2chオカルト板・怖い話・洒落怖怪談の厳選まとめ

2chのオカルト板・怖い話・洒落怖の怪談などをまとめたブログです。怖い話を厳選して掲載。閲覧注意。

海にまつわる怖い話・不思議な話

海岸での貝拾い

もう10年も前の話になるんだが、いまだに思い出すと不思議で怖い。
自分には霊感なんか無く、肝試しや夜の山とか海とか人並みに行ってたけど、霊体験なんてしたことなかった。
信じてないわけでもなく、普通に怖がりだけどテレビで見たり文章を読んだりする程度。
その時も、当時の彼女とデートというわけでもないけど、車でふらふらしながら行き先もなくドライブしてた。
たしか、平日で近場の夜景を見に行ってラーメン食べて帰りしなに海でも寄る?って感じだったと思う。
翌日休みだったから朝まで車でフラフラしてるのがよくある事だったんだけど、その日はなんとなく海でヤドカリ用の貝があるか探してみようかって話になった。

その海は 潮干狩りもするしイベント事もあり怖い話なんて聞いた事もない。
地元民なら何度か行ったことのあるわりと有名なヨットハーバー。
駐車場も広いし、砂浜もあるし、週末にはナンパ車が集まったりカップルがいたりする普通の海。
なぜか車が1台もいなかったけど、平日だし夜中だったし「今日人いないな」程度だった。
もともと街灯が届くので 暗い海でもないのだけど、その日は月がすごく明るくて砂浜もすいすい歩けた。

つきあって数年たってたカップルとしては特にいちゃいちゃもせず2人は距離を置いて貝を探してたんだけど、ゴミや海草が多く、なかなか割れてない貝は見つからない。
少したって、彼女が「これヤドカリ入ったらかわいくない?」と言ったので近付いてみた。
白い巻貝で欠けも無く大きさもいい感じで「いいね持って帰ろう」と俺は言った。
その時、ふと彼女の右手を見ると 長い髪の毛がからんでた。
彼女はショートカット。
俺は排水溝に溜まった濡れた髪の毛を思い出し、少し気持ち悪くなった。
別に霊的な感じで気持ち悪いわけではなかった。
海に来た人の抜け毛としか思わなかった。
俺は「きもいなー」と言いながら髪の毛を捨て、貝を海の水で洗った。

他にも無いか探そうとすると彼女が「もう帰ろう。」と言い出した。
まだ1つしか見つけてないし、砂浜は広い。
月明かりでなんかいい感じだし 俺はもう少しいたかった。
「月の光を瞼に受けて とてもキレイな気持ちになる」とアンルイスの歌が聞こえてくるようだった。
時計を見ると3時前。まだ早いと思った俺は「もう少し」と渋った。
しかし彼女は俺の手をにぎり、急ぎ足で車へと向かう。
ちょっとむかついて何か言おうとした時、ふと左を見ると堤防の手前の砂浜を男子学生が歩いていた。
なぜ学生とわかったかと言うと、学生帽をかぶって学ランを着ていたのだ。
「へー今時 学生帽ってあるんだ」と感心してしまい、彼女に「ちょっとあの子見てよ めずらしいよ」と小声で伝えた。
でも彼女は見なかった。
「あとで」と言って真っ直ぐ前を向き、俺の手を強くにぎっていた。
「なんだよ・・」と思った時、ふと不思議に思った。
学生帽もめずらしいけど、この時間に学生服??民家からも歩くには距離ないか?
あれ?と思いもう一度見ると彼の姿はもう無かった。
この間、おそらく1、2分程度。
堤防はずっと先まで見渡せる。月明かりと街灯で真っ暗な場所は無い。
でも怖いとは感じなかった。
「もしかしたら幽霊って、意外に普通に見えていて気付かないものなのかもしれないなー」と思った。
俺は、彼女にはどう見えたのか、ということが分からなかったのが事がとても残念だった。
あまりに直線的に歩く彼女に対し、共感できなかった事を不愉快になりながら、もしかしたらトイレなのか?と考え 車まで俺も急ぎ始めた。
彼女は車のドアを開けると駆け込むように乗り込み、コンビニ行こう!と強めに言ったので
「やっぱりトイレだったのか。言えばいいのに・・」と思いつつエンジンをかけた。
車がマリーナの駐車場を抜けてコンビニの明かりが見えた頃、彼女の肩の力が抜けたように感じた。
そこで俺は「さっき堤防で学生帽かぶった男の子見たよ~」と切り出してみた。
すると彼女はいきなり泣きだし、「早くコンビニへ行って!」と叫んだので驚いた。
そんなに余裕が無かったのか・・と思い駐車場へ着くと、「笑ってた!」「女が耳元で笑ったの!」と泣き出した。

