評■

 ダン・ブラウンの、「ラングドン」シリーズの、書籍、映画を
楽しみました。

 第二弾は、「天使と悪魔」です。

 書籍では、「天使と悪魔」がシリーズ第1弾であり、続編が「ダ・
ヴィンチ・コード」ですが、映画では時系列を入れ替えています。

 また、「ダ・ヴィンチ・コード」が原作にほぼ忠実だったのに対し、
本映画はかなり脚色が加えられていました。

 ストーリーそのものは、やはり書籍版がいいですが、映画の良さは、
やはり映像です。

 今回は、サンピエトロ大聖堂を中心とするローマの建造物や美術品
が圧巻で、旅行気分を味わえます。

 書籍と映画、それぞれがそれぞれの良さを持っています。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
天使と悪魔(上中下合本版)【電子書籍】[ ダン・ブラウン ]

■あらすじ■

ハーバード大学のロバート・ラングドン教授は、ある日セルンの所長、
マクシミリアン・コーラーからとあるアンビグラムの紋章についての説
明を求められる。

その紋章は、同研究所の科学者レオナルド・ヴェトラが何者かによって
殺害された際、彼の胸に焼印として押されていたものだった。

レオナルドは最近、核エネルギーを凌駕する反物質の生成に成功しており、
その反物質も犯人によって盗まれていたことが判明する。

ラングドンはその紋章を、伝説的な秘密結社・イルミナティのものと断定
するが、犯人と結びつけることには躊躇していた。

彼は手がかりを求め、殺害されたレオナルドの娘、ヴィットリア・ヴェト
ラとともにローマへと向かう。

一方ローマでは、新しい教皇を選出するコンクラーベの真っ最中であった。
にもかかわらず、新教皇の有力候補(プレフェリーティ)の4人が揃って失
踪していることに、コンクラーベ進行役の枢機卿であるモルターティは不
安と苛立ちを覚える。

さらに、離れた場所では、バチカンの警護を任されたスイス衛兵隊隊長、
オリヴェッティのもとに監視カメラから奇妙な映像が映し出されていた。

そんな中、前教皇の侍従、カルロ・ヴェントレスカのもとにイルミナティを
名乗る者から突然の電話が鳴る。

かつて科学者を弾圧したキリスト教会に復讐するため、1時間に1人ずつ、拉
致した新教皇の有力候補を殺害してゆくという。

殺害が行われる場所のヒントに気付いたラングドンは、殺害を阻止し、盗ま
れた反物質を発見すべく推理と追跡を開始する。



■映画■ "Angels & Demons" 2009年

監督:ロン・ハワード

キャスト
ロバート・ラングドン トム・ハンクス
ヴィットリア・ヴェトラ アイェレット・ゾラー
パトリック・マッケンナ
(カメルレンゴ) ユアン・マクレガー

679. 「ダビンチコード」 ダン・ブラウン

「ダビンチコード」 ダン・ブラウン 角川書店(06/03)
  "The Da Vinci Code" by Dan Brown

■書評■

 ダン・ブラウンの、「ラングドン」シリーズの、書籍、映画を
楽しみました。

 まずは、有名な「ダビンチコード」です。

 キリスト教の根幹を揺るがす秘密を追求するサスペンスで、テ
ンポのいいストーリーです。

 書籍を読んでから、映画を見ると、時間の制約からか、ストー
リーが簡略化されて、少し物足りないように感じましたが、ルー
ブル美術館や、ロスリン礼拝堂等の映像の美しさに満足しました。

 書籍と映画、それぞれ楽しめます。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
ダ・ヴィンチ・コード(上中下合本版)【電子書籍】[ ダン・ブラウン ]

■あらすじ■

【上巻】
ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグ
ランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描〈ウィトルウィ
ウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約
束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を
求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィー
は、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く。

【中巻】
館長が死の直前に残したメッセージには、ラングドンの名前が含まれて
いた。彼は真っ先に疑われるが、彼が犯人ではないと確信するソフィーの
機知により苦境を脱し、二人は館長の残した暗号の解明に取りかかる。
フィボナッチ数列、黄金比、アナグラム……数々の象徴の群れに紛れた
メッセージを、追っ手を振り払いながら解き進む二人は、新たな協力者を
得る。宗教史学者にして爵位を持つ、イギリス人のティービングだった。

