Not too BAD, Not too GOOD
(サークル:折葉坂三番地 著者:銅折葉さん)難易度:Normal
紫苑ちゃんと女苑ちゃんのカップリング作品です。
末吉でした(オマケとしておみくじが付いてくるのです。粋)
本作は短編3作品の連作となっております。
女苑の一人称パート、紫苑の一人称パート、そして2人が賭場に赴くパートです。
作品としては全体を通してもかなり短くまとまっておりますが、
それでも色々な感情を抱かされ、色々と考えさせられ、
読み応えとしては充分な作品として仕上がっております。
通読したうえで連想したのが、騙し絵のような感覚でした。
1人の輪郭を色濃く描くことで、
空白部分に片割れが浮かび上がるような、そんな感じ。
そのような感覚を抱くことが即ち、
この作品がカップリングを意図して書かれたことの証左であるように感じるわけです。
あぁ、この2人はどう足掻いても表裏一体で、2人でひとつなんだなぁ、と。
個人的に好きだったのが、p17辺りでした。
女苑ちゃんが茶屋で働いていることが匂わされた辺りで
「これってもしかして……?」と思ってたら、
案の定、茶屋は茶屋でも出会い茶屋でした。という辺り。
こういうスパッとハマった演出はニクいですね。
また、2人が賭場に赴くところも、
破滅的でハラハラさせられます。
金・暴力・S○X!! ってな具合に三拍子揃っており、
手に汗握るシチュエーションです。
女苑ちゃんが身に付けてる金品をブチブチ千切って
賭け事に興じる様に、背徳的なエロスを感じました。
ストリップとか野球拳みたいな。
僕だけ?
少し気になるかな、と思った点として、賭場でどんな賭け事をやってるのかが、あまりよく判らなかったところです。順当に読み解けば花札かな? というような気もしたのですが、テーマや装丁的に「表裏一体」であることが挙げられるので、それと博打の種目が絡められているような気もするし……メンコ? いや、そんなわけないしなぁ、ってな感じで。
そこが主たる部分じゃないので賭け事の内容は大して重要じゃないことも判ってはいますが、ちょっと気になりました。
カップリングの描き方としても面白いし、
手軽に読めるのに十二分に楽しませてくれる一冊です。
存分に堪能させていただきました、というところでまとめとさせていただきたく思います。
長くなりましたが、以上で『Not too BAD, Not too GOOD』の感想を終わります。