"かぎろひ" 「本」のページ

ビジネス書を中心とした「おすすめ本」の書評を発信していきます

2012年12月

487. 「仕事の報酬とは何か」 田坂広志

「仕事の報酬とは何か」 田坂広志 PHP文庫(03/02)

■書評■

 「収入」や「地位」という「目に見える報酬」は、結果として
与えられるもの。「能力」「仕事」「成長」という「目に見えな
い報酬」こそ、自ら求めて得るべき報酬である。

 「我々はなぜ働くのか」という根源的な問いに対する、著者の
明快な回答が、記載されています。

 つい「上達に向けての近道」を求めてしまう心こそ、「成長」
を阻んでしまうというジレンマの提言には、唸ってしまいました。

 仕事の彼方の目標を目指して、愚直に、一歩一歩進んでいくこ
との重要性が、ストンと腑に落ちる良書です。
 
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仕事の報酬とは何か

■目次■

1.「目に見えない三つの報酬」/能力・仕事・成長
2.「腕を磨くことの喜び」/職業人としての能力
3.「いかにして腕を磨くか」/呼吸・着眼・心得
4.「いかにして師を得るか」/問われる心の姿勢
5.「仕事を残すことの喜び」/作品としての仕事
6.「いかにして仕事を残すか」/共感と志を求めて
7.「人間を高めることの喜び」/人間としての成長
8.「いかにして人間を高めるか」/心の世界に処する力
9.「決して失われぬ報酬」/歩みを終えるとき

■ポイント■

◆「自ら求めて得るべき報酬」(目に見えない報酬)
  「職業人としての能力」:「腕を磨くことの喜び」
  「作品としての仕事」:「仕事を残すことの喜び」
  「人間としての成長」:「人間を高めることの喜び」
◆「結果として与えられる報酬」(目に見える報酬)
  「収入」「地位」

[能力]:「職業人としての能力」

◆「腕を磨くことの喜び」
 ・「上司の一言」:「腕をあげたな」「力をつけたな」

◆「「能力」というものを、性急な心、安易な心で求めると、
  結果として、「能力」そのものを磨くことができなくなる」
 ・「忍耐力」「粘り強さ」が失われる
 ・「近道はない」「狭き門より入る」

◆「最も高度な知的活動は、最も強靱な肉体に支えられる」
 ・「心身とも鍛える」

◆「ナレッジ(知識)」→「スキル(職業的な智恵)」
 ・「師匠」を見つける
 ・「個性的な、言葉で表せない智恵」を、「呼吸」「身体」で掴む

◆「師匠」から学ぶもの
 ◆「呼吸」:「リズム感」と「バランス感覚」
  ・「同じ部屋の「空気」を吸う」
 ◆「着眼」(コツ、ツボ):「反省」するため
  ・「経験」の後の「反省」が重要
  ・「問題意識」を持って、徹底的な「反省」を行う
  ・「追体験」し、「言語化」してみる
 ◆「心得」(心構え、心の姿勢):「操作主義」に陥らない

◆「師匠」をいかに得るか:「謙虚な心」「求める心」
 ・「自身の心が「謙虚」であるか」
  ・目の前の職場は、我々の心が映し出された「鏡」
 ・「私淑」
 ・「一芸を学ぶ」
 ・「反面教師として学ぶ」
  ・他人の中にある「欠点」は、必ず、自分の中にもある
 ・「邂逅」
  ・「自らの心の姿勢」を見つめ直すことによって、
    すでに傍らにいる「師匠」に気がつく

[仕事]:「作品としての仕事」

◆「良き仕事(Good Job)」を残す
 ・「共同作品」:多くの仲間と共に創り上げ、日々の仕事に
         おいて残すもの
 ・「共感」:仲間との深い共感が、「知識創造」を促す
   「仲間との「縁」」:巡り会った「深い意味」を求める
     →「共同作品」に「魂」が宿る
 ・「志」:仲間と共に抱く「志」
   「その仕事の彼方に、何を見つめているか」
 ・「一隅を照らす、これ国宝なり」(最澄)

[成長]:「人間としての成長」

◆「心の世界に処する力」
 ・「心の世界を感じる力」:仲間の心の世界は「鏡」
   :問題の原因の多くは「自分の心」にあることに気づく
 ・「心の世界に働きかける力」
   :「自分の心の世界」を変えることにより、仲間の心に働きかける

◆「腕を磨く」:「スキル」の奥にある「心得」
◆「良き仕事を残す」:「共感」「志」の世界に

◆「人間の心」との「格闘」:「成長」
 ・「正対」する:「心の格闘」
    →「心の世界に処する力」を身につけていける

◆「人間集団の心」との「格闘」:「心の生態系」
 ・職場の「空気」「雰囲気」「文化」
    →「地位」=「成長」のためにあることが分かる

◆「人間としての成長」:「決して失われぬ報酬」
 ・「目に見えない報酬」を見つめる力
 ・「目に見えない報酬」を求める心の姿勢
 ・「後に続く人がいる」:「後ろ姿」を残す

486. 「検索はするな」 安田佳生

「検索はするな」 安田佳生 サンマーク(09/05)

