"かぎろひ" 「本」のページ

ビジネス書を中心とした「おすすめ本」の書評を発信していきます

594. 「あした死ぬかもよ?」 ひすいこたろう

「あした死ぬかもよ?」 ひすいこたろう ディスカヴァー21(12/12)

■書評■

 人生最後の日に笑って死ねる27の質問。

 人は、なぜかみな、「自分だけは死なない」と思っているもの。
でも、残念ながら、みな、いつか必ず死にます。

 それを受け止めることこそ、「生」を輝かせることにつながります。
自分が「いつか死ぬ身である」ということをしっかり心に刻み込めば、
自分のほんとうの気持ちに気がつき、もっと自分らしく、人生を輝かせ
ることができるのです。

 今生きているということこそ、奇跡であることを受け止めて、新しい
自分で、新しい人生を歩き始めてみましょう。
 
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■目次■

しつもん0 人生最後の日、何に泣きたいほど後悔するだろう?

第1章 後悔なく生きる

しつもん1 あと何回桜を見られるだろう?
しつもん2 どんな制限を自分にかけているだろうか?
しつもん3 あなたが両親を選んで生まれてきたのだとしたら、その理由は何だろう?
しつもん4 あなたの人生は、100点満点中、いま何点?
しつもん5 失う前に気がつきたい幸せは何ですか?
しつもん6 これだけは失いたくないものベスト5は?
しつもん7 今考えている悩みは、たとえ人生最後の日であっても、深刻ですか?

第2章 ドリーム(夢)を生きる

しつもん8 あなたにとって理想の人生とは何でしょう?
しつもん9 あなたは何によって憶えられたいですか?
しつもん10 自分のお墓に言葉を刻むとしたら、何と入れる?
しつもん11 あなたの死亡記事が出ます。なんて書かれたい?
しつもん12 あなたの大切な友だちが、どんな夢を持っているか、知っていますか?
しつもん13 「いつかやる」、あなたの「いつか」はいつですか?
しつもん14 あなたが死ぬ前にやりたいことを、10個あげてみよう

第3章 ミッション(志)を生きる

しつもん15 あなたが生きることで、幸せになる人はいますか?
しつもん16 なんのためなら、誰のためなら死ねる?
しつもん17 おじいちゃん、おばあちゃんの名前をちゃんと言えますか?
しつもん18 お金と時間がありあまるほどあるとします。どんなことをしますか?
しつもん19 死後、あなたは誰の記憶に残るだろう?

第4章 ハートの声(本心)で生きる

しつもん20 あなたがホッとするときはどんなとき?
しつもん21 半年後に死ぬとしたら、今の仕事をやめる?
しつもん22 その嫌な感情は、体のどこで感じていますか?
しつもん23 もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていたことをしますか?
しつもん24 今日飲むお茶が最後のお茶だと思ったら、今までと何が変わる?
しつもん25 なにもかも大丈夫だとしたら、ほんとは、どうしたい
しつもん26 これまでの人生で一番うれしかったことはどんなこと?

ラストメッセージ

しつもん27 理想の人生を生ききったあなたが、今日のあなたにメッセージを贈るとしたら?

■ポイント■

◆「もっと冒険しておけばよかった」

◆“あなたが生まれたとき、
 あなたは泣いていて周りの人たちは笑っていたでしょう
 だから、いつかあなたが死ぬとき、
 あなたが笑っていて周りの人たちが泣いている。
 そんな人生を送りなさい。”

◆「メメント・モリ」:死を忘れるな

◆「やりたいことはすべてやるがいい。
  人間は、死ぬ間際、やったことに後悔する人は少ないものだ。
  やらなかったことに後悔する」

◆「感」じたら、すぐに「動」くこと。その先に「感動」がある。

◆「人生は、幸せになるのが目的じゃない。
幸せがスタート地点。幸せから夢へ向かうんです。
今が不満だから幸せを目指すという人は、夢を成し遂げても、
そこに見えるのは、新しい不満です」

◆「想像の中で、椅子を2つ向かい合わせ、今の自分と、天寿を
全うして亡くなる直前の自分を各々に座らせ、会話をさせる」

「すべてだいじょうぶだから。
 やってみらいことはやってみるがいい。
 なにもかもだいじょうぶだから。
 人生最後の日を迎える私から見ると、
 うまくいったかどうかなんて、どうでもよかったんだとわかる」

「人生最後の日から見ると、すべての出来事は夢の中の想い出になる。
 昨日のことだって、もう、みんな夢の中の記憶だろ?
 夢の中で、ビビってどうする? 夢の中で、心配してどうする?
 なんであんなことに深刻になっていたんだろうと、自分に笑う
 しかないよ」

「どっちでもいいんだ。結果はすべて、人生最後の日に、夢となる
 のだから。だから、大切なのは、どんな気持ちで、それをやって
 いたのか。ほんとうに大切なのは、そこだけだ」

「ほんとうに大切なのは、ハートをひらくこと、自分に素直になること。
 いまの自分の気持ちにちゃんと寄り添ってあげるんだ。
 「ほんとは、どうしたいの?」って
 それが、未来の私から、あなたに一番伝えたいこと」

「人生は文字どおり旅なんだ。旅に成功も失敗もあるか。
 そして、旅には、やらなければいけないこともなにもない。
 歯を磨く、それくらいのもんだ。
 だいじょうぶ。子どもの頃の気持ちを思いだしてごらん。
 そう、その気持ちだ。
 家の扉をあけたとたんに、走り出していたあの頃のあなた」

「私は、私の人生を選んでほんとうによかった。人生最後の日、私は
 いま幸せだ。いま、心からそう思えるのはあなたのおかげだよ。
 いまのあなたが、たくさん、たくさん、悩んでくれたからだ」

593. 「下町ロケット2」 池井戸潤

「下町ロケット2」 池井戸潤 小学館文庫(10/10)

■書評■

 テレビ放映で人気ののあった「下町ロケット」。

 書籍版は、「下町ロケット」しか読んでいませんでしたので、
「下町ロケット2」を読んでみました。

 直木賞受賞作の続編ということで、この作品も、勧善懲悪タイ
プながら、楽しく読めました。

 ロケット研究者から、家業の町工場を継いだ主人公が、今回は、
医療機器の部品製作に挑みます。

 医療関係のドロドロとした人間関係と、「医は仁術」という
使命感との対比。

 製造業に勤める身として、また胸が熱くなりました。
 
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■目次■

1.「ナゾの依頼」
2.「ガウディ計画」
3.「ライバルの流儀」
4.「権力の構造」
5.「錯綜」
6.「事故か事件か」
7.「誰のために」
8.「臨戦態勢」
9.「完璧なデータ」
10.「スキャンダル」
11.「夢と挫折」
12.「挑戦の終わり 夢の始まり」

[あらすじ]

 ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を
切り抜けてから数年。

 大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。

 量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケット
エンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコ
ンペの話が持ち上がる。

 そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器
の開発依頼が持ち込まれた。

 「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓
病患者を救うことができるという。

 しかし、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の
開発は、中小企業である佃製作所にとってあまりにもリスクが大きい。

 苦悩の末に佃が出した決断は。

 医療界に蔓延る様々な問題点や、地位や名誉に群がる者たちの妨害
が立ち塞がるなか、佃製作所の新たな挑戦が始まった。

 直木賞受賞の前作から5年を経た続編。

592. 「なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか」 田坂広志

「なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか」 田坂広志 PHP研究所(07/08)

■書評■

 田坂広志さんの、マネジメント論です。

 「人間の出会いが生み出す「最高のアート」」というのが、
著者の語るマネジメントの本質です。

 即物的な「マネジメント手法」ではない、「心得」が身に
染みます。

 「人間観」「心のマネジメント」「究極の楽天性」・・・

 「人間成長」とは、遙か遠く、高く聳え立つ山の頂。

 私たちの歩む、マネジメントの道は、辛くも素晴らしいもの
です。

 
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■目次■

・「なぜ、あなたは、自ら「重荷」を背負うのか」
・「経営者やマネジャーが背負う「重荷」とは何か」
・「素晴らしいマネジャーの「後ろ姿」から学んだもの」
・「なぜ、マネジメントの道を歩んだのか」
・「そもそも「人間としての成長」とは何か」
・「マネジャーが身につけるべき「人間観」とは何か」
・「職場における「出会い」とは何か」
・「仕事における「苦労や困難」とは何か」
・「いかにして「部下の成長」を支えるか」
・「いかなる「言葉」を部下に語るべきか」
・「マネジャーが巡り会う「奇跡」とは何か」


■ポイント■

◆「マネジャーの「重荷」とは」
 ・「部下や社員の人生」:「生活」だけでなく「成長」に責任を持つ
    密やかな「権力志向」や「操作主義」に流される落とし穴

◆「部下に対する「心の姿勢」」
 ・「部下を、一人の人間として遇する」
    一人の人間としての成長の可能性を認め、その成長を支える

◆「重荷」を背負うマネジャーが得るもの:「一人の人間としての成長」
 ・「自分の責任や評価に心が向かうと、心が萎えてくる。
   しかし、自分が部下の人生を預かっていることを想うと、力が湧いてくる。
   決して諦めず、粘り強くその問題の解決に取り組む力が生まれてくる。
   そして、どんな難題でも、それに挑戦する勇気が湧いてくる」
 ・「この子供(部下)のためにも、ここで挫けるわけにはいかない」
 ・「深く考えることにより、直観力や洞察力も生まれてくる」

◆「心のマネジメント」:「相手の心を感じ取れ、働きかけられる力」
 ・「リズム感」:相手の心のリズムを感じ取り、それに合わせて応えられる
 ・「バランス感覚」:相手の心の動きを感じ取り、バランスをとるさじ加減
 ・「対機説法」:相手の機に応じて語る
   「マネジメント」とは「心の修練」が求められる道

◆「人間としての成長」とは「心の世界」が見えるようになること
 ・「人間」と書いて「人の間」と読む
   「人と人とが、心を互いに理解し合えるようになること」
   「人と人とが、心を通わせることができるようになること」
   「人と人とが、心を一つにすることができるようになること」

◆「心の世界」が見えるようになることとは
 ・「相手の気持ちが分かる」(相手の気持ち)
   「下座の行」で「無言の声」を聴く修練
 ・「場の空気が読める」(集団の心)
   「MBWA」職場を俳諧するマネジメント:皮膚感覚で掴む
   「力に満ちて、そこに在る」(掴み、働きかける)
 ・「自分が見えている」(自分の心(無意識の世界))
   「強い劣等感」(ウェット・ブランケット):「褒められない」
   「謙虚」:「自信」
   「感謝」:「魂の強さ」

◆「人間学」を学ぶ唯一の方法
 ・「心を込める」:「魂のエネルギー」
    「すべてのことに心を込める」修行を10年続ける覚悟
 ・「人間と格闘する」:「正対」する修行
  ・「信頼を得る」
  ・「自ら心を開く」:エゴとの格闘
  ・「聞き届け」:深い共感の心をもって聴く、
          心の奥深くに届けるように聴く
          共感の想いを、相手の心の奥深くに届けるように聴く
  ・「その人にとっての真実」に耳を傾ける
     虚心に理解、ありのままを受け止める
  ・「最下層にいるときに、組織の舞台裏を見る」
  ・「反面教師」という言葉の落とし穴
    「他人の姿は、すべて、自分の中にもある」:謙虚さ
  ・「本当の強さ」
    「豊かな人間観」:人間というものの可能性を信じる
    「深い人間観」:何によっても揺らぐことがない

◆「邂逅」の思想:「縁」
 ・「出会い」→「巡り会い」:「深い縁」
 ・「荒砥石」、「観世音菩薩」:「成長」のため

◆「苦労・困難」の意味
 ・「成長の機会」:正念場でしか学べないこと
   「自分の中の可能性」が開花
 ・「喜び」がある
   「働き甲斐」「生き甲斐」を感じられる
 ・「結びつける」:危機のときに団結
   「苦楽を共にした仲間」

◆「究極の楽天性」:命とられるわけではない
 ・「腹を括って、覚悟を定める」
 ・「生死の体験」から掴んだ「深い死生観」
 ・「必死」:我々の日常こそが、すでに「生死の体験」

◆「部下の成長」を支える
 ・「自分」が成長すること:人を「成長させる」ことはできない
   「成長」は自動詞
   「人間は、説教によって「成長したい」と想うことは無い」
   「後姿」で伝える
 ・「上司の成長の限界」が「部下の成長の限界」
    組織の「器の大きさ」も定めてしまう
 ・「引き受け」「成長への意欲」
   「立派な人物」である必要はない
 ・「成長の場」を創り出していく
   「自然」「ご同行」

◆「言霊」を語る:自分の語ることを深く信じていること
 ・「自分にとっての真実」
   「自身のぎりぎりの「体験」の中で掴んだこと」
 ・「腹を据えて、覚悟をもって語る」:「命がけ」で語る
   「価値観」の真剣勝負
 ・「師弟の世界」
   「師匠」の圧倒的な個性と格闘し、その格闘の中から個性を磨く
 ・「人生を賭して何を証すか」
   「自分自身が信じる価値」とは何か(社会通念ではなく)

