2006年08月

2006年08月31日

日本語の勉強 in 落語

桐の雄加留斗でおます。

なんや、すぐ銭の話になってしまいますな。
そうそう、落語の中の舞台の話でした。

まあ、落語いうのは江戸と上方だけあった芸でして。
江戸と上方の落語は若干違うところがありますが、まあそれは置いといて。


落語の中に出てくる地名とか、そこに何という店があったとか、そこへはどういう道順で行けばええとか、結構正確なんですって。

だから古地図を見ながら落語を聴くと、古地図が立体的に見えます。

テレビの時代劇なんかはそこ、ええ加減ですから、時代劇書こうと思うなら、落語を聴いた方がええと思います。当時の空気や雰囲気なんかも不思議と落語の中に封印されてますしね。

そして、なによりセリフ回しの勉強になる。
落語はそのセリフのやりとりで話が展開していきます。
同じ話芸でも、講談とはちと違う。
講談はシナリオでいうト書きが多いんです。地の文の言いますか。

「頃は慶長の19年も相改まり、あれば元和元年5月7日の儀にして候や、大阪城千畳御上段の間には、内大臣秀頼公、御左側には御母公淀君、大野道犬主馬修理之助数馬、軍師には真田左衛門尉海野幸村、同名大助幸昌…、いずれも持口棒口堅めし、今や遅しと相待ったるところへ、関東方の軍勢53000余騎、辰の一点より城中めがけて押し寄せたりしが、中にも先手の大将その日のいでたち見てあれば、黒革おどしの大鎧、白檀みがきの篭手膝当、鹿の角の前打ったる五枚氏ころのかぶとを猪首に着なし、駒は名にしおう荒鹿毛と名付けたる名馬には、金覆輪の鞍をかけ、ゆらりがっしと打ちまたがりて、駒のおもてには…」

てな調子。
講釈、講談いうのんはまあ庶民が歴史を楽しみながら学ぶアイテムやったんです。ただし、だいぶフィクションが入っていて、近代の歴史学者はその仕切り直しをせんといかんかった。だからヒーローなんかが出てくる。

落語にはヒーローで出てきませんな。
戦いがあったら、どないして卑怯かまして逃げたろか、みたいなんが主人公です。
だから同じ話芸でも講談とは違う。浪花節みたいに歌も歌わない。
さっきも言った通り、落語はほとんどセリフで物語が進行します。セリフが命なわけです。これ、シナリオや小説書くときのすごい勉強になるし、マンガも吹き出しの中にセリフを入れるわけですから、対話の勉強になる。

対話、わりとできてませんわ。学生の書く作品。
マンガなら絵、小説なら文体、それはやっとかなあかんテクニックやけど、そればっかりでは作品はエンターテイメントにはならんのです。

セリフはなるべく短く、簡潔に。それでもって自然に。

特にセリフで説明やってしもてるパターンが多く見受けられます。学生の作品は。
そういうセリフをクサいといいます。

セリフは口語体なので、口に出して言いにくいものは駄目。
それから今の子が苦手という敬語も落語にはちゃんと出てくる。例えば、時節の挨拶や社交儀礼、身分の違う者の会話や主人と奉行人、あるいは客、取引先の業者、武家社会の中の会話、職人の世界、廓郭の中の会話など、そら日本語の勉強になる。今は使ってない言葉もありますけど、ええ言葉もあるんです。復活させたいような。

そして、間ですわ。
間、については明日。

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2006年08月30日

想像させる落語

桐の雄加留斗でおます。

落語はモノ作りのええ勉強になりまっせ、というお話の続きです。

着物を来て座布団に正座して喋る。基本的にはこれだけで成り立つ芸。背景もセットも無いので、舞台設定がこれまたイマジネーションなんですわ。

「ここは桜ノ宮、今まさに桜が満開でございます」と、ウマい落語家さんが言いはりますと、客席のお客は頭の中で満開の桜が咲き乱れる桜ノ宮を想像するわけです。桜ノ宮なんかどんなところか知らなくても想像してしまうんです。

「涼みに行こうと天満橋へやってきました」と言うと、なんか夏の天満橋を想像する。
「どや、橋の下見てみ。夜やいうのに昼みたいに明るいで」
「どこが?」
「どこがて、橋の下見てみ言うねん。昼みたいに明るいいうねん」
「そんなことあらへん。わい一生懸命下見てるけど、冷とうて暗いで」
「あほ、欄干に目ぇつけてどうすんねん。欄干の向こうへ頭つきださな見えへんがな」
「あっ、向こうへつきだすんか。よっこいしょっと。わあ、ほんに明るいなあ。そやけど、こらだいぶ上手で大水が出たとみえるな」
「ほう、そんなことわかるか」
「わかるかて見てみいな。ぎょうさん家が流れて来てんで」
「あほ、あれはみな船やがな」
「えっ、あれ船か。船にしたらあれ、屋根ついたって障子がはまってんで」
「あれは大屋形【おおやかた】や」
「ああ、お前がいつも銭借りに行く」
「そら親方や。わしの言うんは大屋形」
「大屋形って何や?」
「大きな屋形船やさかい大屋形や」
「ああ、そうか。ほな、あの小さいのんは小屋形か」
「そんな船あるかいな。あれは通い舟。それからもうひとつ小さい舟あるやろ。あれは茶舟いうて、茶売りにきよんねん」
「へぇーっ、ぎょうさん船があるけど、なんや今日は船頭の集まりか」
「あほ、あれはわれわれと一緒、大川に旦那方が涼みに来てはんのや」

『遊山船』という落語のまあ、冒頭部です、今は亡き六代目笑福亭松鶴さんがよう演じてはりました。中学生の頃、兵庫県の片田舎でのある夏休み。深夜のラジオでこれ聴いてて、クソ暑い大阪の風景と夜の淀川に浮かぶ遊山船の提灯や橋の上をにぎわう人込みの状況が目に浮かんできて、よけい暑うなったん覚えてます。わあ、スゲェ。と落語に興味を持った瞬間でした。

ちなみにこの落語には、こんなやりとりがありました。

「あんな贅沢な涼みすんの、なんぼかかんねん」
「そうやな、一本はかかるな」
「ラムネが?」
「あほ言いな。百円はかかる言うねん」
「ひゃ、百円。贅沢なことしよるな。わいとこ夫婦【めおと】二人暮しやで。百円あったら塩しゃぶって三年は暮らせる」

百円てな単位出てきました。両と違う。
両という単位が出たら江戸時代の話。円となれば明治以降の話というわけです。

百円。今でも百円ショップに行ったら色んなもん買えますけど。当時はそら、庶民の持てる金やなかったそうです。
まあ、そんなんで時代、季節、場所、時刻なんていうのも落語家の舌先三寸でどないにでもなる。そこがほんまに面白い。しかしそれだけ演じる側は難しいんですけどね。





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キャラ作りの勉強 in 落語

桐の雄加留斗でおます。

マンガ家や作家になるためには、落語を聞いて、できれば演じてみましょう!

