"かぎろひ" 「本」のページ

ビジネス書を中心とした「おすすめ本」の書評を発信していきます

664. 「全体主義の起原」 ハンナ・アーレント 仲正昌樹

「全体主義の起原」 ハンナ・アーレント 仲正昌樹 NHK(17/08)

■書評■

 ナチス・ドイツによるユダヤ人問題の「最終解決」。それはある時期の
ある地域に特有の問題だったのだろうか。

 ナチスの迫害を逃れた一人のユダヤ系ドイツ人、アーレントの「全体主
義の起原」「エルサレムのアイヒマン」を基に、「人間にとって悪とは何
か」「悪を避けるために私たちはどうすべきか」を考える書です。


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全体主義の起原 不安が求める強い「しるべ」 (NHKテキスト 100分de名著 2017年9月) [ ハンナ・アーレント ]

■目次■

1.「異分子排除のメカニズム」
    同質性を求めると、何かを排除するメカニズムが働く
2.「帝国主義」が生んだ「人種思想」
3.「世界観」が大衆を動員する
4.「悪」は「陳腐」である


■ポイント■

◆「社会の中で拠り所を失った「大衆」のメンタリティ」
 ・「現実世界の不安に耐えられなくなった大衆が「安住できる世界観」を
   求め、吸い寄せられていく過程」が、「全体主義」の起原
 ・「極度の不安」は、明快で強いイデオロギーを受けやすいメンタリティ
   を生む

◆「近代的な「国民国家」は、スケープゴートを必要としていた」
 ・「国家の求心力」を高めるための「異分子排除のメカニズム」が働いた
 ・「ナポレオン戦争」によって芽生えた「国民」意識
 ・「ドイツ国民に告ぐ」(フィヒテ)
 ・「国民」:「住民全体の在り方としての同質性」が重視される

◆「ユダヤ人による「世界征服」陰謀説」
 ・「自分たちの中に潜む「敵」を探し出し、それを排除することで同質性
   の純度を高め、求心力を保とうとする力」
 ・「パナマ運河疑獄」(1880年)−「ドレフェス事件」(1894年:フランス)
 ・「シオンの賢者たちの議定書」(1903年:ロシア)
 ・「自分たちは悪くない」と考えたい人間の心理

◆「帝国主義」の罪過は、「人種」思想と「民族」ナショナリズム
 ・「国民国家」が、「帝国化」を推し進める「拡張」のエンジンに
   「植民地」:「仲間」にできない被支配地の人を治める圧政
 ・「アフリカ争奪戦」:「危機意識」から「人種」思想へ
   「宗主国」としてのアイデンティティ、帰属意識高揚

◆「民族的ナショナリズム」は、「血」という虚構に立脚
 ・「汎ゲルマン主義」「汎スラブ主義」
 ・「第一次世界大戦」での敗戦

◆「無国籍者」:ロシア革命、第一次世界大戦の混乱で発生
 ・「人間」でありながら、「人権」を持たない人々
 ・「法」による支配を追求してきた「国民国家」の限界が、
   国家の「外」に現れたのが「無国籍者」の問題
   国家の「内」に現れて、統治形態を変質させていくのが「全体主義」

◆「他者」との対比を通して強化される「同一性」の論理が「国民国家」
を形成し、それをベースとした「資本主義」の発達が版図拡大の「帝国主
義」政策につながり、その先に生まれたのが「全体主義」
 

◆「全体主義」のキーワードは「大衆」「世界観」「運動」「人格」
 ・「全体主義運動」は「大衆運動」(大衆のアトム化)
   「階級社会」が無くなった代償
 ・「不安と極度の緊張に晒された大衆が求めたのは、厳しい現実を忘れ
   させ、安心してすがることのできる「世界観」
   「虚構の世界」への逃避、根無し草の大衆が想像力により自己確立
 ・「自動運動」化した全体主義:「秘密結社」的ヒエラルキーの導入
   「内部でヒエラルキー的な段階付け」のしくみ
   「大衆の心」を組織の中枢へと引き寄せ、絶えず動かすしくみ
   「組織の二重構造化」:不安定なまま、組織の求心力を維持するため
 ・「人間」から「人格」を奪った強制収容所
   「命」を奪うのではなく、「存在」を抹消した
   「ドイツ人からも、道徳的「人格」を奪った」

◆「悪」の「陳腐さ」(banal)「ありふれた」
 ・「自分の義務を行い、命令に従い、法にも従っていた」
 ・「自分たち」と「悪」との圧倒的な「違い」を探してしまう

◆「複数性」に耐えること:他人の視点で見ること
 ・「全体主義」は絶対的な「悪」を設定し、「複数性」を破壊し、
   人間から「考える」という営みを奪う(無思想性)
 ・「分かりやすさ」に慣れてしまわない
   「深く考えなくても、分かった気になりたがる」

663. 「逆説の世界史2」 井沢元彦

「逆説の世界史2」 井沢元彦 小学館(16/06)

■書評■

 「逆説の日本史」の井沢元彦さんの「世界史」版第二弾。

 第二巻は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という「一神教」の
歴史と、世界史の中での役割についての論考。

 キリスト教徒約21億人、イスラム教徒約12億人、つまり全人類の1/2
が一神教の信者であるが、彼らはなぜ憎しみあい、平和共存することが
できないのか。

 それぞれの「神」の誕生と「聖典」の成立にかかわる謎を解明しなが
ら、現代まで続く民族・宗教の対立の深層に迫っています。

 ただ、「逆説の世界史」というタイトルには、若干違和感ありです。

 「世界史」ということで、あまりに主観を入れて記載すると、誤解を
招くからかもしれませんが。

 今後、どういう展開で続いていくのか楽しみにしています。

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逆説の世界史(2) 一神教のタブーと民族差別 [ 井沢元彦 ]

■目次■

序章 一神教の起源
     地球人によって創られたという「仮説」

第1章 ユダヤ教と『旧約聖書』の謎
     絶対神ヤハウェが預言者モーセに示した「約束の地」
  第1話 ユダヤ民族が体験した二大奇蹟
  第2話 聖地エルサレムをめぐるローマ帝国との攻防

第2章 キリスト教と『新約聖書』の謎
     「神の子」として誕生したイエス・キリストの大矛盾
  第1話 民主主義社会における「平等化推進体」
  第2話 『新約聖書』で読み解くイエスの生涯とその復活

第3章 イスラム教と『コーラン』の謎
     アッラーの「最後の預言者」と後継者の正統性
  第1話 メッカで布教を開始した使徒ムハンマドと聖戦
  第2話 誰がムスリムのリーダーを務めるのか

第4章 十字軍遠征と聖地エルサレム
     キリスト教vsイスラム教「連鎖する憎悪」の原点

第5章 オスマン帝国の崩壊と中東戦争
     イスラム教社会の衰退を招いた最大の要因
  第1話 近代資本主義社会の成立を阻むもの
  第2話 中東平和をこじらせる最大の障害


■ポイント■

◆「ユダヤ民族差別を生んだ根源は『マタイによる福音書』」
 ・イエスの処刑について「その血の責任は我々と子孫にある」
 ・「パッション」

◆「ローマ・カトリック教会がタブー視するキリスト教の大矛盾」
 ・「三位一体説」

◆「ダンテの『神曲』がイスラム教社会で「禁書」となる理由」
 ・「相互に相容れない記述」

◆「シーア派とスンニー派の抗争とムハンマドの血脈」
 ・「政教分離の難しさ」

◆「十字軍遠征がもたらした憎悪の連鎖」
 ・「人間の欲と建前の混合」

◆「最大最強だったオスマン帝国が衰退した要因」
 ・「資本主義がイスラム社会で根付かない根拠」
 ・「ベニスの商人」と「金融」に対する罪悪感

662. 「安南王国の夢」 牧久

「安南王国の夢」 牧久 ウェッジ(12/02)
   〜ベトナム独立を支援した日本人〜

■書評■

 明治45年1月、一人の少年が故郷・天草から船でベトナムへ旅立った。
その6年前、ベトナム王朝末裔の青年が故郷を脱出し、日本へ密航する。

 二人はやがて一つの目的のため、海を挟んだ異国の地で起ち上がる。
ベトナム独立という見果てぬ夢をめざして。

 戦争と革命、夢と挫折―百年にわたる日越交流の秘史。

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「安南王国」の夢 ベトナム独立を支援した日本人 [ 牧久 ]

■目次■

・「兄弟同士の戦争はやめること」
・隠れキリシタンの里・大江
・植民地・仏印
・大南公司と大川塾
・「東遊(ドンズー)運動」と王子クオン・デ
・クオン・デ、漂泊の日々
・日中戦争と日本の南進政策
・北部仏印進駐とベトナム復国同盟会
・開戦と松下光廣のサイゴン復帰
・明号作戦とベトナム独立
・日本敗戦とホー・チ・ミンのベトナム
・「ベトナム現代史」の激流の渦中で
・南十字星きらめく下で


■あらすじ■

1.クオン・デと松下光廣の出会い

 ベトナムの王族クオン・デと、15歳でベトナムに渡り、数千人規模の商社
「大南公司」を立ち上げた松下光廣が出会ったのは、1928年、台北でした。

 クオン・デは、ベトナム独立にかける思いと、1906年に日本に渡ってから
12年にわたる亡命生活の身の上を語った。

 松下もベトナムに渡って以来、二十数年間のベトナム人への思いを語った。
感動した二人はお互いの手を握り締め「血盟関係」を誓つた。

 松下を信頼したクオン・デはベトナム各地に潜伏して独立運動を展開してい
る同志たちとの連絡役を依頼する。

 以後、クオン・デと独立運動家たちとの連絡はすべて松下を通じて行われる
ようになった。

 ファン・ボイ・チャウと浅羽佐喜太郎や大隈重信、犬養毅らの友情とともに、
クオン・デと松下光廣の「血盟関係」も、日越友好史を飾る一幕である。

2.海外雄飛の夢

 熊本県天草市生まれの光廣がベトナム行きを決意したのは、1911年。義姉の
ベトナムで雑貨店を経営している橋口セキが商用で帰国し、光廣に南洋の話を
いろいろ聞かせてくれた時だった。

 セキに伴われてベトナム北部の都市ナムディンに渡った光廣は、セキの家に
居候し、洗濯屋のアルバイトをしながら、フランス語とベトナム語を使いこな
せるようになっていった。