彼女の話によると、貝を拾った後 何か聞こえたような気がして海面を見たらしい。
すると藻の中に女性の頭部が見えて 口元ギリギリまで水に浸かってたと。
大きく開けた女の口は1/3は水の中にあったのに 彼女の目を見ながら甲高い笑い声をあげていた。
波打ち際からそう距離は無く、海水浴場にもなるあの場所は大人の膝までしかないはずだ。
そこから彼女は近付いてこようとしているように見えて 急いで場を離れたかった。
車に乗る直前、ミラーに女の全身が見えた。そして耳元で笑い声が聞こえた。
笑いながら女は「次はお前だ」と言ったと・・。

俺は半信半疑で、震える彼女が落ち着くまで待った。
コンビニで暖かいココアを買い、飲ませた。
次はお前ってなんだろう・・と思い 「そういえば」と貝の事を思い出した。
いい貝あったから良かったと思おうよ。貴重な体験だったよね。となだめようと貝をポケットから出してみた。
コンビニの明かりに照らされたそれは、貝ではなかった。
なぜ巻貝だと見間違えたのかわからないほど小さな

人間の奥歯に見えた。

俺たちはコンビニのゴミ箱に歯を捨て、もう明るい道を無言のまま帰った。

海からやってくるモノ

544 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/12/07(水) 00:34:03 ID:NZNHKwqA0
普段付き合いのいい同僚が、何故か海へ行くのだけは頑として断る。
訳を聞いたのだが余り話したくない様子なので、飲ませて無理やり聞き出した。
ここからは彼の語り。ただし、酔って取り留めのない話だったので、俺が整理してる。

まだ学生だった頃、友人と旅に出た。たしか後期試験の後だったから、真冬だな。
旅とは言っても、友人の愛犬と一緒にバンに乗って当てもなく走っていくだけの気楽なもんだ。
何日目だったか、ある海辺の寒村に差し掛かったころ既に日は暮れてしまっていた。
山が海に迫って、その合間にかろうじてへばり付いている様な小さな集落だ。
困ったことにガソリンの残量が心もとなくなっていた。
海岸沿いの一本道を走りながらGSを探すとすぐに見つかったのだが、店はすでに閉まっている。
とりあえず裏手に回ってみた。
玄関の庇から、大きな笊がぶら下がっている。
出入りに邪魔だな、と思いながらそれを掻き分けて呼び鈴を鳴らしてみた。
「すんませーん。ガソリン入れてもらえませんかー?」
わずかに人の気配がしたが、返事はない。
「シカトされとんのかね」
「なんかムカつくわ。もう一度押してみいや」
「すんませーん!」
しつこく呼びかけると玄関の灯りが点き、ガラス戸の向こうに人影が現れた。
「誰や?」
「ガソリン欲しいん…」
「今日は休みや」
オレが言い終える前に、苛立ったような声が返ってくる。
「いや、まぁそこを何とか…」
「あかん。今日はもう開けられん」
取り付く島もなかった。諦めて車に戻る。
「これだから田舎はアカン」
「しゃーないな。今日はここで寝よ。当てつけに明日の朝一でガス入れてこうや」
車を止められそうな所を探して集落をウロウロすると、GSだけでなく全ての商店や民家が門を閉ざしていることに気付いた。
よく見ると、どの家も軒先に籠や笊をぶら下げている。