◆「マネジャーが巡り会う「奇跡」とは」
 ・「人間としての「成長」を求めて」
 ・「人間との「邂逅」を求めて」:「深い縁」「巡り会い」
   「奇跡の一瞬」:一瞬の生と一瞬の生の巡り会い
           六十五億の人々の中での巡り会い
 ・「奇跡の一瞬」を「最高の一瞬」にしたい
   「一瞬」の出来事を「永遠」に
 ・「最高の作品」:「最高のアート」

591. 「日本人の知らない日本」 伊勢雅臣

「日本人の知らない日本」 伊勢雅臣 育鵬社(16/06)

■書評■

 「国際人ではなく、国際派日本人を目指そう」

 本書は、著者が二十年に渡り発行されてこられたメルマガ
「国際派日本人養成講座」のエッセンスを、分かりやすく整
理された書です。

 日本の豊かな歴史伝統を「根っこ」と称して、日本人であ
りながら、なかなか学ぶことができない、日本の良さを、史
実に基づいて記述されています。

 単なる「日本称賛」論ではなく、その奥底に流れる、日本
の歴史、文化を、丁寧に紐解かれている姿勢に共感致します。

 日本人として、是非知っておきたいことが満載されており、
こんな国に生まれて幸せであること実感できます。

 
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■目次■

1.「あなたは自分の言葉で日本を語れますか?」
2.「クール・ジャパン」
    日本の何が凄いのかを知ろう
3.「日本らしさとは何か」
    自分の中の「見えなかった根っこ」を見出そう
4.「世界史の中の日本」
    歴史の荒波を乗り越えた先人の知力と胆力に学ぼう
5.「The Globe Now」
    現代国際社会をどう生きればいいのか

■ポイント■

◆「大いなる和」の国
 ・「和を以て貴しとなす」:「大和」
    グループ活動
 ・「もったいない」:「物体ない」
    QCサークル:不良ゼロを目指す
 ・「木も人も自然の分身」
    日本の森林率68.5%は、世界の奇跡

◆「日本人としての「見えない根っこ」」
 ・「世界有数の緑豊かな国土に世界有数の近代産業を築いた国」
   「和を以て貴しとなす」倫理観
   「生きとし生けるもの」を尊ぶ自然観

◆「日本食」
 ・「専門性」と「伝統継続性」
 ・「いただきます」という神事
   「調理」という神事に携わる誇り

◆「公」とは「大きな家」
 ・「義勇公に奉ず」

◆「小さな世界一企業」
 ・「歯医者さんの証明」:岡本硝子
 ・「超小型ベアリング」:NSKマイクロプレシジョン
 ・「スクリュー」:ナカシマプロペラ
  ・一つの事業分野に一途に徹する
  ・その分野で顧客のどんな要求にも応えようと挑戦する
  ・そのために長期的に技術を開発し、技能を深める

◆「幸福なる共同体」を創る知恵
 ・「礼儀正しさ」
 ・「微笑み」
 ・「労働観」
 ・「子供への愛」

◆「日本文明のエネルギー」:「万世一系の皇室」
 ・「世界最古の土器」
 ・「世界最古の漆器」
 ・「世界最大の陵墓」
 ・「法隆寺五重塔」
 ・「奈良の大仏」
 ・「正倉院」

◆「正月行事と先祖の祈り」
 ・「元旦とともに東からやってくる歳神様」
   「歳暮」「餅つき」「大掃除」「門松」「注連飾り」
   「大晦日」「初詣」「除夜の鐘」「お年玉」「おみくじ」
   「数え年」「鏡開き」「小正月」「ハレとケ」

◆「いのちの結び」
 ・「ホリスティック」:自然治癒力、自律的な連携

◆「天才:ユダヤと、達人:日本」:成功したアウトサイダー
 ・自国文化への誇り
 ・アウシュビッツと広島

◆「心の拠り所」:古事記、国旗、日本語
 ・労働観:神と同じ
 ・養生訓:「心身」の間に「気」

590. 「幸せになる勇気」 岸見一郎、古賀史健

「幸せになる勇気」 岸見一郎、古賀史健 ダイヤモンド社(16/02)

■書評■

 本書は、アドラー心理学ブームを引き起こした、「嫌われる
勇気」の続編です。

 前著同様、青年と哲人の対話という物語形式でまとめられて
います。3年ぶりに哲人を訪ねた青年が語る衝撃の告白。

 「愛される人生ではなく、愛する人生へ」
 「本当に試されるのは、歩み続けることの勇気」

 アドラーの語る「愛」「自立」について、理解が深まる書に
なっています。

 
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■目次■

1.「悪いあの人、かわいそうな私」
2.「なぜ「賞罰」を否定するのか」
3.「競争原理から協力原理へ」
4.「与えよされば与えられん」
5.「愛する人生を選べ」

■ポイント■

◆「哲学」と「宗教」
 ・「歩み」を止めると「宗教」
 ・「哲学」とは、永遠に歩み続けること:「生きる態度」
   「我々は哲学を学ぶことはできない。哲学することを学べるだけ」(カント)

◆「教育」とは「自立」に向けた「援助」

◆「無条件に「尊敬」する」:「対等」な存在として接する
 ・「尊敬とは、人間の姿をありのままに見て、その人が唯一無二の存在であること
   を知る能力」
  「尊敬とは、その人が、その人らしく成長発展していけるよう、気遣うこと」
 ・"respect" : "respisio"(見る)

◆「他者の関心事」に「関心」を寄せる
 ・「共同体感覚」(Social Interest)
   自己の執着から逃れ、他者に関心を寄せる
 ・「共感」:他者になりきって感じてみる

◆「目的論」:「いま」が「過去」を決める
 ・「「いま」を肯定するために、「過去」をも肯定する」
 ・「人間は、いつでも自己を決定できる存在」
 ・「本当の意味での「過去」は存在しない。「いま」に彩られた解釈だけ」

◆「悪いあの人」と「かわいそうな私」からの脱却
 ・「これからどうするか」

◆「賞罰」は「独裁者の率いる組織」の方法論
 ・「叱責」→「教える」
 ・「暴力」は、未熟なコミュニケーション

◆「問題行動」の「目的」:「所属感」
 ・「称賛の欲求」:「いい子」を演じる
   「ほめてくれなれけば、適切な行動をしない」
 ・「注意喚起」:「目立つ行動」(いたずら、できない子)
   「存在を無視されるくらいなら、叱られた方がいい」
 ・「権力争い」:「反抗」「不従順」
   「同じコートで対応しない」
 ・「復讐」:「ストーカー」「自傷」「引きこもり」
   「相手の嫌がること」を繰り返す(こんな自分になったのはお前のせい)
 ・「無能の証明」:「これ以上わたしに期待しないでくれ」
   「厭世的に課題を拒絶」

◆「自分の人生は自分で選ぶ」:「結果」の「引き受け」
 ・「他者の指示」を仰いで生きていた方が楽
 ・「自分の理性を使う勇気を持つ」
 ・「依存」と「無責任」の地位に置かない
 ・「幸せ」の本質は「貢献感」

◆「褒めて伸ばす」を否定する
 ・「褒める」ことは、「能力がある人が能力のない人に下す評価」
   その目的は、「操作」である
 ・「褒賞」が「競争原理」を生む:「他者は敵である」ライフスタイルに
   「競争原理」から「協力原理」に

◆「共同体感覚」:「自らの意志で自らを承認」
 ・「人間の身体的弱み」(劣等感)→「孤立」への恐怖(所属感)→「共同体感覚」
 ・「私の価値を自ら決定することが「自立」」
 ・「普通であることの勇気」:「ありのまま」で「居場所」がある
   「人と違うこと」に価値をおかず、「わたしであること」に価値を
   「個性」とは、「相対的」なものではなく「絶対的」なもの

◆「すべての喜びもまた、対人関係の喜び」
 
◆「信用」と「信頼」
 ・「信用」:相手のことを条件つきで信じること:「仕事」
 ・「信頼」:いっさいの条件をつけずに信じること:「交友」
   「自己信頼」あっての「他者信頼」
   「信頼」できるか否かは、「尊敬」できるか否か
 ・「先に能動的に信じる」こと
   「汝の隣人を、汝自らの如く愛せよ」(ルカ福音書)

◆「愛」とは、意思の力で、築き上げるもの
 ・「自利利他」:「不可分」なる「わたしたちの幸せ」を築き上げる
   「自立」とは「わたし」からの脱却(主語が変わる)
   「自立」とは「自己中心性」からの脱却
 ・「愛」とは「決断」である
   「運命」とは、自ら創り上げるもの
 ・「他者」を愛することによってのみ、「自立」を成し遂げられる
   「自己中心性からの解放」→「自立」→「共同体感覚」

◆「いまここを、真剣に生きる」:「一期一会」

589. 「仕事の技法」 田坂広志

「仕事の技法」 田坂広志 講談社現代新書(16/01)

■書評■

 田坂先生の、普遍的な「仕事の技法」論です。

 「仕事の技法」の根幹的技法は、「深層対話の技法」である
という主張は、日々の業務を通じて痛感致します。

 本書では、具体的な「仕事の場面」を通じて、その「深層対
話」の重要性、その修得法について、分かりやすく説明されて
います。

 仕事の根幹は、「人間」を相手とした「対話」であり、本技
法は、「人間」への大いなる敬意をもつという意味で、職種や
役職を問わない「仕事力」「人間力」を磨く大切なものです。

 手っ取り早いノウハウなどなく、実践により修練を重ねるこ
とでしか修得できないものですが、日々の業務でじっくりと取
り組んでいきたいものです。


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■目次■

序.「仕事の技法」の最も根幹的な技法とは何か?
1.すべての分野で役に立つ「仕事の技法」は「深層対話の技法」
2.「仕事のできる人」は必ず身につけている「相手の心を感じ取る技法」
3.「心配り」や「気配り」の本質は「言葉以外のメッセージ」を感じ取る力
4.相手の「真意」や「本音」を感じ取る「深層対話力」
5.「言葉以外のメッセージ」こそが相手に伝わってしまう
6.本を読んだだけでは掴めない「プロフェッショナルの技法」
7.「深層対話の技法」が身につく本の読み方
8.多忙な日々の中でも深層対話力を身につける「反省の習慣」
9.商談や交渉、会議や会合の直後に必ず行うべき「追体験」
10.「追体験」において求められる「視点の転換」
11.相手の表情、仕草、動作から感じ取る「言葉以外のメッセージ」
12.優れたプロフェッショナルから学ぶべき「深層対話の視点」
13.「一人での反省」がしばしば陥る「解釈の誤り」
14.究極の「深層対話力」を身につける「深夜の反省日記」
15.「深夜の反省日記」において見つめるべきは「自分の心の動き」」
16.相手から必ず見抜かれる心の中の「操作主義」
17.「直後の反省会」を効果的にする「場面想定」の技法
18.「場面想定」の習慣で身につく最も実践的な「戦略思考」
19.「無意識に相手に伝えているメッセージ」に気がつく高度な「深層対話の技法」
20.最も成熟した「深層対話力」は「聞き届け」の技法から
21.すべての仕事に活用すべき「深層対話力」
22.「心理学」を学ぶだけでは決して身につかない「深層対話の技法」
23.「深層対話力」とは極めて切れ味の良い「諸刃の剣」


■ポイント■

◆「仕事の技法」は「対話の技法」
 ・「仕事」の根幹は「人間」を相手とした「対話」
 ・「表層対話」と「深層対話」
   「深層対話力」こそ、すべての仕事に共通する「根幹的技法」

◆「働く」とは「傍を楽にする」こと
 ・相手の「心」を楽にすることも、「働く」こと
 ・そのためには、「言葉以外のメッセージ」を感じ取る
 ・自身の「言葉以外のメッセージ」も振り返る

◆「智恵」を掴む本の読み方:「課題意識」を明確に持つ
 ・「走馬燈リーディング」:「追体験」をしながら読む
 ・「即実践リーディング」:「課題」を絞り、実践する

◆「直後の反省会」で「追体験」
 ・「時間の流れ」に沿って「追体験」
   「発言内容」「表情の変化」「心の動き」
 ・「相手の視点」で振り返る(第二ポジション)
   「相手の心の動き」を想像し、「自分の心の動き」を振り返る
 ・「表情」「仕草」「動作」
   「論理的に考える行為」ではなく「直観的に感じる行為」
 ・「優れた上司」複数人で行う
   「小さなエゴ」が解釈を誤らせる(小さなエゴの動きに留意)

◆「深夜の反省日記」:「自分の中の複数の自分」を育てる
 ・「濾過された感覚」
 ・「自分との対話」
 ・「自分の心の動き」:「操作主義」「性急な成功への願望」に気づく

◆「操作主義」は必ず見抜かれる:誤魔化しは効かない
 ・「下段者、上段者の力が分からない」
 ・「自分の操作主義的な心に気づけば、相手の操作主義も感じられる」

◆「事前の場面想定」の効用:「仮説」→「検証」
 ・「己の「原則」を持っている人間こそが、最も柔軟になれる」
 ・「事後の反省会」の視点を共有しておく
 ・「仮説」を持っていると、「検証」がやりやすい
 ・「場面想定」の習慣が「戦略思考」を鍛える