【下巻】
ティービング邸で暗号解読の末、彼らが辿り着いたのは、ダ・ヴィンチが
英知の限りを尽くしてメッセ―ジを描き込んだ〈最後の晩餐〉だった。そ
してついに、幾世紀も絵の中に秘され続けてきた驚愕の事実が、全貌を現
した。祖父の秘密とその真実をようやく理解したソフィーは、二人と共に、
最後の鍵を解くため、イギリスへ飛ぶ。キリスト教の根幹を揺るがし、ヨ
―ロッパの歴史を塗り替えた世紀の大問題作。


■映画■ "The Da Vinci Code" 2006年

監督:ロン・ハワード

キャスト
ロバート・ラングドン トム・ハンクス
ソフィー・ヌヴー オドレイ・トトゥ
リー・ティービング イアン・マッケラン

678. 「幸福なる人生」 中村天風

「幸福なる人生」 中村天風 PHP研究所(11/10)

■書評■

 幸福な人生を生きるための、中村天風さんの心身統一法について
の講演録の書き下ろし。

 耳触りの良いことを書いている本は、宗教然り、哲学然り、現実
にはほぼ役に立たない「絵に描いたご馳走」に過ぎない。

 天風さんが熱く語られている生の声をそのまま記載された書です。
 
[Amazon]


[楽天ブックス]
幸福なる人生 中村天風「心身統一法」講演録 [ 中村天風 ]

■目次■

第1章 六つの力ー幸福な人生を生きるために
第2章 心身統一の根本義ー心の持ち方の積極化
第3章 観念要素の更改ー感応性能の強化(1)心の倉庫の掃除法
第4章 積極精神の養成ー感応性能の強化(2)心の態度を前向きに
第5章 神経反射の調節ー感応性能の強化(3)ヨガの秘法・クンバハカ
第6章 心の使い方ー何ものにもとらわれず集中する
第7章 体の活かし方ー正しい食生活の基準


■ポイント■

◆「三大不幸」と「六つの力」
 ・「病」「煩悶」「貧乏」
 ・「体力」「胆力」「判断力」「断行力」「精力」「能力」

◆「根本エネルギー」:「ブリル(Vril)」
 ・「心・身体」の持ち方、使い方により、ブリルが増減
 ・「恐ろしがっても、恐ろしがらなくても、死ぬ時は死ぬ」

◆「肉体の生命維持三大条件」
 ・「呼吸」「栄養の吸収」「老廃物の排泄」
   「心」→「中枢神経」→「神経系統」→「五臓六腑」

◆「感情」とは
 ・「目に見えざる心に、あるフリクションが起こって生ずる現象」

◆「感応性能」の強化
 ・「観念要素の更改」:心の倉庫の掃除法
 ・「積極観念の養成」:心の態度を前向きに
 ・「神経反射の調節」:クンバハカ

◆「観念要素の更改」
 ・「暗示感受習性」が活発なとき(眠りにつく前)を大切に
  ・消極的な言葉が心の中で浮かんでも、関わり合いをつけない
  ・神/仏になったつもりで
  ・寝床に対して、お世話になります
 ・「おまえ信念強くなる」(寝る前、鏡で眉間を真剣に見て)
  「今日は信念強いぞ」(朝起きたとき)
  「おれ、信念強いんだ」(昼間ときおり)
 ・「言葉」は「自己感化」に直接的な力を持つ
   「消極的な言葉」を使わない
   「感謝」の言葉
 ・「心の積極的な人」と接する
   「感化」を与える

◆「積極観念の養成」
 ・「心の積極性」:何ごとにもベストを尽くす
   「知識」「経験」より大切なもの
 ・「目標」を定めずに、心に従いながら「がむしゃらにファイト」
   「秀吉」の話し
    「何をさせても一心じゃ、何をさせても真心じゃ」

 1.「内省検討」:「マインドフルネス」で、自分の気持ちを検査する

 2.「暗示の分析」:人の言動に左右されない、躊躇しない

 3.「対人精神態度」:他人も積極的にさせる、人にもベストを尽くす

 4.「取越苦労厳禁」:当たって砕けろ、「今」を活きる

 5.「正義の実行」:本心良心に背かない、感情・感覚に任せない

◆「神経反射の調節」
 ・「誤った知覚」が、心を乱し、身体を脅かす
   「忍耐力」=「胆力」
 ・「クンバハカ」:「息の合間合間に、尻肩腹三位一体」
   「体を水を入れた徳利」に
   「尻の穴を締め」「肩を落とし」「丹田に力を入れる」
 ・「プラナヤマ」:活力の吸収

