2009年10月13日

三峰山と扉温泉

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定休日一日め。

長野の山歩きの参考にしているのは、長野県山岳ガイドというサイトで、これが最良のサイトかどうかはわからぬが、初心者にはとてもありがたい。まずは、信州山学会という山歩きのベテランたちが監修にあたっているらしいこと、地形図も満足に読めぬ初心者向けに、ほとんどの山に3Dのルートマップが付いているので、登攀のイメージが掴みやすいこと、実際に登攀した人の解説が、日付・写真入りで詳しく記載されていること、などが私が頼りにする所以である。
今日も鉛筆倒しのような要領で、霧ヶ峰高原と美ヶ原高原の中間くらいにある三峰山(みつみねやま)に登り、そのあと近くの「扉温泉」の共同湯に浸かることに決めた。三峰山は展望台が麓にあるので、登山というには、あまりに軽微だが。

まず諏訪に出て、国道142号(中山道)を北上、和田峠からビーナスラインに入る。快晴のワインディング・ロードは、みな運転が楽しそうだ。紅葉もまだ本格的ではないが、徐々に進んでいる感じか。三峰山の展望台の駐車場にクルマを置き、まずは小腹がすいたので、展望台の食堂でキノコ蕎麦を注文。ここは標高で1,700メートルくらいだが、十分に寒く、すでにストーブを焚いている。ここのオバチャンが実に商売上手で、誰にでも、店の食事やお土産を勧める。私の前の席に座った老夫婦は、勧められるがままに「おやき」と「キノコ汁」を注文してしまったクチなのだが、私たちの前には「はい、サービス、日本一おいしいタクアン」というひと皿が出された。また、ここのアイスクリームは「信州一おいしいアイスクリーム」として、売り込まれていた。ここから三峰山への登山道入口を知りたかったので、お土産の特製マーガリン500円也(これはなぜか日本一でも信州一でもなかった。遠方から五個十個とまとめ買いしていく人はいるそうだが)を手にし、尋ねてみる。まあ、入っている客も多いがオバチャンに呑まれて、レジが良く動くことよ。うらやましい。

この展望台から、三峰山の山頂までは、往復でも一時間ほど。立木が全くない、低いササのなかをゆっくり歩いていけば着いてしまう。頂上は360度の視界が開け、眺めは展望台よりもずっと良いから、ここまで来たら登ってみないのは損ではないか。ただ山岳ガイドにあったとおり、ここを登るひとはあまりいないようで、今日もだれにも会わなかった。

展望台の駐車場まで戻り、扉温泉へ。(余談だが、昭文社の地図は、この展望台の位置が、道の反対側に記載されている。私はとてつもなく方向オンチなので、地図が正しいと思い込み、逆に走り、和田峠近くまで戻ってしまった。最初から、これは逆じゃないかと思ってはいたのだが、いかんせん今まで自分の方向感覚を信じて、さんざん痛い目にあっている。何を信じればいいんだよ!)
ビーナスラインを扉峠から県道67号に入る。また、これが舗装はされているが、落石の多い1.5車線林道で、カーブ以外ではほとんどすれ違いができない。途中、二三台としか遭遇しなかったが、あまり運転したい道ではない。扉温泉といえば、立派な宿泊施設もあるのに、みなこの道を通るのか、と思ったが、ほとんどの人は反対の松本方面から来るのだろう。帰りは松本に抜けたのでわかったのだが、扉温泉から松本までの道は、こちらよりずっと走りやすかった。
扉温泉には「桧の湯」という立ち寄り湯(入浴料300円也。シャンプー等の備え付けなし)がある。こんな山奥になぜ、というくらい賑わっていたが、入浴してみて良くわかった。ここの湯は、温泉成分がトロリと溶け込んだ感じで、肌に触れた感じが実に気持ちが良い。そのうえ、湯量も豊富なようで掛け流し、湯温はやや低めだが、そのぶんゆっくり浸かっていられる。少し硫化水素の匂いがするのだが、不思議なのは、カランから出る湯も同じ匂いがしたこと。これも源泉の湯なのだろうか。

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▲三峰山展望台からの眺め。こんな風景とか

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▲こんな風景が眺められる。月並みなので、あとは省略

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▲登山道入口付近からの眺め。周囲はササだけで、立木はない