◆「戦略的行動力」:思考と行動の両立
 ・「その先を読め、そこから「戦略思考」が始まる」
 ・「わずか5分の会議にも、「戦略」をもつ」
   「目的」「狙い」「企み」を見抜く
 ・「会議の状況設定」の能力も身につく

◆「無言のメッセージ(視線、仕草、面構え)は伝わる」
 ・「相手が話をしているときにこそ」伝わってしまう
 ・「聴き届け」:「深い共感の心をもって相手の話を聴く」
 ・「力に満ちて、そこに在る」

◆「深層対話力」の奥には「人間力」がある
 ・「温かい人間力」の背後に「深い人間観」がある
 ・「心理」を感じ取る修練が大切:「心理学」を学んでもだめ
   「正対」して、相手の細やかな心の動きを感じ取る修練

◆「深層対話力」は「諸刃の剣」
 ・「共感」「支援」「協調」から、「操作主義」に陥る罠
   「密やかな優越感」「無意識の傲慢さ」
 ・「相手に、深い「敬意」を持って接する」
 ・「深層対話力」は「自己の深層と対話する力」に他ならない

588. 「最高のリーダーは何もしない」 藤沢久美

「最高のリーダーは何もしない」 藤沢久美 ダイヤモンド社(16/02)

■書評■

 一流のリーダーは、内向的で、心配性で、繊細である。

 従来のリーダー像である、「即断即決・勇猛・大胆」、「カリ
スマ性」というイメージを覆す論に共感します。

 「無為の為」を実践するマネジメント論です。

 この「6つの発想の転換」は、変化の激しい社会での経営にとっ
て、不可欠な心得だと思います。


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■目次■

序.内向的リーダーのための導火線
1.「人を動かす」から「人が動く」へ
    なぜ優秀なリーダーは「何もしない」のか?
2.「やるべきこと」から「やりたいこと」へ
    「魅力的ななビジョン」をつくるには?
3.「命令を伝える」から「物語を伝える」へ
    人・組織にビジョンを浸透させる
4.「全員味方」から「全員中立」へ
    リーダーは「嫌われない人」を目指せ
5.「チームの最前線」から「チームの最後尾」へ
    「任せて見守る」チームマネジメント
6.「きれいごと[も]」から「きれいごと[で]」へ
    リーダーに求められる「社会貢献」の視点


■ポイント■

◆「リーダーのビジョン」は「マニュアル」を超える
 ・「ビジョン」とは「働く目的」
   エー・ピーカンパニー(塚田農場・四十八漁場)
    「ビジョンの共有」による現場の工夫

◆「リーダーは、新たなことにチャレンジする存在」

◆「動き回るリーダー」から「静かなるリーダー」へ
 ◆「強いリーダーシップ」が機能しない要因
  ・消費者の価値観やニーズの多様化
    量から質へ、精神的充足が得られる商品
  ・変化のスピード
    現場が自律的に動き、個別に対応しないと間に合わない

 ◆「ビジョン型リーダーシップ」
  ・ビジョンに基づいてメンバーが自律的に動くチームつくり
    未来を見つめ続け、静かに考え続ける
  ・「命令を遂行する部隊」から「自分で判断する仲間」へ
    ビジョンを作り、伝えて浸透させる力
    メンバーの仕事を「定義」する

 ◆「理念経営」
  ・「変えない理念」と「変える戦略」

◆「直観」に基づく経営
 ・「直観」とは、考え尽くした末に、ふと浮かび上がってくる決意

◆「自分で探し回る」から「考えながら待つ」へ
 ・「幸運の女神には前髪しかない」:全身から「釣り針」
   「何もしていない」ときこそ、最大のチャンスが訪れる

◆「心配性」な人ほど、最高のリーダーになる
 ・誰よりも「高解像度」で仕事全体を見通す
  「繊細」「緻密」→「最強の大胆さ」
    やるべきことをやり尽くした自信

◆「みんなに相談」から「一人で決断」へ
 ・「対話」で「壁打ち」
   コーチングも、「壁打ちの壁」

◆「魅了するプレゼン力」から「共感を呼ぶ説明力」へ
 ・「ビジョン」を意識する機会をいかにたくさん日常に盛り込めるか
    自身の「腹落ち」:話しかけるようで、自分に語りかける
 ・「誠実さ」「素直さ」→「納得感」「共感」
    直観で得たビジョンを、論理的に説明する
 ・「リーダー」自らの声で語る:「言葉の力」
    現場で語る
 ・「寝食を共にする」:「合宿」
   「何度もビジョンを「振り返る習慣」をつくる
 ・「第三者」の言葉の力を借りる

◆「繊細さ」と「大胆さ」を併せ持つ
 ・「こまめ」で「傷つきやすい」

◆「広大な中間地帯をつくれ」(田中角栄)
 ・「嫌われない」ことの重要性
 ・「人望」:敵を作らない
 ・「周りの人たちに対する愛情や感謝」(共に歩む仲間)
 ・「社員は社長の心の鏡」

◆「女性メンバーは「炭鉱のカナリア」」
 ・「不協和音」を感じる
 ・「女性だけのチーム」

◆「ホウレンソウ」の禁止:常に「考える」組織へ
 ・「現場主義」
 ・「指示待ち人間創出」

◆「部長は口を出さない」:「任せて見守る」
 ・「部下には手をかけないで、目をかける」
 ・「いかに働きやすい環境をつくるかを考える」
 ・「お釈迦様の手を大きくする役割」

◆「マニュアルには「余白」が必要」
 ・「なぜ必要か」で、予期せぬ事態に機動的に対応できるように
 ・「シンプル」「繰り返し」

◆「人に対するウォームハートと、数字に対するクールヘッド」
 ・「まずやってみる」:失敗なら学びに昇華させるしくみ、意識
 ・「部下への信頼感」

◆「目に見えない大切なもの」:「精神的豊かさ」
 ・「人と人とのつながり」「助け合い」
 ・「仕事」の先にある「社会への貢献」
 ・「お金はあとからついてくる」
 ・「貢献の「見える化」」:「回り道」が予期せぬ革新を生み出す

◆「ビジョンが、顧客、取引先に伝搬していく」
 ・「ゴールまで走りきる力の源」
 ・「未来を予測する最良の方法は、それを発明すること」(アラン・ケイ)
   "The best way to predict the future is to invent it."


587. 「超集中力」 野口悠紀雄

「超」集中法」 野口悠紀雄 講談社現代新書(15/09)

■書評■

 久しぶりに、「超」整理法で有名な、野口先生の「超」シリーズ
を読みました。

 パレートの法則(2:8法則)を、勉強やビジネスへ適用しようとい
う趣旨の書ですが、自著の「超」整理法、「超」勉強法の焼き直し
の感が強かったです。

 ロングテールや、ブラック・スワンが、パレートの法則を否定す
るものではないという論調は頷けますが、だからどうする、という
具体的提言まで言及していないところは残念。

 この変化の激しいビジネスの世界で、「コア」を見出すことは、
本当に難しいですね。

 経営者の役割が、ますます高まってきています。


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■目次■

第1章 2割に集中した人が成功する
 1.仕事の能率が4倍になる
 2.2:8法則は日常生活でも有効
 3.2:8法則の応用で生じる4つの問題点

第2章 2:8法則を無視する人々
 1.2:8法則を意識していない人々
 2.何が重要か分かっていても、集中できない
 3.リーダーの役割

第3章 「超」整理法は自動的にコアを見出す
 1.書類や資料で何が「コア」か?
 2.「コア」を見出すための具体的な方法
 3.ディジタル情報こそ分類する必要がない
 4.分類しても、コアは見出せない

第4章 試験勉強でこそ2:8法則が有効
 1.できる学生とできない学生の違いは何か?
 2.どうやって勉強のコアを見出すか
 3.「パラシュート勉強法」でコアを把握する

第5章 変化するビジネスのコアをつかむ
 1.エクセレントカンパニーは集中する
 2.ビジネスのコアは変化する
 3.ビッグデータをビジネスに活用する
 4.重要性を増す経営者の役割

第6章 世界は偏っている
 1.資産分布にはパレートの法則が成り立つ
 2.ジップの法則とランクサイズ・ルール
 3.働いているアリはいつも一部
 4.べき乗分布
 5.なぜべき乗分布になるのか

第7章 8割の逆襲?ロングテールとブラック・スワン
 1.ロングテール:少数派に注力する
 2.ブラック・スワンの法則
 3.「ギャラリー」について考える


■ポイント■

◆「押し出しファイリング」は、時間を尺度とした優れた整理法
 ・1993年の「超」整理法は、やはり画期的な提言
 ・自然と「コア」が集まってくるしくみ
 ・「分類」はするな。ひたすら「検索」せよ

◆「コア」を見出すためには、まず「全体像」の把握
 ・「パラシュート勉強法」は、受験勉強の定石
  ・分からなくても、まず全体を俯瞰してしまう
  ・そして、重要なところから始める
  ・過去問を解きまくる

◆「ビッグデータ」で「コア」の変化を把握
 ・個人情報から行動パターンを分析
   レコメンデーション、売れ筋創出

◆「経営者」が大局観を持つには、「教養」と「歴史」
 ・古典、歴史
 ・エクセルでグラフ化と、師匠のコア発見術を盗む

◆「働いているアリ」はいつも一部
  (「働かないアリに意義がある」(長谷川英祐)
 ・「フラクタル性」(元IBMフェローのベノワ・マンデルブロ)

◆「マタイ効果」で格差拡大→べき乗分布に
 ・「自己強化的累積効果」(ロバート・マートン)

◆「ブラック・スワン」(ナシーム・ニコラス・タレブ)
 ・「滅多に現れないもの、または出現しないと考えられていた
   ものが、社会に大きな影響を与える」

◆「ノンコア」:「ギャラリー」も大切な役割
 ・「集中」+「敬意」
   パレートの法則との絶対矛盾の自己同一性

586. 「なぜ、時間を生かせないのか2」 田坂広志

「なぜ、時間を生かせないのか2」 田坂広志 PHP研究所(03/05)

■書評■

 かけがえのない「人生の時間」に処する十の心得。

 スキル的なタイムマネジメント方法論ではなく、「時間の使い方
=自らの生き方」という深遠な問いを与えてくれる書です。

 各章が、有機的に繋がりながらも、各々に深みを感じます。

 豊かさの根底にある「時間」の考え方を養い、「成長」に向けた
自身の日常生活に、大いなる問いを与えてくれます。

 今回は、第2話の「夢中」についてです。

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なぜ、時間を生かせないのか

■ポイント■

第2話 「いかにして「集中」をするか」:「夢中」

◆「集中力」を身につける「三つの心得」

 第1話で、時間の「密度」を高めるには、「集中力」を身につけな
ければならないと述べました。

 それでは、どうすれば、その「集中力」を身につけることができる
のでしょう。

 本書では、「基本」「修練」「実践」の「心得」が述べられています。


◆「基本の心得」

 「集中力」を発揮するためには、まず「基礎体力」が必要です。

 その「基礎体力」とは、優れた「知力」とともに、それを支える
「体力」という意味での「知的体力」です。

 「知的体力」は、いわゆる「集中力」「持続力」にもつながります。

 その「知的体力」は、日々の仕事一つ一つを、気を抜かずに、全身全
霊で取り組むことによって、身についていきます。


◆「修練の心得」

 「集中力」の修練には、「集中的に仕事をする」ことです。

 そのためには、「時間を区切って仕事をする」「締め切りを明確にし
て仕事をする」「曖昧語を使わない」「上司や顧客に宣言し、退路を断
つ」ことが重要です。

 曖昧な表現で、「逃げ」の気持ちを忍び込ませないことです。

 また、「集中的に仕事をする」ためには、「リラックス」することも、
非常に大切です。

 「集中力」のあるプロフェッショナルは、「リラックス」が上手であ
るという逆説があります。

 深く「集中」するためには、その「集中」の前後に、深く「リラック
ス」しなければなりません。

 では、どうすれば「リラックス」できるのか。

 そのための技法は、「人格の切り替え」です。

 カール・マルクスは、大著「資本論」を執筆中、疲れたら、気分転換
に、高等数学の問題を解いたとのこと。

 これは、誰にでも真似できることではありませんが、リラックス法と
は、そもそも「心身相関的技法」であるため、個々人にとって固有のも
のとなります

 個々人の最適な「リラックス」法を見出していきましょう。


◆「実践の心得」

 それでは、「集中力」を身につけるための「実践の心得」とは何で
しょう。

 「真剣勝負の場に身を置く」ことです。

 「いざとなれば逃げ道がある」という無意識がある限り、私たちは
本当の「集中力」を発揮することはできません。

 では、日々の仕事において、「真剣勝負の場」とは何でしょう。

 「顧客に接する瞬間」です。

 顧客に対して、細やかに心を配り、顧客の気持ちを深く読み取り、
顧客の求めているものを素早く理解し、心を込めて最高の商品とサー
ビスを届ける。

 そのベストを尽くせるかという意味で、この瞬間には、真剣勝負が
求められます。

 そして、それは顧客対応だけでなく、謙虚な心構えで、日々の仕事
を見つめることで、日々の仕事のすべてが、「真剣勝負の場」となり
ます。


◆「最高の心得」

 以上の、「基本」「修練」「実践」の心得の他に、もう一つ、「最
高の心得」があります。

 「夢中」になることです。

 「集中しよう」と考えて発揮する「集中力」は、実は最高のもので
はありません。

 最高の「集中力」とは、「気がつけば集中していた」という心の状
態において発揮されるものです。

 「好きこそ、ものの上手なれ」
 「これを好む者は、これを楽しむ者にしかず」

 私たちは、日々の仕事において、深い興味を抱くものをもっている
か、強く心惹かれるものをもっているか、心から楽しめるものをもっ
ているか

 一流のプロフェッショナルの「集中力」は、まさに、そこから生ま
れてくるのです。


■目次■

序.「なぜ、時間を生かせないのか」:「心得」
1.「いかにして「時間」を使うか」:「密度」
2.「いかにして「集中」するか」:「夢中」
3.「いかにして「智恵」を学ぶか」:「感得」
4.「いかにして「経験」から学ぶか」:「反省」
5.「いかにして「反省」するか」:「意味」
6.「いかにして「人間」から学ぶか」:「師匠」
7.「いかにして「自分」を見つけるか」:「個性」
8.「いかにして「関係」を築くか」:「自立」
9.「いかにして「成長」をするか」:「課題」
10.「いかにして「成功」を得るか」:「一瞬」
終.「かけがえのない「人生の時間」:「覚悟」

585. 「Give & Take」 Adam Grant

「GIVE & TAKE」 Adam Grant ダイヤモンド(14/01)

■書評■

 全米トップ・ビジネススクール「ウォートン校」の史上最年少の
終身教授で、組織心理学者の著者が教えるビジネスの成功の秘訣。

 「ギバー(人に惜しみなく与える人)」
"Give & Given"
 「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」
"Taken & Take"
 「マッチャー(損得のバランスを考える人)」

 もっとも成功するのは誰だろう。
他人に優しくしていたら、厳しい競争を勝ち抜けない?