◆「心の使い方」:「霊性の発現」
 ・「集中」された状態
   「何ごとにも、気を打ち込んで応接する」
     何ごとにも囚われていない、雑念のない
 ・「有意注意」
   「心機転換」:その都度、意識して、物事に接する
 ・「不即不離」(つかず離れず)
   「集中」:そのものを取り入れている
   「傾注」:心が向こうに持って行かれている(金、欲望)

◆「体の活かし方」:食生活
 ・「動物性タンパク質」3:7「植物性タンパク質」
   「動物性」は、尿酸が発生し、血液が酸性化
   「植物性」で、血液を弱アルカリ性に
 ・「果食動物」:大自然のブリルが豊富に入っている
   「果物は、霊気体を強くする」

◆「その腕よりも心を研け、そうすれば貴様は立派な人間になれる」

◆「誓いの言葉」
 ・今日一日、怒らず恐れず悲しまず
  正直、深切、愉快に
  力と勇気と信念とをもって
  自己の人生に対する責務を果たし
  恒に平和と愛とを失わず
  立派な人間として活きることを
  自分自身の厳かな誓いとする

677. 「生命科学の静かなる革命」 福岡伸一

「生命科学の静かなる革命」 福岡伸一 文藝春秋(15/03)

■書評■

 これまでに25人のノーベル賞受賞者を輩出してきたロックフェラー大学。

 本書は、同校で研究の道を歩んだ著者が、その歴史と偉大な先人たちの業績
をたどりながら、生命科学の道のりを振り返る書です。

 第二章は、ノーベル賞受賞者3人を含む、研究者5人との対談で、「生命とは
何か」という共通の問いに対する各回答が興味深い。

 第三章は、「生物と無生物のあいだ」執筆後に判明した新発見も含め、GP2
タンパク質についての考察です。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
生命科学の静かなる革命 [ 福岡 伸一 ]

■目次■

〈序章〉
●失われた矜持を取り戻すために
●大切なものはすべて対になっている
●ロックフェラー大学の伝統芸
●HWの物語
●二五人のノーベル賞受賞者

〈第一章 生命科学は何を解明してきたのか?〉
●ヒューベルとウィーゼルの出会い
●幸運な冒険者
●コード化された情報
●黄金の日々
●縁の下の力持ち、エイブリー
●控えめな推論
●批判者の攻撃
●パラーディの武器
●HOWを追い求めて

〈第二章 ロックフェラー大学の科学者に訊く〉
●「山脈のピーク」を形成する研究者たち
●ロックフェラー大学という「科学村」の強み トーステン・ウィーゼル(神経生物学者)
●誰もが公正に扱われるチームづくり ポール・グリーンガード(神経生理学者)
●将来のリーダーを見つけ出す嗅覚 ポール・ナース(分子生物学者)
●科学における最大の障害は無知ではなく、知識による錯覚 ブルース・マキューアン(神経生物学者)
●どれだけ目立って、インパクトを与えられるか 船引宏則(染色体・細胞生物学者)
●対談を終えて

〈第三章 ささやかな継承者として〉
●解明すべき課題
●ヒト・ゲノム計画前夜の虫捕り少年
●GP2の居所
●消化管は生命の最前線
●GP2を「抽出」する方法
●世界地図の「空白」を埋める旅
●新たなアプローチ
●学説のプライオリティは誰の手に?
●『生物と無生物のあいだ』執筆後の大発見
●この発見は何に役立つのか―経口ワクチンの可能性―
●残された謎
〈あとがき〉

676. 「この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう」 池上彰 

「この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう」 池上彰 文藝春秋(15/03)

■書評■

 著者が、東京工業大学で開講されたリベラルアーツの講義をまとめた
三部作の第一弾です。

 科学技術や憲法、金融・経済と言った世の中の仕組みについてから、
オウム真理教やアラブの春、アメリカや中国、北朝鮮の成り立ちまでを
含んでおり、日本を囲む近現代の「歴史」を俯瞰することができます。