落語、これイマジネーションの世界です。
着物を着た落語家が座布団に正座して喋る。というだけなんです。共演者もメイクも衣装もセットもない。小道具といえば手拭いと扇子だけ。これで殿様も侍もお奉行も、大店の旦那や手代、丁稚、ご僚さんに娘、若旦那、長屋の喜ィさん、清やん(江戸では熊さん、八っつぁん)、隠居に芸者、しゃべりのおばはん、坊主や泥棒から現代のサラリーマン、OL、学校の先生や生徒、さらには幽霊や閻魔大王、宇宙人まで独りで演じるというんですからこれは凄い。こんな芸、日本にしかありません。

実は座布団に正座するという風習が、落語という芸を作っているんです。

椅子に腰かけると、立つ、座る、歩く、走るなどといった動作が表現できません。足をくずしてもそう。ところが、正座してみると、左を見て「こんにちは」、右見て「おっ、おまはんかいな、こっち上がり」。これだけで玄関先に立った人物と、中で座っている人物との会話が成立。

右見たまま「まぁ、こっちあがりいな」、左見て「へえ、ありがとうございます」とちょっと身体を前に揺する。これで立っていた人物が奥へ入って座った。ね、これは正座しないとこうはならない。入ってくる人物の腰に扇子を当てて「ああ、ゆるせよ」、とやるとお侍に。と、まあおもしろい。

ちょっとした仕種がキャラ作りの凄い勉強になるんです。

キャラといえば、古典落語の中にはいろんな人物が出てきます。侍の身分の違いや大店の旦那と奉行人の関係、あるいは廓郭の中の世界と専門用語や役名、呼び方が出てきます。江戸を知るええ機会ですわ。
例えば、花魁、妓夫、禿、なんて言葉、学校では教えてもらいません。でも落語には出てくるし、時代劇書こうと思ったら、そういう知識いりますわ。それに当時の通貨や相場、両だの分だの朱だのと出てくる。文とか銭とか。十両は高いのか、案外そうでもないのか。

屋台のうどんは十六文。「時うどん(江戸では時そば)」という落語知ってたらこれは常識。でも、十六文て、今ならいくらぐらい?

そういうことも落語を通じて私は覚えたんです。

ちなみに当時は十両盗んだら、首をはねられていた、というんですから大金です。

目安は銭千文で一朱、四朱で一分、四分で一両と、そういうことになります。
うどん一杯十六文から、だいたいの一両の価値を換算してみましょう…。

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2006年08月28日

へたなら寄席

中山市朗です。

9月8日(金)にワッハ上方小演芸場で「へたなら寄席」という催しをします。
これは何や、というと、素人落語会です。
「へたならよせ」というシャレですわ。
言いながらも、今回が2回目なんですけども(演者はみんな自分はウマい、思うとるようで)。

演者は私の率いる桐の一門。
「桐の」というのは上方の露の五郎兵衛師匠率いる“露の”一門にあやかったんです。なんでかというと、私のマネージメントしてくれているO氏は昔、露の五郎事務所の社長やったこともあったのと、五郎兵衛師匠とは“怪談之怪”でご一緒させてもろた、いう縁もありましたもんで。まあ霧の、言うのんはちょっともったいないんで、桐の、と。

私の高座名は、桐の雄加留斗。
ほんで、弟子みたいなもんが9名。
入門順(ほぼ)に、うだん(男)、うさん(女)、かなた(男)、はてな(女)、ぐだぐだ(男)、ええとこ(女)、ぎりぎり(男)、もぎり(女)、よぎり(男)。

最初の3人は、放送作家のかわら長介先生の魁塾の塾生、あとの6人は、わが作劇塾の塾生です。今回の公演では、ぐだぐだ兄さんと、ええとこ姉さんはお休み。

なんでまた、落語会なんぞ、と思われるでしょう。
まあ、私が落語好きやというのが一番の理由なんですが、もうひとつは塾生たちに落語を演じてもらって、いろんなもんを修得してもらいたいという思いもあるんです。

だいぶ前でした。鶴橋の焼肉屋で有栖川有栖さんと久しぶりに会うたとき、「今僕、こんな学校で作家や漫画家の卵に教えています」と言うたら有栖川さん、膝をパンと叩いて「落語!」と開口一番。

そう、落語はすごい勉強になるんです。
どう勉強になるのかって?

じゃあ、次回からは落語講座を。

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2006年08月26日

プチ怪談会

中山市朗です。

昨夜、オールナイトで塾生たちとプチ怪談会を行いました。
プチってなに?

今年3月にエンタイトル出版から塾生たちの怪談マンガ集『怪怪怪』を出版しましたが、来年もその第2弾を出版することでようやく動き出したんです。もちろんエンタイトル出版の打越編集長と私が原稿チェックしますが、基本的には塾生たちが編集部を立ち上げ、企画やページ割り、スケジュール管理などをしながら出版物にしていく過程を学びつつ作品を仕上げます。

もちろん書店に一般書籍として並ぶこと前提としていますから、ハードルは高い。
でも、これに載れば実質デビューです。

今回は「ゾゾッと怖い!」ということを徹底的に追及した作品創りを、という編集長からの厳しいお達しが通告されました。

昨年度もそういう注文やったんやけどねぇ。

なんか取材ができないらしいです。マンガ家や作家になりたい言うてくる若者は、まあ自閉症言うたら悪いですけど、篭って書くというタイプが多いんです。まあ、それで通用すればいいんやけど、やっぱり取材をしたり、打ち合わせをしっかりやって、自分の意見を言う。人の話を聞く(理解する)ということも大事なんです。だって仕事ですから。プロのなったら編集や原作者と人たちとちゃんと仕事としてのやりとりをしなければならないんですから。

「取材は絶対できるようにしとけよ」とは、ずっと言い続けてたんですけどね。

で、今回はちゃんと取材して、それをまず怪談として語ろう、それが話を錬り込む勉強なんだと、ようやく塾生もわかってきた次第で……。

それでプチ怪談会を行ったわけです。

この度は小説家、ライター志望の塾生も加わって、それぞれが取材してきた怪談を披露したんですが、「それは怪談やない。説明してるだけやん」「あっ、それ都市伝説」「誰の視点かわからん」とか私がダメ出ししながらも、使えそうな話はさっそくプロットにしていけるようにアドバイスするというもの。
『新耳袋』が続いていたなら、使えそうな話も3つほどありました。