 セキの雑貨屋には、若いベトナム青年たちが光廣を訪ねてやってくるように
なった。その中には祖国独立を志す革命家もいて、深夜密かに訪ねてきて光廣
にベトナム人の抵抗の歴史を語った。

 日露戦争に勝利して白人国家を打ち破った日本は、独立を夢見る青年たちに
希望の灯を灯していたのである。

 ”その時から私は、訪ねてきた志士たちの独立と自由への切々たる悲願に魂
の底で共鳴し、古くは中国の弾圧に苦しみ、さらにヨーロツパ植民地主義者の
圧政に呻吟苦悩しているべトナム民衆に同情の念を強くするとともに、その桎
梏を打破すべく、命をかけて抗争している革命家たちの言動に深く感動したも
のです。”[p66]

3.「昼は商社、夜は革命家の秘密基地」

 1922年、ベトナムに渡って10年目にして、光廣は念願の貿易商社をハノイの
中心街に設立した。サイゴンの三井物産出張所に4年間働いて貿易実務を学び、
また小さなホテルを経営して資金を貯めたのだった。

 しかし、実業家として成功することが光廣の目的ではなくなっていた。
「同じアジア人として、ベトナム人の解放に役立ちたい」と決意していた。

 社名は「大南(ダイナム)公司」。ベトナム(越南)とは1802年にグエン朝
がベトナム全土を統一した際に、清朝に服属して与えられた国名で、シナ南方
民族の総称「越」のさらに南という意味。

 グエン朝初代の王はこれが気に入らず、清朝に対する公式文書では「越南」
を使ったが、それ以外の場合は「大南(ダイナム)」を使った。

 「南の大きな国」という意味で、ベトナム人の誇りが籠っており、フランス
からの独立を目指す志士たちにとっては象徴的な国名だった。

 やがて、大南公司はピーク時には9千人もの社員を抱える商社に成長する。

 「大南公司はベトナム人のための企業であり、その利益はベトナムの独立運動
のために使うのだ」という光廣の決意は変わらず、「大南公司は昼は商社、夜
は革命家の秘密基地」とまで言われるようになった。


4.「父祖の社稷を守るためなら家も妻子も捨てます」

 クオン・デは、グエン朝を開いた初代皇帝の長男カイン王子の直系4代目に当
たり、正統な王位継承権を持つ人物だった。

 しかし、長男カイン王子が夭折し、その後は次男ミンマン帝の系統が王位を継
承してきた。ミンマン帝の末裔で、1932年帝位についたのが、バオダイだった。

 フランス総督府に可愛がられ、その意のままになる「傀儡王」の異名さえあって、
国民の反発は強かった。

 それに対して、総督府からの官職就任の誘いには一切、応じないクオン・デに、
独立革命家たちは目をつけた。そのリーダー、ファン・ボイ・チャウが、クオン・
デと面会し、よもやま話を始めると、クオン・デはフランス人の横暴とそれに媚び
るベトナム人高官たちの不甲斐なさを口を極めて痛罵した。

 ファンが思い切って独立運動の計画を打ち明け、「候の出馬をぜひに」と願いで
ると、クオン・デは「よろしい、私は父祖の社稷を守るためなら家も妻子も捨てます」
ときっぱりと答えた。

 その後、ファンが日本で大隈重信、犬養毅の支援のもと、東遊運動と銘打って300名
に及ぶベトナム人留学生を日本に呼んだ中に混じって、1906月、クオン・デは横浜に
上陸した。


5.流浪の日々

 東遊運動は1908年には破局を迎える。独立運動を警戒するフランス総督府が留学生
たちの家族を人質にとって、帰国を迫ったからだ。

 クオン・デは1909年、上海に渡ったが、その際、犬養毅は多額の寄付をし、さらに
フランス官憲に捕まらないように手配をした。その後、クオン・デは香港、シンガポ
ール、タイ、欧州などを転々とする。

 その間も、松下光廣はサイゴンからクオン・デに情報を送り、定期的な送金も欠か
さなかった。


6.日本軍とベトナム復興同盟軍の共闘

 クオン・デは1937年頃から、「ベトナム復国同盟会」の結成に動き出した。ベトナム
経由の蒋介石政権への物資支援ルートを断ち切るべく、日本軍のベトナム進駐が必至の
情勢になってきたからである。

 クオン・デが総裁に選ばれ、松下が総裁代行となって、大南公司の支店網を通じて、
ベトナム各地の同志たちと連絡をとった。

 日本の南方進出の拠点とされた台湾総督府は、クオン・デに台北からのベトナム語放
送を依頼した。このラジオ放送を通じて、「グエン王朝の皇子クオン・デ候が帰ってき
てベトナムは独立する」と広く信じられるようになった。

 同時に、現地日本軍の支援も受けて、「ベトナム復興同盟軍」も組織された。1940年
ドイツに降伏し、講和したフランス政府と交渉して、日本政府はベトナム北部への平和
進駐を合意した。

 この後、日本軍の南進に合わせて、地方の農民や各地の青年が馳せ参じ、復興軍は6千
人ほどにも膨れあがった。

 
7.奇妙な平和

 しかし、この時期はアメリカが対日経済圧迫を強めつつあった。

 北部ベトナム進駐の目的は蒋介石支援ルートの封鎖にあったので、平和進駐によってそ
れが達成できれば、それ以上、フランス軍と事を構える余裕はなかった。

 クオン・デら、「ベトナム復国同盟会」の幹部たちも日本軍の北部ベトナム進駐に合わ
せて、現地入りをしようとしたが、日本軍に拒否された。クオン・デは落胆し、台北を撤
収して東京に引き上げた。

 1941年7月、日本軍はベトナム南部への平和進駐を開始した。この頃、アメリカは日本と
和平交渉をしつつも、英国、オランダなどと対日包囲網を築いて、経済的に日本の首を絞
めつつあった。

 ベトナムは日本包囲網の一環であり、米英が先手を打って攻めてくる恐れが十分にあった。
逆にサイゴン近辺に飛行場を作れば、イギリス領のマレーシア、シンガポール、オランダ領
インドネシア、アメリカ領フィリピンを攻撃できるようになるという戦略的見通しもあった。

 サイゴン周辺に3ヶ月で6カ所もの飛行場を造るという計画を任せられるのは、ベトナム民衆
を掌握している光廣しかいなかった。

 光廣は数千人のベトナム人を雇い、建設工事を進めた。毎日きちんと支給される賃金と給食
に現地作業者たちは喜んで働いた。

 12月10日、ここから飛び立った航空部隊が、イギリスの戦艦プリンス・オブ・ウェールズと
レパルスを沈めたのである。

 しかし日本軍は限られた戦力をイギリスの軍事拠点シンガポールと石油資源のあるインドネ
シアに集中せざるを得ず、ベトナムではフランス軍との和平協定を護って、日本軍がフランス
軍を排除してベトナムに独立をもたらす、というベトナム人の希望は叶えられなかった。


8.「故国ヴェトナムで死なせたかった」

 しかし、日本軍の旗色が悪くなると、フランス総督府はド・ゴール率いる亡命政権寄りの政
策を採り始める。ここに英米軍が上陸すると日本軍は挟撃を受ける恐れがあることから、1945
年、現地フランス軍を排除し、ベトナム、カンボジア、ラオスを独立させた。

 ベトナムに関しては、光廣や松井石根大将の後押しで、クオン・デを国家元首に、現地独立
運動のリーダー、ゴ・ディン・ジェム(後の南ベトナム初代大統領)を首相に、という筋書き
が出来ていたが、現地日本軍は、バオダイ帝を勝手に退位させるのは内政干渉に当たるとして、
そのシナリオを拒否した。

 その5ヶ月後に、日本は敗北し、クオン・デは帰国のチャンスを永遠に逃した。

 1951年4月、クオン・デは69歳にして、45年に渡る独立運動の末に、日本の土となった。

 祖国はフランス軍がバックアップするバオダイ帝の南ベトナムと、中共の支援を受けるホー・
チ・ミンの北ベトナムに分かれて戦い合っていた。

 クオン・デの遺書は「全ヴェトナム同胞に告ぐ」と題され、完全独立と国内戦の停止を訴え
ていた。告別式に出席した光廣は、「公はバオ・ダイ政権が曲りなりにも育ってゆくのを見て
喜んでおり、早く帰って協力したいと常にいっていた。故国ヴェトナムで死なせたかった」

 光廣は戦後も大南公司の経営を続けたが、北ベトナムがサイゴンを占領すると、すべての事
業を接収され、身一つで故郷・天草に戻った。

引用:Japan On the Globe(1024)


661. 「逆説の日本史19」 井沢元彦

「逆説の日本史19」 井沢元彦 小学館文庫(16/04)
   〜幕末年代史編2〜 井伊直弼と尊皇攘夷の謎

■書評■

 すべては、ひとりの老中の判断ミスから始まった。

 「幕府VS水戸藩」の確執は、誤解が疑念を呼び、ますます過熱化。
さらに孝明天皇の名で出された「密勅」の存在が明らかになるや、大老
・井伊直弼による凄惨な「大獄」の嵐が吹き荒れることとなった。

 そしてその報復として行なわれたのは、「大老暗殺」という前代未聞
の大事件だった。

 幕末史の転機となった「桜田門外の変」前後の動きが、非常に分かり
やすく記載されています。

 堀田正睦、徳川斉昭、岩倉具視、島津斉彬、西郷隆盛、吉田松陰、
孝明天皇、関白九条尚忠、ハリス、松平春嶽、井伊直弼、長井雅楽等
それぞれの想いと役割が、複雑に絡み合った幕末。

 水戸家と朱子学、開国と攘夷、紀州派と一橋派、尊皇攘夷と公武合体
の関係性が、うまくまとめられています。
 
 幕末史の理解が深まります。

 
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逆説の日本史(19(幕末年代史編 2)) (小学館文庫) [ 井沢元彦 ]


■目次■

第1章 一八五八年編ー戊午の密勅と安政の大獄
    水戸黄門の隠居所・西山荘から生まれた「倒幕正当化の思想」
    “血”を見ずに事を収めようとした老中・堀田正睦の「判断ミス」
    堀田老中の“目論見”を完全に打ち砕いた岩倉具視の「列参事件」

第2章 一八五九年編ー正論の開国vs実行不可能な攘夷
    “行動の人”吉田松陰が門下生に発した「草莽崛起」という思想
    「倒幕」が論理的に正当化されることになった「一君万民論」
    日本が“四千年の中国”より先に民主主義を成立させた「原点」

