869 :1 :2010/11/07(日) 19:04:55 ID:uugSfKiJ0
現実的な説明はつける事ができる話で、ほんのりと怖い話なのではないかと思います。 

今から5年前の11月、私が大学4年生の時の事です。 
祖母が病気で入院しており、助からないかもしれないという時期でした。 
卒業に必要な単位の取得、就職活動も終えた私は実家に戻り、 
祖母の入院中の身の回りの事や、訪ねてくる親戚の方の対応をしていました。 
手伝い始めてから3週間ほどで、祖母は亡くなりました。 

その亡くなる1週間前の話です。祖母がかすれた声で私に言いました。 
「夜寝ると夢に死んだあやが出てきて、はやくこっち来い来いって追いかけてくる」 
(祖母は祖父の事を『あや』と呼んでいました。方言的な夫の呼び名だと思います) 
「それが恐ろしい顔で、捕まりたくないと思って必死に逃げる」
「なんであんな姿なのか、あやは地獄に落ちたのか」
「私も地獄に落ちるのか」
祖父は祖母が入院する半年前に亡くなっておりました。 
衰弱を感じてナーバスになり、気持ちが沈んでいるからそんな夢を見るんだ。私はそう思いました。 

それにしても、私の祖父祖母は近所でも有名な中の良い夫婦で、ケンカもしたことも無く、どこに出かけるにも必ず一緒でした。
祖父が事業を起こし、うまくいかず生活が苦しい時も、良く助け合ったと聞いています。 
それなのに、恐怖の対象として置き換えてしまった。少し悲しく思いました。 


870 :2 :2010/11/07(日) 19:06:08 ID:uugSfKiJ0
その話を聞いた2日後、 
「目が覚めてる時でも、あやが出てくるようになった」 
「看護婦さんがドア開けて部屋に入る時、廊下のずーっと奥の方に立ってるのが見える」と私に言いました。 
誰かと見間違えるにしても、弱った視力で廊下の奥が見えるハズはない。 
そこまで想像してしまうほど、祖母は元気を無くしているんだ。 
そう思った私は、その日に家族に事情を話し、一度集まってお見舞いに来てもらう事にしました。 

確か亡くなる3日前の事だと思います。
父、母、兄と兄の奥さん、妹が祖母のもとにお見舞いに集まってくれました。 
兄とは久しぶりに会った事もあり、祖母はとても喜んでいました。 
ですが、祖母の一声で明るい雰囲気は一変しました。 
「あやがこの病室に来ている」
「部屋の角に立ってこっちを見てる」 
祖母は顔を手で覆いながら、嗚咽混じりに言いました。 
「ずーっと仲良くやってきただろう?」 
「なのに何故こんな真似するんだ?」 
恐怖は感じませんでした。
その時はただただ、しくしく泣く祖母が可哀そうでした。 

その数日後、祖母は亡くなりました。