250 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/12/18(金) 20:28:20 ID:ZHrWcBwW0
昔馴染みの話。 

彼の親戚に、山奥の神社で宮司を勤めている人がいる。 
そこの社では人形供養もしているという。 
あまり有名ではないのだが、それでも噂を伝え聞く者が絶えないようで、 
年を通じて供養依頼の荷が送られてくるのだそうだ。 

「藁人形とかの類はないんですか?」 
私がそう冗談めかして聞いたところ、宮司さんが答えるより早く、古馴染みが笑いながら答えた。 
「いや時々あるみたいだけどね。 
 そのほとんどが出し殻みたくなってて、何の力も感じられないっていうことらしいよ」 

横にいた宮司さんは、苦笑しながらこう付け加えてきた。 
「藁人形じゃないけど、本当にこれはヤバイって代物はあったな。 
 薄汚れた箱が送られてきたんだけど、もう開ける前から嫌な気がプンとして。 
 持ち上げたら、中でカタリと音がしたんで、心を決めて中を改めたんだけど」 


251 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/12/18(金) 20:29:01 ID:ZHrWcBwW0
「何が入ってたんですか?」 
「空っぽだったんだ。 
 間違いなく取り上げた時には、中に何か納まっていたのに。 
 でも、とんでもなく嫌な感じがしたよ。 
 触れた瞬間、全身に鳥肌が立ったからね。 
 仕方ないから箱だけ供養してみたけど、さて効果はあったのやら」 

宮司さんはそう言って肩を竦めた。