第3章 一八六〇・六一年編ー桜田門外の変 大老暗殺が歴史を変えた!
    井伊直弼をして大弾圧に走らせた「水戸の大陰謀」という事実誤認
    島津久光に藩内過激派を押さえ込ませた大久保一蔵の「絵図」
    狙われている情報を掴みながら「開国祝い」の銃に倒れた井伊直弼


■あらすじ■

 幕府老中首座・堀田正睦は手を焼いていた。
“水戸のご老公”こと水戸藩主・徳川斉昭が、日米修好通商条約の調印に断固
反対だったからである。

 そこで堀田がとった手段は、朝廷から「勅許」を得て斉昭を納得させようと
いう方法であった。だがこの安直な判断は、やがて幕府を崩壊へと導く。

 堀田の目論見は外れ、孝明天皇が条約調印に強く反対したため幕府は勅許無
しでの調印を強行する。

 強引な幕府に対する批判は、一橋派と南紀派が激しく争う将軍継嗣問題をも
巻き込んで過熱化し、「幕府VS水戸藩」の対立は決定的になった。

 この両者の確執は、孝明天皇が水戸藩に発した「戊午の密勅」に激怒した大
老・井伊直弼による「安政の大獄」という粛正の嵐に発展し、吉田松陰、橋本
左内といった多くの有為の人材が失われてしまう。

 安政7年(1860)3月3日、江戸・桜田門外。季節外れの大雪のなかを登城する井
伊の行列に、18人の襲撃者たちが襲いかかった。井伊は駕籠に乗ったまま銃撃
され、斬殺される。

 相次ぐ流血の事態に幕府の権威は失墜。時代は「討幕」「尊王攘夷」へと変
わってゆくのであった。

660. 「仕事に効く教養としての「世界史」II」 出口治明

「仕事に効く教養としての「世界史」II」 出口治明 祥伝社(16/10)

■書評■

 人類5000年史から現代を読み抜く10の視点とは。

 ライフネット生命の創業者である著者の、歴史解説本第二弾です。

 イスラム、インド、ラテン・アメリカや、アフリカの歴史記述は、
教科書にはない学びでした。

 また、ドイツとプロイセンの関係性も、よく分かりました。
「全世界史I,II」と併読すると、歴史の縦と横が繋がります。

 世界歴史地図を横に再読したくなります。


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仕事に効く教養としての「世界史」2  戦争と宗教と、そして21世紀はどこへ向かうのか? 戦争と宗教と、そして21世紀はどこへ向かうのか? [ 出口治明 ]

■目次■

第1章 激動の16世紀。世界史の流れはここから変わった
     カール五世、新大陸への到達、宗教改革
第2章 イスラム世界が歩んできた道
     21世紀のテロ問題を冷静に見つめるために
第3章 豊かな国インド
     なぜ始皇帝もカエサルも登場しなかったのか
第4章 エジプトはいつも誰かに狙われていた
     「世界の穀倉」をめぐる支配の歴史
第5章 日本文化に大きな影響を残した唐宋革命
     平和はどのように築かれたか
第6章 ルネサンスは神の手から人間を取り戻す運動だった
     里帰りの3つのルートとメディチ家
第7章 知られざるラテン・アメリカの歴史
     スペインの支配、独立運動、キューバ危機
第8章 母なる大地アフリカの数奇な運命
     暗転していく歴史と奴隷貿易
第9章 ドイツを統一したプロイセンと第一次世界大戦
     フランク王国からヒトラー登場まで
第10章 21世紀の世界はどこへ向かうのか
     超大国アメリカと世界の国々


■ポイント■

◆「カール五世」:ハプスブルク家の血を引く、スペイン王、ドイツ王
 ・東フランク王国
   ザクセン朝(919-1024年)
   ザーリア朝(1024-1137)
   ホーエンシュタウフェン朝(1138-1254)
    大空位時代(1256-73)
   ルドルフ一世(ハプスブルク家から)(1273)
    スイス→オーストリアをボヘミア王から奪取(1282)
   マクシミリアン一世(ルドルフ一世から六代目1493-1519)
    ブルゴーニュ公国(フランドル地方)のマリー(シャルルの娘)と結婚
     1477:「ナンシーの戦い」でシャルル戦死←仏ルイ十一世触手
   フィリップ(美公)(マクシミリアン一世とマリーの子)
    カスティージャ王国の王女ファナと結婚
     カスティージャ女王イサベル一世とアラゴン王子フェルナンドの子
     レコンキスタ(1492年)
   カール五世(フィリップとファナの子)1500年生まれ、
    1517年スペイン王、1519年神聖ローマ皇帝(オーストリアとフランドル)
    1517年ルターの宗教改革→ザクセンへ
    1524年ドイツ農民戦争
    1530年シュマルカルデン同盟
    1555年アウグスブルクの宗教和議
 ・フランス:フランソワ一世(ヴァロア家)vsハプスブルク家
   ミラノ(フランス)→イタリア←ナポリ(スペイン)
  オスマン:スレイマン一世vsオーストリア
   ウィーン包囲
  イングランド:ヘンリー八世(チューダー朝)
   英国国教会

◆「イスラム」
 ・「ムハンマド」(570-632) マッカに生まれる
  「正統カリフ時代」(632-661)
  「ウマイヤ朝」(661-750)
   「ササン朝ペルシャ」vs「ローマ帝国」のはざまで
    エジプト奪取(639)、ササン朝滅亡(651)、西ゴート王国滅亡(711)
 ・「アッバース朝」(750-1517年) 首都バグダード
   「タラスの戦い(751):唐から製紙法」
   「後ウマイヤ朝」(756-1031)
 ・「ムハンマドなくしてシャルルマーニュなし」
   「カロリング朝は、アッバース朝との交易で豊かになり、シャルルマーニュ
    の軍資金になった」
 ・「十字軍」(1096-1272)
   「ヴェネツィア等の海洋都市発展」→「ルネサンス」へ

◆「インド」
 ・「インダス文明」(BC3600-BC1800)
   「インド・アーリア人」(BC1500頃)
   「アレクサンドロス大王」(BC330頃)
 ・「マウリヤ朝」(BC317-BC180)
   「第三代アショーカ王」(BC268-232)
 ・「クシャーナ朝」(1c-3c:イラン系)北:南「サータヴァーハナ朝」(BC3c-3c)
   「第三代カニシカ一世」(130-155)     ドラヴィダ系
 ・「グプタ朝」(320-550:アーリア人):文化開花
   「チャンドラグプタ一世」(320-335)
 ・「ヴァルダナ朝」(606-647)
   「ラージプート時代」(8c-11c)
 ・「ガズナ朝」(962-1186:マムルーク)北:南「チョーラ朝」(846-1279)
   「マフムード」イスラム教       ドラヴィダ系
 ・「ゴール朝」(1117-1215)-「デリー・スルタン朝」
 ・「ムガール朝」(1526−1858)
   「バーブル」(1526-1530):ティムール直系子孫
   「三代アクバル大帝」(1556-1605)-「五代シャー・ジャハーン」(1628-1658)
     タージ・マハル
   「セポイの乱(インド大反乱)」(1857-)
 ・「連合王国」植民地化
   「マドラス」(1639)、「ボンベイ」(1687)、「カルカッタ」(1690)
   「インド帝国」(1877)

◆「エジプト」
 ・「古代エジプト」
   「古王国」(BC2682-2191)メンフィス ピラミッド
   「中王国」(BC2040-1794)テーベ
   「新王国」(BC1540-1070)テーベ ファラオ
   「アッシリア」−「アカイメネス朝ペルシャ」(BC525)-「マケドニア」
   「プトレマイオス朝」((BC306-BC30)
 ・「ローマ帝国」(BC30-639)
 ・「イスラム帝国」
   「ウマイヤ朝、アッバース朝」(639-)
   「ファーティマ朝」(909-1171) チュニジア、シーア派
     963年エジプト併合 カイロ建設
   「アイユーブ朝」(1169-1250) スンナ派
     サラディン 十字軍からエルサレム奪還
   「マムルーク朝」(1250-1517)
     バイバルス フレグ・ウルスに勝利(アイン・ジャールートの戦い)
     サトウキビ栽培、砂糖加工技術で繁栄
     ペスト(1347)、インド航路(1498)発見でポルトガルに交易奪われる
 ・「オスマン帝国」(1517-
   「ナポレオン」のエジプト遠征(1798-1801)
   「ムハンマド・アリー朝」(1805-1953)
     スエズ運河(1869)フランス人レセップス
     ウラービー革命(1882) 連合王国の保護国化
   「エジプト王国」(1922-1953)
 ・「エジプト共和国」(1953-
    ナセル
     スエズ運河国有化(1956)第二次中東戦争(スエズ戦争)
     アラブ連合共和国(1958-1961)
     第三次中東戦争(六日戦争)で敗北(1967)

◆「ルネサンス」
 ・「ギリシャ・ローマ時代の芸術、学問」がイスラム経由で里帰り
   「アカデメイア」:ユスティニアヌス一世時に閉校(529)
   「ムセイオン」:BC300プトレマイオス一世建設 5c焼き討ち
   「ジュンディー・シャープール」:ササン朝 ヘレニズム文化
      ↓
   「知恵の館(バイト・アルヒクマ)」(830) アッバース朝 バグダード
      ↓
     カイロ、コルドバ
      ↓
   「スペインルート」:「12世紀ルネサンス」 トレド経由
   「シチリアルート」:フリードリヒ二世(1215-50) ナポリ大学(1224)
   「十字軍ルート」
      ↓
   「メディチ家のフィレンツェで、イタリアルネサンス」

659. 「ダークサイド・スキル」 木村尚敬

「ダークサイド・スキル」 木村尚敬 日本経済新聞社(17/07)

■書評■

 「ブライトサイド・スキル」と「ダークサイド・スキル」。

 著者は、論理的思考能力や財務・会計知識などの「ブライトサイド・ス
キル」とは別に、組織をマネジメントするには、時には人を意のままに操
るような、「ヒューマン的」スキルが必要として、それらを、「ダークサ
イド・スキル」と名付けられています。

 「ダークサイド」と言うと「悪」や「闇」を連想しまうのですが、趣旨
は、「自分の理想を目指し、人や組織の素のままを見て素直に受けとめ、
適切にマネジメントする」という真っ当なスキルです。

 「仲間」を巻き込む力。

 「合理と情理のはざま」を把握して、マネジメントの幅を広げていくた
めの大切な提言です。
 

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ダークサイド・スキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技 [ 木村 尚敬 ]