 最終章の、「君が日本の技術者ならサムスンに移籍しますか?」は、
技術者として、国として、企業として、という観点から学生からの意見
をとりあげられているところが新鮮です。

 事象についての、頭の整理に役立ちます。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義世界篇 [ 池上彰 ]

■目次■

1.科学と国家
   実は原爆を開発していた日本
2.国際情勢
   世界地図から見える領土の本音
3.憲法
   日本国憲法は改正すべきか
4.金融
   紙切れを「お金」に変える力とは
5.企業
   悪い会社、優れた経営者の見分け方
6.経済学
   経済学は人を幸せにできるか
7.世界経済
   リーマン・ショックとは何だったのか
8.社会保障
   君は年金に入るべきか
9.メディア
   視聴者が変える21世紀のテレビ
10.宗教
    オウム真理教に理系大学生がはまったわけ
11.社会革命
   「アラブの春」は本当に来たのか
12.アメリカ
    大統領選でわかる合衆国の成り立ち
13.中国
    なぜ「反日」運動が起きるのか
14.北朝鮮
   “金王朝”独裁三代目はどこへ行く
15.白熱討論
    君が日本の技術者ならサムスンに移籍しますか?

675. 「この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」」 池上彰

「この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」」 池上彰 文藝春秋(15/07)

■書評■

 著者の東工大での講義録をまとめた三部作の第二弾。

 歴史の授業ではなおざりにされがちな「日本の戦後史」を、敗戦から高度
成長に至った経緯、学校では教えない「日教組」、アベノミクスとバブルの
教訓まで、幅広く述べられています。

 戦後の日本を俯瞰できます。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義日本篇 (文春文庫) [ 池上彰 ]

■目次■

1.原子力
   事故からわかる「想定外」のなくし方
2.復興
   どうやって敗戦の焼け跡から再生したのか
3.自衛隊と憲法
  「軍隊ではない」で通用するのか
4.政治
   55年体制から連立政権ばかりになったわけ
5.日米安保
   米軍は尖閣諸島を守ってくれるのか
6.エネルギー
   エネルギーが変わるとき労働者は翻弄される
7.韓国
  “普通の関係”になれない日韓の言い分
8.教育
   学校では教えない「日教組」と「ゆとり教育」
9.高度成長
   日本はなぜ不死鳥のように甦ったのか
10.公害
    経済発展と人の命、どちらが大事ですか
11.沖縄
    米軍基地はどうして沖縄に多いのか
12.全共闘
    1968年、なぜ学生は怒り狂ったのか
13.国土計画
    日本列島改造は国民を幸せにしたか
14.バブル
    アベノミクスはバブルの歴史から学べるか
15.政権交代
    なぜ日本の首相は次々と替わるのか


■ポイント■

◆「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

674. 「哲学はなぜ役に立つのか?」 萱野稔人

「哲学はなぜ役に立つのか?」 萱野稔人 サイゾー(15/08)

■書評■

 「哲学とは「概念」の創造である」

 哲学史ではなく、世界で起こるすべてを概念で把握し、問題を解決
に導く「哲学力」を養うための書。

 20のテーマについて、20冊の名著で解読し、「哲学思考」を鍛えます。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
哲学はなぜ役に立つのか? [ 萱野稔人 ]