■書評■
 
 人は何かを知りたいとき、すぐに答えを外に求めようとする。
でも、いくら探しても答えは見つからない。答えは唯一、あなたの
頭の中にしか存在しないから。

 Google等で、簡単に検索できてしまう世の中だからこそ、とこと
ん考え抜くことの重要性が高まっています。

 本書には、答えを手に入れるのではなく、答えの出し方を手に入
れる方法が多く記載されています。

 残念ながら、著者が経営していたワイ・キューブは、2011年に民
事更正法が適用されてしまいましたが、本書の内容が有益であるこ
とには変わりないと思います。

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検索は、するな。

[関連書]
 ・「仕事の選び方人生の選び方」(安田佳生)
 
■目次■

1.「すべては脳みそから始まる」
2.「自分の頭で考える」
3.「温泉はいらない、マグマが出るまで掘れ」
4.「伝える極意、感じるセンス」
5.「「好き」が決める、世界の行方」


■ポイント■

[すべては脳から始まる]

◆「アイデア」は「ひらめき」ではなく「発見」
 ・ゼロから生み出されるものではなく、誰も気づいていないものを
  見つけること
 ・この世の中にある「モノ」は、スタートは誰かの頭の中に行き着く
  
◆「じっくり考える訓練」:「受験秀才」の陥るワナ
 ・「誰でも解ける9問」ではなく、「他人が解けない1問」を解くことに価値
 ・不足しているのは、学力ではなく、答えが出るまで「考え続ける力」
 ・「深く考える」ことで、自分の頭の中から答えを見つけ出すこと
 
◆「頭の中にある答え」を引っ張り出す「アンテナ」
 ・「情報」や「知識」は、この「きっかけ」に過ぎない
 ・「興味」というアンテナが重要
 ・「優先順位」をつける能力:Googleの凄さ
 ・「混沌とした多くの情報の中から、本質に関わる情報を判別できる能力」
  
◆「自分事」にする:他人の頭に頼らない
 ・「他人の頭」を当てにしている限り、「自分の頭」は働かない
 ・「プロセス」のない「結果」は、応用できない
 ・「自分の頭」で「考え抜いたプロセス」が貴重
 ・「大局観」をもって、自分の仕事を考えてみる
 
◆「本気度」と「覚悟」
 ・「当然」を超えた「こだわり」、バランスを超えた「何か」
 ・「何かを捨てる覚悟」をしているかどうか
 ・「プロセスの共有」を通して感じられるもの
 ・「日々考える」こと
 ・「何を変えなくてはならないか。何を変えてはいけないか」を考え続ける
 
 
[自分の頭で考える]

◆「天才」は「秀才」に勝てない
 ・なまじ天賦の才能があると「考えなくなる」
 ・どれだけ「深く」「長く」考え続けているか
 ・ビジネスは「再現」の連続:ラッキーは続かない
 ・仕事の「軸」は「役に立つ」こと
 
◆「失敗」の考察
 ・明らかな「失敗」と、ニアな「失敗」の識別
 ・同じ「失敗」を繰り返さない
 
◆「変化」への「挑戦」
 ・「変化」していくためには、頭を使い続けなければならない
 ・意識的に「考えなければできないこと」を常に自分に課していく 
 ・「思考の総量」が創り出す「プロならではの味わい」
 
◆「趣味」の目的:「プロセス」を楽しむこと
 「仕事」の目的:「結果」を出すこと
 ・自分自身を掘り下げる孤独なプロセスに耐える
 ・「情報処理」(PC)→「思考」(脳)
 
◆「時間を止める」と「頭は動き出す」
 ・意識的に「時間を止めてみる」:「情報」の流れを止めてみる
 ・大切なのは「情報」ではなく、自分で「感じる」こと「考える」こと
 ・I/Pもバランス
 
 
[マグマが出るまで掘る]

◆「普段考えないこと」をあえて考え抜く
 ・どれだけしつこく、どうでもいいことを考え続けられるか
 ・「好奇心」の強さと「あきらめの悪さ」
 
◆「深く掘り下げる能力」
 ・「マグマが出るまで」深く考え続ける
 ・ずっと掘り下げていく「集中した時間」の繰り返し
 ・「真剣な思考の時間」に比例

◆「答え」を出すために考えない
 ・「思考」を深めるために「考える」
 ・「答え」は一つではない。いくつもあると思って考える
 
◆「100%受け入れ」「100%疑ってみる」
 ・自分のフィルターを持ちつつ、素直に信じてみる
 ・「大きく考える」「細かく考える」
 ・「深く考える」「深く考えない」
 ・「こだわり」もピークを迎えたら、減らしていく
 
◆「一瞬の広がり」と「絞り込むスピード」
 ・「失敗と成功の学習」
 ・「習慣の入れ替えと工夫」
 ・「目的自体の変更」
 
 
[伝える極意・感じるセンス]

◆なぜ「勉強」しなければならないか
 ・「表現したい想い」を形作り、表現するために必要な「思考力」を
   身に付けるため
 ・「感情」のコミュニケーション←「感性」を高める
 