545 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/12/07(水) 00:35:27 ID:NZNHKwqA0
「なんかの祭やろか?」
「それにしちゃ静かやな」
「風が強くてたまらん。お、あそこに止められんで」
そこは山腹の小さな神社から海に向かって真っ直ぐに伸びる石段の根元だった。
小さな駐車場だが、垣根があって海風がしのげそうだ。
鳥居の陰に車を止めると、辺りはもう真っ暗でやることもない。
オレたちはブツブツ言いながら、運転席で毛布に包まって眠りについた。

何時間経ったのか、犬の唸り声で目を覚ましたオレは、辺りの強烈な生臭さに気付いた。
犬は海の方に向かって牙を剥き出して唸り続けている。
普段は大人しい奴なのだが、いくら宥めても一向に落ち着こうとしない。
友人も起き出して闇の先に目を凝らした。
月明りに照らされた海は、先ほどまでとは違って、気味が悪いくらい凪いでいた。
コンクリートの殺風景な岸壁の縁に蠢くものが見える。
「なんや、アレ」
友人が掠れた声で囁いた。
「わからん」
それは最初、海から這い出してくる太いパイプか丸太のように見えた。
蛇のようにのたうちながらゆっくりと陸に上がっているようだったが、不思議なことに音はしなかった。
と言うより、そいつの体はモワモワとした黒い煙の塊のように見えたし、実体があったのかどうかも分からない。
その代わり、ウウ…というか、ウォォ…というか、形容し難い耳鳴りがずっと続いていた。そして先ほどからの生臭さは、吐き気を催すほどに酷くなっていた。
そいつの先端は海岸沿いの道を横切って向かいの家にまで到達しているのだが、もう一方はまだ海の中に消えている。
民家の軒先を覗き込むようにしているその先端には、はっきりとは見えなかったが明らかに顔のようなものがあった。
オレも友人もそんなに臆病な方ではなかったつもりだが、そいつの姿は、もう何と言うか「禍々しい」という言葉そのもので、一目見たときから体が強張って動かなかった。心臓を鷲掴みにされるってのは、ああいう感覚なんだろうな。
そいつは、軒に吊るした笊をジッと見つめている風だったが、やがてゆっくりと動き出して次の家へ向かった。
「おい、車出せっ」
友人の震える声で、ハッと我に返った。

546 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/12/07(水) 00:36:01 ID:NZNHKwqA0
動かない腕を何とか上げてキーを回すと、静まり返った周囲にエンジン音が鳴り響いた。
そいつがゆっくりとこちらを振り向きかける。
(ヤバイっ)
何だか分からないが、目を合わせちゃいけない、と直感的に思った。
前だけを見つめ、アクセルを思い切り踏み込んで車を急発進させる。
後部座席で狂ったように吠え始めた犬が、「ヒュッ…」と喘息のような声を上げてドサリと倒れる気配がした。
「太郎っ!」
思わず振り返った友人が「ひぃっ」と息を呑んだまま固まった。
「阿呆っ!振り向くなっ!」
オレはもう無我夢中で友人の肩を掴んで前方に引き戻した。
向き直った友人の顔はくしゃくしゃに引き攣って、目の焦点が完全に飛んでいた。
恥ずかしい話だが、オレは得体の知れない恐怖に泣き叫びながらアクセルを踏み続けた。

それから、もと来た道をガス欠になるまで走り続けて峠を越えると、まんじりともせずに朝を迎えたのだが、友人は殆ど意識が混濁したまま近くの病院に入院し、一週間ほど高熱で寝込んだ。
回復した後も、その事について触れると激しく情緒不安定になってしまうので、振り返った彼が何を見たのか聞けず終いのまま、卒業してからは疎遠になってしまった。
犬の方は、激しく錯乱して誰彼かまわず咬みつくと思うと泡を吹いて倒れる繰り返しで、可哀そうだが安楽死させたらしい。
結局アレが何だったのかは分からないし、知りたくもないね。
ともかく、オレは海には近づかないよ。