やっぱり頭で考えただけの話より、取材で得た実話怪談の方がイメージが強烈で説得力がある。わっ、これは想像つかんな、という部分がある。それを作品にするから面白いもの、怖いものが表現できるんです。

ということも、どうやら塾生もわかってきたようで……。


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2006年08月22日

ある意味、日本沈没

中山市朗です。

私の書斎に元教え子が久し振りに顔を見せにやってきました。
女の子なんですけど。

「どないしたんや?」と聞くと、「ウチ、イスラムの勉強してるんです」という。そんなキャラやないんで、ちょっとびっくり。
「変わったことやってんねんな」
「先生の影響です。図書館に『コーラン』置いてませんね」
「俺持ってるで」
「『タルムード』は持ってませんか?」
「日本語訳したのはあるらしいけど、これは売ってないなあ」

あっ、『コーラン』はわかりますね。イスラムの教典。
『タルムード』はユダヤ教の教典。今のユダヤ人たちは『旧約聖書』やなしに『タルムード』というえらい膨大な律法書をユダヤ教徒の唯一絶対の聖典としているんです。『シンドラーのリスト』にも、この名前は出てきます。ホンモノは私も見たことありません。

で、彼女が言うわけです。
さっき図書館でイスラムの書籍を調べていた。
館内は中年とお年寄りばっかりで夏休みやというのに、子供も若者もいない…。
そしたら隣に座っていた中年男性が、イスラム教を専門とするフリージャーナリストだったらしい。
それが日本人やのになんとイスラム教徒!

「お姉ちゃん、若いのにそんな勉強してるのか、えらいなあ」とイスラム式の握手をしてくれて名刺ももらったらしい。ちょうどマラダーンの断食をやっている最中らしくて、グゥグゥとお腹を鳴らしてはったらしい。

日本人でイスラム教徒とは珍しい。まあ、おらんわけやない。
あの阪神大震災のとき、水道が止まったが、ある商店の前の井戸水が出たので店の主が近所の人たちに分け与えているというニュースを見たとき、その主という普通のおっさんがインタビューに答え、両手を挙げてこう言うたのを覚えています。

「これはアッラーのお導きです」

わあ、ここにイスラム教徒おったと、ちょっとそのとき感動しました。
まあ、神戸にモスクありますから、別に不思議やないですけど。

さて彼女、そのジャーナリストからこんな話を聞いたそうです。
日本の外交官はあかん、と。何かのとき、救援物資としてイスラムの国にある食品を大量に送った。開けてびっくり。全部カップヌードル。豚のエキスいっぱい…。まあ、なんちゅうの、言葉も出ませんわ。この間ブログで私が書いたとおりです。
これが国際人やて…しかも外交官。

ここで思い出したのが7、8年前、エジプトの文学博士と話したときのこと。彼もイスラム教徒で、やっぱり断食してはりました。文学者のくせに(いや、だからか)日本の歴史と宗教、ものすごく詳しい。そのエジプト人と水戸学の話をしました。日本人とも水戸学の話なんてしたことない。

水戸学ってわかります?
まあ、『大日本史』の編纂をするにあたって江戸時代に水戸藩で起こった学問のことですわ。
幕末にも歴史修正がこの学問の上で行われまして、もちろん水戸藩ですから、尊王攘夷の立場から国家思想の基盤を作ろうとしたわけで、これが明治政府に影響を与えていくんです。『国体』という概念は日本ではここから始まるんですな…。

というような話をイスラム教徒のエジプト文学者としたんです。
そのとき、私は『捜聖記』の執筆準備をしていて、丹後の籠神社のことを調べていたんですが、籠神社のこともよく御存じで、古代日本史を語る上で丹後と九州の国東半島を無視できない、ということも言うてはったんです。籠神社や丹後なんて、日本の歴史学者が完全に無視している場所です。
国東半島もちょうど実地調査をし終えて、こら、何かある、と確信持ち出したときのことで、もう驚きました。このときまで、私はいろんな日本の歴史学者、郷土史研究家と接見してきましたが、こんなに詳しく納得のいく話をできたのは、このエジプト人が初めてでした!

私の友人で在日のマンガ家がいるんですが、日韓の歴史についての知識がすごい。半端やないんです。この人とは日本について語れるんです。
もちろん日本人にも凄い人はいてはります。が、やっぱり日本について語れない人が多すぎます。いや、語ることを知らない。私の教え子など、友人にそんな話をしかけると「そんな難しい話せんといて」とキッカケすらも与えてくれないらしい。話術が足らんのやろうか、と反省しているようですが、それだけでもない…。

『日本沈没』という映画が公開されていますが、このままやったら物理的な沈没やなくて、日本人の魂が沈没してしまいます…。



kaidanyawa at 20:51|PermalinkComments(0)

2006年08月21日

芝居出演

昨日(20日)、お芝居に出ました。
こみなとレンジャー『おもてなしのお仕事』。

昼、夕2回公演、私自身の役柄で、舞台となっているホテルの従業員から怪談をせがまれて語るシーンがあったのですが、いや、快感でした。
怪談会やホラートークに来るお客は怖い話を聞こうという準備をして客席にいるわけですが、ここにいるお客はお芝居を見に来ている人たち。しかもコメディー。
そこに私が登場し、突然怪談を語るのですから「えっ、えっ、そら何するねん」というのが客席の反応。

しーんと凍りつくのが肌に感じ、それが余計に私自身の語りをヒートアップさせ、より話が怖くなる…。まずは共演している役者をビビらせようとリハーサル。昼、夕と2話ずつする怪談を全部違うものにしました。
それが成功。ステージに霊気が漂い、それが客席に。

前の女性客の目はまん丸に開いたまま、思わず上着を羽織る客、たまらんと客席を立ちロビーに出る客もいて、手ごたえ十分でした。

山田誠二監督も客として来られていて、昼・夕の合間に塾生2人と共にお茶を飲みに。

おっ、ここ日本橋やん。だったら、あそこに行ってみようかと初めての体験。
何がって?
メイド喫茶。
私は黒ずくめ、山田さんも怪しいサングラスに黒衣装、塾生もそこそこ怪しい若衆みたいな格好だったので、ちょっとイタズラ。