■目次■

1.哲学とは何か?
   副読本 『権力の読みかた』(萱野稔人/青土社)
2.ルールを制する者が世界を制す
   副読本 『政治神学』(カール・シュミット/未来社)
3.グローバリゼーションのもとでも消滅しない国家権力の本質とは?
   副読本 『社会学の根本概念』(マックス・ウェーバー/岩波文庫)
4.市場が拡大しない「成熟社会」で経済を活性化させる知的戦略とは?
   副読本 『デフレーション “日本の慢性病”の全貌を解明する』(吉川洋/日本経済新聞出版社)
5.レアアース禁輸措置からみえる世界経済の逆説
   副読本 『超マクロ展望 世界経済の真実』(水野和夫、萱野稔人/集英社新書)
6.中国の民主化運動と反日ナショナリズムのねじれた関係
   副読本 『民族とナショナリズム』(アーネスト・ゲルナー/岩波書店)
7.分配の正義があらためて問われる時代
   副読本 『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル/ハヤカワNF文庫)
8.アメリカの覇権について
   副読本 『千のプラトー 資本主義と分裂症』(ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ/河出文庫)
9.インターネットの普及は政治をどう変容させるか
   副読本 『技術への問い』(マルティン・ハイデッガー/平凡社ライブラリー)
10.インターネット上の集合知は国家を超えられるか?
    副読本 『社会契約論』(ジャン=ジャック・ルソー/岩波文庫)
11.垂直統合型と水平分散型 電力供給システムと資本主義のかたち
    副読本「記号と事件」(ジル・ドゥルーズ)
12.なぜ資本主義の把握にはヘゲモニーについての考察が必要なのか
    副読本「長い20世紀」(ジョバンニ・アンギ)
13.「人を殺してはいけない」という道徳と死刑は両立するか
    副読本「実践理性批判」(イマヌエル・カント)
14.道徳の根源にあるもの カントの定言命法について
    副読本「犯罪と刑罰」(チョーザレ・ベッカリーア)
15.人類社会で「近親相姦の禁忌」が根源的な規範になった理由
    副読本「暴力はどこからきたか」(山極寿一)
16.ヤクザ組織と国家のあいだにあるもの
    副読本「リヴァイアサン」(トマス・ホッブス)
17.なぜ日本の外交力を弱いのか 普遍主義と文化相対主義の対立
    副読本「オリエンタリズム」(エドワードWサィード)
18.債務危機と金融危機は避けられるのか 資本主義の悲しい性
    副読本「国家債務危機」(ジャック・アタリ)
19.なぜ再分配で世代間格差を拡がってしまうのか
    副読本「財政危機と社会保障」(鈴木亘)
20.道徳を超える哲学 軍事と経済のあいだにある不愉快な逆説について
    副読本「戦争の経済学」(ポール・ポースト)

■ポイント■

◆「哲学とは、ものごとを捉えるために概念的に考えたり、新たに概念を創造したりする知的営み」
 ・「〜とは何か」
 ・「スピノザの「起成原因」」
 ・「総体的」

◆「ルールは強制さえるものであるからこそ、正当化を必要とする」

◆「文脈自由な国家権力」

673. 「学校では教えない「社会人のための現代史」」 池上彰

「学校では教えない「社会人のための現代史」」 池上彰 文藝春秋(15/11)

■書評■

 著者の東工大での講義録をまとめた三部作の最終作。

 因果律に基づいて「現代史」を解説された書で、個々の事象の前後関係
を理解できます。

 著者は現在の学校で「現代史」を教えない理由を「定説がないから」と
分析されており、本書も「定説」ではない部分もあると断った上で、説得
力のある論を展開されています。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
学校では教えない「社会人のための現代史」 池上彰教授の東工大講義国際篇 (文春文庫) [ 池上彰 ]

■目次■

1.東西冷戦
   世界はなぜ2つに分かれたのか
2.ソ連崩壊
   プーチンはスターリンの再来なのか
3.台湾と中国
   対立しても尖閣で一致するわけ
4.北朝鮮
   なぜ核で「一発逆転」を狙うのか
5.中東
   日本にも飛び火?イスラエルやシリアの紛争
6.キューバ危機
   世界が核戦争寸前になった瞬間
7.ベトナム戦争
   アメリカ最大最悪のトラウマ
8.カンボジア
   大虐殺「ポル・ポト」という謎
9.天安門事件
  「反日」の原点を知っておこう
10.中国
   「経済成長」の代償を支払う日
11.通貨
    お金が「商品」になった
12.エネルギー
    石油を「武器」にした人々
13.EU 
   「ひとつのヨーロッパ」という夢と挫折
14.9・11
    世界はテロから何を学べる?


■ポイント■

◆「歴史は暗記ものではなく、因果関係を辿って行く論理的なもの」

◆「イスラム国」出現は、2003年の米のイラク攻撃がきっかけ
 ・1979年 ソ連のアフガン侵攻
       ムジャヒディンを米国が支援
        この時、オサマ・ビンラディンも来た(アルカイダ)
 ・1980年 イラン・イラク戦争で、米はイラク支援
 ・1989年 ソ連のアフガン撤退後、ムジャヒディン同士の内戦へ
 ・1990年 湾岸戦争
       サウジに米軍駐留→オサマ・ビンラディンがアフガンに
 ・1994年 パキスタンが、タリバン(学生)をアフガンに
 ・2001年 9.11
 ・2003年 イラク攻撃、バース党員追放
       治安組織崩壊し、シーアvsスンニの内戦で、スンニ派過激派
        →「イラクのイスラム国」へ
 ・2006年 サダム・フセイン死刑に
 ・2010年 シリアのアサド独裁政権の弾圧、内戦
        →「イラクとシリアのイスラム国」→「イスラム国」へ
 ・2011年 パキスタン潜伏中のオサマ・ビンラディンを殺害