以上が同僚の話。
昔読んだ柳田國男に、笊や目籠を魔除けに使う風習と、海を見ることを忌む日の話があったのを思い出したが、今手元にないので比較できない。

海を見たらあかん日

803 本当にあった怖い名無し sage 2007/11/05(月) 11:14:55 ID:EYJeND380

子供の頃の怖い体験がふと思い出されたのでカキコ。
長くなると思うんで、思い出したのをまとめながボチボチ書きます。


9月にうちのばあちゃんの姉(おおばあ、って呼んでた)が亡くなって、一家揃って泊まりで通夜と葬式に行ってきた。
実質、今生きてる親族の中では、おおばあが最年長ってのと、
うちの一族は何故か女性権限が強いってのもあって、葬式には結構遠縁の親戚も集まった。

親戚に自分と一個違いのシュウちゃん(男)って子がいたんだけど
親戚の中で自分が一緒に遊べるような仲だったのは、このシュウちゃんだけだった。
会えるとしたら実に15年振りぐらい。でも通夜にはシュウちゃんの親と姉だけが来てて、
期待してたシュウちゃんの姿はなかった。

この時ふと、小学生の頃に同じように親戚の葬式(確かおおばあの旦那さん)があって
葬式が終わってからシュウちゃんと一緒に遊んでて、怖い目にあったのを思い出した。

809 本当にあった怖い名無し sage 2007/11/05(月) 11:57:26 ID:EYJeND380
じゃあ、続き書きます
途中で時間が空くかもしれないけど、許して。



うちの父方の家系はちょっと変わってて、家督を長男じゃなくて長女が継いでるらしい
父方の親族はおおばあもみんな日本海側の地域いるんだけど、うちは親父は三男ってのもあって、
地元では暮らさず、大阪の方まで出てきてて、そういった一族の風習とは無縁
シュウちゃんの家もうちと同じように地元を離れた家みたいで、神奈川在住。

夏休みは毎年、お盆の少し前ぐらいからおおばあの家に集まって、
法事だの地元の祭に行ったりだの、親族で揃って過ごす。
うちとかシュウちゃんの家なんかは、他の親族と違って
かなり遠方から来ることになるので、おおばあの家で何泊かすることになる。

おおばあの本宅が海に近い(道路挟んで少し向こうに海が見えてる)から、
朝から夕方までシュウちゃんと海に遊びに行ってた


812 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 12:16:20 ID:EYJeND380
俺が小学校2、3年の冬に、おおばあの家で葬式があって(死んだのは旦那さんのはず)、
その時もうちは泊まりがけで通夜と葬式に出席。シュウちゃんところも同じように泊まりで来てた。
元々俺は脳天気な人間なんだけど(さっきのカキコ見ての通り)、その頃は輪をかけて何も考えてなくて、
葬式云々よりもシュウちゃんと遊べるってことしか頭になかったw

朝出発して、おおばあの家に着いて、ご飯食べてしばらくしてから通夜
この辺は何かひたすら退屈だったことしか覚えてない。全然遊べないし。

泊まる時は「離れ」が裏にあって、そこに寝泊まりするんだけど、
その時は他に来てた親族がほとんど泊まるから離れが満室。自分たちは本宅に泊まった
晩飯終わってから、「何でこんな日に亡くなるかねえ」とか親戚がボソっと口にしたのを覚えてる。

翌朝起きたら(大分早かった。6時とか)、おおばあとかばあちゃん、他の親戚の人がバタバタしてて
家の前に小さい籠?何か木で編んだそれっぽいものをぶら下げて、
それに変な紙の短冊?みたいなものを取り付けたりしてた。
ドアや窓のあるところ全部に吊してて、紐一本でぶら下がってるから、
ついつい気になって手で叩いて遊んでたら、親父に思いっきり頭殴られた