中へ入ったら「頭【かしら】、こちらへどうぞ」って俺らを呼べ。
と言ったのですが、塾生はその勇気が出ず、普通に店に入ってしまったのが残念でした。

入ると、いきなり中にいた客が驚いたようにこっちを注目し、サッと目を伏せたので目的は達成。
ドッカと座るといきなり私は葉巻きを取り出し一服。

「それ、ホンモノですか」と聞いてくるメイド姿のウェイトレス。「煙が出るレプリカってある?」

「まぜまぜしましょうか?」「いえ、いいです」
と塾生は照れがあるのか、普通に対応。せっかくのメイド喫茶や、ふーふーでもまぜまぜでもしてもらわんかい。

えっ、私?
自分でまぜまぜしました…。


kaidanyawa at 23:55|PermalinkComments(0)

2006年08月19日

真の国際人

中山市朗です。

続きです。
最近気に食わないのは、国際人になる、と言って外国語は学んでいるけど歴史や宗教に見向きもせん奴。それ、外国語喋るのはええけど、いったい何を伝えるつもりや?
結局、言葉はツールやけど、肝心なのは何を伝えるんやということですわな。
ただの通訳違うんやから。
いや、通訳でも専門分野持たんとどこにも雇ってもらわれへん。

これ、外国語やるな言うてるんと違います。
やるのはいいんです。
でも、それだけでは向こうの国の人の考えや行動原理は分からない。
極端な話、神なんかおらんと平気で言うてる人がイスラム教徒の気持ちがわかるわけないんです。真の国際人になりたいんやったら、『聖書』くらい読んどきなはれ。ほんで、日本の歴史のことも少しは勉強しときましょ。

以前、民主党の議員さんとじっくり話す機会がありました。
その議員さんがボヤきよるんです。

「もう日本の若手政治家はアカン」と。

何が、と聞くと、政治家や官僚になる若手は長期留学をさせられるそうです。ここでやっぱりさっきの医学博士のパターンと同じことが起きる。いろんな国の人たちが集まって、議論が始まった。テーマは自分の国。私の国はこんな国だ、こんな歴史をくぐってきた、こんな侵略をした、またはされた、これとは戦う…。

日本人は答えられない。慌てて日本の実家に電話して「中学高校の日本史と世界史の教科書送ってくれ」やと。こんなんに政治任せてええんか、言うわけです。

わあーっ、そこまできたか、ですな。

うちの塾生には教えています。
『聖書』の読み方(ウラの読み方も含めてね…フフフ)、明治維新から大東亜戦争終結までの歴史や、戦略、戦術の話も。
教科書に載ってる話なんかしませんけどね。

kaidanyawa at 23:28|PermalinkComments(0)

2006年08月18日

無神論者

中山市朗です。

作家やマンガ家、映像クリエイター、ゲームクリエイターらを養成する専門学校の講師をやっていたときのことです。

質問
1、12月8日は何があった日か?
2、8月15日は何記念日?

答えられる学生がほとんどいない。これ、ホントです。
答えわかりますか?

1、太平洋戦争が勃発した日。昭和16年12月8日。あの真珠湾攻撃ですな。
2、昭和20年8月15日。その戦争が終結した日。終戦記念日。

これを知らない若者を作った日本の大人たちはホント罪ですな。
小中高といったい何をやっていたのかと学校の先生や親たちに怒りを覚える。

教えています、という先生もいるでしょうが、全然頭に入っていませんよ。
もちろんこんな状態で、日本はどうしてあの戦争に突入し、どんな戦いをして、どう負けて、何が問題として残ったのか、などということも考えるわけないのです。
韓国や中国の人たちが何を怒ってはんのか、わからんわけです。そんなのがゲームやアニメを作ってええのか? 作家になってええのか? とホンマに怖いです。
おまけに大人たちは宗教についても教えていない。

神道って?
仏教って?
概念はあるけれど説明できない。近くにある神社の祭神も知らず、どこの檀家かも知らず、『聖書』も読んだことないクセに平気で「僕は無神論者です」言いよる。そんなんがダマされて妙な新興宗教に入りよるんですけどね。それは違うと言えないから。

私の知人で医学博士がいます。米国に留学したとき、いろんな国籍の人たちと話し合う機会があったらしい。で、ひとりひとり信心する宗教、派について熱く語った。カソリック、プロテスタント、イスラム、ユダヤ…。で、日本人の彼は「私は無神論者です」と言った。
物凄く不信感を持たれたそうです。「お前は人間だろう。だったら宗教がいるはずだ。宗教がいらないのは虫けらと同じだ。虫は宗教がなくても生きていけるからな」

まあ、このときは極端な状況だったのではと思いますが、やっぱり世界の人はそうなんです。日本人はホント宗教に無頓着やと言われます。例えばユダヤ人がクリスマスを祝うことはあり得ない。スピルバーグはユダヤ人だから、どうしてクリスマスを子供に祝ってやれないのか、これを説明したくて『シンドラーのリスト』を作ったそうです。それほど奥の深いものなんです。信仰というのは。

日本人は…仏教の檀家のはずなのに、初詣で神社に祈って、クリスマスを祝う。クリスチャンでも天神祭りの神輿担ぎよる。無神論者と言いながら交通安全のお札をぶらさげとる。信仰心なんかない。言いながら盆にキッチリ帰っとる。家建てるのに地鎮祭しよる。クリスチャンでもないのにチャペルで神に結婚誓いよる。仏壇と神棚とクリスマスツリーが一緒にあるなんて、まあ他の国の人から見たらワケ分からん。冒涜者です。でも、それが日本人のええとこや、私は思います。
でもね、やっぱりそこは考えなあかん。
その医学博士もロクに『聖書』も読まずに無神論者ですと言ったのはいかにも無用心だったと気がついて、その後猛烈に宗教について学んだそうです。

すると世界情勢が読み解けるようになったと言います。
『聖書』を読んでおくと世界情勢がわかるというのはホントです。
とにかく、戦争を含めた近代史を知らない、宗教を知らないでは、例え靖国の問題とか日中韓とか米国との関係とか、中東の問題とか、防衛とかわからんでしょう。

えっ、知らなくてもいい?
もう人間やめなさい。

続く

kaidanyawa at 21:26|PermalinkComments(0)

2006年08月17日

ハリウッドから見た日本

ブログで私の大阪復興に対するご意見書いてくださったweissflogさん、ありがとうございました。まさにおっしゃるとおりです。

東京のメディアが集中するということは、東京のフィルターを通すということになりますので、どうしても東京から見た大阪、というのが映画やドラマ、マンガなどに反映されてしまいます。