 ギバーというのは、決して、道徳心が高い善人ではなく、その行
為を普通に行って、それを楽しみにしている人のこと。

 これまでの常識をリフレーミングさせてくれる書です。


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著者:アダム・グラント
価格:1,890円(税5%込、送料込)
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■目次■

1.「あなたは、まだ「ギブ&テイク」で人生を決めているのか」
2.「「名刺ファイル」と「フェイスブック」を見直せ」
3.「チームの総力を活かせる人」
4.「荒野でダイヤモンドを見つける法」
5.「「パワーレス」の時代がはじまった」
6.「「与える人」が気をつけないとならないこと」
7.「気遣いが報われる人、人に利用されるだけの人」
8.「人を動かし、夢をかなえる「ギブの輪」」
9.「「成功への道」を切り拓く人たち」

■ポイント■

◆「ギバー」は時間的に鷹揚な人:心のゆとりが必要(寛大さ)
 ・「ギバー」は「記録」より「記憶」を重んじる
 ・「恩恵」とは、「思いがけず来るもの」
 ・「自己犠牲」ではなく、「他者志向性」を持つ
   「裏方」に徹する
 ・「自分にとって意義あることをする」
 ・「自分が楽しめることをする」
 ・「働く」は、「傍を楽にする」
 ・「この人に、どんなことをしてあげられるだろう」
 ・「弱いつながりの強さを信じる」(橋渡し:リコネクト)
   「休眠状態」のつながりの方がより多くの新しい情報をもたらす
 ・「思いやりをもって相手に質問をし、興味深く話しを聴く」
   「与えること」の文化が伝染する
 ・「五分間の親切」を誰にでも、喜んで行う
   「与えるチャンス」を生み出すためにネットワークを拡げる
 ・「恩送り(Pay Forward)」:価値を交換ではなく、増殖
 ・「遅刻しない」「努力を惜しまない」「人に親切にする」
  「道に外れたことをしない」
 ・「まとめて与える」
 ・「他の人にお金を使う」

◆「テイカー」は常に、与えるより多くを受け取ろうとする
 ・「用心深く、自己防衛的」
 ・「自分を中心に考える」(三人称より一人称を使う)
 ・「部下」に対し支配的だが、「上司」に対しては従順
   「自分にまったく利益をもたらさない人をどう扱う
    かで、その人のタイプがわかる」
 ・「CEOの写真」の大きさ、ナルシスティックな写真
 ・「Facebook」の「友だち」がやたら多い
 ・「ネットワーク」を目先の利益だけで見ている

◆「マッチャー」は常に、「公平」という観点で行動する
 ・「バランス」
 ・「目には目を」

◆「生産性」の最も低いのも、最も高いのも、「ギバー」
 ・「先に与える人」こそが、あとでもっとも成功する
 ・「その成功」が、まわりの人々に波及していく
  「ギバー」は成功から価値を得るだけでなく、価値も生み出す
 ・「チーム」での仕事が増えるほど、「ギバー」はその価値を証明

◆「責任のバイアス」:「視点の外」に出る
 ・「人は自分の貢献を過大評価し、他人の貢献を過小評価する」
   「他人がした貢献に注目し、リスト化してみる」
   「手柄を共有すること」
 

584. 「なぜ、時間を生かせないのか」1 田坂広志

「なぜ、時間を生かせないのか」 田坂広志 PHP研究所(03/05)

■書評■

 かけがえのない「人生の時間」に処する十の心得。

 スキル的なタイムマネジメント方法論ではなく、「時間の使
い方=自らの生き方」という深遠な問いを与えてくれる書です。

 各章が、有機的に繋がりながらも、各々に深みを感じます。

 豊かさの根底にある「時間」の考え方を養い、「成長」に向
けた自身の日常生活に、大いなる問いを与えてくれます。

 今回は、第1話の「密度」についてです。

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なぜ、時間を生かせないのか

■ポイント■

第1話 「いかにして「時間」を使うか」:「密度」

◆「タイム・マネジメント技術」の限界

 「時間」の尺度には、「長さ」と「密度」があります。

 巷間でよく聞かれる「タイム・マネジメント論」は、その「長
さ」に焦点が当たっています。

 もちろん、無駄な時間を無くす、効率をあげて時間を捻出する
等の取り組みは有効ではありますが、これらは、「時間」を「資
源」として扱った考え方です。

 「時間」とは、単なる「資源」という意味を超えた、かけがえ
のない「人生の時間」なのです。


◆「時間」の「密度」を高める

 それでは、その「人生の時間」をいかに活かすか。

 時間の「長さ」の視点だけで言えば、タイム・マネジメントの
上手な人と、下手な人の差は、一日あたり、多くても数時間程度
の違いでしょう。

 でも、時間の「密度」の視点から見ると、密度の濃い人と、薄
い人の差は、十倍、百倍にもなってしまいます。

 そして、その差は、どこから生まれてくるのでしょう。
 
 それが、「集中力」です。


◆「集中力」を高めるには 

 その「集中力」を高めるには、どうしたらいいのでしょう。

 時間の「密度」を上げるためには、「精神の基礎体力」をつけ
る必要があります。

 同じ経験をして、どれだけ「密度」の濃い時間を生み出したか。

 そういう意味では、「時間は、誰にも平等に与えられている」
わけではなく、「時間は、人により、不平等に与えられている」
のです。

 そして、その「不平等」を生み出してしまうのが、「集中力」
の差なのです。


■目次■

序.「なぜ、時間を生かせないのか」:「心得」
1.「いかにして「時間」を使うか」:「密度」
2.「いかにして「集中」するか」:「夢中」
3.「いかにして「智恵」を学ぶか」:「感得」
4.「いかにして「経験」から学ぶか」:「反省」
5.「いかにして「反省」するか」:「意味」
6.「いかにして「人間」から学ぶか」:「師匠」
7.「いかにして「自分」を見つけるか」:「個性」
8.「いかにして「関係」を築くか」:「自立」
9.「いかにして「成長」をするか」:「課題」
10.「いかにして「成功」を得るか」:「一瞬」
終.「かけがえのない「人生の時間」:「覚悟」

583. 「断捨離」 やましたひでこ

「断捨離」 やましたひでこ 経営科学出版(14/03)
                     
■書評■

 久しぶりに、「断捨離」を読み直してみました。

 モノとの関係性を見つめ、モノと一緒に「執着」も手放す。

 モノに取り憑いた想い(執着)は、なかなか強固です。

 「断」ってみて、「感謝」の念を思い、
 「捨」ててみて、「素直」な心を持ち、
 「離」れてみて、自身の「環境」を自在な空間に変えていく。

 単なる「片付け術」に終わらない、「心」の片付け術です。

 シンプルな生活を取り戻して、エネルギッシュに歩んでいき
ましょう。
 
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■目次■

1.目に見えないモノを「断捨離」する?
2.負の感情にきづき、「捨」てる
3.悪いモノを「断」って、健康になる
4,不機嫌・不自由な環境から「離」れる


■ポイント■

◆「片付けられない理由」
 ・「量」が多い vs 「時間」「空間」「エネルギー」
 ・「期間」が経っている 情(執着)が移り、負の磁気を帯びる
 ・「過去執着」:「もったいない」(後ろめたさの集積)
 ・「未来不安」:「足りない恐れ」(不安感の集積)
    →「自分への信頼」を取り戻す(無くても大丈夫)
     「本当にもったいない」のは、自分の時間、空間、エネルギー

◆「居直り」→「入れ替え」→「発掘」
 ・「居直り」(現状を受け入れる):「視点の変化」
 ・「入れ替え」(環境の入替):「流れ」を創る(場の変化)
 ・「発掘」:「新しい自分」(宝)探し

◆「要」「適」「快」→「選び抜く」作業(宝探し)
 ・「要」:生存に必要か(肉体):思考
 ・「適」:ふさわしいか(社会):感覚
 ・「快」:美しいか(精神):感性

◆「断捨離」の「心構え」
 ・「自分軸」←「モノ軸」「他人軸」:自分で考え、感じる(内在智)
   「使えるか」から、「自分が使うか」
   「他人がいい」から、「自分の必要か」
 ・「時間軸」:「今の私」にとって
   「モノ」との関係性は、変化するもの

◆「断捨離」のコツ
 ・「一点突破」:まずは引き出し一つから加点法で
 ・「この量が必要か?」:要だけど、こんなに必要?
 ・「要・適・快」で選び抜く

◆「どこまで減らすか」:「7−5−1の法則」
 ・「見えない収納」:7割 取り出しやすく、しまいやすく
 ・「見える収納」:5割 美しさ(空間の力)
 ・「見せる収納」:1割 美意識を育む
 ・「1out 1in」:捨てられないなら、入れない
   「総量規制」→「質の向上」

◆「知らないおじさん」と「おせっかいなおばさん」
 ・「もう関係が終わったモノ」:無意識・無自覚なもの
 ・「便利だけど無くても困らないモノ」:捨てる後ろめたさ(執着)
   「高かった」「せっかく手に入れた」「いずれ役立つ」

◆「梵我一如」
 ・「ブラフマン」(宇宙の真理)と「アートマン」(真我)

◆「部分即全体」
 ・「見える世界」→「見えない世界」

◆「生命即神」
 ・それぞれの「断捨離」
 

582. 「君が代」 森井啓二

「君が代」 森井啓二 ヒカルランド(15/07)
                     
■書評■

 「君が代」は、宇宙根元から送り込まれた「光の種子」だった。

 いまは、「二元性」の世界から、自然界に存在するすべてのものと
「一体化」して調和した世界に移行していくとき。

 そして、その鍵となるのが、ハートに内在された「愛」であり、
「君が代」を正しく読むことは、自分の意識を高め、魂を浄化し、
昇華するための入り口となる。

 アマゾンでは、「オカルト」部門で高順位の書ですが、中身は、
納得性のある論理的なものです。

 無限の領域を有限の中から見ている限り、世界は謎だらけ。
芽を出すのに必要なのは、強い勇気と信念。

 森井先生、示唆深い本をありがとうございます。
 
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■目次■

第一章 「君が代」五七六七七に秘められし宇宙普遍の真理へ
      「君が代」全容の謎解き
第二章 詠み人知らず「君が代」に込められた宇宙からの音霊言霊
      「きみがよは」の謎解き
第三章 二元性世界の目的とそこからの解放
      「わがきみは」の謎解き
第四章 宇宙の循環とその在り方 そして人の霊的成長段階まで
      「ちよにやちよに」の謎解き
第五章 宇宙の根源を示す神と人間の関係性
      「さざれ」の謎解き
第六章 創造主と宇宙の拡がりを示す
      「いしの」の謎解き
第七章 岩戸開きの言霊が鳴る
      「いわおとなりて」の謎解き
第八章 「君が代」は分離感から解放される潜在意識の一筋の光
      「こけのむすまで」の謎解き

■ポイント■

◆「日本語の言霊神と音霊神」
 ・「日本語」は自然音に近い周波数/125〜1500Hz
    日本人は、自然の音として声を聴く
      cf. イギリス英語:2000〜12000Hz
   
◆「音」には、物質レベルを超えた、精妙なエネルギーレベルまで効力がある
 ・「音楽:に秘められたより精妙な波動を感じる
 ・「音霊」を心身に対して活用させるには「反復」が必要
   「君が代」は、「ことのは」世界の入り口