■目次■

Part1 7つのダークサイド・スキル
 その1 思うように上司を操れ
 その2 KYなヤツを優先しろ
 その3 「使える奴」を手なずけろ
 その4 堂々と嫌われろ
 その5 煩悩に溺れず、欲に溺れろ
 その6 踏み絵から逃げるな
 その7 部下に使われて、使いこなせ

Part2 ダークサイド・スキルを磨くポイント
 その1 いつでも戦える態勢を整える
 その2 人を操る3つの力
 その3 ブレないリーダーになるために

Part3 ダークサイド・スキル実践編(松井忠三さんとの対話)


■ポイント■

◆「日本企業、共通の特徴」
 ・「和を以て貴しとなす」:「協調」
 ・「あうんの呼吸」:「空気」「相互不可侵条約」
 ・「ムラに対する帰属意識」:「よそ者排除」

◆「良くも悪くもない中庸な事業が足を引っ張る」
 ・「低収益事業」が手つかずのまま温存

◆「間接情報を出すのはミドル」
 ・「清濁併せ呑む判断経験の積み重ね」

◆「意図的な情報操作」:「情報の非対称性」を利用
 ・「表」はファイティングポーズ、「裏」はCND
 ・「前向きなCND(調整・根回し・段取り)

◆「空気」を破る
 ・「意思決定を遅らせる「空中ハンコ」(悪いCND)」
 ・「多様性」:KYな部下を尊重
 ・「空気」を破るには、「言い方」と「タイミング」

◆「チームアップ」と「ファクトファインディング」
 ・「マスター・オブ・"I don't know"」:不足分を確保
 ・「神経回路マップ」:「シナプス」を拡げておく
 ・「全人格」を尊重:「安心感」「信頼感」

◆「嫌われる勇気」
 ・「不完全情報下でしか意志決定できない」
 ・「自分の軸」を持って「泰然自若」
 ・「畏敬」:「親近感と敬意は両立しない」(塩野七生)

◆「小欲(エゴ:保身)を捨て、大欲(軸:価値観)に立つ」
 ・「マインドフルネス」:自省
 ・「一人の時間」を大切に

◆「踏み絵」の試練:「実績」と「信念」
 ・「準備」と「覚悟」
 ・「結果が出なくても我慢」:潮目が変わるまで、やり続ける
 ・「真面目に取り組んでいれば、神風も吹く」(信じる)

◆「改革の窓は一瞬しか開かない」
 ・「準備」:「天の時」「地の利」「人の和」
 ・「布教活動」で時期を待つ:粘り
 ・「行動」しないと「意識」は変わらない

◆「人は見たい現実しか見ない」(カエサル)
 ・「見たくない現実に正対」し、「合理と情理のはざま」を理解

◆「まだはもうなり」(相場)
 ・「先送り」しない

◆「最強のチーム創り」:自律的チーム
 ・「安心感」:常に見る:仲間
 ・「安定感」:ぶれない:軸
 ・「信頼感」:裏切らない:最後まで立っている

◆「仕組み化」「社風」「トップ」
 ・「変わり続ける仕組み」
 ・「価値観」:「風」を感じる


658. 「天職は寝て待て」 山口周

「天職は寝て待て」 山口周 光文社新書(12/04)

■書評■

 自らの経験を通じて会得された、著者の「天職への転職」を実現する
ための思考様式や行動パターンが、分かりやすく記載されています。

 これらは、「転職」だけでなく、企業内での「部門間異動」の時にも
有効な考え方です。

 各章の終わりには、その章のエッセンスを伝える「箴言」も付記され
ており、理解が深まります。
 
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天職は寝て待て 新しい転職・就活・キャリア論 (光文社新書) [ 山口周 ]


■目次■

第一章 転職は、なすべきか、なさざるべきか
第二章 従来の転職の「方法論」の問題
第三章 いい偶然を呼び込むには?
第四章 「攻め」の転職と「逃げ」の転職
第五章 エモーショナル・サイクル・カーブへの対処


■ポイント■

◆「天職」と「召命」は同じ言葉(Vocation)
 ・「天職」とは、自己により内発的に規定されるものではなく、本来は
  「神」から与えられるもの

◆「Planed Happenstance」
 ・「偶然」をより良い形で起こさせるための思考様式、行動パターン
 ・「長期的に行動し(習慣)、短期的に考える」
 ・「面白さや楽しさは、ある程度やり込んでみないと分からない」
 ・「何が得意か、何が好きかも、やってみないと分からない」
 ・「好奇心」「粘り強さ(鈍感力)」「柔軟性」「楽観性」「リスクテーク」

◆「いい偶然」を生み出す:「人脈の広さ」(互恵)X「信用の深さ」(誠実)
 ・「互恵的利他主義」
 ・「目の前の仕事を愛して、ていねいに生きる」
 ・「ぶれない軸」「いい奴」

◆「いい偶然」を捉える:「プロセッシング」と「ストック」
 ・「非ロジカル・シンキング」
 ・「メトニミー(換喩)的読書」と「メタファー(隠喩)的読書」
  ・「メトニミー的」:縦の深掘り
  ・「メタファー的」:横の展開
 ・「反論し論破するために読むな、信じて丸呑みするためにも読むな。
   話題や論題を見つけるためにも読むな。しかし、熟考し熟慮するため
   に読むがよい」(ベーコン)

◆「宙ぶらりんに耐える」
 ・「拙速な行動を避け、正確な情報を集めながら機会を待つ」
 ・「ゆっくりと動く」
 ・「外交の要諦は、宙ぶらりんな状態に耐えること」(ベイジル・リデルハート)

◆「自由であるために、不自由を受け入れる」
 ・「訓練・修行」は不自由だが、それを経ないと自由になれない
 ・「守破離」の「守」を大切に
 ・「困難は忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生む」(聖書)

◆「自由のコスト」
 ・「自由であることには耐えがたい孤独と痛烈な責任を伴う」
 ・「私は今より一層淋しい未来の私を我慢する代わりに、淋しい今の
   私を我慢したいのです。自由と独立と己れとに充ちた現代に生ま
   れた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しさを味わなくては
   ならないでしょう」(夏目漱石「こころ」)

◆「報酬と内的動機」
 ・「報酬」が持つ「動機についての悪影響」
 ・「金はよい召使いである。しかしまた、悪い主人でもある」
   (トーマス・カーライル)
 ・「労働」のもたらす「幸福感」
 ・「人間が幸福であるために避けることのできないもの、それは勤労
   である」(トルストイ)

◆「エモーショナル・サイクル・カープ」
 ・「下降局面」は「通過儀礼」:「楽観的になんとかなる」
 ・「正統的周辺参加」から始まることに意味がある
    雑用や小さな仕事の中に、仕事のエッセンスが隠されている
 ・「受け入れること」
  ・「「これがどん底だ」と言っていられる間は、どん底になってい
     ないものだ」(シェークスピア「リア王」)
 ・「終焉」→「混乱」→「開始」
  ・「過去」は、一旦「忘れる」

◆「箴言」
 ・「未来を予知しようとするのは、夜中に田舎道をライトもつけずに走
   りながら、後ろの窓から外を見るようなものだ。一番確実な未来予
   知の方法は、未来自体を作り出してしまうことだ」(ドラッカー)
 ・「必要に迫られた際に大胆不敵であるのは、思慮に富むのと同じである」
   (マキャベリ)
 ・「ルサンチマン」とは羨望と嫉妬と劣等感が入り交じった感情
   (キルケゴール)
 ・「一般に、青年の主張するところは正しくない。しかし、それを彼らが
   主張するということは正しい」(ジンメル)
 ・「社会全体を覆う構造が解体されると、その下の段階にある構造単位の
   自立性が高まる」(フリードリヒ・テンプルク)
 ・「人生を見つけるためには、人生を浪費しなければならない」
   (リンドバーク)
 ・「「何々になろう」とする者は多いが、「何々をしよう」とする者は
   少ない」(長岡半太郎)

657. 「逆説の日本史18」 井沢元彦

「逆説の日本史18」 井沢元彦 小学館文庫(15/07)
   〜幕末年代史編1〜 黒船来航と開国交渉の謎

■書評■

 アメリカを激怒させた幕末の「日本外交」の裏にある「言霊」。

 教科書では触れられていない黒船来航から開国交渉に向けての、幕府
の対応の稚拙さを、私たちは非難することはできない。

 その後のあの戦争への道を歩んだ日本、そして、福島原発事故、東芝
粉飾問題等の裏にある「言霊」と「空気」の恐ろしさをも連想させる、
幕末の日本外交史です。

 
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逆説の日本史(18(幕末年代史編 1)) (小学館文庫) [ 井沢元彦 ]


■目次■

第1章 幕末から維新へ1 『前史』としての日米交渉史前編
    オランダ国王開国勧告を拒絶した幕府の思惑
    「ペリーは突然やってきた」という日本人の歴史認識の大誤解
    「捕鯨船の寄港地」を求めて日本に開国を迫ったアメリカの事情

第2章 幕末から維新へ2 『前史』としての日米交渉史後編
    日本外交は「嘘つき」で「二枚舌」と喝破したペリー
     開国を要求したアメリカ・ビッドル代将との「一週間の攻防」
     アメリカの対日交渉を硬化させた「ビッドル代将暴行事件」

第3章 幕末激動の十五年(一八五四年編)
    日米和親条約締結で意識的に行なった誤訳
    「国家の大事」に対して日本の対応が常に“ドロナワ”になる理由
     英語に堪能なジョン万次郎を日米交渉から外した「幕府高官」

第4章 幕末激動の十五年(一八五五・五六年編)
   「徳川の終わり」を印象づけた安政の三大地震
     黄金を大量に保有していた幕末日本は世界一「豊かな国」だった
    「徳川政権の終わり」を決定的にした安政年間三つの巨大地震

第5章 幕末激動の十五年(一八五七年編)
   「倒幕の大功労者」ハリスは何をしたか
     幕府を滅亡に追い込んだ「ハリスの“一見正当な”円ドル交渉」
     ハリスが「一分銀という信用貨幣」を理解できなかった理由

656. 「逆説の日本史17」 井沢元彦

「逆説の日本史17」 井沢元彦 小学館文庫(14/06)
   〜江戸成熟編〜 アイヌ民族と幕府崩壊の謎

■書評■

 幕末に燎原の火の如く盛り上がった尊皇攘夷思想の源流ともいえる
国学思想の成立。

 天保の改革に挑んだ幕府が「祖法大事」と変革の波に乗り遅れて、
優秀な官吏が国の行く末を見誤っていく幕府崩壊までの歴史が、分か
りやすく記載されています。

 
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逆説の日本史(17(江戸成熟編)) (小学館文庫) [ 井沢元彦 ]