例えば、ハリウッド映画の中に出てくる日本や日本人て、ヘンですよね。
『東京ジョー』『東京暗黒街・竹の家』『サヨナラ』(リカルド・モンタルバンが歌舞伎俳優役!)『八月十五日夜の茶屋』(マーロン・ブランドが日本人役!)『ティファニーで朝食を』(ミッキー・ルーニーがユニヨシとかいうヘンな日本人役で登場)、『トコリの橋』『007は二度死ぬ』『レッド・サン』『ザ・ヤクザ』『ブラック・レイン』『ハンテッド』(今どき忍者部隊。しかも日本語ができないジョン・ローンが首領。ホテルの部屋の中に巨大混浴風呂)『キルビル』『ラストサムライ』『SAYURI』…。あの名作『戦場にかける橋』も微妙。あの話は実話に基づいていますが、実は橋を設計する技術は英国より上で、実際に日本人の指揮の下、英国軍捕虜たちは忠実に働いただけだったと、当時を知る日本人は公開当時怒ったとか(ちなみに映画で爆破された橋は、実際にはずっとミャンマー、ビルマの国境で列車を走らせています。形も随分違い、ちゃんとした鉄道です)。しかしあれはハリウッドの日本。そうしないと売れないのです。

日本に対する世界の人の持つイメージがないと、日本じゃないと思いよるんです。
エチゾチズムというやつ。あのチャップリンが日本に来たとき、日本の家庭に冷蔵庫があるのを見て(でも当時それは凄い金持ちやったんでしょうな)、これは日本じゃないと嘆いたそうな。

まあ、ほっとけ。と言いたいですな。『将軍』という米国TVドラマに三船敏郎さんが出演したときのエピソードがあります。

米国人監督「ここで、こんにちわと頭をさげてください」
三船「そんなデタラメはできん」
監督「日本人がいつもやっていることじゃないか」
三船「侍はそんなこと言わんのである!」

東京から観た大阪も、まあ似たようなもんじゃないですか。
なんかのCMやないですけど「まいど」「もうかりまっか」「ぼちぼちでんな」なんて言っている大阪人、今どきおりませんやん。

しかし、それが大阪というイメージなんですな。中島らもさんが言った言葉で、「大阪にはヤクザと商売人とお笑いしかおらん」というのがありますが、大阪人のらもさんが言うからシャレになる。でも、なるほどっ、と思ってしまうのも事実。

エンターテインメントには歪曲やデフォルメはあって当然。しかし、一方的な見解は危険です。ハリウッドが妙な日本人描写をやっている間、黒沢明、溝口健二、小津安二郎、成瀬巳喜男などという巨匠の映画も世界で支持されたわけです。

両方あってバランスがとれたんです。

だから大阪からではない視点から、映像やメディアで作品を作り、どんどん発信していく必要があります。

まあ東京のメディアが伝える大阪のイメージもあり、大阪から発信する本当の(?)大阪の姿もありでいいんじゃないですか。

kaidanyawa at 23:35|PermalinkComments(0)

うめだ花月

中山市朗です。

15日のうめだ花月『怪怪怪』は盛況にて終了いたしました。
ありがとうございました。
その様子は塾の公式サイトに掲載してありますので、そちらを。
ただ、今回は前半部分で戦争にまつわる怪談を終戦記念日ということであえて語らせていただきましたが、これがアンケートによると案外好評で、救われた感じがしました。

あの昭和の戦争についてはまたこのブログにて書かせていただきます。

大失敗は、清めの塩をスタッフが用意していなかったこと。
いつも私のライブでは、祓う、清める、落とす、という三段式の儀式を最後に執り行うことにしているのですが、いつもの通り「お塩持ってない人、ロビーで売っていますから」と連呼したのですが、実際は売っていなかったということで、お客さんウロウロされていたようです。

楽屋でもイベント終了後、塩がないと出演者もスタッフも蒼白。それだけマジ怖だったようです。

『怪怪怪』のDVDは会場で好調な売れ行きでした。そのビデオメーカー、クリエイティブアクザのプロデューサーが東京からわざわざ観に来てくださって、打ち上げに参加していただきました。DVDのレンタルの様子も好評のようで、『怪怪怪』は今後シリーズ化させていくと心強い言葉をいただきました。
また、うめだ花月のプロデューサーも今回のイベントにはご満悦だったようで、ここでの怪談ライブも今後いろいろ展開させていけそうです。

ライブ、交流会、映像、そしてエンタイトル出版からの出版と『怪怪怪』はコラボさせながら、塾生やお客さんとともに新しい怪談というものを色々実験し、発表してみたいと思っております。

そう、また新しい試みを来週あたりにやります。
今はまだ言えませんが…。

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2006年08月16日

サントラ

東京渋谷にあるSUMIYAで買ったサントラ盤CD……。

『東京暗黒街・竹の家』(’55)S・フラー監督の日本ロケしたギャング映画。
日本からは山口淑子、早川雪修洲が出演。リー・ハーラインの音楽。

『ナバロンの嵐』名作『ナバロンの要塞』の続編。やっとサントラ化されたロン・グッドインのコマンド・スコア。

『グロリア』J・カサベテス監督、その嫁G・ローランズ主演のアクション快作。『ロッキー』のビル・コンティの音楽。

『間違えられた男』(’57)なぜか今頃リリースされたヒッチコック映画のサントラ。ヒッチといえば音楽はこの人、バーナード・ハーマン。

『豹〈ジャガー〉は走った』(’70)えっ、こんなの出てた!? と狂喜。田宮ニ郎、加山雄三共演の東宝映画。プロのスナイパーと敏腕刑事の死闘。佐藤音楽のシネ・ビート。

以上、残念ながら今回は少なめ。


最近のサントラには魅力がない。クラシックの世界では20世紀になぅてロマンティックな楽曲がなくなって、それがハリウッドに流れ込んだのです。だから素晴らしい管弦楽曲が映画の中に生きた。

でも、今のハリウッドサウンドはねぇ……。

今映画館を出て、さっきまで見ていた映画の主題曲を口ずさめます?


さて、TBS『ロックチャンネル!』も無事、生出演。大阪だとスタジオ入りして、そのまま本番というパターンが多い中、さすがに東京。収録3時間前入りで、リハが2回。語る怪談にも番組の色、視聴者、時間配分、出演者のリアクションなどを考えた上でのディレクターからの注文がどんどん飛ぶ(小林麻耶アナの恐怖のツボはこうだとか笑瓶さんのリアクションが読めないんで、ここで間をとりましょうとか……)。
リハではその通りやって、本番でまったく違う話をやったろかと思ったが……?