◆「言葉」や「知識」の超えたところに「真理」がある
 ・「不立文字」「教外別伝」

◆「わがきみは ちよにやちよに さざれ いしの いはおとなりて こけのむすまで」
  (古今和歌集 詠み人知らず)
 ・「わがきみ」:宇宙の陰陽両極が融合して初めて一つの和になることの象徴
   「わ」:「和」「輪」:地球の二元性を統合する
   「が」:「我」
 ・「きみ」:「伊弉諾」(男性性)-「伊弉冉」(女性性):陰陽両極を代表
   「き」:「あ」の左回りの渦:天・陰(火)・男性・エネルギー・太陽・能動
   「み」:「わ」の右回りの渦:大地・陽(水)・女性・物質・月・受動
 ・「ちよにやちよに」:物質的世界の人から、神と一体化した霊的な人まで
   「や」:「無限性」「循環」
   「ち」:「霊」:生命エネルギー:サハスラーラチャクラ
   「よ」:「世」「代」:周期や節目
 ・「さざれいし」:「万物万象」
   「さざれ」:「三三○」:「三」は宇宙の根源を表す数字
     人が肉体・エネルギー体・霊体の三つ同時に三つの段階を経て
     自らの神性を取り戻し、神へと帰還すること
     「悟り」「解脱」は、「三三○」で表される
   「いし」:「一霊四魂」
    「一」:創造主である「神」
    「四」:この宇宙の広がり(三次元の空間+時間)
     「あ」と「いうえお」
     「空」と「風火水埴」
 ・「いはおとなりて」:宇宙の法則がエネルギーシフトして進化変容
   「あいうえお」から、「あおうえい」に
    「あ」:神・天−「お」:人・地
   「一八音鳴りて」
    「一〜七」の霊的中枢の音+「八」の宇宙意識から降りてくる音
 ・「こけ」:二元性を超えたエネルギー場と意識の状態
   「こ」(九):一から八までの二元性の世界から、次元が上昇した世界
   「け」(期):「気」
 ・「むす」:「産む」「結」
   「ム」:無限や神の言霊
   「ス」:すべての源の始まり(音の始まる響きの始まり、呼吸の始まり)

◆「五七六七七」の三十二文字の意味:「天体」と「心身」の共鳴関係
 ・一年三六五日を、定気法で十二分割すると、三十一〜三十二

◆「ハート」に内在する「愛」が、自我の覆いを消していく
 ・「愛」は、自己と他の存在の境界を消す強い力を持つ
  (「愛」の本質は「二元性」を超越したところに由来)
 ・「愛」は、本来の一つに戻るための重要な鍵
 ・「本質」は常に存在の背後にある
 ・「瞑想」すると、「ハート」のチャクラから光が放射される
 ・「思考」の中心を、「頭」から「ハート」に

◆「二元性」の世界で、すべての存在との一体感を体験するための方法論
 ・「瞑想」:魂を強化
 ・「祈り」:魂を豊かに
 ・「身の回りの万物の中に神性を意識的に見ようとする積み重ね」が重要
   「崇高な目的を持つこと」
   「神を求めるこころ」

◆「三界唯心所現」
 ・「この世界は自分の内面を映し出す鏡として存在する」
   (すべてが、自分の心の在り方に由来、
    この世界は、自分の内面を映し出す鏡)
 ・「愛」と「感謝」に満ちた「思い」「言葉」「行動」が、世界を変える
 ・「病気」も、学びが多い課題:その原因と正面から向き合うこと
   「病気」からの強力なメッセージをエネルギーレベルで受け止める

◆「本当の神は、最も身近にいる」
    :すべての「叡智」「真理」「愛」は、自分の中に内在している
 ・「内在神」の意識は、「ハート」の中枢に存在する
 ・「把手共行」(禅):私たちは決して一人ではなく、いつも内側に宿る神とともに
 ・「私たち自身に神が内在しているのですから、その叡智と愛の創造力を自らの体
   験を通して理解することが、本当の自分探し」

◆「天地照応」
 ・「大宇宙(神)」−「小宇宙(人)」
   「全体」−「部分」
 ・すべては、各存在固有の波動と周波数に収斂する
 ・「人間の生きる目的は、魂を完璧な存在"The Whole"と調和できるまでに高める
   ことにある」(エドガー・ケイシー)

◆「五大元素」のワーク:「外即内」の状態を体感する
 ・「自然」と「人間」は一体である
   「太陽の暖かさ」と「こころの温かさ」
   「大空に広がる空気」と「肺の空気」
    「母なる海の水」と「身体の水分」
   「川の水流」と「血液の流れ」
 ・「地」:聴覚・触覚・視覚・味覚・嗅覚
  「水」:聴覚・触覚・視覚・味覚
  「火」:聴覚・触覚・視覚
  「風」:聴覚・触覚
  「空」:聴覚
 ・「地」のエクササイズ:「安定感」、地球とのつながり、「集中力」
   「臍のチャクラ」を通して地と山のエネルギーと繋がる
   「足芯呼吸」:足の裏から呼吸
 ・「火」のエクササイズ:「エネルギー」「愛する力」強化、「創造力」活性化
   「太陽光」を浴びて、身体の奥底まで火のエネルギーを浸透させる
   「安定した呼吸」で「体内の火」を調節する
 ・「水」のエクササイズ:「浄化」「調和」「自由」:「霊的な力と物質」を繋ぐ
   「お風呂」「温泉」:身体の隅々まで水のエネルギーが浸透するイメージ
 ・「風」のエクササイズ:「変容」:動的に活性化する作用
   「風」に意識を集中して、「風」と一体化する
   「呼吸」を通して心身の隅々まで浸透するイメージ
 ・「空」のエクササイズ:「包括」:自由で大きな広い心
   「意識」を「無限の空」と一つにする
 
◆「あいうえお」は、神から発生した純粋波動である五大元素に相応

[下記は別書より]
 「御霊の法則」(鈴木俊輔)より
  ・言霊「ウ」・・・会陰・仙骨(ムラダーラチャクラ)
  ・言霊「オ」・・・腹部(マニプラチャクラとスワディスタナチャクラ)
  ・言霊「ア」・・・胸部(アナハタチャクラとマニプラチャクラ)
  ・言霊「エ」・・・咽喉(ヴィシュダナチャクラ)
  ・言霊「イ」・・・頭部(アジーナチャクラとサハスララチャクラ)
 「倍音セラピーCDブック」(音妃)より
  ・第1チャクラ・・・ド・・・「ウー」 
  ・第2チャクラ・・・レ・・・「ウォー」 
  ・第3チャクラ・・・ミ・・・「オー」 
  ・第4チャクラ・・・ファ・・・「アー」 
  ・第5チャクラ・・・ソ・・・「アェー」 
  ・第6チャクラ・・・ラ・・・「エー」 
  ・第7チャクラ・・・シ・・・「イー」 
  ・第8チャクラ・・・ド・・・「ホー」 

581. 「人生で起こること すべて良きこと」 田坂広志

「人生で起こること すべて良きこと」 田坂広志 PHP研究所(15/08)
                     
■書評■

 田坂広志さんの人生観についての、集大成のような書。

 副題は、「逆境を超える「こころの技法」」となっており、
具体的な方法論まで、そのメカニズムも含め説かれています。

 人生の岐路に立ったとき、「気づき」を得るための、50の言
葉が、心に浸み込んできます。

 何度も、繰り返し紐解きたい書です。

 
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■ポイント■

◆「逆境」を超える「究極の言葉」
 ・「人生で起こること、すべて良きこと」
   「人生で起こること、すべてに深い意味がある」
   「人生で出会う人、すべてに深い縁がある」
     そう思い定めると、「正対」する力が湧いてくる

◆「逆境を超える「こころの技法」」
 ・「内省を深める言葉」によって「気づき」を促し、「内省を深める技法」に
   よって「心の在り方」を変えていく技法
 ・「気づき」:自身の「体験」と共鳴することによって、「心」が大きく動くこと

◆「人生において、成功は約束されていない」
 ・「しかし、人生において、成長は約束されている」
    いかなる「逆境」も、「成長」の糧となる

◆「「逆境」とは自分の可能性を引き出してくれる
   素晴らしい「成長の機会」である」
 ・日本人の「逆境観」:イチロー、山中鹿之助
  「艱難、汝を玉にす」「願わくば、我に、七難八苦を与えたまえ」

◆「何が起こったか、それが、我々の人生を分けるのではない
  起こったことを、どう「解釈」するか、それが、我々の人生を分ける」
 ・「腹を定め、覚悟を定めたとき、心の奥底から力が湧き上がってくる」

◆「この逆境が与えられたのは、大いなる何かが、自分を育てようとしているから」
 ・「心の強さ」「生命力」「素晴らしい可能性」を引き出す「こころの技法」

◆「成功」のときに学べないのは「慢心」で目が曇るため
 ・「失敗」のときは、自然と「謙虚」な気持ちになれる
 ・「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

◆「深い自己嫌悪」は「高い理想イメージ」の現れであり、成長のエネルギーとなる
    →「とことん落ち込んでみる」

◆「人は、誰もが、自らの中に自らを癒やす素晴らしい力を持っている」

◆「小さなエゴ」は、いつも「変わりたくない!」と叫んでいる
 ・「人間、自分に本当の自信がないと、謙虚になれない」
 ・「静かに見つめる」
 ・「小我」→「大我」
   「エゴは捨てられない。「大きなエゴ」に育てていかないとならない」

◆「引き受け」をするとき、我々は「真の強さ」を身につけていく
 ・「すべては、自分に原因がある」

◆「答えは、すべて「自分」の中にある」
 ・「静かで賢明な自分」との対話:「内省日記」
  1.「感情の開示プロセス」:口にする
  2.「感覚の浮上プロセス」:自己肯定感
  3.「意味の結晶プロセス」:肯定的意図

◆「何か一つのことを言うと、全く逆のことを言いたくなる」
 ・「言葉を尽くして語り、その感情に正面から向き合い続けると、
    深いレベルでの「自己肯定感」が生まれてくる」

◆「自分を愛せない人間は、他人を愛せない」
 ・「未熟さ」「欠点」も含めて、自分を愛する

◆「他者への嫌悪感」の本質は、「自己嫌悪」である
 ・「他人」を好きになるのは、「感情」の問題ではなく「意志」の問題

◆「好きになれない人に対しては、心の中で、その人の顔や姿を思い浮かべ、
  ただ「ありがとうございます」と祈る」
 ・「姿勢を正し、呼吸を整え、心を静めて、祈る」:「心身一如」

◆「人間、自分が本当に強くないと、感謝ができない」
 ・「誰も見ていないところで、「誰かに感謝できる」のは「心の強さ」

◆「人生で起こること、すべてに深い意味がある」
 ・「その偶然の出来事」に「正対」する
    心に思い定めると、「静かで賢明な自分」が立ち現れる

◆「人生で出逢う人、すべてに深い縁がある」
 ・「出逢い」は、「奇跡の一瞬」
 ・「相手」を「一人の人間」として見る
 ・「我々は誰もが「一瞬の人生」を駆け抜けていく」

◆「心」が「言葉」を発するのではない。「発した言葉」が「心」を変える
 ・「心」と「言葉」も、「心身一如」

◆「感謝」は、すべてを癒やす
 ・「力強い言葉」→「力強い生命力」
    魂を込めて「感謝」し、弱った心を「吹き飛ばす」

◆「いま、生きている それだけで、有り難い」という覚悟:死生観
 ・「病」とは「福音」なり:「生命」のかけがえの無さ
   「与えられているもの」に対する「感謝」

◆「人間、死ぬまで「命」はある」
 ・「過去はない、未来もない、有るのは「永遠に続くいま」だけ」

◆「誰にも、明日は約束されていない」:「人間、いつ死ぬが分からない」
 ・「メメント・モリ」(死を忘れるな)
 ・「いまを、生き切る」

◆「死生観」を掴むと「使命感」が生まれる
 「使命感」を抱くと、「直観」が鋭くなる
 ・「私心」→「公心」:「小我」→「大我」
 ・「志」「使命感」を持つと、「解釈の軸」ができる

◆「使命感」とは、「大いなる何かに導かれている」という感覚
 ・「魂の強さ」(導かれている)→「運気」を引き寄せる

◆「肉親を失ってから、最も深い「対話」が始まる」
 ・「人生の生き方」についての「自問自答」
 ・「ささやかながらも、思いを込め、願いを込め、祈りを込めて「一隅を照らす」

◆「私は、いま、自分を愛することを学んでいる」
 ・"Death":"The Final Stage of Growth"

580. 「深き思索 静かな気づき」 田坂広志

「深き思索 静かな気づき」 田坂広志 PHP研究所(02/07)
                     
■書評■

 田坂広志さんの、メッセージメール「風の便り」の
第1便から第25便までを一冊にまとめたものです。

 サブタイトルは「仕事の思想」を高める25の物語。

 散文詩のような著者独特の文章構成に好感が持てます。
著者が設定する行間こそ、「奥深さ」なのでしょう。

 
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■目次■

・静寂を待つ
 「意味のあるゆらぎ」とは/直観は過たない

・こころの生態系が見えるとき
 「こころの生態系」が見えるとき/「悪い成功」と「良い失敗」

・透明な感性が予感したもの
 「透明な感性」が予感したもの/「戦略思考」の要諦

・河を知らぬ旅人
  三〇センチ幅の道/「人工」という「自然」

・繊細な無意識
  この一瞬の重み/「傷つきやすさ」という才能

・未来からの風
  永遠の一瞬/未来からの風


■ポイント■

◆「進化の未来は予測できません。システムの中のわずかな
  「ゆらぎ」が、進化の未来を決定してしまうから」
    →「意味のあるゆらぎ」を見出すためには、
     「直観力」が求められる