■目次■

第1章 北方世界の歴史・アイヌ民族のルーツと展開編
    松前藩の卑劣な手口と幕府の無策を暴く
     古代史最大の問題「エミシ」と「エゾ」は同一か
     奥州藤原四代のミイラ調査が挑んだ「エミシ」と「エゾ」の難問

第2章 幕末維新への胎動1・国学の成立と展開編
    明治維新の精神的支柱となった四大人の思想
    『古事記』研究で大和心「もののあはれ」を感得した本居宣長の功績
     宣長の「宗教」が一人の売国奴も出ない「幕末の奇跡」を生んだ

第3章 幕末維新への胎動2・幕府外交と天保の改革編
    社会を混乱させた頑迷な「祖法大事」政治
     ロシア使節の「交易要求」を拒絶した幕閣の「祖法大事」
     なぜ徳川幕府は「愚劣な外交」でロシアを激怒させたのか

第4章 幕末維新への胎動3・ユートピアとしての江戸編
    なぜ、日本の道路舗装率は今でも低いのか
     歴史教科書では教えてくれないペリー来航「黒船ショック」の本質
     いち早く近代化した日本の道路舗装率が中国、韓国、タイより低い理由


655. 「逆説の日本史16」 井沢元彦

「逆説の日本史16」 井沢元彦 小学館文庫(13/06)
   〜江戸名君編〜 水戸黄門と朱子学の謎

■書評■

 前半は、江戸時代の名君と言われた徳川光圀、保科正之、上杉鷹山、
池田光正について、彼らの思想がその後の日本にどのような影響を与
えたのかについて。

 特に光圀の朱子学への傾倒がその後の尊王攘夷運動といかに結びつく
か。徳川家存続のための秘策が、結果的に幕府を崩壊に追いやることに
なった歴史の皮肉を解き明かす部分は特に興味深い。

 後半は、江戸文化について、俳諧、歌舞伎、落語等の歴史を詳しく解
説されており、松尾芭蕉の出現が如何に画期的なものであったか、江戸
文化の大衆化を支えた基礎条件は「識字率の高さ」との論は秀逸です。

 
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逆説の日本史(16(江戸名君編)) (小学館文庫) [ 井沢元彦 ]


■目次■

第1章 江戸「名君」の虚実1 徳川光圀の生涯編
     武士の「忠義」の対象は天皇か将軍か

第2章 江戸「名君」の虚実2 保科正之の生涯編
     王政復古と明治維新へと発展した思想のルーツ

第3章 江戸「名君」の虚実3 上杉鷹山の改革編
     名門家臣を断罪した「流血」の覚悟

第4章 江戸「名君」の虚実4 池田光政の善政編
    「脱・仏教体制」の潮流と『太平記』註釈書

第5章 江戸、町人文化の世界1 江戸文化の「江戸的」展開編
     俳諧と歌舞伎と落語のルーツ

第6章 江戸、町人文化の世界2 江戸文化の「江戸的」凝縮編
     芸術の「大衆化」を支えてきた源泉

654. 「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」 山口周

「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」 山口周 光文社新書(17/07)

■書評■

 なぜ、今ビジネスに美意識(哲学・アート)が必要なのか。

 すでに、「正解答」は、商品価値がなくなっている。「ロジカル
シンキング」を突き詰めれば、結局、「人と同じ答え」にしか結び
つかないという論旨は腑に落ちます。

 ミンツバーグの「アート」「サイエンス」「クラフト」の区分を
用い、「自分なりの「美意識」=「真・善・美」を高める重要性が
説かれています。

 「サイエンス」優位の現在の企業文化への警鐘として有意義です。

 
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世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 [ 山口周 ]


■目次■

第1章 論理的・理性的な情報処理スキルの限界
第2章 巨大な「自己実現欲求の市場」の登場
第3章 システムの変化が早すぎる世界
第4章 脳科学と美意識
第5章 受験エリートと美意識
第6章 美のモノサシ
第7章 どう「美意識」を鍛えるか?


■ポイント■

◆「自分なりの「美意識」=「真・善・美」を高める」

◆「ロジックの限界」:正解のコモディティ化
 ・「クラフト」「サイエンス」だけでは、レッドオーシャン化する
 ・「論理・理性」と「直感・感性」のバランス
 ・「アカウンタビリティー」は「無責任の無限連鎖」
   「言葉化」「再現性」は、コモディティ化を加速させる

◆「自己実現欲求の産業化」
 ・「機能的便益」→「情緒的便益」→「自己実現的便益」
 ・「グレイヘアコンサル」→「ファクトベースコンサル」→「アート」へ
 ・「デザイン」と「テクノロジー」はコピーできる
  「世界観」と「ストーリー」は真似できない(アップル)

◆「ルール(法律)が追いつかない世の中の変化」
 ・「実定法主義」と「自然法主義」:DeNA、ライブドア、エンロン
 ・「日本文化の「罪と恥」」(ベネディクト「菊と刀」)
 ・「美意識」ベースの判断基準が最も安全

◆「ソマティックマーカー仮説」:脳神経学者ダマシオ
 ・「意思決定における感情、身体的反応の重要性」
   「ソマティックマーカー」:身体が発する信号
 ・「セルフアウェアネス(自己認識)」能力:「マインドフルネス」

◆「偏差値は高いが、美意識は低い人たち」
 ・「オウム真理教」:「極端な美意識の欠如」と「極端な階層性」
   「戦略系コンサル業界」と「振興ベンチャー業界」が類似
 ・「清濁併せ呑む」バランス感覚
 ・「誠実性」のコンピテンシー:自分の中の判断基準(絶対善)に誠実
   「アイヒマン」:「悪とは、システムを無批判に受け入れること」
   「システムを批判的に対象化できるのは、システムに適応した人だけ」

◆「美のモノサシ」
 ・「客観的な外部モノサシ」から「主観的な内部モノサシ」へ
 ・「真」:「論理」→「直感」
 ・「善」:「法律」→「倫理・道徳」
 ・「美」:「市場調査」→「審美感性」
 ・「説明が必要なデザインでは人を感動させられない」

◆「「美意識」の鍛え方」
 ・「絵画」を見る:「観察眼」
   「VTS」(Visual Thinking Strategy):「見て、感じて、言葉にする」
   「パターン認識」と「イノベーション」:「言葉」はパターン
 ・「哲学」に親しむ
   「コンテンツ」→「プロセス」(思考の過程)→「モード」(世界観)
   「知的反逆」:「疑いの歴史」
 ・「文学」を読む
 ・「詩」を読む:「レトリック」、「メタファー」

◆「21世紀は、新しいルネサンス」
 ・「物質主義・経済至上主義」の19-20世紀が終わり、「人間性回復」の時代へ

653. 「始めるのに遅すぎることはない」 中島薫

「始めるのに遅すぎることはない」 中島薫 サンマーク文庫(02/10)

■書評■

 始めるのに遅すぎることなんかない。
本書は、何よりもまず行動することの大切さを語りかけてくれます。

 お金の使い方、信用と信頼の違いなど、人生におけるいろんな局面で
活用できる言葉101が見開き2ページでまとめられています。

 
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始めるのに遅すぎることなんかない! (サンマーク文庫) [ 中島薫 ]


■目次■

・過去は生ゴミである
・「うまくいかなかったらどうしよう」ではなく、「うまくいったらどうしよう」と悩んでみる
・目の前のスープがおいしいかどうか知るには、とりあえず飲んでみることである
・注意をしすぎると、違う注意もしなくてはいけなくなる
・「ショックを与えるもの」は実は存在しない。「ショックを受ける人」がいるだけである
・いつも未完成でいるほうがおもしろい
・失敗よりも、失敗したままやめてしまうほうが問題である
・外野はしょせんヤジ馬である
・どんな人も、始めはでたらめである
・学ぼうとする姿勢が人を大きくさせる


■ポイント■

◆「チャンスは名札をつけていない」

◆「何があっても「大丈夫」」
◆「苦しい時も「笑う」」
◆「何でも認めてみる」

◆「まずは始める」
◆「好きになる」
◆「思いの強さ」
◆「本気になる」
◆「わからないのは、わかるまで続けないから」

◆「見てくれも大切」
◆「ぜいたくもスタンス」(一度思いっきり使ってみる)
◆「心の目線を高くもつ」
◆「感動を大切に」(金に変えられない)

◆「自分の未来を信じる」
◆「自分が好き」
◆「好きなものを「好き」と言う」
◆「これでいい→これがいい」
◆「オンリーワン」

◆「「縁」が生まれたら活用」
◆「プロはシンプル」
◆「余裕(金、時間、気持ち)が大切」

652. 「鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」」 勝見明

「鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」」 勝見明 プレジデント(05/01)

■書評■

 セブン‐イレブン・ジャパン会長だった鈴木敏文氏が指摘する、数々の
「本当のようなウソ」の事例、「仕事のウソ75」として紹介されています。

 「商品の完売は喜ぶべきことか?」「 挑戦を始めたら寝食を忘れてのめり
込むべきか?」等、興味深い事例が満載されています。

 常に「仮説」と「検証」を繰り返す重要性が伝わり、コンビミ経営にとど
まらない経営論に仕上がっています。

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鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」 セブンーイレブン式脱常識の仕事術 (日経ビジネス人文庫) [ 勝見明 ]


■目次■

第1章 「買ってもらえない時代」にいかに買ってもらうか
     「顧客のために」努力しても売れないのはなぜか?
      人間はなぜ、「過去の経験」に縛られるのか?
第2章 「鵜呑み」にせずにいかに真の情報力をつけるか
      情報とは「自分の考え方」を補強し補正するものである
      情報は「鵜呑み」にせず「裏」を取るべし
第3章 セブンーイレブンの強さを支える「対話力」の極意を学ぶ
     「対話」によりニーズのとらえ方のギャップを埋める
     「対話」によりオーナーの「保守性」を解き放つ
第4章 「無」から「有」を生む組織はこうしてつくる
      新しい仮説は「勉強」からは生まれない
      社員には自分でものごとを決定して動いていると実感させることが必要
第5章 鈴木敏文直伝「迷ったときはこう決断しろ!」
      なぜ、四面楚歌でも決断できるのか?
      視点を変えれば「やるべき価値」が見えてくる