変だったのが控え室。お茶とかお菓子が置いてあったのはいいが、山盛りあるお菓子のどれもがチョコレート。一個食べたらもうええわ。『怪談新耳袋』の宣伝部の人が来てくれていて、見兼ねたのか牛丼を買ってきてくれました。



kaidanyawa at 01:40|PermalinkComments(0)

2006年08月12日

TBS

中山市朗です。

なんか急に東京からTBSテレビの『チャンネルロック!』のスタッフの人が来られました。
大阪では系列局は毎日放送。その番組はやっておりませんので存じませんでした。

TBSは『怪談新耳袋』としてBS-iがハイビジョンドラマと劇場映画の製作をやっておりますので、その番宣(番組宣伝)の意味もあってでしょうが、視聴者から来たメールで「『新耳袋』は実話を元にしているそうだが、あれだけの怖い話をどうして調べたのですか」という質問があったそうで、そこを探りに来られたようです。

我が書斎に招いたところ、膨大な映画や落語、漫才、音楽関係のビデオやDVDに圧倒され、なぜか映画や落語の話に花が咲いてしまいました。

あっ、もちろん取材はちゃんとされまして、まあ、どの部分が使われるかわかりませんが、門外不出の取材ノートなどをお見せしながら色々と怪談蒐集の極意を伝授(?)し、VTRに収録しました。

この番組は12日に生放送されるそうで、VTRの後、スタジオで怪談をひとつ語ってくれ、ということで当日、「噂のあの人調査センター」というコーナーに生出演するために東京へ行くことになりました。

もちろんスタジオに入る前に渋谷へ行って、サントラ専門店「SUNIYA」に行ってどっさりとサントラCD及び、懐かしのサントラ・レコードを買い漁るつもりです。
実はそっちが楽しみ?

ちなみに今日(11日)は、京都造形芸術大学での『京都摩訶不思議の宴』にゲスト出演でした。
京極夏彦原作の狂言も披露されて、ゆっくりと見学です。

kaidanyawa at 05:10|PermalinkComments(0)

2006年08月09日

大阪文化復興への気持ち

中山市朗です。

6日の関西文化復興をテーマに催した『作劇空間』で私はある提案をしました。
それについて書かせていただきます。

大阪には東京に比べると、極端にメディアが少ない、作家も集わない、役者や芸人は東京へ出稼ぎに行くしかない。
という話は以前このブログにも書きました。

これを打開するには、メディアを作り、そこに色々なクリエイターが集って仕事をする環境を作るしかないと思うのです。

で、私としては、大阪に映画スタジオ(当然デジタルスタジオ)を誘致するべきだと提案したわけです。映画というメディアはお金も動くし、それこそ大勢のクリエイターたちが一団となって作り上げていくものです。

演出家、プロデューサー、作家、役者、技術者、美術関係、服飾デザイナー、造形家、建築業者、コンピューター関係者、メディア開発者、放送関係、音楽関係……。
こういう人たちが集ってできるものです。そして何よりデジタル映像は世界に向けて低コストで発信できる!

一方、東京や京都にある映画撮影所は形も技術も労働条件も旧態然としたままだとよく聞きます。しかし、今や映像はデジタル時代。映画をフィルムで撮るということがもう古いという時代です。私の思うデジタルスタジオは東京にはまだありません。

大阪にこれを作るべきだと、私は『作劇空間』で公言しました。

大阪に再び人の交流する場所を、そして2011年、日本のテレビ放送が完全デジタル化されるこのタイミングを見計らって、大阪人がこれをやるべきだと。

映画スタジオみたいなバカでかいもの、どこに作るんや? 予算どないすんねや? 作ったところで映画界は斜陽や言われてるやん、と色々な声が聞こえてきそうです。

デジタルスタジオは、そんなに場所はいりません。照明もあんなにいりませんし、CG合成するわけですから背景もいりません。したがって、そんなに予算もかからない。それに映画産業は斜陽でも映像はこれからどんどんデジタル化するほど、色んなメディアに侵食していくことでしょう。
黙ってたら、また東京に持っていかれまっせ。

とはいえ、それでもそれなりの土地、それなりの予算は必要なわけで、これをどうするかという問題も山積みなわけですが、私なりに今、企画書を色んなところへ持ち込んでいる最中です。
場所の候補もあります。

『作劇空間』の席上での有栖川さんのご意見は、作家は東京へ出る必要はないし、電子メールがあるから仕事に支障はない。また、作家は基本的に篭って書くという性質上、人が寄ることを嫌う面もある。ただし、大阪に仕事がないのは確かなことで、これでは大阪に里があるという理由以外では、作家は大阪へは来ないだろうと。しかも東京が圧倒的に濃いものを世界に出し続けているというのならまだしも、そうではない東京にメディアが集中していることは危惧するべきであろうし、大阪が元気にならないと東京も面白くないやろうと。

だから文化人の交流できる場は必要で、映画のスタジオはそういう場にもなりえるし、そこから新しいものが生まれるということは大いに期待できる。ということでは共感いただきました。

実は、打ち合わせのときに有栖川さんから伺ったのですが、60年代後半から70年にかけての大阪にはそれがあったらしいのです。大阪のコメディがテレビ番組化されていった時代(『てなもんや』なんかそうだったんでしょうか)、作家や演出家、芸人や役者の東西交流があって活気があったと。映像の力はやっぱり凄いと、今思うそうです。

デジタル映像は新しい可能性を持ったメディアです。
そして世界へ発信できるコンテンツです。
欧米や東南アジアのデジタル化は日本とは比べ物にならないくらいに進歩していますし、政府や自治体の関心度も高いようです。
だったら、大阪に作りましょうや。デジタルスタジオ。
カジノ作ってる場合やない。

文化、いうたらすぐ劇場かコンサートホールという発想も、もうよろしい。大阪、という地域を考えるやなしに、関西から世界に向けておもろいもんを発信するんや。という発想が必要と思うのです。

だからそのスタジオが誰のもの、どこかの映画会社のもの、ではなく開かれたスタジオ。若い人たちの養成をしながら、プロとも交流したり、仕事をするような場にしたいわけです。
それにアドバイザーに「誰それ」みたいな人を連れて来ないこと。

実は同じ考えを持った人が、大阪で同じような行動を起こしているということも小耳にしています。コンタクトを試みて、是非お力になれればと思います。

kaidanyawa at 23:44|PermalinkComments(2)