672. 「逆説の日本史20」 井沢元彦

「逆説の日本史20」 井沢元彦 小学館文庫(17/04)
   〜幕末年代史編3〜 西郷隆盛と薩英戦争の謎

■書評■

 覚醒した薩摩、目覚めなかった長州。

 島津久光を国父に戴き、生麦事件そして薩英戦争を引き起こしながらも
「攘夷」の無謀さに目覚めた薩摩。

 一方、攘夷派を抑えきれず、ついには「朝敵」の汚名を着ることになっ
た長州。

 のちに明治維新の原動力となった両藩が、まったく異なる道を歩んでい
た幕末の3年間の動きがよく分かります。

 幕末史の理解が深まります。

 
[Amazon]


[楽天ブックス]
逆説の日本史 20 幕末年代史編3 西郷隆盛と薩英戦争の謎 (小学館文庫) [ 井沢 元彦 ]


■目次■

第1章 一八六二年編ー幕府を窮地に陥れた生麦事件と島津久光
    国父・島津久光に「地ゴロ」と言い放った西郷隆盛の思惑
    倒幕派藩士を説得に向かった西郷に対して久光が「爆発」したワケ
寺田屋事件、文久の改革、生麦事件

第2章 一八六三年編ー“攘夷は不可能”を悟らせた薩英戦争と下関戦争
    坂本龍馬の「船中八策」に影響を与えた横井小楠という大人物
    公使館焼き討ちは「隠れ開国派」高杉晋作による“ガス抜き”だった
    公使館焼き討ち実行犯が数か月後に留学した“謎”
    清川八郎と新撰組、朝陽丸事件、八月十八日の政変

第3章 一八六四年編ー沖永良部島流罪の西郷赦免で歴史は動いた
    沖永良部島流罪で衰弱死寸前の西郷を救った現地役人の機転
    虚無の中から西郷を立ち直らせ活路を開いた「敬天愛人」思想
    「将軍家を支える雄藩連合」確立を目指した島津久光の思惑
    池田屋事件、禁門の変、四カ国下関襲撃


■ポイント■

◆「覚醒した薩摩、目覚めなかった長州」
 ・この特性が、後の海軍(薩摩)、陸軍(長州)に引き継がれる

◆「西郷の「長州憎し」感情を転換させた、幕臣勝海舟」
 ・「日本人」としての立場

◆「長州の「小攘夷」から逃れた高杉晋作」
 ・「時期を待つ」

◆「朱子学の毒は「興奮剤」」
 ・「明治維新」では日本人を活気づけたが、大正昭和と使い続けてしまった

671. 「動的平衡2」 福岡伸一

「動的平衡2」 福岡伸一 木楽社(11/12)

■書評■

 生命の本質は、絶え間のない流れ、すなわち動的平衡にある。
 
 福岡伸一さんの「動的平衡」第二弾は、ダーウィン進化論だけでは説明
できない事象を、新潮流のエピジェネティクスの考え方をベースに説かれ
ています。

 「真偽」から「善悪」、そして、「美醜」へ。
 
 「美」は「動的平衡」にこそ宿り、遺伝子は生命に対して、「自由」で
あれと命じている。


[Amazon]


[楽天ブックス]
動的平衡(2) 生命は自由になれるのか [ 福岡伸一 ]

■目次■

第1章 「自由であれ」という命令
      遺伝子は生命の楽譜にすぎない
第2章 なぜ、多様性が必要か
     「分際」を知ることが長持ちの秘訣
第3章 植物が動物になった日
      動物の必須アミノ酸は何を意味しているか
第4章 時間を止めて何が見えるか
      世界のあらゆる要素は繋がりあっている
第5章 バイオテクノロジーの恩人
      大腸菌の驚くべき遺伝子交換能力
第6章 生命は宇宙からやって来たか
      パンスペルミア説の根拠
第7章 ヒトフェロモンを探して
      異性を惹き付ける物質とその感知器官
第8章 遺伝は本当に遺伝子の仕業か?
      エピジェネティックスが開く遺伝学の新時代
第9章 木を見て森を見ず
      私たちは錯覚に陥っていないか