■ポイント■

◆「顧客の立場で」
 「顧客のために」と考える時は、たいてい自分の経験を基に考えてしまう。
「顧客の立場で」考えれば、自分の経験をいったん否定しなければならない。
 
◆「仮説」
 顧客は「今ないもの」については答えられない。アンケートは無意味。自分
で問題意識をもって「仮説」を立てることが重要。そして、その結果を「検証」
する。

◆「自分の考え」
 仮説を立てるためには、常に「どうしてなのか」と疑問を発する。頭を白紙
にして、なぜ、どうしてとクェスチョンを発し続ける。そうして「自分の考え」
を持つと、入手する情報にも疑問を呈することができ、活きた知恵に変換できる。

◆「アンテナ」
 問題意識を持って、情報を引っかけるフックを作る。意欲と問題意識が重要。
 
◆「手段を目的化しない」
 何が必要なのか。目的を明確にして、ぶれないことが重要。セブンイレブン内
のATMはシンプル。もともとIYバンクの設立目的が銀行設立が目的ではなかった
から。

◆「勉強」より「仮説」
 新事業を始めようとするときは、過去をなぞる「勉強」ではなく、最初に必要
なのは「仮説」。人の言に振り回されない「自分」の確立が第一歩。

651. 「自分の中に奇跡を起こす」 ダイアー

「自分の中に奇跡を起こす」 ダイアー 知的生き方文庫(97/02)
 "Real Magic Creating Miracles in every day life" by Wayne W. Dyer

■書評■
 
 精神の高揚を駆り立ててくれる書です。

 ナポレオン・ヒルやマーフイー等が説く精神の在り方の主張は、
基本的に共通しています。

 自身の経験上も、目に見えない普遍的な法則や力の存在は否定
できません。

 他の自己啓発書と比べて、哲学的宗教的要素が強く、オカルト
的かもしれませんが、「無限の自己の可能性を引出す」ための指
南書になるように思います。

 「私達の存在が偶然的なものではなく、相互が必然的な目的ある
存在であって、無償の愛によって係わり合いを持つ事が奇跡を作り出す」

 「心の平安が何よりも一番大事」なのだと思います。

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■目次■

序章 この「力」が自分の人生に奇跡を起こす
第1章 これまでの“小さな自分、ひ弱な自分”からどう脱皮するか
第2章 “なりたい自分”にここまでなれる
第3章 なぜこの“信念の力”の前に不可能はないのか
第4章 自分を愛せないで、誰を愛せるというのか
第5章 富をいくらでも生み出す心の力学
第6章 もっと自分の個性を生かして生きられる
第7章 試練にへこたれない強い“からだ”をつくる
第8章 自分の世界、自分の人生を楽しむ


■ポイント■

◆「気」の力
 ・「他人が狂気に走るような状況にあっても、自己実現の道を選択し得る能力、
   これが偉大さの本質である」
 ・「誰のものでもない、自分自身の人生」
 ・「死」も、効果的に生きるための助け
  ・職責、家庭の切り盛り、社会的関心・・守るべきものではなかった
 ・「今この瞬間」を生きる
  ・「心」の「金縛り」と闘う
 ・「感情」はコントロールできる
  ・自分の考えは自分自身のもの
  ・どんな経験も楽しく、興味をそそるものにすることができる
 ・「感情」を選び取る「決意」
  ・断固として「決断」して「繰り返す」のみ
 ・「脳」はどこに行くにも一緒に持ち歩ける強力な道具
 ・「幸福」とは明日のためにあるもの。実は決して手に入らないもの。
 ・「成長」が無ければ生きている価値がない
  ・「成長」を動機付けとして選択
  ・「環境」は創り出すことができる
  
◆「自己嫌悪」を取り払う
 ・「自己愛」の大量服用
  ・「他人」の尺度で生きない
  ・どんなことに関しても「自分」を大切にする
 ・「イメージ療法」
  ・「色んな自分」(パート)がいる
 ・「心を込めて」「時間をかける」:根気と努力
  ・「決心」次第
 ・「幸福」とは自分ではどうにもできない事柄に関して不平を言わないこと
 
◆「自立」と「自尊」の精神
 ・人の是認を必要とするのは「あなたが私をどう見るかの方が、私が私をどう
  思うかよりも大切だ」というのと等しい
 ・「自分の考え」を大切に
  ・「他人」の意見や好みの犠牲にならない
  ・「依存心」:「見かけの楽さ」にごまかされない
 ・「八方美人」になろうとしない
  ・「50%の確率」で反対を受ける可能性がある
  ・「他人の反対」は、地球上で生きる限り当然あるもの
  ・「賞賛」を得られない場合の痛手に対して「免疫」をもつ
 ・「一番賛同を得そうな人」は、決して賛同を求めず、そんなことに
   心を奪われない人である
  ・「子猫のしっぽ」の話し
  
◆「昨日の自分」を越える
 ・「過去の人生を頼りに自分自身という人間を語り、過去の世界を彷徨
   するのは幽霊だけ。生きている自分は、今現在の存在であって、過
   去の存在ではない」
 ・「レッテル貼り」の功罪
  ・「功」:自分を防御してくれる=本当はやりたいことを「回避」
   「罪」:変化を妨げる
  ・「もしもあなたが私にレッテルを貼るなら、それは私の存在を否定
    することになる」(キルケゴール)
    「レッテル」に合わせて生きなければならなくなったとき、その
     人自身は存在しなくなる
  ・まったく今のままの自分でいようとすることは、死にも等しい選択
  ・「人間性」などというものは存在しない。人が勝手に分類し、口実
    を作り出すように意図されたもの
 ・「冒険」をしてみる:過去を過去として切り離す
  ・今までと違った行動をしてみる
  ・毎日、"Something New"に挑戦する
  ・何かを「学ぶ」=変化への挑戦
  
◆「今」が最高のチャンス
 ・「過去」:自責、悔恨 ----- 「未来」:不安、恐れ
    →「Reframing」       →「行動」
 ・「不安」の背後にある理由を理解する
  ・「不安」のおかげで、自分は変わらずにすむ
  ・「不安」は、自滅的な行為の手軽な言い訳となる
 ・「不安」の不合理性に気づく
  ・「不安のための時間」を設ける
  ・「不安の一覧表」をつくる
 ・「不安」に対する最善の対抗手段は「行動」
  ・「不安」とまともに衝突するような行動をとってみる
  
◆「未知の世界」に踏み出す勇気
 ・「不安定な者だけが必死に安定を求める」
 ・「無難な選択はいつか行き詰まる」
  ・「予め分かっている一日が楽しい?」
  ・「退屈は、人の気力をそぐ」
  ・「やろうと思えばいつでもできる」
 ・「未知への挑戦」
  ・「神秘的なことは、あらゆる成長と感激の源」
  ・「変化には不測の事態がつきもの」
 ・「やりたい気持ち」に素直に:「ただやりたいから」
  ・「目的」「理由付け」は必要ない
  ・「自発性」とは、面白そうだからというだけの理由から、
    瞬時の判断で何かを試すことができる能力
  ・「この領域で本当に自分らしい自分でいられるか」
  ・「先入観」を捨てる
  ・「案ずるよりやってみる」「失敗はない」
 ・「計画ずくめ」のもろさ
  ・「計画された自主性などというものはない」
  ・「予定案」を参考に、自分の位置を知ることはいい
 ・「安全主義」は「変化」に弱い
  ・「確実性」が「感激」と「成長」を奪ってしまう
  ・「外面的安全」:財産、社会的地位、名声
   「内面的安全」:自尊心、自信
 ・「完璧主義」の重さ
  ・「ベストを尽くせ」が、達成神経症の根っこ
  ・「単にやるだけ」という活動があってもいい
  ・「成功・失敗」で価値が決まると考える愚かさ
 ・「あえてレールを飛び出してみる」
  ・「人生、必ずしも自分の行き先が分かっていなくてもOK」
  ・「存在するのは「今あるもの」だけ」
  ・「事実を信念で色づけしないで、自由に体験してみる」
  ・「失敗を恐れる気持ちは、他人の反対や嘲笑に対する恐怖心」
  ・「自分の「独立宣言」を」

◆「状況打開の柔軟思考」
 ・「社会通念」で自分を小さくしない
  ・まちがいだらけの「でなければならない」
  ・因習に盲目的に固執する必要はない
 ・「責任」を正面から受け止める
  ・自分をコントロールする拠点を「外」から「内」に
  ・自分の感情に対して「責任」をとる
 ・「他人事」に時間を奪われない
  ・「非難」は例外なく時間のむだ
  ・「英雄」もしょせん人間。上手に何かをやれる、ただそれだけ。
 ・「正誤」は判断つかないことも多い
  ・「正しい」答えを見つけなければならないという考えの罠
  ・ただ「違う人間」なだけ
 ・「優柔不断」は正しくありたいと思う気持ちから
  ・ある決断から起こりうる結果に、正誤、善悪はない
  ・現在の時点でどれが好ましいか
 ・「なすべきこと」にとらわれない
  ・「なすべきこと」は、おそらく自分で決めたものではない
  ・「しきたり」に従っていると、いつまでもずっと変わらない
  ・「自分」で判断し、自分を信頼して、そのときどきの判断を下す
  
◆「先延ばし」は一番普遍的な「錯信帯」:「やらなかった」だけ
 ・「先延ばし」を正当化する根拠の1/3は「自己欺瞞」、2/3は「逃避」
  ・仕事に取りかかるのを避けるための口実にすぎない
  ・ものごとは自ずから良くなることは決してない
 ・「行動」しないと「成長」はない
  ・今すぐ取りかかる
  
◆「自主性」と「責任」を育てる
 ・「精神的な自立」を貫けるか
  ・「依存心」を育てない
  ・「最小限の妥協」と「自立」「自信」「自尊」
  
◆「セルフコントロール」の実践
 ・「自分は考え方を変えることができる」
  ・「怒り」→「笑い」:せっかくの大切な「現在」を浪費しない
 ・「感情コントロール法」
  ・「自分の思考プロセスを自覚する」
  ・「嫌いなら嫌いでいい」
  ・「散歩して頭を冷やす」
  ・「他人とは意見が相容れないことがあると覚悟」
  ・「変化させようと挑戦してみる」
  