2006年08月08日

第一回作劇空間

第一回『作劇空間』が終わりました。
参加くださったお客さま方、ありがとうございました。

大半は女性で有栖川さんのファン。交流会はサイン会みたいになってしまい、これはこちらの仕切りミス。次回への課題を残しました。とはいえ、有栖川さんは「いろいろな方と、お話できましたよ」とご満悦でした。

関西文化復興というテーマは最初から『作劇空間』のテーマとして掲げておりましたので、私の熱き思いを語らせていただきましたが、有栖川さんのファンにとっては、直接は関係のないことでしょうし、時間的なことも含めてさっそく翌7日の定例会議で反省及び、対策を講じました。

関西文化復興という問題に関しては『大阪日日新聞』の記者の方が取材にこられ、まったくその通りと大いに共感いただき、話し込んでしまいました。

『作劇空間』そのものはこれからも続けていきます。
関西文化復興、というテーマは揺らぎません。私の信念ですから。

ただ、これをどういう形で、誰に向かって提言するかが難しいですね。
10月か、遅くとも11月には第二回を催すつもりです。

塾のHPなどをこまめに見ていただければと思います。

中山市朗でした。


kaidanyawa at 18:13|PermalinkComments(0)

2006年08月05日

大阪を憂いる前に

中山市朗です。

明日(6日)は作劇空間。
いよいよ有栖川有栖さんと大阪の現状について憂います。

話がどう転がるかは。当日の流れにまかせるとして、私なりの大阪文化復興の手がかりとなりそうな、ある提案はさせていただこうかと思います。

後半は、お客さんとの交流会。有栖川さんとお話できます。もちろん私とも。
そういう会ってないですよね。作家の講演会でお話を聞くことはあっても、それは一方的なものですよね。でも、作家に聞きたいことってたくさんあると思うんです。
特に有栖川さんクラスになると、なかなか近寄れない気もするでしょうし。

だから、こういう場を作りたかったんです。

私の20代の頃、とにかくなんとかしたくって売れない原稿や企画書を山ほど携えて、あちこち出版社や制作会社、メーカーをまわっていました。
そんなときに、ちゃんとしたクリエイターの方と接したかったし、アドバイスももらいたかった。

また、そんな人を知っているというだけで励みになったでしょうしね。
私の場合、それがなかったから遠回りをしたと今も思っています(私が食えるようになったのは30歳になってからです)。

と、いうわけで、私の食えない時代を今体感している塾生たちがスタッフとして作劇空間を運営します。
当日は、小冊子を配布したり、なにかのコーナーを作ったりもするようです。クリエイターを目指すならとにかく、その道の一流の人と少しでも接するべきなんです。
塾生にとってはそういう場所でもあります。

なのに……。

一方で全然知らん顔の塾生もいるわけです。そういう塾生は他の催しや、仕事として依頼された制作の現場にも来ない。まあ、塾として強制しているわけでもないし、自分がやりたいものがあって、今はそれどころではない、というなら話もわかりますが、そういう塾生に限って実はなにもやってなかぅたりするんです(これ、うちの塾生に限らず、専門学校時代の学生や、うちとタイアップしている他のところの学生もそう)。

別にスタッフにならなくてもいい。塾生の特権で、当日無料やからおいで、言うても来ない。

なんで?

と聞くと、バイトがあるだの、行けたら行きますだの。

はあ?
バイト?

売れっ子ミステリー作家を塾が招いてんねんで。交流会あんねんで。自分らの塾長が塾を作った根源である大阪復興について熱き思いを語るねんで。で、なんでバイトやねん。

うちはな、ただ書きたいこと書かせて、講師が赤を入れて、「ほな、どっかに投稿し」言うてるだけの専門学校や養成学校ちがうねん。作家や編集者、映画監督をただギャラで招いて講義やってもらって、はい、しまい、とちがうねん。交流して、お互いのこと知って、いずれ共に仕事をする関係を作る、そう簡単ではないやろうけど、そのキッカケはなかなか個人ではできないでしょうが。できる人はとっくにやってるやろうけど。

だから、そんな環境はここしかない。

そんなときにバイトを入れている感覚がもうわからんわけです。

え、シフトがある?

ほな、チャンスがきたときも、バイトやってんのかい。
授業はなんやかんやと言い訳して休んだりしてるくせにな。

いや、基本的には各々はなにをやってもいいですよ。サラリーマンなるんちがうから。
しかし、作家や漫画家、映像業界に入りたいというならば、今、なにを優先させるべきか、今しか学べないことはなにか、そういうことをちゃんと考えんといかんということ。

私は塾をやる前、9年間専門学校の講師やってたけど、その経験上言えることはバイトを最優先したやつで、夢を掴んだのはひとりもいなかった、ということ。
そして、成功の秘訣はもちろん自身の努力、作品をどれだけ仕上げるかということやけど、プラス人脈や人間関係なんです。そういうことも覚えなあかん。
このブログ読んでる塾生諸君(特に2、3年目のキミタチ)、しっかりしてくれ。

と、いうわけで、今日は大阪を憂いるより、塾生を憂いてみました。
あの、やってくれている塾生はちゃんとやってくれてますから。

どうも失礼つかまつりました。

kaidanyawa at 23:55|PermalinkComments(0)

2006年08月03日

『摩訶不思議の宴』にゲスト出演

平安京・平城京 摩訶不思議の宴実行委員会が主催する、
『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』の京都開催に、中山市朗がゲスト出演します。

京都と奈良の2ヶ所で開催され、忘れられた日本文化を再発見します。
魔界・異界といったオカルト的なものから日本の文化を辿っていき、数多くの伝承の残る京都と奈良を中心に、様々な著名人が見識を織り成すトークイベントです。


『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』
京都開催
 開催日時 8月11日(金)
 開場 14:00〜
 シンポジウム 15:00〜18:00
 妖怪狂言 18:00〜19:00

 開催場所
 京都造形大学内「京都芸術劇場・春秋座」

 入場料金
 当日4500円 前売4000円

※詳しくはホームページにアクセスしてください。

kaidanyawa at 14:36|PermalinkComments(0)

おもてなしの仕事

中山市朗です。

お芝居に出ることになりました。
まあ、ちょっとしたゲスト出演で、本人役です。山田誠二監督の『化け猫魔界少女拳』でも本人役で出て、殺されてしまいましたが。

実は昨日、こみなとレンジャーという劇団の主催をやっていらっしゃる野中摩耶さんという女性が、塾の教室までいらしたのでお話を伺ったわけです。
もっとも出演依頼は以前からありましたので、内容とか、スケジュールの確認をしたわけですが。
芝居用のセリフはいくつかありますが、劇中に怪談を語るというのがメインです。
公演は8月19日、20日の二日だそうですが、19日はシネヌーヴォでの舞台挨拶と重なっていたのでNG。20日のみの公演となりました。