◆「直観は過たない。過つのは判断である」

◆「意志決定を前にして、最も大切なことは、いかなる「選
  択肢」を選ぶかではなく、いかなる「心境」で選ぶか」

◆「一晩中、素振りをし続けて、疲れ果てたときに出てくる
  フォーム。それが君にとって一番無理のない理想のフォ
  ームだよ」(張本勲)

◆「こころの生態系の重心は、自分のこころの重心が定まる
  と見えてくる」

◆「複雑なものには、こころが宿る」

◆「人間関係において、心と心がぶつかりそうになったとき
  「正対」してぶつかること」

◆「カオスの縁」(「秩序」と「混沌」の境界)が最も生命
  力を持つ」

◆「パリには、本物の絵がたくさんあるからだよ」

◆「自意識が働くと、力を発揮できなくなる」

◆「この一瞬の重み」を感じること

◆「論理」は、「知識」を得るための道具であるとともに、
 「生命」を見失ってしまう陥穽である

◆「我々はいつも、相手の共感を得たいという気持ちに支配
  され、相手に共感するこころを忘れてしまう」

◆「永遠の一瞬」「魂の邂逅」

579. 「言葉との邂逅」 田坂広志

「言葉との邂逅」 田坂広志 Kindle(14/02)
                     
■書評■

 田坂広志さんの随筆的書評です。

 著者が、これまでの人生において読書を通じて巡り会った、
心に残る言葉を、それぞれ、一冊の本、一つの言葉を取り上げ
語られています。

 短い文章の中で語られる含蓄は、いつもながら素晴らしいです。
 
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■目次■

「何も知らない子供たち。彼らはあれでいい。みじめなのは俺たちだ。」
  『きけ わだつみのこえ』 日本戦没学生記念会

「進化とは、つねに知的であり続ける宇宙が、本来的に持つ『遊び心』に他ならない。」
  『自己組織化する宇宙』 エリッヒ・ヤンツ

「我々の心は、本来、境界の無い世界に、自ら境界を作り出し、葛藤と苦しみを生み出している。」
  『無境界』 ケン・ウィルバー

「若い時には、若い心で生きて行くより無いのだ。
純な青年時代を過ごさない人は、深い老年期を持つ事も出来ないのだ。」
  『出家とその弟子』 倉田百三

「あなたは、多くの知識を持ってはいるが、心は貧しい。
そして心が貧しいほど、知識への欲求は大きくなる。」
  『クリシュナムルティの日記』 J・クリシュナムルティ

「地球幼年期の終わり −Childhood's End−」
  『地球幼年期の終わり』 アーサー・C・クラーク

「小石までが輝いて見えるのです」
  『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』 井村和清

「無数の人々とすれ違いながら、私たちは出会うことがない」
  『旅をする木』 星野道夫

「我々は、いま、ターニング・ポイントにさしかかっている」
  『ターニング・ポイント』 フリッチョフ・カプラ

「自ら恃むところ頗る厚く、賎吏に甘んずるを潔しとしなかった」
  『李陵・山月記』 中島敦

「今後百年の間に、地球上での成長は限界に達するであろう。」
  『成長の限界』 ドネラ・メドウズ デニス・メドウズ

「永遠の一瞬」
  『一木一草』 前田真三

「鋼鉄はいかに鍛えられたか」
  『鋼鉄はいかに鍛えられたか』 オストロフスキー

「もし、万一、再び絵筆をとれる時が来たなら」
  『風景との対話』 東山魁夷

「万物と自己とは、根源的には一つ」
  『心理療法序説』 河合隼雄

「無明と業は、知性に無条件に屈服するところから起こる」
  『禅と日本文化』 鈴木大拙


■ポイント■

◆「なぜ、読書をするのか」
  「読書とは、著者の魂との邂逅である」(亀井勝一郎)
  「言葉との邂逅」を求めて

◆「本来、我々の生きる世界に、境界は無かった。
  そこに、我々のエゴが、自ら境界を作り出し、その境界によって
  自己と他者を分け、そこに葛藤と苦しみを生み出した」(K. Wilber)

◆「寂しいときは、寂しがるがいい。
  運命が、お前を育てているのだよ」(親鸞)

◆「求道、これ道なり」

◆「我々は、空虚な心を満たすために、知識という権威を求める。
  そして、知識を身につけることで、心の空虚さを埋めることが
  できるとの幻想に陥る」
 「本来、我々は、それ自身で、すでに十全な存在である」
   (クリシュナムルティ)

◆「その夕刻、自分のアパートの駐車場に車をとめながら、
  私は不思議な光景を見ていました。
  世の中が輝いて見えるのです。
  スーパーに来る買い物客が輝いている。
  走り回る子どもたちが輝いている。
  犬が、垂れ始めた稲穂が、雑草が、電柱が、小石までが
  美しく輝いて見えるのです。
  アパートへ戻って見た妻もまた、
  手を合わせたいほど尊くみえたのでした」(井村和清)

◆「我々は、誰もが、必ず到来する最期の日を待つ死刑囚」
   (ショーペンハウエル)

◆「無窮の彼方へ流れゆく時を、めぐる季節で確かに感じることができる」
 「一年に一度、名残惜しく過ぎていくものに、この世で何度巡り合えるのか」
   (星野道夫)

◆「「世界をどう変えるか」を考える前に、「世界をどう見るか」
  の観点を転換すること」
 「生命論パラダイムへと、社会の価値観の転換を図っていかないと
  いけない」(フリッチョフ・カプラ)

◆「才能の開花を願う限り、才能が開花することはない。
  なぜなら、才能を開花させたいとの思いが、我々の純粋な心を曇らせて
  しまうから。そして、その心の曇りは、我々の生命力も抑え込んでしまう」
 「生命力は、いま、この日々を生きていることへの、純粋な感動と感謝を
  抱くとき、我々の奥深くから、開花し始める」

◆「クライアントは、自らの力で自身を癒やしていく。我々は、その自己治癒
  のプロセスを、粘り強く支えるだけである」(河合隼雄)
 「部下の心に正対すること。操作主義の心を持たず、無言の声を聞き届ける
  こと」
 「何もしないことに、全力を注ぐ」
 「自分の心に秩序を得たとき、世界の秩序も回復する」

◆「宗教が、宗教として語られている社会は、まだ真に成熟した社会とは
  呼べない。人々が、宗教の存在を意識しなくなったとき、宗教は、
  その本来の目的を達する」(鈴木大拙)
   1.文化への昇華 「常往坐臥禅」
   2.万教帰一  「不立文字」:「体験と直覚」
   3.権威の否定 「仏に会いては、仏を殺せ」

578. 「人は誰もが「多重人格」」 田坂広志

「人は誰もが「多重人格」」 田坂広志 光文社新書(15/05)
                     
■書評■

 田坂先生の、「才能開花の技法」についての書です。

 「多重人格」という切り口から、才能の開花について、深層意識、
エゴのマネジメント等について、深い境涯で語られています。

 技法と副題にある通り、理論だけでなく、具体的に日常で行ずる
方法についても語られている点が、好感を持てます。

 知らぬうちに、才能を抑圧してしまう「自己限定」
 そして、際限なく頭をもたげてくる「エゴ」への処し方

 著者の体験に基づく智慧に満ちた書です。

 
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■目次■

第一話  人は、誰もが「多重人格」

話術の要諦は「人格の切り替え」
「多重人格」のミュージシャンとアスリート
一流の経営者は、昔から「多重人格」
「多重人格」とは、精神の病ではない
「才能」の本質は「人格」
仕事に求められる「複数人格」の切り替え
メールの書き方で分かる「人格切り替え能力」
電話一つも「多重人格のマネジメント」の修業
企画会議のノウハウは「人格」の使い分け

第二話  「表の人格」が妨げる才能の開花

「深層意識」が萎縮させる能力
「自己限定」が抑えてしまう才能
「潜在意識」を変えられない真の理由
「無意識の言葉」の持つ怖さ
「性格診断」の真の意味
「天才」の姿が教えるもの

第三話  「隠れた人格と才能」を開花させる技法

誰の中にも「すべての人格」が潜んでいる
人格は「変える」のではなく「育てる」
誰もが持っている「リーダーシップ人格」
「師匠」とは、同じ部屋の空気を吸え
「苦手な仕事」で開花する人格と才能
イチローの「苦手の投手」
「適性検査」の落し穴
心の中に育てるべき「静かな観察者」
「匿名」の自己表現に現れる「別人格」
「他者への嫌悪」の本質は「自己嫌悪」

第四話  「豊かな人間像と人間性」を開花させる技法

「教養」という言葉の真の意味
「文学」の時代から「映画」の時代へ
「映画」から「人間像」を学ぶ技法
「人間性」が開花する三つの理由
「エゴ・マネジメント」と「静かな観察者」
「小我」から「大我」へ、そして「無我」へ
「志」や「使命感」を抱いて生きる


■ポイント■

◆「話術」の要諦は「人格の切替」
 ・ミュージシャン、アスリート、役者、経営者に必須の能力

◆「器の大きな人物」は「幾つもの人格を持つ人」
 ・「才能」の本質は「人格」
 ・「人の心に処する力」という才能
 ・「仕事のできる人」は「場面や状況に応じて、色々な人格を
   切り替えて対処できる人」
 ・「身のこなしが良い」というのは、「無意識に人格を切り替
   えられる能力」

◆「様々な人格」を育てていく
 ・「精神的基礎体力」を鍛える
   「電話」「メール」でも、細やかに人格を切り替える修行を
   「会議」の主催も人格の切り替え

◆「心のしなやかさ」は「ペルソナ」の切り替え力
 ・「ペルソナ」の硬さが、才能の開花を抑圧する

◆「才能の抑圧」は「深層意識」の世界で起こる
 ・「深層意識」の世界に、恐怖心・不安感が入ると、能力を萎縮させる
 ・「自己限定」の意識が無いか見つめること
 ・「自分の中」に「多様な才能」が眠っていることを信頼すること
 ・「深層意識」の世界は、「天邪鬼」(「表層」と反対の想念が入り込む)

◆「無意識の言葉」の持つ怖さ(「自己限定」)
 ・「言葉」は、世界を分節化してしまう
 ・「世界」を二つに分けてしまう「心の機微」
 ・「誇り高き「技術屋」」の「自己限定」の深層意識
   「表層」で肯定すると、「深層」で否定する心の動き
 ・「硬いペルソナ」の陰に隠れた「様々な人格」に気づき、受け入れる

◆「マネジメント」に「多重人格」が必要な理由
 ・「矛盾」の処するために不可欠
 ・「深み」「人間としての奥行き」:「思想」を実際に生きること
   「生きた思想」

◆「多重人格のマネジメント」は「深層意識のマネジメント」
 ・「様々な人格」の開花を妨げている「深層意識」に働きかける技法
 ・「多重人格」は、「多様な才能」の可能性

◆「人格」は「変える」のではなく「育てる」
 ・「自分の中には、すべての人格が隠れている」と思い定める
 ・「新たな人格」を育てていく
 ・「ある人格」を心込めて「演じて」いく(Fake it)

◆「表層人格」を開花させる技法
 1.今の仕事に「どのような人格」で取り組んでいるのか、自己観察する
    自分でも気がついていない「人格と才能」は育てようがない
 2.仕事以外の世界で「どのような人格」を表しているか、自己観察する
    「人格」を抑圧してしまう「自意識」
    「不器用さ」とは、「精神的基礎体力」の欠如
 3.仕事ができる人が、どのように「人格」を切り替えているか、観察する
    「かばん持ち」「同じ空気を吸う」
 4.仕事にて、意識して「人格」を切り替えてみる
    「自己限定」せずに、「隠れた人格」を育てていく

◆「深層人格」を開花させる技法
 1.優れた「師匠」から、「人格」を学ぶ
   「状況・立場」が引き出す「リーダーシップ人格」
   「守破離」:「似てくる」→「内的融合」→「個性に突き抜ける」
   「個性」とは「強大な個性」との格闘を通じて磨き出されてくる
 2.自分の中の「隠れた人格」が開花する仕事を選ぶ
   「苦手な仕事」:「自分の性格に向いていない仕事」
   「不遇の時代」という絶好機
   「希望していない職場」への異動があるから良い
   「自分の可能性を引き出してくれる素晴らしい機会」
   「適材適所」「長所を伸ばす」という言葉の怖さ:「自己限定」
 3.日常とは違う場で表れる「日常とは違う人格」を体験する
   「経験」を、心の中で振り返り、深く見つめ、反省すると「体験」に
   「場」を体験するのではなく、「人格」を体験する
   「自分を見つめている自分」という「もう一つの自分」が現れる
    「成熟」を感じさせる人物の条件:「静かな観察者」が心の中に
      →「静寂感」「香り」「エゴも観察できる」
   「ネット人格」「詩の人格」:「意外な人格」の発見
   「なぜか惹かれる」「なぜか心に残る」感覚を大切に:「深層人格」の声

