我が心の鷺よ、月を探るな(プラネット・イーグル)

(サークル:菜飯田楽 著者:豆腐屋さん)難易度:Lunatic

 

6ページめで読むのを止めました。

 

こちらの作者さまの作品は、

『折伏の眼、摂受の舌』難易度Normalにて、

すでに感想を書いております。

 

その際に感想の中の指摘として記載し、

またtwitterDMにて作者様とやり取りを行った際にも

言及しておりますが、とにかく文章に難があり過ぎます。

日本語として成立していない文章ばかりで、これは内容以前の問題です。

 

作者様もその点については、これから改善すべき点として

自覚していらっしゃるとのことです。

今後の作者様の研鑽に期待したいと思います。

 

具体的に、文章についてのツッコミどころを、

ページ・行ごとに挙げていきます。

 

p4.

l1~2日毎に増した日射量は怪奇な噂の収束と月の満ち引きに伴い、静寂とした落ち着きを取り戻していった。

・日毎→日ごと、と漢字を開くべき。

・日射量は日ごとに増すものではないのでは?

・月の満ち引き→月の満ち欠け(満ち引きは海に対して使う言葉)

・怪奇な噂の収束と月の満ち引きに伴い→並列に並べられない(動きが異なる)

・静寂とした→音に関する形容詞なので、「日射量」にも「落ち着き」にも適さない。

また、静寂とした、という使い方もしない。

 

l2 日中は深緑と日差しが眩しく、体にまとわりついた汗が鬱陶しく不快にさせる。

・深緑→新緑? 何を形容しているのかが判らない。

・深緑と日差しが眩しく→並列に並べられない。

・眩しく→自動詞だが、その対象が誰かを書いていない(三人称の文章で主語を抜いた自動詞を用いてはならない)

・体にまとわりついた汗→同上。汗は誰の身体にまとわりついている?

・鬱陶しく不快にさせる。→同上。誰がそう感じている?

 

l2~l3 対照的に、日暮は静まった熱気が一足早い秋を思わせるような、寂しさといじらしさを与えた。

・日暮→日暮れ 日暮はセミのこと。

・静まった熱気が→ この文言がどこに掛かっているのか判らない。

・一足早い秋を思わせるような→ 誰がそう感じているのか判らない。

・寂しさ→ 寂しさを感じる主体が何なのかが判らない。

・いじらしさ→ 誤用。「いじらしい」は、「弱いものが一所懸命に務める有様や心根が、いたいたしくあわれである、健気」などの意味。

・与えた→ 何が何に与えたのかが判らない。

 

l4 年月の盛衰を繰り返す自然の営みに、幻想郷も合わせてその気色を変える。

・年月の盛衰を繰り返す自然の営み→ 四季のことを言っている? 

これだと文明や歴史のように、年によって全然違うように受け取れてしまう。

・気色→誤用。「気色」は、「心に思っていることが顔に現れた様子」または「何かしようとする、何かが起ころうとする様子」のこと。

 

l4~l6 それは、万物の千変を受け入れる識者が、生きとし生けるもの、あまねく全ての生命の色彩を似せた事象の一つかも知れない。

・文の意味が判らない。四季によって幻想郷の様相が変わること=紫が似せた事象の一つ?

・生きとし生けるもの、あまねく全ての生命の色彩を似せた→ 意味が判らない。何をしたのかも判らない。

 

l6~l7 色彩豊かな地に住まう者たちは、この九夏三伏を過ぎて月の光と夜風を浴び、褥で安らかな吐息を漏らす。

・色彩豊かな地→ 前の文章との繋がりがない。直前の文章では、色彩を似せたと言ってるのに。

・九夏三伏→ 無駄に難しい言葉を使わない。この言葉が初見で判る人間がどれくらい居るのか?

・月の光と夜風を浴び、褥で→ 月の光と夜風は外でしか浴びれないので、すぐに褥(家の中)が来ると混乱する。整合性が保たれていない。

・吐息を漏らす→ なぜ吐息を漏らす? どんな感情? 寝息と混同している?

 

l7 まるで、揺りかごの中で何も知らない赤子を連想させる。

・つまりどういうことなのかが判らない。

・連想させる→ 誰が連想しているのか? 行為の主体が不明。

 

l8l9 それは、知り得ない狂夢から目を背けるためか、観測するまで禍なのか福なのか判らない事象か、もしくは天に選ばれた御使いたちが、浄化のために舞い降りるのを待っているのか。

・意味不明。

・それは→ 「それ」が指すものが何なのかが判らない。従って、並列に並べられている文章の意味も判らない。

・知り得ない狂夢から目を背ける→ 知り得ないものに対して目を背けることはできないのでは?