『おもてなしの仕事』
8月20日(日) 13:00/17:00 の昼夜公演。
場所は 大阪日本橋(堺筋線・恵美須町駅下車)
JUNGLE内 in-dependent theatre 1st
入場料は 前売り2000円 当日2200円
お問い合わせは 080-1447-1467

と、チラシにありました。
あっ、このお芝居自体はホラーとか怪談とは関係ありません。ホテルが舞台のコメディということです。
私は花束を抱えたホテルのお客、という役どころです。花束抱えたところで私のキャラとは違う?

kaidanyawa at 14:20|PermalinkComments(0)

2006年08月02日

中山市朗・演劇に出演!

劇団・こみなとレンジャー制作の舞台「おもてなしのお仕事」に、中山市朗がゲスト出演します。

今までのように、怪談を語るためだけの舞台とは違い、今回は劇団員の織り成す物語の登場人物として参加!
今までとは一風変わった中山市朗をお楽しみいただけます。

ファンの方は、このレアな企画を是非お見逃しなく。
また、お芝居そのものも非常に魅力的です!



・日時
8月20日(日)

昼の部 → 13時〜
夜の部 → 15時〜

・場所
in→dependent theatre 1st(インディペンデントシアター1st)

地下鉄堺筋線「恵美須町」駅1A出口、徒歩5分。



詳しくは劇場のHPにてご確認下さい。

http://west-power.co.jp/theatre/main.htm



kaidanyawa at 21:42|PermalinkComments(0)

『怪怪怪』

『怪怪怪』とは、エンタイトル出版より発売されている塾生たちのマンガ集。
で、もうひとつの『怪怪怪』がDVDになり、8月4日より全国TUTAYAをはじめとするレンタルビデオ屋さんにてリリースされます。
明日(3日)には店頭にあるんじゃないでしょうか。

このDVD作品は私、中山市朗の語る新作怪談集で、『新耳袋』未収録、あるいは新たに取材した話で構成されています。聞き手の女の子たちは、いずれも大阪の芸能プロダクションに呼びかけ、オーディションにて私と担当プロデューサーが選んだ新人の子たちです。

いやあ、怪談語りの醍醐味はやっぱり美女を怖がらせることですな。
それに大阪の女の子たちはリアクションがいい。そんなところも見所です。
最後の話などは、幽霊が出たという現地で、ちょっと面白い怪談を試してみました。まあ、ご覧下さい。

企画・制作は作劇塾/作劇舎。構成・演出は塾生で『京都魔界巡礼団』や『作劇塾』のテレビ用CMの演出を手掛けた森田司です。

森田は秋にクランクイン予定の山田誠二監督の新作映画のプロデューサーをやるとかで、今や立派な業界人です。

製作・著作は東京のメーカー、クリエイティブアクザ。怪談、ホラー、オカルト系のオリジナル作品をリリースし続けているユニークなメーカーさんです。

尚、このDVDはレンタル専用商品ですが、6日の『作劇空間』、15日のうめだ花月『怪怪怪』をはじめとする塾の主催、あるいは私の出演するイベントでのみ、2800円で特別販売いたします。
また、19日より『怪談新耳袋・ノブヒロさん』が公開される大阪西九条シネ・ヌーヴォでも限定発売する予定です。

今日は告知でした。
えらい、すんません。

kaidanyawa at 21:18|PermalinkComments(0)

2006年08月01日

大阪への憂い

中山市朗です。

大阪人は団結しない……についてちょっと。
東京って、なんかチームで動いてますね。プロデュースする者、ディレクションする者、プランナー、デザイナー、作家、編集といった人たちが集まって、なにかプロジェクトを動かしている。
クロスメディアにして、ひとつの発想、作品をマルチに展開させていく。
だからお金が動くんです。やっぱり東京と大阪では、仕事をしても、もらうギャラが違う。

大阪は……バラバラですわ。
テレビ局の人はテレビ、ライターはライター、プランナーはプランナー。あんまり手を組まない。どちらかというと、潰しにかかる。これでは駄目です。

「それ儲かりまんのか」
そういって、あんまり新しいことをやりたがらない。
「これを儲けるようにするのは、あんたらの仕事やろ」と言いたかったことも多々ありました。
関西の放送局に企画を持っていったりすると、スポンサーを捜してきてもらえませんか、と言ってくる。その人の肩書きを見たら、営業部やて。おいおい、それ、あんたの仕事違うんかい、とかね。

有栖川さんがこんなことを言ってました。
「大阪の役人や実業家の人が文化セミナーみたいなものをやって、大阪の文化について話し合ったりしてるんです。そこに呼ばれて、どうすれば大阪の文化は元気になりますかねぇって聞かれる。おたくらがちゃんと儲けてくれたら元気になりますって言ってやりました」

今、大阪府知事が動いて堺市にカジノ作るとか言うてます。
そんなん作って恥ずかしないんかと思うんです。
何の芸もない。

今、必要なのは、大阪にいる若い人たちに夢や希望を与えることです。こんなんやりたい、こんなことしたい、それがちゃんと収入になる土台を作ってやらないと。どんどん才能のある子が東京に行ってしまう。

カジノ?

そんなもんが、若い人たちに何を与えるというのや。ギャンブルやでカジノは。それでなくとも大阪はガラが悪いとか言われてるのに……。

それでも大阪人は「しゃあないなあ」で済ませている感があります。大阪出身の作家を記念する文学館もないし、お笑いは大阪や、と言いながら実は寄席小屋すらなかった。

いや、これは大阪が嫌いで言うてるわけやないんです。好きやから憂いてるんです。
だからそこに共感いただいている有栖川有栖さんと、大阪文化復興についてのトークをやるんです。

作劇塾を大阪に開いた意図もそこにあります。復興したらそこで活躍するのは若い人たちですから。そうなると人材育成は必要なんです。

8月6日に開催する作劇空間は、大阪復興へと踏み出す小さな第一歩としたいのです。どんな大河も最初の流れは一滴からと言いますから。
おひとりでもお二人でも、私と有栖川さんの話に共感していただければ幸いです。
トークだけでなく、お客さんと交流したい、という意図もそこにあります。

kaidanyawa at 21:12|PermalinkComments(0)
プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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