◆「抑圧人格」が生まれてくる原因
 1.「社会的な倫理や禁忌」
 2.「過去の経験のトラウマ(心的外傷)」
 3.「他者に対する嫌悪」
    「他者への嫌悪の本質は、自己嫌悪」
    「自分を愛せない人間は、他人を愛せない」

◆「豊かな人間像」を開花させる技法
 1.「リベラル・アーツ」(教養)を身につける
    「文学」「映画」:「感情移入」して観る
    「共感」:「可能的自我」
    「極限」で現れる不思議な人格

◆「多重人格」で「豊かな人間性」が開花する理由
 1.「相手を理解し、相手の気持ちが分かるようになる」
 2.「相手の状況や心境に合わせて、適切な人格で対処できる」
    「対機説法」
 3.「静かな観察者」が生まれてくる
    「エゴ・マネジメント」
     (見栄・虚栄心・不信感・猜疑心・嫌悪感、嫉み、恨み・・・)
    「エゴ」を育てる:「小さなエゴ」(小我)から「大きなエゴ」(大我)へ
     (自利は利他なり、利他は自利なり):他人の幸せが自分の幸せ
    「大我」は「無我」に似たり
     「志」「使命感」を抱いて生きる(人間という存在の素晴らしい可能性)

577. 「パナソニック人事抗争史」 岩瀬達哉

「パナソニック人事抗争史」 岩瀬達哉 講談社(15/03)
                     
■書評■

 プラズマ事業撤退で、巨額の損失を計上したパナソニック。

 事業環境の変化もさることながら、内側の崩壊の実情を暴露する
衝撃的な書です。

 トップ次第で、大松下がここまで落ちてしまうという「他山の石」
となります。

 この手の話は、大なり小なり、企業には起こりますが、その損失
は、業績だけではなく、従業員の不幸を招きます。

 心して経営にあたるための、指南書になります。

 
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■目次■

1.カリスマ経営者の遺言
2.会長と社長の対立
3.かくて人事はねじ曲げられた
4.潰されたビジネスプラン
5.そして忠臣はいなくなった
6.人事はこんなに難しい


■ポイント■

◆年表
 ・1973年 松下幸之助が、会長から相談役に
 ・1977年 22人抜きで、山下俊彦が3代目社長に(松下正治が会長に)
 ・1980年 「山の上ホテル事件」→幸之助が、正治・山下を見限る
 ・1986年 4代目社長に谷井昭雄が就任(山下から幸之助の遺言を申し送り)
 ・1989年 松下幸之助逝去
 ・1990年 MCA買収
 ・1991年 谷井社長が、松下正治に引退勧告(会長vs社長の確執表面化)
      ナショナルリース事件
 ・1992年 松下冷機の欠陥冷蔵庫事件
 ・1993年 5代目社長に森下洋一が就任(谷井憎しで正治が子飼いを)
 ・1995年 MCAをシーグラムに売却、ブラウン管化を提唱(谷井路線の否定)
 ・1996年 松下正幸が副社長に 山下俊彦が批判
 ・2000年 6代目社長に中村邦夫が就任(森下崇拝で恐怖政治継続)
 ・2001年 「破壊と創造」で大リストラ、プラズマ戦略へ
 ・2006年 7代目社長に大坪文雄が就任(中村の傀儡)
 ・2007年 プラズマ増産投資(尼崎第三工場)
 ・2008年 松下電器から、パナソニックに
 ・2012年 8代目社長に津賀一宏が就任
   その一ヶ月後に松下正治が逝去
 ・2014年 プラズマ事業を完全撤退

◆寸評
 ・華族出身でプライドが高く権力亡者の松下正治
 ・手堅いが正治切りの幸之助遺言を先送りした山下俊彦
 ・MCA買収など松下新時代の布石をしっかりと打ちながらも、KYで道半ばで挫折させられた谷井昭雄
 ・営業しか知らず、経営才覚なく、松下崩壊の直接の責任を負うべき森下洋一
 ・世間的な辣腕経営者評とは裏腹な、「プロのサラリーマン」に過ぎず、傷を拡げただけの中村邦夫
 ・リストラ以外になすすべの無かった傀儡、大坪文雄
 ・現時点で大組織の命運を託された津賀一宏

 

576. 「無境界」 ケン・ウィルバー

「無境界」 ケン・ウィルバー 平河出版社(86/06)
   "No Boundary" by Ken Wilber
                     
■書評■

 トランスパーソナル心理学の大家で、インテグラル理論を提唱された
ケン・ウィルバーの、一般読者向けの書です。

 世界に現れた各種の思考、宗教、心理療法の根源を位置付けて、整理・
統合してくれます。

 わたしは誰か?という質問に対する答えは、自己と非自己の間に「境界
線」を引く手順から生じます。

 そして、その「境界線」は移行し、至高のアイディンティティの体験で
は、自分のアイディンティティの境界が全宇宙まで拡大していきます。

 それらの移行段階を、「仮面」と「影」のレベル、「自我」のレベル、
「超自我」のレベルという、「意識のスペクトル」で表現されたところに
素晴らしさを感じます。それも、1977年に。

 「今を生きる」ということの理論体系としても説得力があります。

 
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無境界



■目次■

1.序論:わたしは誰か?
2.一半
3.無境界の領域
4.無境界の自覚
5.無境界の瞬間
6.諸境界の成長
7.仮面のレベル/発見のはじまり
8.ケンタロウスのレベル
9.超越的自己
10.究極の意識の状態


■ポイント■

◆「境界」の発生:「アイデンティティ」の副産物
 ・「わたしは誰か?」という自己アイデンティティは、その「境界」
  をどこに設けるかにかかっている(「自己」か「非自己」か)
 ・我々の生活が、さまざまな「境界」を設けるプロセス
   欲求、教育、決断、成長・・・
 ・「境界線」は「戦線」になる可能性を秘めている(よそ者は敵)
   「二元論」:「対立」「葛藤」
 ・「境界線」は引き直すことができる
   「成長」とは、「境界」の成長(再配分、再区分、再製図)
 ・「自然」には、元々「境界」はない
   「戦い」を解決するのではなく、消し去る

◆「意識のスペクトル」:アイデンティティの諸レベル
 ・「仮面(ペルソナ)」/「影(シャドー)」
 ・「自我」/「身体」
 ・「全有機体(ケンタロウス)」/「環境」
 ・「統一意識」(Unity Consciousness)

◆「言葉」は「両刃の剣」
 ・「世界の分節化」:「対立」の創造(アダムから)
    何かに価値を見出せば見出すほど(執着)、その喪失が怖くなる
    「快楽/苦痛」「善/悪」「成功/失敗」「生/死」
 ・「進歩」とは、否定的なものから離れ、肯定的なものに向かうこと
    対立の一半を根絶やしにすることを求めてしまう
    「進歩」と「不幸」はコインの裏表
    「肯定」は「否定」に基づいてのみ定義される
 ・「すべての対立は互いが同一である」(相互依存)
    「売買」は不可分

◆「対立」は「同一」
 ・「是非に違いはあるのだろうか。
   善悪に違いはあるのだろうか。
   他人が恐れることを恐れる必要はあるのだろうか。無意味なことだ
   有無は共に生じ、
   難易は互いを前提として成立し、
   長短は互いを引き立てる、
   高低は相対的であり、
   前後は互いにあい従う」(老子)
 ・「究極のリアリティとは「対立の統一」」(ベルタランフィー)
   「リアリティ」は「無境界」
 ・「究極的要素は本質的に「振動」である」(ホワイトヘッド)
   「原因と結果」「過去と未来」「主体と客体」は、「波」の「峰と谷」
    (不可分なもの)
   「苦痛のない快楽」「死のない生」「悪のない善」は「幻想」
    「問題の根源」は「幻の境界」

◆「線」と「境界」は異なる
 ・「区分線」は、区別すると同時に結合するもの
 ・「境界」は「幻想」(外面的違いを認め、内面的一体性を無視した時)
   「快楽」と「苦痛」を区別することはいいが、分離すると問題
   「一つの世界」から「二つの世界」を創り出してしまう
   「何かを支配するために「境界」を確立してしまうと、同時に、
    自らが支配しようとしているものから自分自身を切り離してしまう」

◆「境界」のレベルの歴史的変遷
 ・「第一タイプ」:「命名」:「種類」(モノ)を生む:アダム
 ・「第二タイプ」:「数」:「モノ」を超越(メタ境界):ピタゴラス
    →「二元論」へ
 ・「第三タイプ」:「変数」:「数」を超越(超メタ境界):ニュートン
      ↓
 ・「量子革命」:すべては「無境界」である:ハイゼンベルグ
   「分離したモノ」を支配できたが、「分離したモノ」など存在しなかった
   「宇宙の縫い目のない衣」(ホワイトヘッド)
   「世界のあらゆる実体は、他のあらゆる実体と相互に浸透しあっている」
    (現代科学と東洋哲学(タオイズム)の類似性)
   「リアリティ」には「思考」も「モノ」もない(「空」の教義)
     "Think"と"Thing"は存在しない

◆「無境界の自覚」
 ・「無境界」とは「非言語的自覚」
   「言葉」「シンボル」「思考」は、それ自体が「境界」である
 ・「原初の境界」は、「自己/非自己」の「境界」
   「知る主体」と「知られる客体」、「有機体としての私」と「環境」
 ・「幻想」を根絶することはできない
   「幻想」そのものを理解し、看破するしかできない
 ・「体験と感覚から切り離された自己」を探る
   「自らを個別の自己とする感覚」
 ・「内側の自己」という感覚と、「外の世界」という感覚は、一つの同じ感覚
   「体験者」と「体験の世界」のあいだには分裂は存在しない
 ・「見る人」「見ること」「見られるもの」は、一つのプロセスの三つの側面

◆「体験」・「感覚」=「自己」
 ・「寺の鐘を聞いた時、突然そこには鐘もなく、わたしもなく、響きだけが残っていた」
   「見る人」は見られない
   「見ている」という単一の体験だけがある
 ・「あるのは単に体験だけである。体験を体験しているものなどありはしない」
   「世界と切り離されたところに分離した自己はない」
 ・「現在の状態はつねに統一意識である」
   「今この瞬間に、すでに宇宙であり、現在の体験の全体性にほかならない」
 ・「あるのは苦しみのみ、苦しむ人はいない
   行為はあっても、その行為者はいない
   道はあっても、それを旅する者はいない」(仏陀)
   「自己が全一であることに気づくと、自分自身の外に苦しみを与えることの
    できるものは存在しなくなる」

◆「真の自己」:「無境界の真の世界のシンボル」=「神」「空」「Fairy Brain」
 ・「部分」などない、「全体」しかない
   「部分というものが幻想であることに気づくと、苦しみから解放される。
    苦しむべき分離した自己などないからだ」
   「全体を悟るということは、部分に過ぎない苦痛と死の運命を逃れること」
 ・「神の王国は内にあり」
   「内なる目撃者」「絶対的主観性」「深奥の本性」「Fairy Brain」
    わたしは、「頭」「身体」「思考」「欲求」ではない

◆「実践の知」
 ・「言語」は「境界」そのもの
   「いかなる言語構造も、統一意識の性質を把握することができない」
 ・「それを体験できるような道を指し示すこと」しかできない
   「体験」して「考えずに観る」こと(ヴィトゲンシュタイン)
 ・「奥深い内側」を絶えることなく注意深く観ていくと「外側」を見出す
   「内」と「外」、「主体」と「客体」は一つである
   「もっとも深い意識の座における転回」

◆「永遠のいま」:「現在の瞬間」に完全に没頭
 ・「永遠の瞬間」とは「時のない瞬間」
   「過去」も「未来」も、「誕生」も「死」もない瞬間
   「永遠の生は現在に住む人々の手のうちにある」(ヴィトゲンシュタイン)
   「現在」こそが唯一の「リアリティ」
 ・「時間」のなかの「生」:「悩み」とは常に「過去」と「未来」に関したもの
   「時間」という拷問の鎖と、「記憶」と「期待」という空想
 ・「時間を超えた現在の中で生きること」:「瞬間の息子」
   「問題」はすべて、強烈な「時間感覚とその束縛」によって生み出される
 ・「時間」から抜け出すために、「時間」を使うことはできない
   「直接的な自覚の中には、過去も未来もない」
   「Do」から「Be」へ
 ・「過去」は「現在」の中でのみ、知られる
   「過去の記憶」は、「現在の体験」としてのみ存在する
   「わたしが、現実の過去を直接自覚することはない」
 ・「過ぎ去る現在」(今の流れ)から「永遠の現在」(今の姿勢)へ
   「過去(記憶)」−「過ぎ去る現在」−「未来(予期)」→「永遠の現在」
 ・「永遠の現在」=「統一意識」
   「内なる小さな人間」(個別の自己)は、すべて記憶によって構成されている
   「現在」は「あらゆる時間が存在する瞬間」(ダンテ)
 ・「あらゆる記憶」が「現在の体験」
   「記憶」に過ぎない「自己」は、もう一つの「現在の体験」となる
   「時のない現在」以外、いるべきところはない