◆「充実人生」に向けて
 ・「錯信帯」を持っていない人の特徴
  ・「現実を楽しめる」:ありのままの現実を素直に受け入れる
   ・「一瞬一瞬がかけがえのない人生」
  ・「好奇心が旺盛」:"Something New"への挑戦
   ・「失敗」とは「他人の批評」に過ぎない
  ・「自分のために生きる」:「依存」より「自立」
   ・「他人の評価」にとらわれない
  ・「正直さ」:「嘘は不自由の始まり」
   ・「自分で一番いいと思ったやり方で問題に取り組む」
  ・「健康管理がうまい」:「病気を治す力があると信じている」
   ・「充実した人生を生きたいから健康に気を配る」
  ・「生きることが幸福」:「幸福を追い求めたりしない」
   ・「現在」という時を最高に充実させること
 

650. 「昭和史」 半藤一利

「昭和史」 半藤一利 平凡社(09/06)

■書評■

 自虐史観か、日本人の持つ根本的弱さのケーススタディか。

 本書は、日露戦争勝利から、終戦までの「昭和史」を、わかりやすい
語り下ろし形式で記載された名著です。

 国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒、「国際社会」を理解して
いなかった外交の弱さなど、本書に記された5つの教訓は、現在もなお
生きているように思います。

 多くの犠牲を強いたこの過ちを繰り返さないためにも、この振り返り
は大切です。


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昭和史(1926-1945) (平凡社ライブラリー) [ 半藤一利 ]


■目次■

序章   昭和史の根底には“赤い夕陽の満州”があった
      日露戦争に勝った意味
第一章  昭和は“陰謀”と“魔法の杖”で開幕した
      張作霖爆殺と統帥権干犯
第二章  昭和がダメになったスタートの満州事変
      関東軍の野望、満州国の建国
第三章  満州国は日本を“栄光ある孤立”に導いた
      五・一五事件から国際連盟脱退まで
第四章  軍国主義への道はかく整備されていく
      陸軍の派閥争い、天皇機関説
第五章  二・二六事件の眼目は「宮城占拠計画」にあった
      大股で戦争体制へ
第六章  日中戦争・旗行列提灯行列の波は続いたが
      盧溝橋事件、南京事件
第七章  政府も軍部も強気一点張り、そしてノモンハン
      軍縮脱退、国家総動員法
第八章  第二次大戦の勃発があらゆる問題を吹き飛ばした
      米英との対立、ドイツへの接近
第九章  なぜ海軍は三国同盟をイエスと言ったか
      ひた走る軍事国家への道
第十章  独ソの政略に振り回されるなか、南進論の大合唱
      ドイツのソ連進攻
第十一章 四つの御前会議、かくて戦争は決断された
      太平洋戦争開戦前夜
第十二章 栄光から悲惨へ、その逆転はあまりにも早かった
      つかの間の「連勝」
第十三章 大日本帝国にもはや勝機がなくなって
      ガダルカナル、インパール、サイパンの悲劇から特攻隊出撃へ
第十四章 日本降伏を前に、駆け引きに狂奔する米国とソ連
      ヤルタ会談、東京大空襲、沖縄本島決戦、そしてドイツ降伏
第十五章 「堪ヘ難キヲ堪ヘ、忍ビ難キヲ忍ビ」
      ポツダム宣言受諾、終戦
第十六章 三百十万の死者が語りかけてくれるものは
      昭和史二十年の教訓
講演録  ノモンハン事件から学ぶもの


■ポイント■

◆「昭和史は、日露戦争の遺産を受けて、満州を日本の国防の最前線として領土
にしようとしたところからスタートしました。最終的にはその満州にソ連軍が攻
め込んできて、明治維新このかた日露戦争まで四十年かかって築いてきた大日本
帝国を、日露戦争後の四十年で滅ぼしてしまいます。満州国はあっという間にソ
連軍に侵略され、のち元の中国領土となるかたちで戦争が終わるという、昭和史
とは、なんと無残にして徒労な時代であったかということになるわけです」

◆「昭和史からの5つの教訓」
 ・「国民的熱狂をつくってはいけない」
    マスコミの熱狂、時の勢いに駆り立てられてはいけない
 ・「危機において抽象的な観念論を好み、具体的理性的方法論を検討しようとしない」
    自分にとって望ましい目標を設定し、上手な作文で壮大な空中楼閣を描くのが得意
    物事は自分の希望するように動くと考える
    起きると困ることは起きないことにする
 ・「日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害」
    陸軍大学校優等卒の集まった参謀本部作戦課が絶対的な権力をもち、他部署でどん
    な貴重な情報を得てこようが、一切認めない
 ・「国際的常識を理解していなかった」
    ポツダム宣言受諾が意思の表明でしかなく、終戦は降伏文書調印が必要
 ・「何かことが起こった時に、対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想」
    大局観がない、複眼的考え方が不在

649. 「こころの最終講義」 河合隼雄

「こころの最終講義」 河合隼雄 新潮文庫(16/05)

■書評■

 心理療法の大家、河合隼雄先生が京都大学教授を定年
退職された際の最終講義録です。

 テーマである「コンステレーション」の考え方は、今
までもやもやしていた、こころの深いところの動きを理
解するのに有用でした。

 コンステレーション(constellation)とは「星座」と
いう意味で、地球から見ると、あたかも何らかの意味があ
るように見える星の配列も、実際には、バラバラな位置関
係にあります。

 ユングは、「出来事が全体の中で関連を持って生じてく
る」という意味で、この言葉を使いましたが、内的な心理
状態と外的な出来事との関係性は、本当に不思議です。


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こころの最終講義 (新潮文庫) [ 河合隼雄 ]


■目次■

1.コンステレーション
2.物語と心理療法
3.物語にみる東洋と西洋
3−1.隠れキリシタン神話の変容過程
3−2.日本霊異記にみる宗教性
4.物語のなかの男性と女性
5.アイデンティティの深化


■ポイント■

◆「コンステレーション」(星座、付置)
 ・「ユング」の「言語連想テスト」から
   「こころの中の何かの固まり(元型)」が表出してくる
 ・「その人の自己実現の過程をコンステレートすること」
  「そして、その自己実現の道を、その人とともに歩むこと」
   が心理療法(マイヤー):Thは何もしない
 ・「問題そのものより、その下にあるコンステレーションを探る」

◆「全体的なコンステレーションを読む」:「意味を見出す」
 ・「因果関係」を見つけるために、表層の因果関係に囚われない
    現象の中に、「私」が入っている
 ・「開いた姿勢」で「待つ」こと
    何事が起ころうと大丈夫という態度で
 ・「余計なことはしないが、心は本当に関わっている」状態
    気配を感じる
 ・「一瞬のコンステレーション」から「物語」を紡ぐ

◆「リアライザーション」
 ・「わかる」ことと「実現する」こと

◆「語り」は「筋(プロット)」を持っている
 ・「私」がそこに組み込まれている

◆「自然科学的手法は、自分と自分の世界との関係を失わせる」
 ・「操作主義」で、「人間の関係性」が失われる

◆「物語」が「心理療法」と「科学」を結びつける
 ・「聴く人が腑に落ちると感じる、つまり、身体性を伴う知として
   把握するために、「物語る」ということが大切になってくる」
 ・「ClはClのことを語ろうとしており、Thもその語りを聴きながら
   一つの「語り」を作ろうとしている」:普遍化の試み
 ・「生命科学」は、命についての「物語」をどう語るか

648. 「世界は分けても分からない」 福岡伸一

「世界は分けても分からない」 福岡伸一 講談社現代新書(09/07)

■書評■

 福岡伸一先生の「生物と無生物のあいだ」に続く、科学エッセイ集。

 「世界は分けないことにはわからない。しかし、世界は分けてもわか
らない」

 パワーズ・オブ・テンと北斗七星とランゲルハンス島
 ゲティ美術館と、コルティジャーネ
 須賀敦子と、インクラビリ(不治の病)
 「マップラバー」と「マップヘイター」
 "Border and Sight"と"TRANSPLANT"

 これらの個々のエッセイが、後半のメインストーリーの伏線となって
いる、見事な構成で、一気読みしてしまいました。

 自然科学者が、一般読者向けに提供する「わかりやすい」散文として
素晴らしい書です。


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世界は分けてもわからない (講談社現代新書) [ 福岡伸一 ]

■目次■

プロローグ パドヴァ、二〇〇二年六月
第1章 ランゲルハンス島、一八六九年二月
第2章 ヴェネツィア、二〇〇二年六月
第3章 相模原、二〇〇八年六月
第4章 ES細胞とガン細胞
第5章 トランス・プランテーション
第6章 細胞のなかの墓場
第7章 脳のなかの古い水路
第8章 ニューヨーク州イサカ、一九八〇年一月
第9章 細胞の指紋を求めて
第10章 スペクターの神業
第11章 天空の城に建築学のルールはいらない
第12章 治すすべのない病
エピローグ かすみゆく星座


■ポイント■

◆「パワーズ・オブ・テン」
 ・「マクロを形作るミクロな世界の中に、マクロな世界と同じ
   構成原理が、無限の入れ子構造として内包されている」
 ・「顕微鏡の倍率を上げると、視野と光は失われる」

◆「コンビニのサンドイッチはなぜ長持ちするのか」
 ・「ソルビン酸」は、「微生物の酵素」に取り付いて代謝反応をブロック
 ・「インビトロの実験」では、安全である
 ・「抗生物質」も「ソルビン酸」も、腸内細胞に影響し、整腸作用変調

◆「マップラバー」と「マップヘイター」
 ・「鳥瞰性」か「近接関係性」か
 ・「ジグソーパズル」作成時、マップヘイターは全体の絵柄を知る必要はない
 ・「細胞」は互いに「空気」を読んでいる(マップラバーは存在しない)

◆「鼻はどこまでが鼻か」
 ・「生命現象」に「部分」と呼べるものは存在しない
    連続しながら変化する細胞のグラディエーションがあるだけ

◆「TRANSPLANT」(臓器移植)
 ・「生命」が本来的にもっている「可塑性」に支えられているだけ
    生命現象は可塑的であり、絶え間ない動的平衡状態にある

◆「部分の総和は全体ではない」
 ・「プラスα」は、「エネルギー、情報の流れ」(関係性)
 ・「秩序」は、その中に構築のための膨大なエネルギーと精妙さを内包
   「秩序」は、壊されるのを待っている
 ・「消化」は、「酵素(触媒)」による「秩序」の崩壊

◆「エントロピー増大の法則」に先回りして自ら壊す「自転車操業」

◆「希求した天空の城」と「治すすべのない病」

◆「静止画」では、「動的平衡状態」を見ることができない
 ・「この世界のあらゆる要素は、互いに連関し、全てが一対多の関係」
 ・「部分」もなければ、「輪郭線」「ボーダー」も存在しない
 ・「本当の意味での「因果関係」」と呼ぶべきものもない