そのうち雨戸(木戸って言うのかな)とか全部閉めはじめて、
雨戸の無い台所とかは大きな和紙みたいなのを窓枠に画鋲でとめてた
人が死んだ時の風習かなあ、ってのが最初の感想だった。

813 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 12:36:06 ID:EYJeND380
朝も早いうちから告別式がはじまって、途中はよく覚えてないけど、昼少し過ぎた辺りにはほとんど終わってた
薄情な子供かもしれないけど、これ終わったら遊べるってことしか頭になかったなあ

途中、昼飯食べたんだけど、みんなあんまりしゃべらなかったのを覚えてる
何時頃か忘れたけど、結構早いうちに他の親戚は車で帰っていって、
本宅にはうちの家族とシュウちゃんの家族だけ残った。
夏みたいに親戚みんなで夜までにぎやかな食事ってのを想像してたんだけど、
シュウちゃんとちょっと喋ってるだけで怒られたのが記憶に残ってる。

家の中でシュウちゃんと遊んでたら「静かにせえ」って怒られた
夕方にいつも見てるテレビ番組が見たくて「テレビ見たい」って言っても怒られた
「とにかく静かにしとけえ」って言われた
今思ったら、親もおおばあもばあちゃんも喋ってなかった

814 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 12:52:35 ID:EYJeND380
思い出すことを片っ端から書いてるので、ダラダラとした文章になってる
申し訳ない。

続き。

-

あんまりにも暇だからシュウちゃんと話して「海見にいこう」ってことになった

玄関で靴をはいてたら、ばあちゃんが血相変えて走ってきて
頭叩かれて、服掴んで食堂の方まで引っ張っていかれた。
食堂にシュウちゃんのお父さんがいて、ばあちゃんと二人で

「今日は絶対に出たちゃいかん」
「二階にいとき」

って真剣な顔して言われた。
そのままほとんど喋ることなく、シュウちゃんとオセロか何かして遊んでて、気が付いたら2階で寝かされた

どれぐらい寝たのか分からないけど、寒くて起きたのを覚えてる
2階から1階に行く時に、魚臭さのある匂いがした(釣場とかよりももうちょっと変な潮臭さ)
時計を見に居間を覗いたら、おおばあとかうちの親が新聞読んだりしてて、誰も喋ってなかった
何か妙に気持ち悪くて、トイレで用を足した後、2階に戻ろうとしたら廊下でシュウちゃんと出くわした。

815 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 13:14:27 ID:EYJeND380
「あんね、夜に外に誰か来るんだって」

とシュウちゃん。
おおばあ達が今朝、何かそれらしいことを口にしていたらしい。それをシュウちゃんが聞いたようだ。
ちょっと確かめてみたいけど、2階も雨戸が閉まってて外が見えない。

「便所の窓開くんちゃうかな」

さっきトイレの小窓がすりガラスで、雨戸がなかったのを思い出した。
便所は家の端で海側(道路側)に窓があるから、二人で見に行こうと言うことになった。

冬のトイレは半端じゃなく寒いんだけど、窓の一つ向こうに何かがいるという思いこみから、
秘密基地に籠もるような、奇妙な興奮と、同時に背筋に来るような寒気を覚えた。

「ほんまにおるん?(本当にいるの?)」

小声でシュウちゃんに話しかけ、
シュウちゃんもヒソヒソ声で

「いるって、おばあが言ってたもん」

818 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 14:12:57 ID:EYJeND380


トイレの小窓は位置が高く、小学生の自分の背丈では覗けない。
便器の給水パイプが走ってるから、そこに足を乗せて窓を覗く形になる
最初は自分が外を見ることになった。

音を立てないように静かに窓をずらして、外を見た。

軒の下で籠が揺れてる。
視界の端、道路から家まで、何か長いものが伸びていた。
よく分からないけど、その長いもののこちら側の先端が、少しずつこっちに向かってきている。
10秒ほど見てから、何か無性に恐ろしくなって身震いして窓を閉じた。