◆「原初の境界」:「自らの有機体」と同一化(「アイデンティティ」自覚の罠)
 ・「有機体」対「環境」
   「内なるわたし」と「外の世界」との戦い
 ・「「死」の恐怖」が、強烈な「時間感覚」を生む
   「時間」とは一つの幻想を押しのけるためのもう一つの幻想
    「死」の恐怖が未来を探求し、未来に手を伸ばし、未来に向かって進む原因
    「我々は未来を要求し、個々の瞬間を期待と未完了のうちに生きる」
    「想像上の未来へと駆け抜けることによって、死を回避するふりをする」
    「死から守るために、現在の何かを、過去と未来によって境界づける」
   「あらゆる瞬間は最後の瞬間であり、あらゆる瞬間は再生である」(一遍)
 ・「時間」を超えた「現在」に生きる
   「死」を受け入れるということは未来をもたず、何の不安もなく生きること

◆「ケンタロウス」:「心」と「身体」が統合された状態
 ・「自我」「自己イメージ」「心理的人格」等、抽象的な部分だけに同一化
   「身体」は、騎手に操られ、監督される馬の役割に格下げ
 ・「心/身体」の分離は、「死」からの逃亡から起こる
   「無常の身体」と「静的な不死性の欲求」(自我という知的抽象)

◆「仮面(ペルソナ)」と「影(シャドー)」:発見の始まり
 ・「タブー視された思い」(行動するとまずい思い等)を、非自己側に追いやる
   「外」のものは、すべて自分自身の「投影」となる
 ・「人生に対する不満」が、「発見」への胎動となる
   「人生の不満には、社会的覆いの下に埋もれているある特殊な知性の萌芽が
    秘められている」
 ・「苦しみ」は最初の恩寵:「知的洞察」が出現しつつある
   「苦しみは、リアリティに対する作り話の自己満足を打ち砕き、我々を蘇らせる」
 ・「影」の「投影」メカニズム
   「自らの動因」を、「外部の動因」(圧力)として体験する
   「動因」が無ければ「圧力」も無い
   「圧力」を受けたら、それを「自覚されない自分の動因」と気づけるかどうか
 ・「魔女狩り」:「投影」がもたらす惨事
   「認めることを嫌悪している自分自身の側面を思い出させるから襲ってしまう」
 ・「受容」と「変換」:「症状」を受け入れ、「サイン」を感じる
   「義務感」→「欲求」、「不安」→「興奮」、「悲しみ」→「怒り」
   「引っ込み思案」→「そばに来るな」、「ねたみ」→「自負心」

◆「ケンタロウスのレベル」:「随意」対「不随意」→「全体性」
 ・「肉体の痛み」に対し、身体を無感覚にして凍結し、その脆弱さを抑える
   「感覚の欠如」は、感じられなくなる
   「感覚」を概念化する傾向に注意
 ・「筋肉ブロック(抵抗)」の発見
   「マインドフルネス」+「完全呼吸」
   「否定された敵意」は、「恐怖」として自覚にのぼってくる
 ・「ブロック」を生み出しているものに心を寄せて「増幅」してみる(意識化)
   「感情の放出」を受け入れる
 ・「身体の不随意性」を自分と感じることができること
   「自分は不随意と随意のプロセスを生み出している深い源」
   「エネルギーとは永遠の喜びであり、それは身体からやってくる」
   「ケンタロウスは、常に今の流れの中に住んでいる」
   「随意と不随意の両者を結ぶ内発性」:意志の働きの背後にあるもの
 ・「すること」が減り、「在ること」が増える意味
   「呼気」のたびに無条件に死を明け渡し、「吸気」のたびに再生する

◆「超越的自己」:自らの内に存在する一つの自覚
 ・「ユングの集合的無意識」:「神話的アプローチ」
   「全人類の集合的なモチーフ(イデア)」(神話は境界を超越する)
   「潜在意識に対して自らを開き、その自覚を顕在世界に持ち込み、
    はるかに深い源ともう一度繋がることにより、存在を再活性化する」
 ・「脱自己同一化」:メタポジション(没我、センタリング)での目
   「超個的目撃者」:「内なる力の静寂な源」(執着せずただ眺める)
    「私は一つの身体を持っている。だが、私は自分の身体ではない。
     私は欲求を持っている。だが、私は自分の欲求ではない。
     私は感情を持っている。だが、私は自分の感情ではない。
     私は思考を持っている。だが、私は自分の思考ではない」
    「自らが知っていることは何であれ、自らの本性ではありえない」
    「無知とは見者と見る手段の同一化である」
    「私は、心と体と感情も持っている。だが、私は心と体と感情ではない」
 ・「選択の無い自覚」
   「行うべきことは何もない」(操作しようとしない)
   「苦悩から逃れようとすると、苦悩は永続化してしまう」(執着)
   「完璧な人は自らの心を一つの鏡とする、それは何ものもつかまず、
    何ものも拒絶せず、受け止めはするが、保とうとはしない」(荘子)
   「自分の心身に対する関係性が、他のあらゆる対象に対する関係性と同等に」
 ・「境界との戦い」を無くする:「調和」的に機能するように
   「仮面」の存在が悪いのではなく、それが唯一の自己になることが問題
   「仮面」が「本質」ではなく、「手段」となり、選択していけばいい
   「心身」に縛られておらず、「心身」を自由を奪う監獄と見なくなる
 ・「超個的直観」:「全体」=「個」、「超越的自己」=「神」
   「転生」するのは、「自我」「心」ではなく、「超越的自己」(不死性)
   「死ぬまでに死ねば、死ぬときに死にはしない」
   「無常」の世界の中で、「本質」である「深い自己性の感覚」
   「見ることができるもの」は「見る者」ではありえない
   「束縛」とは、「見る者」と「対象」との間違った「同一化」
   「束縛」→「解放」、「恍惚」→「めざめ」、「時」→「永遠」

◆「究極の意識の状態」:「統一意識」:全包括的、真の本性
 ・「統一意識」に到達する道はない
   「すでにあるもの」に到達する道はない
   「道」も無ければ、「成就」もない
   「衆生近きを知らずして、遠くを求むるむなしさよ 
     例えば水の中に居て、渇を叫ぶがごとくなり」(禅士)
   「真実は近くにある。それを探し求める必要はない。真実を求めるものは
     絶対にそれを見出すことができないであろう」(クリシュナムルティ)
   「我々の探求の鍵となるのは、この「現在の体験」であるにもかかわらず、
     我々は常に「現在の体験」から立ち去ろうとしている」(エックハルト)
 ・「統一意識」には「境界」がない
   「統一意識」は特定の「波」ではなく「水」そのもの
    「水」は、あらゆる「波」に同等に存在している
   「統一意識」の追求は、「水」を求めて体験の「波」を渡り歩くもの
   「統一意識」は「あるがままの現在のあらゆる体験の波」
 ・「統一意識」には「時間」がない
 ・「本証妙修」:「本来の悟りは霊妙な修行である」(行うことすべて修行)
   「修行」が「統一意識」へと導いてくれるわけではない
   「修行」は最初から、「統一意識」である(「修行」そのものがゴール)
   「坐るときに存在する心の状態それ自体が悟り」
   「私たちの中には、すでに仏性、本証がある」
   「修行」は、仏性を「獲得」するためでなく、「表現」するために行う
 ・「抵抗」の理解こそが、悟りへの究極の鍵
   「現在の体験の波」に抵抗する=「統一意識」と戦っている
     この「抵抗感」を探求することが重要
     「仮面」→「自我」:自由連想、プローブ
     「自我」→「実存」:「いまここ」の自覚(マインドフルネス) 
     「実存」→「タオ」;「原初の抵抗」の自覚
 ・「原初の抵抗」:現在の活動そのもの
   「いま、あらゆるものをあるがままに見ることに対する総体的ためらい」
     (いま現在、自分が見ようとしていないものがある)
   「永遠の現在」に対する「抵抗」
   「統一意識」を求める=「現在」から立ち去る=「時間」の創造
    「総体的現在」をまるごと受容する
   「行動」はすべて間違っていたのは、自分がそれを行っていたから
    「自分の自己」は「抵抗」→「抵抗」をすべて明け渡すこと
 ・「抵抗」の明け渡し:統一意識の開示、無境界の自覚の実現
   「手にする」ことができないのは、本人がそれを求めているから
   「一切何もできないこと」を看破したとき、自然に起こってくる
     統一意識はすでにあるから
   「ただ一つあらゆるところにいきわたる抵抗感しか存在しなくなる」
     自分がその抵抗感
   「いま」以外の時は、かつて存在したこともなければ、これからも存在することもない

  

575. 「巨象も踊る」 ルイス・ガースナー

「巨象も踊る」 ルイス・ガースナー 日本経済新聞社(02/12)
  "Who says elephants can't dance?" by Louis V. Gerstner
                     
■書評■

 マッキンゼー、アメリカン・エキスプレス、RJRナビスコCEOを経て、
瀕死状態にあったIBMを復活させた、ルイス・ガースナーの経営ノウハ
ウが散りばめられた書です。

 中核事業の売り上げ減少、厳しい財務状態、社内にはびこる官僚主
義・・・

 眼前に山積みされた問題に対し、「事実把握」「戦略策定」「徹底実
行」で、最終的に社員数10万人増加、株価800%上昇に繋げ、情報技術サ
ービス他、さまざまな分野で世界一に返り咲かせました。

 その後、「倒れゆく巨象」(ロバート・クリンジリー)が発刊される
等、再び、IBMは凋落しつつあります。

 久しぶりに再読すると、新たな気づきがありましたが、経営の難しさ
を改めて感じました。

 
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巨象...

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著者:ルイス・ガースナー
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■目次■

I部 掌握
1.誘い
2.発表
3.消火栓から水を飲む
4.現場へ
5.強く抱きしめる作戦
6.止血する、そしてビジョンは封印する
7.経営チームを作る
8.世界的企業を作る
9.ブランドを再生する
10.報酬哲学を見直す
11.ふたたび海岸で

II部 戦略
12.IBM小史
13.大きな賭
14.サービス−統合の鍵
15.世界最大のソフトウエア事業を再構築する
16.店を開く
17.スタックを分解して、事業の的を絞る
18.eビジネスの台頭
19.戦略についての回顧

III部 企業文化
20.企業文化
21.裏返しの世界
22.原則による指導

IV部 教訓
23.絞り込み−自分のビジネスを知り、愛しているか
24.実行−戦略には限界がある
25.顔が見える指導
26.巨象は踊れないとだれにも言わせない

V部 個人的な意見
27.情報技術産業
28.制度
29.動きを見守る人たち
30.企業と社会
31.IBMよさらば



■ポイント■

 ◆「事実把握」「戦略策定」「実行」を「迅速に」行う
 ◆「戦略策定」は、過去に囚われず、白紙の状態から絞り込む
   キーワードは、「顧客、市場志向」
 ◆やらねばならない辛いことは、小出しにせず迅速に実行
   隠し立てせず、全員に説明を
 
■エッセンス■ 

◆「事実把握」:現場に出向く、個人面談(Face to Face)
 ・自社の状況把握
 ・市場・顧客・競合情報から、自社の競争優位に関する分析
   大口顧客訪問

◆「戦略策定」:白紙(過去の成功も失敗も関係なし)から「絞り込み」
 ・「絞り込み」が重要
 ・「顧客・市場志向」「強力なマーケッティング」「品質最重視」
 ・「価格戦略」← 顧客セグメンテーション、競合状態、自社のSWOT
    コスト構造と販売戦略がすべて
 
◆「実行」:迅速に 
 ・やらねばならない辛いことは迅速に実行、全員に説明(危機感の共有)
   小出しにしない、隠し立てしない、一貫した考え
 ・自ら「動く」(率先垂範)
 ・評価は、顧客満足度と株価
 ・「世界クラスのプロセス」「戦略の明確化」「企業文化」が重要
   価値観(Value)と熱意(Commitment)

◆「企業文化」(Culture)の変革
 ・内(社内)から外(顧客)へ、個人からチームへ
   敵は「中」ではなく「外」
 ・Vision の明確化(将来についての説得力あるVision)
 ・情熱(Passion)で、「勝利」「実行」「チーム」
 
◆「経営者」:ビジネスへの情熱(Passion)、変革者
 ・焦点の絞り込み:「本業」(基幹事業)を大切に
 ・実行:戦略を行動計画に翻訳し、その結果を評価する(目標管理)
 ・顔の見えるリーダーシップ:意思と深い関与(Commitment)、対話
  ・目標設定−結果の測定−責任の明確化
  ・エネルギー、動機付け、コミュニケーション能力、決断力
  ・誠実さ、公平さ 私情を挟まない
 
◆「Vision」と「戦略」を区別
 ・「Vision」:志(目指すイメージ)
 ・「戦略」:道筋(細かいデータの裏付けあるもの)

◆「権限委譲」と「統制」のバランス
 ・大企業は「大きい」ことがメリット
   共有すべき活動と、分散すべき活動のバランス

◆Tips
 ・約束は控えめに、行動は多めに
 ・腹心を採用する
 ・最初3ヶ月はおとなしく
 
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