■ポイント■

◆「渦」「関係性」「時間」:「動的平衡」

◆「ダーウィニズム」だけでは説明できないこと
 ・「エピジェネティック」:「遺伝子以外の何が生命を動かしているか」
   「遊び」:「自由であれ」(「ホモ・ルーデンス」)
 ・「遺伝子は、その発現と強度の関係性を、環境と相互作用にのみ委ねている」
   「遺伝子は、音楽における楽譜」(SWとボリュームと順番とタイミング)
 ・「自分のあり方は、関係性に依存する」:柔軟で可変的
   「共時的な多義性」:因果律も決定論もない

◆「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン)
 ・「神秘さや不思議さに目を見張る感性」
 ・「美醜」の感覚

◆「多様性」の重要性
 ・「多数の要素が、相互依存的でありつつ、相互補完的」
   「やわらかな適応性と強靱性」
 ・「ニッチ」(分際)を尊重するバランス感覚

◆「動物」の誕生
 ・「必須アミノ酸が生まれたことにより、生物は自ら動くことを求められた」

◆「細胞膜は障壁ではなく、内と外を繋ぐ動的交通路」
 ・「境界」にて、物質と情報とエネルギーの出入りがある

◆「時間」を切る
 ・「その一瞬」での関係性は、その一瞬限り
   「この世界には本当の意味での因果関係と呼ぶべきものは存在しない」

◆「DNAが先か、タンパク質が先か」
 ・「パンスペルミア説」:宇宙の彼方から

◆「花粉症」は薬では治らない
 ・「動的平衡」には、解決すべき因果関係はなく、そこにはバランスが存在するだけ

◆「生命」は「水」でエントロピーを捨てている
 ・「腎臓」の精妙なメカニズム
   「水の流れ」によって、エントロピーを捨てている

◆「ガン」の発生は、進化という壮大な可能性の中に、不可避的に内包された矛盾
 ・「決定不可能な命題が、その体系内に必ず存在する」(ゲーデル)

◆「近代科学は新しい物質や新しいメカニズムや新しいエネルギーを作り出すことに心血
  を注いできたが、そのテクノロジーが生み出した余剰物、廃棄物、排出物によってリ
  ベンジを受けている。機械は生物ではない。しかし機械のあり方を生物が採用している
  システムに学ぶことは可能である。すべてのシステムをできるだけ柔らかく緩やかに
  作っておく。先回りして自らを壊し再構築する。これが動的平衡である」

670. 「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一

「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一 講談社現代新書(07/05)

■書評■

 生命とは、実は流れゆく分子の淀みにすぎない。

 「生命とは、自己複製を行うシステム」というドーキンスの定義に対
し、著者はこれでは不十分だと言う。

 「生命とは動的平衡にある流れである」

 著者のポスドク時代の研究エピソードやその時代の街の風景を織り込ん
だ、生命の繊細さ、巧妙さ、強さと脆さについて、叙情的に描く科学エッ
セイとなっている。

 分子生物学がたどりついた地平を、分かりやすく解説され、目に映る景
色を大きく変えられました。


[Amazon]


[楽天ブックス]
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) [ 福岡伸一 ]

■目次■

第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
第2章 アンサング・ヒーロー
第3章 フォー・レター・ワード
第4章 シャルガフのパズル
第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
第6章 ダークサイド・オブ・DNA
第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ
第8章 原子が秩序を生み出すとき
第9章 動的平衡とは何か
第10章 タンパク質のかすかな口づけ
第11章 内部の内部は外部である
第12章 細胞膜のダイナミズム
第13章 膜にかたちを与えるもの
第14章 数・タイミング・ノックアウト
第15章 時間という名の解けない折り紙


■ポイント■

◆「DNAこそが遺伝情報を運ぶ最重要情報分子」(オズワルド・エイブリー)
  「肺炎双球菌の形質転換」

◆「ダークサイド・オブ・DNA」
 ・「アンサング・ヒーロー」 ロザリンド・フランクリン
    フランシス・クリック、ジェームズ・ワトソンのノーベル賞に裏物語
    1953年のノーベル賞受賞時は、既にフランクリンは鬼籍に入っていた