647. 「仕事に効く教養としての「世界史」」 出口治明

「仕事に効く教養としての「世界史」」 出口治明 祥伝社(14/02)

■書評■

 人類5000年史から現代を読み抜く10の視点とは。

 ライフネット生命の創業者である著者の、歴史解説本です。

 中国やヨーロッパの現在につながる歴史記述は、教科書では学べ
ない解説でした。

 「仕事に効く」は、とってつけたようなタイトルですが、著者の
世界史に対する想いが伝わる好著です。

 「全世界史」と併読すると、歴史の縦と横が繋がります。


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仕事に効く教養としての「世界史」 [ 出口治明 ]

■目次■

第1章 世界史から日本史だけを切り出せるだろうか
     ペリーが日本に来た本当の目的は何だろうか?
第2章 歴史は、なぜ中国で発達したのか
     始皇帝が完成させた文書行政、孟子の革命思想
第3章 神は、なぜ生まれたのか。なぜ宗教はできたのか
     キリスト教と仏教はいかにして誕生したのか
第4章 中国を理解する四つの鍵
     難解で大きな隣国を誤解なく知るために
第5章 キリスト教とローマ教会、ローマ教皇について
     成り立ちと特徴を考えるとヨーロッパが見えてくる
第6章 ドイツ、フランス、イングランド
     三国は一緒に考えるとよくわかる
第7章 交易の重要性
     地中海、ロンドン、ハンザ同盟、天才クビライ
第8章 中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン
     ヨーロッパが生まれる前の大活劇
第9章 アメリカとフランスの特異性
     人工国家と保守と革新
第10章 アヘン戦争
     東洋の没落と西洋の勃興の分水嶺
終章 世界史の視点から日本を眺めてみよう


■ポイント■

◆「ドメスティケーションの最後が「神」の誕生」
 ・「植物:農耕」「動物:牧畜」「金属:冶金」
  「自然界のルール:神」

◆「宗教」は「貧者の阿片」
 ・「支配者」にとって必要

◆「BC500年代は、地球温暖化と鉄器普及で高度成長時代」
 ・ソクラテス、孔子、ブッダ

◆「中国を理解する四つの鍵」
 ・「中華思想」
 ・「諸子百家」:法家、儒家、墨家、道家
 ・「遊牧民と農耕民の対立と吸収の歴史」
 ・「始皇帝のグランドデザイン」

◆「キリスト教とローマ教会、ローマ教皇」
 ・「カトリック」:ラテン語で「普遍的」
 ・「大シスマ」(1054-1965):東方正教会とローマカトリック
  「小シスマ」(1378-1417):アヴィニョンとローマ
 ・「神聖ローマ帝国」と「ローマ教皇」
    ピピンの寄進(756)→シャルルマーニュ(800)→オットー大帝(962)
 ・「十字軍」時の「贖宥状」が、宗教改革を呼ぶ
  「宗教改革」による信者減が、イエズス会を生む

◆「ドイツ、フランス、イングランド」
 ・「フランス」と「イングランド」は、百年戦争までは一緒に考える
 ・「ドイツの小国分裂」が「ハンザ同盟」を

◆「交易の重要性」
 ・「地中海ルート」と「イスラムのイベリア半島支配」
 ・「アムステルダム」から「ロンドン」に移った契機
   「名誉革命」(1686年):ジェームス二世がプロテスタント弾圧
    「オレンジ公ウィリアム」:ネーデルランドの没落へ
 ・「クビライの銀大循環しくみ」→「朱元璋の鎖国政策」
    科挙の廃止→朱子学へ
 ・「永楽帝の鄭和艦隊」→「万里の長城建設で廃止」→「大航海時代」
 ・「ペスト」:モンゴル→ヨーロッパ→新大陸

◆「中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン」
 ・「突厥(ティルク)」→「ウィグル」(840):キルギスに敗れる
   「トゥルクマン」:イスラム教化したティルク
     →「マムルーク」(奴隷)→「セルジューク朝」
 ・「サラディン」と「十字軍」:ファティマ朝倒す(1171)
   「アイユーブ朝エジプト」→「マムルーク朝」:バイバルス
 ・「バイバルス」がモンゴル軍を破る
 ・「ガズナ朝アフガニスタン」(998):マフムード→インドの仏教を掠奪
   「ゴール朝」:アイバクがデリー・スルタン朝(1206)
   「ムガール帝国」:バーバル
 ・「チャルディラーンの戦い」(1514):バグダッドを巡る戦い
   「オスマン朝」イエニチェリ歩兵+鉄砲vs「サファビー朝」騎馬軍団
  「長篠の戦い」(1575)
 ・「オスマン朝」のウィーン包囲から、ヨーロッパという概念が誕生
    鉄砲の発明で、騎馬軍団に対抗

◆「アメリカとフランスの特異性」
 ・「アメリカ独立戦争」(1776)と「フランス革命」(1789)
   「英仏対立」の結果、フランスはアメリカに味方
   「イデオロギー優先」の人工国家
 ・「アメリカ」の「憲法」と「大統領」
   「歴史」の無さが、成文を貴ぶ

◆「アヘン戦争」:東洋没落と西洋勃興の分水嶺
 ・「ネーデルランドの東インド会社」(1602):ジャカルタ
    モルッカ諸島の香辛料
 ・「英国の東インド会社」(1600):インド
    ブラッシーの戦い(1757)でフランスを破る
    産業革命で、綿織物の競争力強化→インドの零落
    アヘン(インド)→中国→銀の放出→シンガポール建設
 ・「アヘン戦争」(1840) 林則徐の罷免
    中国の紅茶→インドのダージリン、スリランカ
    林則徐の「海国図誌」→佐久間象山、吉田松陰

◆「日本の高度成長」は「毛沢東」のおかげ
 ・「中国共産党」→アメリカ政策が「中国」から「日本」へ
    朝鮮特需、復員増で人口増加、吉田茂ドクトリン

646. 「書評記事の書き方」 倉下忠憲

「書評記事の書き方」 倉下忠憲 Kindle(15/02)

■書評■

 ブログにおける書評記事の書き方について解説された書です。

 書評と感想文との違い、引用の要件等、分かりやすく記載され
ています。

 また、著者記載の具体的な書評記事例も10編掲載されています
ので、著者の思いが伝わります。


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■目次■

Part 1 書評記事の書き方

Lesson 1 そもそも書評とは
Lesson 2 本の紹介における視点
Lesson 3 価値としての批評
Lesson 4 ネタバレ
Lesson 4.5 引用の要件
Lesson 5 書くことを引き出す7つの質問
Lesson 6 タイトルの付け方

Part 2 書評記事クロニクル

書評 「仕事をためこまない人になる5つの習慣」(佐々木正悟)
書評 「ストレスフリーの整理術 実践編」(デビット・アレン)
書評 「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)
【書評】『トライブ 新しい”組織”の未来形』(セス・ゴーディン)
【書評】ビッグデータの正体(ビクター・マイヤー=ショーンベルガー ケネス・クキエ)
プログラミングは教養なのだろうか
【書評】なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?(佐々木正悟)
【書評】知的生産の技術とセンス(堀 正岳 まつもと あつし)
【書評】数学文章作法 推敲編(結城浩)


■ポイント■

◆「書評」とは「内容紹介+論評」

◆「感想文」:視点は「本の中」
 「論評」:視点が「本の外」
   自身の内的世界の中での位置づけ

◆「書評」の目的は、「読者が本を選ぶための情報を提供すること」

◆「引用」の要件
 ・既に公表されているものであること
 ・「公正な慣行」に合致すること
 ・報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること
 ・引用部分とそれ以外との「主従関係」が明確になっていること
 ・カギ括弧等により、「引用部分」が明確になっていること
 ・引用を行う必然性があること
 ・出所の明示が必要なこと

◆「書くこと」を引き出す7つの質問
 ・「購入の経緯」:なぜ買ったのか、
 ・「本の対象読者」:初心者、上級者向け、ジャンル
 ・「著者の考え」
 ・「その考えにどのような印象」
 ・「印象に残ったフレーズやセンテンス」
 ・「類書との違い」
 ・「関連する情報」:一緒に読むと効果的な本等

◆「タイトル」の付け方
 ・「内容を的確に表し」ながら、「読む気」にさせるもの
 ・「書名だけ」「書名+コメント」


645. 「人気ブログの作り方」 かん吉

「人気ブログの作り方」 かん吉 Kindle(15/10)

■書評■

 Kindle Unlimitedで、読んでみました。

 SNSとブログの連携、ブログタイトルの決め方等、有用な
情報があります。

 Kindle電子書籍化の作り方も記載されており、著者の思い
が伝わります。


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■目次■

はじめに 読まれないブログ記事は、存在しないのと同じである

1.これからブログを頑張ろうと思う人へ。まずは三ヶ月毎日書く。話はそれからだ
2.ツイッター時代に注目される、ブログ記事タイトル9つのルール
3.人気ブログになるためにただ一つ考えるべきこと
4.ソーシャル時代において「ブログ」の重要性がさらに増す理由
5.SEO終了のお知らせ
6.ブログでアフィリエイトをやってはいけない理由
7.ソーシャル時代を勝ち抜く「ブログタイトル」の決め方
8.文章力が無くても、面白いブログ記事を書く秘訣
9.ブログのアクセス数を半年で12倍にした私の戦略
10.ブログはすべて「レビューブログ」に帰結する
11.自分の活動の実績はしっかり残す。ブログを人生の母艦にする考え方
12.面白いネタは日々の生活の中にこそある
13.ブログを成長させるには、成長レベルに合わせた施策が必要だという話
14.良い記事を書いていればブログは成長するとは限らない
15.ブログ成功の本当の理由
16.すべては読者のために
17.半年続けても上手く回らないと感じるブログは、方向修正した方が良いかもしれない
18.同じことを何度も書く重要性

おわりに ブロガーが目指すべき「ゴール」とは
付録 Kindle電子書籍の作り方


■ポイント■

◆「人々が読んでくれるタイトル」
 ・「ツィッタ−でリツィートされやすいタイトル」
 ・「あなたの〜」
 ・「〜の方法」「〜の理由」
 ・「数値」

◆「ソーシャルメディア」と「ブログ」を連動する
 ・「コンテンツ」を生み出す
 ・「信用」を蓄積していく


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