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▲三峰山の山頂。展望台から30分程度で到着

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▲遠くに見えるのは、諏訪湖である。手前の巨石は、ガイドにある「神の椅子」と呼ばれる岩であろうか

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▲その「神の椅子」を下から仰ぎ見たところ。なんでも、ここに恋人同士で座ると、恋が成就するとか。独り者が独りで来たんだから、バチでもあたるか。ちなみに、世に「恋の成就」する場所の何と多いことよ。何という煩わしさよ。一昨日、NHKのBS-hiで観たワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」のメトロポリタン歌劇場公演の感動が、まだ心を捉えて離れない。解説付きで四時間を越す放映だったが、食い入るように観てしまった。あれも、要するに「惚れ薬」が二人を結びつけたわけだが、「恋が成就する」場所というのは、二人が「惚れ薬」を飲む儀式の場、ということなんだな。効くと思って飲むわけだが、効果はひとさまざま。それにしても、世に「恋が成就」する場所というのはあまたあるが、「恋を断ち切る」場所というのはあまり聞かないな。そこに行くと、縁が切れるっていう。おまえに何の関係があるんだ、って突っ込まれそうだけれど。あの世に行ったら、吉行淳之介に尋ねてみよう

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▲風が強いので、ススキもみなこのように背が低いのであった

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▲扉温泉「桧の湯」正面玄関

kaguradon at 23:24コメント(7)トラックバック(0) 

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コメント一覧

1. Posted by 管理人(書肆月影)   2009年10月14日 09:59
自己レスです。一晩寝たら思い出したんですが、「縁を切れる場所」はいまだわかりませんが、そこに行くと恋が成就しない、別れると言われている場所はいろいろありましたね。神さまが間違って縁を結んでしまったり、嫉妬したりする、という。調べたら、伊勢神宮とか厳島神社、各所弁財天などがそう言われているようです。もちろん縁切寺の類は別のはなし。(ついでに江の島弁財天でのツマラナイことも思い出してしまった)東京の板橋には「縁切榎」という有名な神木があるそうです。縁起が悪いので、皇女和宮が降嫁する際に迂回した、とか
2. Posted by 信濃屋中米   2009年10月14日 14:22
世に「縁切本屋」というのもあるそうな。
3. Posted by CAMBIO   2009年10月15日 17:24
長野県山岳ガイドのサイト、のぞいてみました。へぇ〜っというくらいいろんな山を網羅していて、これは使えそうですね。
でもね、ここにも長野県の南北格差のようなものがあって、なんで北信は詳しいのに南信は少ないの?南アルプスなんてどこも書かれていないんだよね。
4. Posted by SIVA   2009年10月15日 23:17
わたしもあそこの展望台ではおばちゃんの勢いにのせられてつい茸汁を買ってしまいます。

先週私の同級生がそちらにお邪魔したと思います。くりきんとんを置いてったバイクの二人連れでした。貴店のことをとっても気に入ったようです。
5. Posted by 管理人(書肆月影)   2009年10月16日 08:31
中米さま、何をおっしゃる、当店に来るお客様は仲の良すぎる夫婦、カプルばかりで、少しイジワルをしたくなるくらいですぞ。黒いキューピッドに。でも、まだつげ義春の「古本と少女」みたいなエピソードはないですな
6. Posted by 管理人(書肆月影)   2009年10月16日 08:40
ガウチョCAMBIOさま、どうもです。確かに南アルプスの項なんて、何か意図があるのかと思うほどまっさらですよね。なぜだろう。信州の南北問題は根深いのか・・・。
ここの学会は、会費さえ払えば会員になれるようなので、CAMBIOさんも登録して空白を埋めていただけませんかねえ
7. Posted by 管理人(書肆月影)   2009年10月16日 08:47
SIVAさま、たびたび投稿いただきありがとうございます。あのオバチャンをご存じとは!(前出のCAMBIOさんもご存じみたいだった)
大阪出身というバイクの二人組の方、覚えております。確か今は神奈川と名古屋に住んでいて、そこで中間点である当店にお寄りいただいた、とか。ありがたいことです

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