◆「分かる」3つのレベル:「論理」と「感情」
 ・「内容を理解する」
 ・「伝えたことに同感する」:「頭が一致」
 ・「共感を生み出す」:「心が一致」

◆「感情」を垂れ流さない
 ・しっかり「噛みしめて」生きていく
 ・相手をしっかり受け止めて「感じる」
 
◆「記憶」は変質する:PCとの差
 ・「言葉」にして伝えられるからこそ、シェアできるからこそ、
  「腑に落ちる」ことがある
 ・「思考」「言葉」こそ、人間の持ち味
 
 
[好きが決める]

◆「腹を決める」
 ・死ななかったとき、潰れなかったとき、どうなるかを考える
 ・「判断の軸」を決めておく
 
◆「好きは損を超える」「得は嫌いを超えられない」
 ・「責任感」と「集中力」

485. 「敗者から見た明治維新」 早乙女貢

「敗者から見た明治維新」 早乙女貢 NHK出版(03/11)

■書評■

 「明治維新の真実」
 
 薩長という「勝者」が作った歴史の裏に隠された、松平
容保公、新撰組、会津藩の人々の真実の叫びについて記載
された歴史書です。

 教科書に載っているのはあくまでも「勝者」側のことだ
ということが、よく理解できます。

 「攘夷派」「佐幕派」双方の立場から見ることにより、
幕末、明治維新の構造がより鮮明に浮かび上がります。

 それにしても、会津藩がたどった悲惨な末路には、同じ
日本人として絶句してしまいます。

 「勝てば官軍」ゆえに、歪められた史実を正そうとする
筆者の思いを感じる一冊です。

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■目次■

1.「明治維新とは何であったのか」
2.「動乱の京都−松平容保の守護職拝命」
3.「新撰組の誕生」
4.「池田屋事件」
5.「大政奉還から鳥羽伏見の戦い」
6.「白虎隊の悲劇」
7.「土方歳三の転戦」
8.「五稜郭・新天地への夢」
9.「一藩流罪・斗南の風雪」
10.「明治を生き抜いた会津魂」

484. 「創造性組織工学講座」 糸川英夫

「創造性組織工学講座」 糸川英夫 プレジデント(93/04)

■書評■
 ロケット博士として知られる、故糸川英夫氏のライフワークと
してまとめられた組織論。著者81歳の時に発刊されています。

 日本人の得意とする「和」の精神をもとに、クリエイティブな
組織を作るために、自ら「組織工学研究会」を設立され、25年に
わたり活動されたその集大成です。

 1993年と発刊は古いですが、日本人に合った創造力発揮組織を
築き上げるコツについて、分かりやすく記載されています。

 ここまでまとまった組織論は、他にはないように思います。
今では、ユーズドでしか購入できませんが、お薦めです。

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■目次■

1.「創造性組織工学の全体像」
2.「組織の五大エレメント」
3.「プロフェッショナル・マネジャー論」
4.「ペア・システム論」
5.「環境研究」
6.「オルタナティブ」
7.「システム合成とシステム分析」
8.「失敗研究」
9.「人間学−情緒工学序説」
10.「商品弾性率と未来への課題」


■ポイント■
◆「独創力」とは、人類が逆境に直面した時、どう乗り越える
  かということから出てくる本質的な人間の営み

◆「日本人に合った、創造力発揮組織」とは
  「組織マネジメント」が重要(プロフェッショナルマネジャ)
   ・情緒(emotion)を重視
   ・ペアシステムを原点に

◆「創造性組織工学の体系」
 -1.マスクド・ニーズ(Masked Needs)の発掘
   何が求められているか?
   冷静に、二人で探るのが肝要(クールなドリーマ)
 -2.技術情報バンク(Technological Information Center)
   "Ask the authority":誰が権威かを把握
 -3.環境研究(Environmental Research)
   世の中のトレンドを読む
 -4.目標設定(Target Setting)
   P/Jの成否は、ここに有り
 -5.使命分析(Mission Analysis)
   何のためにやっているのか?
 -6.現状分析(Current Status Analysis)
   もれがないように、なるべく大勢で
 -7.オルタナティブ(Alternatives)
   ブレーンストーミングで、考え得るもの全て列挙
 -8.システム合成とシステム分析(System Synthesis,Analysis)
   オルタナティブを、考えられる限り組み合わせ、評価
   専門家より、多数の凡人集団(アウトサイダーの効用)
 -9.失敗研究(Failure Research)
   PMは、クールに「失敗」を研究

◆「組織の5大エレメント」
 -1.ネーミング:名前が組織をつくる
   新しい組織では、特に重要
 -2.使命:何をするために集まったのか
   大目標(Vision)を明確に、衆知徹底
 -3.コミュニケーション:情報フローが組織図に(体制表)
   いかに有効なコミュニケーションシステムをもっているか
   的確なミーティング
 -4.連帯感:チームに溶け込まない人は排除
   Face to Face のコミュニケーションの場が大事
   (飲み,旅行)
 -5.組織外との関係:組織の自浄作用
   外部の人が、自分の組織をどう見ているが把握
   (内外の風通しを良く)