・浄化のために舞い降りるのを待っている→ どういうことなのか判らない。そんな事象、誰も知らないだろうから誰も待てない。

 

全体的に、p4の文章を最初に持ってくることで、物語にどのような効果を与えようとしているのかが判らない。無駄なのでこういう導入の仕方は避けるべき。p4の内容は全部削っていい。

 

p5

l1 湖面に映る月は、一片の陰りもなく満ちていた。

・一片の陰りもなく満ちる→ 違和感がある。一片、陰り、という言葉を月の満ち欠けに対して使うか?

 

l1~l2 紅葉に色付き始めた木々を撫でるように吹く微風が、湖面を僅かに揺らし、虚ろいの月を思わせる。

・意味不明。

・木々を撫でるように吹く微風→ 微風が撫でているのは木のどこ? 幹? 梢? 葉?

・虚ろいの月→ 何のことか判らない。誤字?

・思わせる→ 思うのは誰? 思うという行為の主体は?

・文章の前後の繋がりがおかしい。「微風が湖面を揺らし、思わせる」とはどういうことか?

 

l3 過去、月を眺めるにおいて空に高く上がった穢れなき月に対して失礼であると謳う。

・意味不明。

・失礼であると謳う→ そう謳っているのは誰?

・空に高く上がった穢れなき月→ 修飾語が多すぎる。無駄に修飾しない。

・文章の前後の繋がりがおかしい。「月を眺める」行為を行う際に、何をすることが「失礼」なのか?

 

l3~l6 そのため直接眺めることを避ける代わりに、水面に鏡の如く映る水月に心を託しその風景を和歌や詩に乗せるほか、杯の酒にも水月を浮かばせるなど、人々は天上より映る月を銘々の形で映し、その姿に魅了された。

・意味不明。

・直前の文章で何をすることが失礼なのかが判らないので、直接眺めることを忌避する意味が判らない。

・そのため直接眺めることを避ける代わりに→ 「避ける代わりに」では、避けてないことになる。

・水面に鏡の如く映る水月→ 「鏡の如く映る」のは水面の方なので、月に対する修飾として不適切。

・心を託し→ 水月に心を託して、どうするのかが判らない。

・その風景を→ 水月を指して風景とは言わない。風景は、もっと範囲の広い言葉。

・杯の酒にも水月を浮かばせるなど→ 直前の文章との繋がりがおかしい。

・人々は天上より映る月を銘々の形で映し→ 「映る」の重言。また、和歌や詩で水月を表すことを「映す」と呼ぶのは違和感。

・その姿に魅了された→ けっきょく、水月に魅了されてるという結論で良いのか? それとも、月に対する憧憬なのか? 判らない。

・各文節がチグハグで、何を言いたいのかが判らない。

 

l7~l8 焦がれるような月への憧憬を古から抱き続けるのは、人が月の魅せる儚く美しき光景に様々な御心を寄せ願った。

・意味不明。

・文章の前後の繋がりがおかしい。「月への憧憬を抱き続ける」のは、どういうことだと言いたい?

・儚く→ 月に対して「儚い」という形容詞を使うのは違和感。儚いは、「淡くて消えそうな様」を形容する言葉。

・美しき→ 三人称の地の文で、「美しい」という言葉を使わない。「美しい」と感じる主体は誰?

・光景→ 月単体を表す際に、光景とは言わない。光景は、もっと広い範囲を表す言葉。

・御心→ 御心とは、尊敬すべき上位の人間が持つ感情や思いのこと。単純に人間全般に対しては使わない。

・寄せ願った→ 何を願うのかが判らない。

 

l8~l9 天に坐す月の風流な楽しみ方は、姿が見えぬ神や仏へ身を寄せる畏敬の念が顕れるのかも知れない。

・論理が飛躍し過ぎ。

・天に坐す→ 「座す」ではなく、こちらの「坐す」を使った意味は?

・姿が見えぬ神や仏→ 「姿が見えない」と結論付けて良いものかが微妙。(仏像などの偶像崇拝で、姿を確認することはできるのでは?)

・身を寄せる→ 「姿が見えない」なら、身を寄せることはできないのでは? 

・畏敬の念→ 「身を寄せる」のに、畏敬の念と称するのは不適当。

・顕れる→ 「表れる」ではなく、「顕れる」にした理由は?

 

l10 今宵の月は、見る者を魅了する満ちた日。

・文章の前後の繋がりがおかしい。「今宵の月は~満ちた日」とはどういうこと? 月に対して「日」という言葉を使うこと自体に違和感。

 

l10~l11 風流なる地に住まう者なら、誰もが今宵を楽しみにしてると思われる。

・何が言いたいのか判らない。

・風流なる地→ どういうこと? 誰が風流だと感じている? どこのこと?