「誰かいた?」
「よく分からんけど、何かおった」
「僕も見る」
「何かこっちに来てるみたいやし、逃げようや」

多分、自分は半泣きだったと思う
寒さと、得体の知れない怖さで今すぐ大声で叫んで逃げたかった。


820 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 14:36:36 ID:EYJeND380

-
「な、もどろ?」

トイレのドアを開けて、シュウちゃんの手を引っ張った

「僕も見る。ちょっとだけ。ほんのちょっとだけだから!」

シュウちゃんが自分の手を振り切って戻り、給水パイプに足を乗せた
窓をずらしくて覗き込んだシュウちゃんは、しばらくしても外を覗き込んだまま動かなかった

「なあ、もうええやろ?もどろうや」
「**くん、これ、」

言いかけて途中で止まったシュウちゃんが、外を覗き込んだまま「ヒッ ヒッ、」と引きつったような声を出した
何がなんだか分からなくなってオロオロしてると、自分の後ろで物音がした。

「お前ら何してる…!」

シュウちゃんのお父さんがものすごい形相で後ろに立ってた


821 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 14:38:16 ID:EYJeND380
言い訳どころか、一言も喋る前に、自分はシュウちゃんのお父さんに襟を掴まれ
便所の外、廊下に放り出された。一呼吸おいてシュウちゃんも廊下に放り出された
その後、トイレのドアが叩きつけるように閉められた。

音を聞きつけたうちの親と、おおばあが来た
「どあほう!」、親父に張り手で殴られ、おおばあが掴みかかってきた

「**(自分の名前)、お前見たんかい?見たんかい!?」

怒ってると思ったけど、おおばあは泣きそうな顔をしてた気がする。
何一つ分からないまま、周りの大人達の剣幕に、どんどん怖くなっていった。

「外見たけど、何か暗くてよく分からんかったから、すぐ見るのやめてん」

答えた自分に、おおばあは「本当にか?顔見てないんか!?」と怒鳴り、泣きながら自分は頷いた。
そのやり取りの後ろで、親父と後から来たばあちゃんがトイレの前に大きな荷物を置いて塞いでた。

シュウちゃんのお父さんが「シュウジ!お前は!?」と肩を揺すった。
自分も心配でシュウちゃんの方を見た。


シュウちゃんは笑ってた。

822 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 14:54:56 ID:EYJeND380
「ヒッ ヒッ、」としゃっくりのような声だけど、顔は笑ってるような泣いてるような、突っ張った表情
「シュウジー!シュウジー!」とお父さんが揺さぶったり呼びかけたりしても反応は変わらなかった。

一瞬、みんな言葉に詰まって、薄暗い廊下で見たその光景は歯の根が合わないほど怖かった。

シュウちゃんが服を脱がされて、奥の仏間の方に連れていかれた。
おおばあはどこかに電話している。居間でシュウちゃんのお母さんと姉が青い顔をしていた。
電話から戻ってきたおおばあが

「シュウジは夜が明けたらすぐに「とう**さん(**は聞き取れなかった)」とこに連れてくで!」

と、まくし立てて、シュウちゃんの親はひたすら頷いてるだけだった。
自分はばあちゃんと親に腕を掴まれ、2階に連れていかれた。
やっぱり服を脱がされて、すぐに着替えさせられ、敷いてあった布団の中に放り込まれた。

「今日はこの部屋から出たらいかんで」

そう言い残して出て行ったばあちゃん。閉められた襖の向こうから、何か短いお経のようなものが聞こえた。
その日は、親が付き添って一晩過ごした。
明かりを消すのが怖くて、布団をかぶったまま親の足にしがみついて震えてた。
手足だけが異様に寒かった。