◆「PM(Professional Manager)」
   :アドホック組織のマネジメント
 ・マネジメントの専門家:デュポンが最初
   メンバーに、自発的にやる気を起こさせる
   全体の進む道を調整する
  -1.Generalist であること
    広く浅く(深く)知っていること,
    人脈(Ask the authority)
  -2.判断力
    問題提起に対して、自分との関わりを即座に判断
    想像力
  -3.ニューラル・ヒューマン・リレーションシップ
    等距離(第三者)
    「クールなドリーマ」:夢に陥らず、「離れる」
  -4.表現力(Presentation)
    書く,話す,描く:金,人をとってくる

◆「ペア・システム」:「和」と「創造力」
 -1.考えの中心を動かす(デセンター)
   視点を変える ← 異分野
 -2.セカンド効果(フォロー,サクラ)
   賛同者がいると、意見も通る
 -3.能力の相乗効果 : 10+10 → 10*10
   ポアンカレの法則
   「新しいアイデアは、異質の組み合わせから」
 -4.連続性(時間)
   出張,風邪,気分の乗らない時の連続性
 -5.Agility

◆「環境研究」 : 失敗(八郎潟,IJPC),成功(アポロ)
 ・「未来予測」の技術
  ・「単純外挿法」:結果を見せられると、人間はそれに
     対して行動を変化させる:当たらないと言われる
     が、日常生活ではそれ故に必要
  ・「デルファイメソッド」:専門家数人に、他人の意見
     も見せてアンケート
   他、シナリオライティング,POSF法・・

◆「オルタナティブ」
   既成のものを拒否するところからスタート(ランド研究所)
 ・できるだけ、外へ出ていく:異質との接触(ポアンカレの法則)
  ・水平思考(空間的デセンター)
    :居を変える,旅,知識拡大,情報収集
  ・垂直思考(時間的デセンター)
    :歴史(業界、技術、日本、世界)
 ・オルタナティブの達人「イスラエル」
    :オルタナティブを探すなら、東西南北に旅
・アブラハム:都会化(精神の堕落)→旅に 
   来る人を拒まず(四方に入り口) 「居は心を移す」
    毎週一日は、オルタナティブの日
     (徹底的に日常生活を置き換える)
    興味のターゲットは、変遷する

◆「システム合成とシステム分析」
 ・「システム合成」:考えられる全ファクタの組み合わせ
   (善し悪しを考えない)
   3段ロケットの例
   構成要素とそのオルタナティブは、できるだけ広い範囲から
    (本も、30冊位買う) → 組み合わせ一覧表を作成

◆「失敗研究」
 ・夢だけを追わない
   スタート時はプラス面,実行時はマイナス面を見る
   PMの重要な仕事(ペアで隠密に実施するのがベスト)
 ・「失敗記録」は前進のための宝庫
   「失敗は成功のもと」「逆境なくして順境なし」
   「禍福は糾える縄」

◆「人間学」
 ・「心理学」
  ・フロイト:無意識の過程と性的衝動を重視した精神分析学
  ・スキナー:人間機械論(運命を外からの刺激でコントロール可)
        行動科学として、マネジメント分野で入り込む
 ・「学習」は条件反射の一種 : 本番に合わせて条件付け
  ・逆に、創造的な試行には、場所を変える
 ・「オペラント・コンディショニング」(スキナーの行動条件反射)
  ・人間の行動,条件反射が、言葉により強化される(褒める)
    :関係欲求 → 反応のチャネル強化(神経の太さ) → 性格にも
 ・「情緒」について
  ・喜怒哀楽 : 強いが持続しない。言語系ではない。
          文学は、喜怒哀楽を言葉にする矛盾
  ・嫉妬,怨念:持続性の情緒 「ハムレット」「オセロー」
          相手の嫉妬心を刺激することは避ける
 ・「富」の分配
  ・人間が本来的に持っている「エゴイズム」が、社会主義の失敗へ
    私利私欲=自己保存能力
    しかし、人間は、集団を形成しないと生きていけない
    (関係欲求)矛盾

◆「商品予測」の理論
 ・商品弾性率(トルンクイストの理論)
  1.生活必需品
  2.代用品
  3.比較的贅沢品 日本の得意
  4.純贅沢品 無限界
  5.情緒安定化商品 酒、宗教
    「可処分時間」が限界の要因に

483. 「はじめての課長の教科書」 酒井穣

「はじめての課長の教科書」 酒井穣 ディスカバー(08/02)

■書評■

 「ミドルマネジメント」は欧米からは学べない。

 マネジメント理論は、基本的には欧米から輸入されたもの
ですが、欧米発信の理論には、当然のことながら、日本企業
の「特徴」や「強み」を活かそうという観点はありません。

 本書は、そんな日本の強みである「中間管理職(ミドルマ
ネジメント):課長」対象の、マネジメント指南書となって
います。

 何気なく実施していた、課長時代のマネジメントを、この
ように明文化されると、得心のいくところ、不足していたと
ころが明確となり、整理ができました。

 特に、予算管理、人事評価、社内政治など、日本の実態に
即した内容が、本音ベースで書かれており、参考になるとこ
ろ大。
 
 この手の定義が苦手な日本人にとって有益な書です。


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はじめての課長の教科書

■目次■

1.「課長とは何か」
2.「課長の8つの基本スキル」
3.「課長が巻き込まれる3つの非合理なゲーム」
4.「避けることができない9つの問題」
5.「課長のキャリア戦略」


