176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 01:12:48 
親戚に不思議な子がいた。 
2日に一回は既視感を体験するらしい。 
どこかで見たことがある記憶が、現実から若干遅れて再生されるアレだ。 

ある日、俺はその子とその子の妹の3人で留守番をしていた。 
夏の暑い日だった。
親は寄り合いか何かで出かけていて、冷房の効いた締め切った部屋の中にも蝉の声が響いていた。 
お菓子を食べながら、トムとジェリーを見ていた。 
妹がその子に言う。
「おねえちゃん、ジュースなくなった」 
その子は冷蔵庫の前に行きジュースを取り出し、妹のコップに注ぎ始めた時に「あ…これ見た」と呟いた。 
「おねえちゃん、もうちょっといれてよ」「お姉ちゃん、もうちょっと入れてよ」
寸分違わず同じことを同じように発音する姉妹。 
その子は俺の方を見る。
「またデジャブ?」「またデジャブ?」 
俺の声と重なる声。
その後、誰も座っていないソファを見る。 
「私の言葉、取らないでよ」 
そう言った直後、その子が青ざめて、俺の背中に隠れようとする。 
「どうした?大丈夫」
俺の問いかけにも応えず、肩に置かれた手で、どうやら震えていると分かった。 
「ピンポーン」ピンポーン
呼び鈴がなる。まだデジャブは続いているようだった。 



177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/06/18(金) 01:16:04 
またソファを見る。
「出たら死ぬよ、ふふふ」
直後、その子が倒れた。 
驚いた俺はその子を抱き上げたが、自分の手に余ると思い、寄り合い所に電話をした。 
電話がつながって、すぐ「◯◯が倒れた!」と告げると、親は『すぐ戻る』とだけ言って電話を切った。 
その間、ずっと玄関からは、ガチャガチャと何かをする音が聞こえていた。 

それから数分後、親が戻って来た時に、玄関で鍵をこじ開けようとする男に出くわしたらしい。 
男はすぐに逃げ出し、捕まえられなかった。
数日後、隣の市で強盗殺人を起こし、その男が捕まったと聞いた。 

そんな事件から10年後の昨年夏、初めて詳しい話をその子に聞いた。 
あの時、部屋の中には3人しかいなかったのに、デジャブの中では4人目がソファにいたらしい。 
それも血まみれの女の子。人形を抱いて楽しそうにしていたらしい。 
その子は夢の中で霊の声を聞き、俺たちを助けてくれていた。