825 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 15:12:26 ID:EYJeND380

翌朝、ばあちゃんが迎えに来て、1階に降りた時にはシュウちゃんはいなかった
「シュウジは熱が出たから病院にいった」とだけ聞かされた

部屋を出る時に見たんだけど、昨日玄関や窓にぶら下げてあった籠みたいなものが
自分の寝てた部屋の前にもぶら下げてあった。

朝ご飯食べてる時に、おおばあから「お前ら本当に馬鹿なことをしたよ」みたいなことを言われた
親は帰り支度を済ませてたみたいで、ご飯を食べてすぐに帰ることになった
おおばあ、ばあちゃんに謝るのが、挨拶みたいな形で家を出た

家に帰った日の夜、熱が出て次の日に学校を休んだ。


ここまでが子供の頃の話。

826 803 ◆8bbhN14TpI sage 2007/11/05(月) 15:15:23 ID:EYJeND380
翌年の以降、自分はおおばあの家には連れていって貰えなかった

中学2年の夏に一度だけおおばあの家に行ったが、
その時も親戚が集まってたけど、シュウちゃんの姿はなく

「シュウジ、塾の夏期講習が休めなくてねえ」

と、シュウちゃんのお母さんが言ってた。
でも今年9月のおおばあの葬式の時に、他の親戚が

「シュウジくん、やっぱり変になってしまったみたいよ」

と言ってたのを聞いた
あのときシュウちゃんが何を見たのかは分からないし、自分が何を見たのかははっきり分かってない

親父にあのときの話を聞いたら「海を見たらあかん日があるんや」としか言ってくれなかった

防空頭巾と水死者

805 : 805(1/2):2001/07/28(土) 19:51
毎年この時期、水難にあって死ぬ人はやっぱり多いらしい。
で、海で溺れかけたけど、なんとか生還した女の子がちょっと前にいたんだって。
その人は浜辺に戻ってきて、めちゃくちゃ震えてたんだって。
まあ一回溺れたら分かるけど、確かにめちゃくちゃ怖いもんな。
でも、その種の震え方じゃなかったんだって。
どうにか落ち着いた彼女が語った話はこう。 

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腕のない死体

14 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/11/29 02:42
太平洋戦争末期、北海道の漁村にある日、たくさんの日本兵の水死体が流れ着いた。 
数は500体近く。どうやら兵士を満載した輸送船が、アメリカの潜水艦に攻撃され、沖合いで沈没したらしい。
死体の中に将校のものは無かった。 
将校たちは救命艇で脱出できたらしい。 

死体を収容していた漁師たちは、奇妙なことに気づいた。 
腕のない死体がかなり混じっているのだ。
手首の欠けているものもあれば、上膊部から失われているものもある。
海水に洗われて血はにじみ出ていなかったが、鋭利なもので断ち切られたように断面は平らだった。 
中には片腕がない上に、顔面に深々と裂傷の刻まれているものもある。 
船から海中に飛びこんだ折に出来た傷かとも思えたが、
死体の半ば以上が腕を切り落とされていることは異様だった。


15 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/11/29 02:43
以下は、救命艇に乗り生き残った将校の証言である。

船べりに手が重なってきた。三角波にくわえて周囲から手で押されるので、舟艇は激しくゆれた。 
乗ってくれば沈むということよりも、船べりをおおった手が恐ろしくてならなかった。 
海面は兵の体でうずまり、その中に三隻の舟艇がはさまっていた。 
他の舟艇で将校が一斉に軍刀をぬき、私の乗っていた船でも軍刀がぬかれた。 
手に対する恐怖感が、軍刀をふるわせたのだ。
切っても切っても、また新たな手がつかまってきた。 
腕を切られた兵士は、沈んでいく者もいたが、そのまま泳いでいる者もいた。 

その将校によると、彼らは言っていたという。 
「天皇陛下万歳」と。 
しかし、その真偽は誰にも分からない。
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