■ポイント■

◆「凡人に非凡な業績を上げさせるのが組織である」(ベバレッジ)
 ・「中間管理職」が日本型組織の強み
 ・「現場情報等、表現し難いものを表現するために、比喩や象徴に
   よって、経営者のビジョンを翻訳しつつ、末端社員を動かす」
 ・「顧客第一主義」という共通の価値観を軸に、世代間の価値観を
   通訳する役割

◆「課長の8つの基本スキル」
 ◆「部下を守り、安心させる」
  ・「悪い情報」が入ってくるか
  ・「信用」を守る
 ◆「部下を褒め方向性を明確に伝える」
  ・「想像力を働かせて、効果的に感謝の気持ちを表現する」
 ◆「部下を叱り変化を促す」
  ・「事実関係を確認」「原因を究明させる」
   「叱る」「感情のフォローアップ」
  ・「間接話法」で自分の体験も含め叱る
  ・「メッセージの軸」は一貫する
 ◆「現場を観察し次を予測する」
  ・「MBWA(Management By Wandering Around)
  ・「監視」ではなく「注目」
  ・「熱(Hot Spot)」を感じ取る
 ◆「ストレスを適度な状態に管理する」
 ◆「部下をコーチングし答えを引き出す」
 ◆「楽しく没頭できるように仕事をアレンジする」
  ・「やることの目的と価値が明確になっている」
  ・「活動を自分でコントロールできる」
  ・「活動の難易度がちょうどいい」
  ・「活動中に邪魔が入らない」
  ・「活動の最中、その成功と失敗が明確になる」
 ◆「オフサイトミーティングでチームの結束を高める」

◆「課長が巻き込まれる3つの非合理なゲーム」
 ◆「企業の成長を阻害する予算管理」
  ・「悲観的な視点から立案」
  ・「説得力あるストーリー、客観的データを準備」
  ・「100%達成する」
 ◆「部下のモチベーションを下げかねない人事評価」
  ・「部下のモチベーションを高めるコミュニケーションの機会として」
  ・「低い人事評価は事前に心の準備をさせるサインを」
 ◆「限られたポストと予算を巡る社内政治」
  ・「社内のキーマンを知り、その権力範囲を知る」
  ・「自らがキーマンにとって有用な人材になる」
  ・「いたるところで政敵を褒める」

482. 「「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方」 岩田松雄

「「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方」 岩田松雄 サンマーク(12/10)

■書評■

 スターバックスジャパンCEOを務めた方のリーダー論。
自らの経験や知見を交えながら、51のポイントで語られて
います。

 タイトルが少し軽めだが、従来の「リーダー像」である
必要はないとの言葉は親しみが湧きます。

 リーダーは、弱くてもいいし、饒舌でなくてもいい。
リーダーは、あくまでもポジションのひとつ。権限に値す
る「志」と「責任感」さえあれば、自然体でいいというの
がいい。

 やはり「人間力」が重要なのでしょう。自己を修めて人
格を磨く努力を惜します、人間的成長を目指すことが大切
だというメッセージは共感できました。

 字が大きめで行間も広く、ポイントが太字で書かれてお
り、短時間で読むことができます。


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「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

■目次■

1.「リーダーは、かっこいいとは限らない」
2.「リーダーは、饒舌でなくてもかまわない」
3.「リーダーは、部下と飲みに行かない」
4.「リーダーは、人のすることは信じてはいけない」
5.「リーダーは、立ち止まらなければいけない」
6.「リーダーは、多読家である必要はない」
7.「リーダーは、弱くてもかまわない」

■ポイント■

◆「第五水準」のリーダーを目指す
 ・「謙虚さ」「深沈厚重型の静かな闘志」「人格」

◆「努力をすれば、必ず報われる」と自分を信じる気持ち
 ・「人を治める前に、自分を修める必要」
 ・「自分にできることから、コツコツ努力する」
 
◆「自然体」
 ・「腰の低さ」「謙虚さ」「覚悟」
 
◆「現場主義」
 ・「強くない立場の人達にこそ、しっかりと目を向ける」
 
◆「地位は「権力」ではなく「責任」である」
 ・「人間を磨く」
 
◆「ミッションとは、自分たちの存在理由は何かということ」
 ・「情熱をもって取り組めるもの」(好きなこと)
 ・「自社が世界一になれるもの」(得意なこと)
 ・「経済的原動力になるもの」(人のためになること)

◆「常に見られていると意識」
 ・「長期的に楽観し、短期的に悲観する」
 ・「たまには弱音を吐いてもいい」

◆「人間として正しい判断を」
 ・「下は3日で見抜くもの」
 ・「徳」を積む

◆「火花が散る瞬間」を意識して、言葉をかける
 ・「言葉ひとつで、部下のやる気は変わる」

◆「一緒にやっていく」
 ・「真摯に聴く、メモをとる」

◆「プレゼンは、心からの一所懸命な言葉で」
 ・「知識」ではなく「体験」に基づく肉声
   「コンテンツ」を「熱意」
 ・「わかりやっさは、聞く人をどれだけイメージできるか」
   (部下への愛情)
 ・「シンプルなキャッチーなフレーズを作る」
   (想いを文字に)
 ・「何度も何度も語りかける」

◆「自尊心を傷つけない叱り方」
 ・「あなたらしくない」「あなたでさえ」
 ・「部下の関心をもつ」(何か困ったことない?)