◆「生命とは動的平衡にある流れである」
 ・「海辺の砂の城」の例え
 ・「動的平衡」:ルドルフ・シェーンハイマー(1941年自殺)
    分子レベルでは実体はなく、たまたまそこに密度が高まっている分子
    のゆるい「淀み」があるだけ

◆「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない」
 ・「エントロピー増大の法則に抗して、秩序を維持しうることが生命の特質」
 ・「シュレーディンガーの予言」:「生命とは何か?」(1944年)
   「すべての物理現象に押し寄せるエントロピー増大の法則に抗して、秩序を
    維持しうることが生命の特質である」:「負のエントロピー」

◆「絶え間なく壊される秩序はどのようにしてその秩序を維持しうるのか」
 ・「GP2」タンパク質の追求:「相補性」とジグソーパズル
  「ノックアウトマウス」実験結果
   「私たちは遺伝子をひとつ失ったマウスに何事も起こらなかったことに落胆
    するのではなく、何事も起こらなかったことに驚愕すべきなのである。
    動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさにこそ
    感嘆すべきなのだ」
 ・「絶え間なく壊され続けながらも、もとの平衡を維持できるのは、やわらかな
   相補性があるから」
 ・「可変性」と「柔軟性」:内的恒常性の維持

◆「内部の内部は外部」:「トポロジー」(立体的)
 ・「小胞体」でのタンパク質合成現場:ジョージ・パラーディ
   「GP2」の挙動
     細胞内   分泌顆粒の内部
      中性    酸性
      可溶性   沈殿

◆「時間」に沿って滑らかに流れ、かつ、「一回性」で折りたたまれる「生命」
 ・「不可逆的な時間の流れ」「どの瞬間でも完成されたしくみ」
 ・「平衡系は、偶発的なピースの欠落に対して柔軟にリアクションするが、
   人工的な紛い物までは予定していない」:ドミナント・ネガティブ現象

669. 「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」 山口周

「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」 山口周 光文社新書(13/10)

■書評■

 日本人が創造性が無いのではなく、日本の組織が創造性を阻害している。

 イノベーションの秘訣は組織風土。既存組織の阻害要因をいかに減らすかが、
本書のメインメッセージです。


[Amazon]


[楽天ブックス]
世界で最もイノベーティブな組織の作り方 (光文社新書) [ 山口周 ]

■目次■

第1章 日本人はイノベーティブか?
     イノベーションにまつわる誤解
    「組織」が「個人」をダメにする
第2章 イノベーションは「新参者」から生まれる
     人材の多様性
     自ら動け
第3章 イノベーションの「目利き」
     ネットワーク密度の高さ
     非線形で柔軟なプロセス
第4章 イノベーションを起こせるリーダー、起こせないリーダー
     リーダーシップのパターンを知る
     共感を得るビジョンを打ち出せ
第5章 イノベーティブな組織の作り方
     人材採用/育成/配置/評価/報酬システム
     意思決定プロセス/価値観/リーダーシップ


■ポイント■

◆「イノベーションはビジネスの世界に咲く大輪の花のようなもの」
 ・人間は、花それ自体を創造することはできません。人ができるのは、
  花が健全に芽吹き、育成されるように適切な土壌、太陽、水、風通し
  を整備してあげることだけ

◆「人材の多様性」
 ・「若造」と「新参者」
 ・「新結合」:人と人とのつながりを創る
 ・「属性の多様性」ではなく、「意見の多様性」

◆「権力格差指標」(PDI:Power Distance Index)
 ・「ホフステード」の四次元
  ・権力の格差、個人主義vs集団主義、男性らしさvs女性らしさ
   不確実性の回避
 ・「PDIが高いと、支配者に依存する「空気」ができやすい

◆「アメとムチ」の逆効用
 ・「報酬」は内的動機を減退させる
 ・「恐怖」は思考能力を減退させる

◆「イノベーション」の「目利き」
 ・「社内外ネットワーク」:複眼的、多面的検証
 ・「場作り」「制度作り」
 ・「規律」と「遊び」のバランス


Profile
最新記事
Recommendation
おすすめソフト「紙Copi」

Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Recent Comments
Amazonサーチ
Amazon Best Seller
  • ライブドアブログ