・誰もが今宵を楽しみにしてると思われる→ 別にそんなことないでしょ。誰がそう「思う」のかも判らない。

 

l11 理由は無論ながら過ごしやすい晩夏のためといえる。

・論理の整合性が保たれていない。意味不明。

・無論ながら→ 中秋の名月だから、ということを言いたいのか?

・過ごしやすい→ 月とは無関係。

 

l11~l12 しかし、この日に限っては、快く思わない者が極々稀にいた。

・意味不明。

・快く思わない者→ 何を快く思わない? 月? 過ごしやすい晩夏? それとも別の関係ない何か? だとしたら、これまで延々と月の話をしていた意味がなくなる。

・極々稀にいた→ 誤用。「快く思わない者たちがいた」とすべき。「稀」は、集団の中に居るランダムなマイノリティを指す。

 

l13~p6,l1 その一人は、妖怪の山山頂の湖上で滞空しながら、半跏趺坐という独特の座位を取っていた。

・妖怪の山山頂の湖上→ 間違いではないが、情報がスッと入ってこない。

・独特の→ 半跏趺坐が独特かどうかを判断するのは作者ではない。

・座位→ 微妙に重言な気がする。半跏趺坐=座位のひとつ。

 

p6

l1~l2 その容姿は、赤眼に兎の耳をハンチング帽で抑える金髪でボブカットの少女、鈴瑚が目蓋を閉じて空気を椅子に座っていた。

・文章の前後の繋がりがおかしい。「容姿」の説明なら、「少女」まで含めない。(少女の容姿を説明したいのだろうから)

・赤眼に兎の耳をハンチング帽で抑える金髪でボブカットの少女→ 容姿に注目する視点があっちこっちに行くので、スッと入ってこない。情報の整理が必要。

・空気を椅子に座っていた→ 「椅子」とは一般的に脚のある物を指すので、半跏趺坐の姿勢をとっている対象への形容としては不適切。

 

l3 鈴瑚は月光を背に、浅葱色で半透明の操作パネルが浮かび、胸の前で展開していた。

・意味不明。

・文章の前後の繋がりがおかしい。けっきょく鈴瑚のことを言いたいのか、パネルの説明をしたいのかが判らない。

・浅葱色で半透明の操作パネル→ 言いたいことは判るが、「浅葱色」と「半透明」を並列に語られると混乱する。色の説明だけで一文は必要か。

・胸の前で→ 鈴瑚の行動とパネルの説明がごっちゃになっているせいで、「胸」が鈴瑚の胸かどうかが判らなくなっている。

 

l3~l5 半透明のパネルには数字や神代文字が映っており、文字盤のパネルが二つと、無数の文字が羅列した画面のパネルが四つほど鈴瑚の前に並んでいた。

・意味不明。

・半透明のパネルには数字や神代文字が映っており→ この書き方だと、ひとつのパネルに対する説明と読めるが、文章の後半でパネルが複数出てくるので、どれのことを言いたいのかが判らない。

・文字盤のパネルが二つと、無数の文字が羅列した画面のパネル→ 数字はどこ行った? 操作用の入力デバイスと、文字出力用のアウトプットデバイスの話をしているのか?

・無数の文字が羅列した→ 羅列した、という言葉の使い方はしない。

・四つほど→ 四つじゃ駄目なのか? 四つ以上あるのか?

 

l6~l7 これらは、地上に舞い降りた同胞と地上探査車から送られた情報を、並列処理および分析のため、わざと外部からの操作を受け付けないビジー状態にして緊急時以外は待機させていた。

・意味不明。

・文章の前後の繋がりがおかしい。けっきょく何が言いたい? パネルの機能? パネルを待機させていること?

・並列処理および分析のため→ 並列処理って具体的に何のこと?

・わざと外部からの操作を受け付けないビジー状態→ パネルの機能や仕組みが読み手には判らないので、ビジー状態にしなければいけない理由も判らない。外部操作を受け付けないようにするだけでいいんじゃないの? とか色々考えてしまう。

・緊急時以外は待機させていた→ けっきょく、並列処理や分析はしてないってこと? 緊急時にはビジー状態を解除するの? 何のために?

 

――と、この辺りで限界を感じたので読むのを止めた次第です。

 

DMにて作者様には申し上げましたが、

小説は誰かに読まれることを想定しているものである以上、

意味の通じる言葉で綴られることが最低条件です。

無理をして小難しい言い回しや、難解な言葉を使う必要はありません。

そのせいで読み手に伝わらないのなら、何の意味もありません。

というところで、まとめとさせていただきたく思います。

 

長くなりましたが、以上で『我が心の鷺よ、月を探るな(プラネット・イーグル)』の感想を終わります。

ここまで付き合っていただき、ありがとうございました。