◆「リーダー」はポジション
 ・「ピッチャー」と「サード」どちらが偉い?
 ・「みんなを幸せにしたい」という想い
 
◆「現場主義」
 ・「自分に近い人に厳しく」
 ・「先入観持たず、コミュニケーションをとる」

◆「大きい方針は直観で決めていい」
 ・「短期に焦らず、かつ、結果を意識するバランス」

◆「To Do Good」→「To Be Good」(ケインズ)
 ・「人間性」を高める

◆「朝令暮改を恐れない」
 ・「今決定しない」という決定する
 ・「素直さ」「潔さ」

◆「事実」と「判断」の区別
 ・「人を信じてもいいが、人のすることを信じない」
   「一次情報」をとる

◆「チャレンジ奨励」:率先垂範
 ・「責任」はリーダーがとる
 ・「意思決定」の機会を与える

◆「なんとかなる」「逃げない」
 ・「できることを精一杯やるだけ」(小さなことの積み重ね)
   「無駄な経験は何一つない」
 ・「意思決定から逃げない」:恨みに任ずる「覚悟」
   「民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず」
 ・「真っ正面から向き合う」
 ・「これがうまくいかなくても、人生が終わるわけではない」
 
◆「睡眠時間も自己管理」
 ・「明日の冴えた頭のために」
 ・「身体を動かす」

◆「まだまだ未完という謙虚さ」
 ・「自らを弱いものと理解する」「自然体」
 ・「畏れを持ってみる」
 ・「無私の心」:私心を捨てる:「志」(ミッション)

◆「煉瓦の壁がそこにあるのには、理由がある。僕の行く手を阻む
  ためにあるのではない。その壁の向こうにある「何か」が自分
  がどれだけ真剣に望んでいるか、証明するチャンスを与えてい
  るのだ」(ランディ・パウシュ)

◆「時間の流れを味方につける」
 ・「時間が経てば、なんとかなる」:自分に対する「自信」
   「自分を信じ続ける」


481. 「黒字浮上!最終指令」 猿谷雅治

「黒字浮上!最終指令」 猿谷雅治 ダイヤモンド(92/02)

■書評■

 上場会社の部長が、慢性的な赤字会社再建のために、
子会社の社長として送り込まれ、黒字に浮上させるまで
の奮闘記。

 1「オレがやる」、2「協力する」、3「明るくする」の
三方針をベースに、具体的な目標を打ち出し、従業員の意
欲を高めて、組織の活性化へと繋げていく。

 著者の人間味あふれる言動と、従業員に対する想いが伝
わります。やはり、組織は「人」次第ですね。


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黒字浮上!最終指令新装版

■目次■

6月.「出向内示」−現有設備・人員による黒字挑戦
7月.「赴任」−ひとつの手がかり
8月.「三方針のアピール」−不安の中で
9月.「新体制の準備」−手応えと失望と
10月.「新組織スタート」−形は新しくなったが
11月.「瞬間最大風速をつかむ」−形に内容を
12月.「絶望的な黒字」−やはりダメなのか
1月.「新しい旗のもとに」−生まれ変われるか
2月.「目標達成手段の展開」−体系的・計画的な攻めに
3月.「200トン/月体制へ」−黒字を目指して
4月.「10Z運動スタート」−黒字浮上
エピ.「組織活性化の方策」−同時並行多面作戦の展開


■ポイント■

◆「実態把握「人との信頼感」「危機意識の共有」
 ・「現場巡回」「面談」「朝礼」「部長会議」
 ・「セルフ・コントロール」

◆「全員参加」「人間の可能性」
 ・「ポスター・標語」「社章」
 
◆「行動指針の明確化」
 ・「オレがやる」「協力する」「明るくする」
 
◆「同士つくり」
 ・「キーパーソン」との共感
 
◆「自信と明るさ」
 ・「アーリーサクセス」「福利厚生の改善」
  「現場での良いストローク」
  
◆「矢継ぎ早のアクション」:「行動変革のしくみ」
 ・「新活動」スタートを

◆「重要製品のコスト分析」→「全体像」把握
 ・「品目毎のトレースのしくみ」
 
◆「最大瞬間風速」をつかむ

◆「目標の展開」
 ・「自分の位置の明確化」「体系化」
  
◆「身を捨てる」覚悟

◆「トップのあり方」について
 ・「変革に対するトップの姿勢と熱意」
   「率先垂範」
 ・「トップの哲学の確立」
   「人間主義」「方針の明文化」
 ・「トップ集団の意思統一」
   「一枚岩」「言い続ける」
 ・「目標・方針の明確化とその徹底」
   「確実なフォロー」
   
◆「改革(活性化)の進め方」
 ・「システム的側面からの組織の改革」
  ・「計画を作り上げるしくみ」
  ・「意思決定システム」
  ・「業務遂行システム」
 ・「人間出来側面からの組織の改革」
  ・「教育訓練の徹底」
  ・「福利厚生施設の重点的実施」
  ・「コミュニケーションの活性化」
  
◆「活性化実現のためのその他の要件」
 ・「同時並行多面作戦の展開」
   「システム面」「メンタル面」両方からの打ち手
 ・「みんなが内に持っているものを集約」

480. 「もう山でばてない」 森田秀巳

「もう山でばてない」 森田秀巳 山と渓谷社(99/11)

■書評■

 山登りのときの「バテ」の原因とその対策を科学的に解説
された書。

 一度、バテバテで、一緒に行ったメンバーにご迷惑をかけ
た経験があり、この本を読んで得心しました。

 何事も、準備が重要ですね。
 
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■目次■

1.「わたしはこれでバテました」
2.「人はなぜバテるのか」
3.「このトレーニングでもうバテない」
4.「こうやって食べればもうバテない」
5.「これでもうバテない」

■ポイント■

◆「身体が慣れるまで、ゆっくり歩く」
 ・周囲を見る余裕がなくなったら、オーバーペースの証拠
 
◆「休憩は長くとりすぎない」
 ・5-10分で、ストレッチを
 ・疲れ切る前に
 
◆「歩幅を小さく、呼吸を大きく」
 ・ペースを一定に

◆「炭水化物を小刻みに摂取する」
 ・行動食として、2時間に一度
 ・グリコーゲンの材料として、餅やじゃがいも
 ・オレンジジュース、柑橘類(クエン酸)
 ・珈琲は、脂肪の分解を促進する
 ・バナナ、カロリーメイト(デキストリン)
 
◆「筋肉疲労には、タンパク質」
 ・チーズ、乾燥食品
 
◆「鉄分」の補給
 ・オレンジジュース、煮干し、佃煮、ノリ
 
◆「ビタミン剤」も有効
 
◆「水分もこまめに」
 ・歩き出す前に、歩行中に
 ・のどの渇きを感じる前に
 
◆「下りは、大腿四頭筋を鍛える」
 ・スクワット、階段の上り下り
 
◆「整理体操」が重要
 ・乳酸は、休むより軽い運動で、消滅が早まる
 

479. 「人生に消しゴムはいらない」 糸川英夫

「人生に消しゴムはいらない」 糸川英夫 中経出版(95/10)
  〜あなたの未来を拓く自己革新〜

■書評■

 ロボット博士だった糸川英夫さんの、生き方の秘訣集を再読
致しました。
 
 「分かりやすい話で、耳にすっと入るけれど、本質は意外な
ほど深いものがある」エッセイにまとまっています。

 55歳で、組織工学研究所を設立され、ベストセラー「逆転の
発想」を出版されたのが、62歳。本書が出版されたのは、なん
と83歳のときです。人間、いくつになっても、何かを始められ
ますね。

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[関連書]
46.「創造性組織工学講座」(糸川英夫)
http://blog.livedoor.jp/kagirohi2007/archives/53546299.html

52. 「頭を良くする方法」 (糸川英夫)
http://blog.livedoor.jp/kagirohi2007/archives/53817550.html

■目次■

1.「「使命」は人間性を高める」
2.「「未知の相手」を知ると世界が広がる」
3.「「いい師」は人生最大の収穫になる」
4.「「いい友」は自分の飛躍につながる」
5.「「逆境」にはすごい効力がある」
6.「「身体」の重大事、「心」の重大事」
7.「「科学」は人生の糧になる」

■ポイント■

◆「使命」は人間性を高める
 ・「使命」=「社会的責任」=「役割」
 ・「他人」に頼らず、「自分」を大切にする。
   「われ事に当たりて後悔せず」(宮本武蔵)
 ・「後天性」が大切だと自覚
 
◆「未知の相手」を知ると世界が広がる
 ・自分の知らないことを、子供に習わせる
 ・自分の考え方を持つためには、相手を知る必要がある
   「留学」より「留教」
   相手の考え方や感性を深く理解しないと的確な教育はできない
 ・「目的意識」をもって、相手と会う
 ・人のやらないことをやる(好奇心)
 ・「知力」と「体力」のバランス
 ・「脳」は酷使していい

◆「縦割24時間法」
 ・「ハッピーリタイア」は幻想
 ・ライフワークや趣味も、長年にわたって問題意識を深め、
  技術を磨くことによって、はじめて目に見える成果に実る
  
◆「いい師」は人生最大の収穫
 ・黙って待っていてもだめ。問題意識を研ぎ澄まして積極的に探す
 ・「師」から何を学ぶかは、弟子の勝手
 ・「本」も「師」
   興味あるテーマに関連した専門書を最低20冊買って熟読する
   
◆「いい友」は自分の飛躍に
 ・「デ・センター」:友を異類を呼ぶ
 ・「機転」は遊び心から生まれる
 ・「ペア・システム」指向
   個人と個人の関係が、思考や活動の基本単位
   
◆「逆境」にはすごい効力
 ・恐竜絶滅の理由は「逆境」がなくなったこと
   サバイバルを促す必須要素
 ・いやなことから逃げない
   個人として何ができるか。自分と戦う

◆「異質」の効用
 ・「ポアンカレの法則」
   「科学における独創性は、異質なものの組み合わせによる」
 ・「現在の足場」と「未来のビジョン」
 
◆「身体」と「心」
 ・ポイントは頭と手足
   頭を酷使し、手足を鍛える
 ・怒りを癒してくれるのは「時間」
 
◆「科学」は人生の糧
 ・「色即是空、空即是色」
   万物は「無」から生まれ「有」に至り、「無」に帰着する
 ・「野火に迎え火」
   強い緊張に対して、比較的小さな緊張を対置して、緊張を和らげる
   武蔵は、意識を集中させるために、櫓を小刀で削って、雑念を払い
   のけた。
   
◆「人生、何歳になろうと 一日に24時間しかない
   というか 24時間もあるというか
  その中の何時間か何分で 新しいことを学び、知り、
   新しい人を友にもち、
  たとえ3分でも 楽しいときをもてれば
   やはり生きていてよかったのでしょう」
 

478. 「製造業が日本を滅ぼす」 野口悠紀雄

「製造業が日本を滅ぼす」 野口悠紀雄 ダイヤモンド(12/04)

■書評■

 製造業に勤務する身からは、なんとも衝撃的なタイトルで
したが、内容は実データに基づいた分析であり、従来の価値
観からの決別の必要性を改めて感じました。

 確かに、円高で価格転嫁できないのは、製品競争力がなく
コモディティ化してしまっているのは事実。ただ、その中で
も、日本のモノづくり文化の伝承は不可欠だと想います。

 貿易赤字の構造、円高の効果、TPPの多面的評価等、デー
タに基づく解説は納得できますが、国内の製造業不要論の
ような論調には、少し違和感ありました。
 
 これから、ますます海外展開は進むでしょうし、その中で
の国内の役割を明確にしていきたいものです。

 しかし、電力料金も大きく上がるし、製造業にとって、試
練の年となるのは、確かですね。


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製造業が日本を滅ぼす

■目次■

1.「日本の輸出立国は大震災で終わった」
 1.「貿易赤字が定着する」
 2.「貿易赤字の定着は「ニューノーマル」」
 3.「貿易赤字の定着は通念の変更を迫る」
2.「日本の貿易構造は変化している」
 1.「自動車産業は「農業化」した」
 2.「日本の電機業界を生き残れるか」
 3.「対中国輸出は日本経済を支えられるか」
 4.「ドル建て価格を上げられれば、円高は問題ではない」
3.「円高について通念を変えるべきとき」
 1.「円高は日本の国難なのか」
 2.「円高の利益を冷静に評価する必要」
 3.「五時間で300億円、FX投機で空前の利益」
 4.「貿易赤字になっても円安にならない」
4.「電力問題に制約される日本経済」
 1.「電力供給は需要に対応できるか」
 2.「発電コストが上昇する」
 3.「電力問題で加速する海外移転」
 4.「電力会社は地域独占と総括原価方式に支えられていた」
5.「縮原発は不可能ではない」
 1.「エネルギー計画の見直しは、電力需要の再検討から」
 2.「経済成長率を見直せば、原発依存率は半減する」
 3.「産業構造が変われば、電力需要は減る」
 4.「環境基準と縮原発の同時達成は可能」
6.「製造業の事業モデルを変える」
 1.「正念場を迎えている日本の製造業」
 2.「成長モデルを全体として入れ替える」
 3.「新しい製造業のモデルを構想する」
7.「海外移転で減少する国内雇用をどうするか」
 1,「製造業の海外シフトが加速している」
 2.「怒濤のようにアジアにシフトする自動車産業」
 3.「製造業が日本にとどまっていても、雇用は減少する」
 4.「日本経済の活性化には、高生産性サービス業が不可欠」
8.「TPPで本当に議論すべきは何か」
 1.「TPPは貿易自由化ではない」
 2.「TPPによる輸出増加効果は僅か0.4%」
 3.「中国の出方次第で、日本の製造業は大打撃を受ける」
 4.「TPPやFTAは、輸出振興策としては時代遅れ」
 5.「世界に開かれた日本を目指せ」
9.「欧州ソブリン危機は日本に波及するか」
 1.「対照的なギリシャとアイルランド」
 2.「イタリア国債で問題が生じたのはなぜか」
 3.「欧州ソブリン危機は日本国債に波及しない」
 4.「経常収支赤字でも国債消化に支障は生じない」
 5.「日本国債のリスクは確実に高まっている」
 
 
■ポイント■

◆「貿易赤字時代には、円高が日本を助ける」
 ・モノを作って輸出するより、巨額の対外資産を運用する
 
◆「日本活性化のために人材開国する」
 ・「場貸し」への勇気
 
◆「貿易収支が回復しない理由」
 ・「アメリカの消費ブーム終焉」
 ・「円高」「電力制約」「生産拠点の海外移転」
 
◆「為替レート」は他国との物価上昇率の差と金利差で決まる

◆「高齢者需要」を開拓する
 ・「医療」「介護」
 
◆「欧州ソブリン危機」の3つのパターン
 ・「ギリシャ」:国家破綻
 ・「アイルランド」:銀行不良債権の増大
 ・「イタリア」:流動性危機
 
 
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