2007年06月

2007年06月27日

奈良テレビでの怪談番組

 中山市朗です。

 私の書斎で、テレビ番組の収録が行われました。
 それが私一人で、カメラに向かって30分間、延々と怪談を語るだけという、これ以上ないシンプルな番組なんです。

 しかも毎週オンエア。

 タイトルは『中山市朗・怪談の間』

 スタッフ編成も塾生OBの映像スタッフと、現役塾生のみのクルー。
 実はこれ、作劇塾と某ローカルテレビ局とのコラボにより実現したものなんです。

 お互いになにか面白いことをやりましょうと。

 塾生にとってもこれは大きな実践になるし、なにより媒体があるということは、工夫次第で色々な展開が考えられます。

 とりあえず、今回は2本撮り。朝11時から夜10時までの講義後の収録で、終わったのが朝の3時。こら、さすがに疲れたわ。

 えっ、どこで観られるのかって?

 ふっふっふ…。とひっぱるほどのものじゃないか。

 奈良テレビです。

 7月4日の深夜1時からスタート!(予定。1〜2週間すれる可能性アリ)
 なんと日曜日深夜にも再放送。

 一応、3月までやるということなので、えーっと…9ヶ月、1本だいたい4話として…えっ、200話近い怪談を奈良テレビでやるの!?

 こら、怪談界にとっての一大事件!

 怪談マニアの方は、テレビアンテナを奈良県に向けましょう。
 って、映るわけないか。

 私も観れません…。
 

kaidanyawa at 13:51|PermalinkComments(0)

2007年06月25日

映画秘宝より

 中山市朗です。

 朝の9時、宅配便に起こされました。
 荷物を受け取ってみると、大きさ、形、手に持った感触、重さ、どうみても本一冊分の原稿のゲラ。はて、なんの? と送り主を見たら洋泉社。

 いつも『映画秘宝』は送ってもらってるけど、これは?

 中を取り出してみると、やっぱりゲラ。
 えっ、覚えないけど。

 手紙がある。ギンティ小林さんから。

 『なまなりさん』読んだら、中山さんの身近が心配で…大丈夫ですか。
 期待に添えず大丈夫です。今のところは(あんまりみんなが心配するので、なんかあるのかなと、ちょっと思うようになってます…)

 さてさて、手紙を読んでみると『映画秘宝』に掲載していた『新耳袋』関連の記事を一冊にまとめることになったという、だからゲラを確認してもらいたいというんですな。
 
 そんなに『新耳袋』の記事あったんだ、とちょっと驚き。

 そういや、田野辺元編集長は、「『キネ旬』はクリント・イーストウッドにインタビューするらしい。だったらウチは『新耳袋』だ!」と訳のわからんことを言ってた人。映画雑誌のクセになぜか『新耳袋』の舞台となった怪しい場所へ、命知らずの潜入を行ってそれを掲載すること幾何度。

 あんたら『ムー』の編集部? と突っ込んだら、「これも映像化された『怪談新耳袋』に関する立派な映画の記事なんですよ」と。で、読んだらやっぱり心霊スポット突撃レポート。それもおバカで全然怖くない。

 そんな記事がまとめられて一冊の本になるとは!

 なんか感慨もひとしおです。
 本のタイトルは『新耳袋殴り込み』だそうです。

 我が塾に来られたときのエピソードもあります。
 発売が決まれば、このブログでも紹介しましょう。

 

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kaidanyawa at 14:33|PermalinkComments(0)

2007年06月21日

なまなりさん その後

 中山市朗です。

 先ほど、伊東氏から電話がありました。
 あの『なまなりさん』を語った本人です。
 電話があった、というんです。
 今、北海道に住まわれている健治・今日子夫妻から。
 もちろん、この名前は仮名ですけど。

 「本、読みました」という伝言だったそうです。


 「中山さんとはお会いもしてないし、取材を受けるつもりもありませんでした。しかし、ここに書かれてある事は、まさにこの通りの事でした。読んでいて涙が出ました。
 両親もこれを読んで、これで沙代子(仮名)もやっと救われたんじゃないかと言っています。そしたらまた、家族で涙しました。

 ただ、今となっての心残りは、本のラストにあるように、北海道まで訪ねて来た島本家のお父さんを追い返してしまったこと。あの時は気持ちを高ぶっていて、冷静な判断が取れなかったけれど、あの時ちゃんとお話を伺っておくべきだったと思います。

 本は二冊買いました。
 一冊は、沙代子の墓に入れてやります。お前のこと、本になったよと。
 そのための奉納を今度の日曜日にします。きっと沙代子の供養になると思います。
 ありがとうございました。兄貴の方から、中山さんにそうお伝え下さい」

 そういう内容だったそうです。


 実は島本のお父さんも『なまなりさん』の最終稿が出来上がった頃、伊東家の前にひょっこり現れたというんです。
 ひどく痩せていて、別人に見えたらしいです。
 聞けば、家出して四国の某所で修行していたとのこと。それしか生きる道は無いと思ったそうです。

 そして、明日には日本を出て、南米で暮らします、という挨拶だったらしいです。


 『なまなりさん』のこと、本になりますよ、と伊東さんが伝えたところ、
 「いい本にして下さい。そして、こんなことがあるんだと皆さんに知ってもらうことが、関係者の供養になるでしょう」
 と、おっしゃったそうです。


 いえ、こちらこそ、どうもありがとうございました。



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kaidanyawa at 21:18|PermalinkComments(0)

幽7号

14cecb2f.jpg 中山市朗です。

 今、『幽』7号が届きました。
 いやあ、改めて「そうだったんだ」と実感しました。

 今回は伊藤三巳華さんの「怪談憑々草」と私の「やじきた怪談旅日記」のコラボなんです。いつも、どこへ行っても、どういう状況にあっても、まったく見ないし、感じない(ただ、前回このブログに書いたように、怪談を書いていて妙なことはある)私と、そういうことを感じ、ときには見るという三巳華さん。

 同じ鎌倉で同じモノを見て、見えない人と見えた人は、一体どんなレポートを書くのか、という見方ができます。

 やっぱり私は、な〜んにも感じなかったんです。だから私のレポートには、何かの「影」さえも出てこない。

 ただ、当時、北野誠、三巳華、そしてチンピラ霊能者Oさんの強力霊バッチリトリオは、もう「あれ見た」「こんなん聞いた」とすごく盛り上がっていたんですな。その会話が、なんのことかさっぱりわからんかったわけです。

 で、一体あのとき、何があったのかを、三巳華さんがマンガにしていて…。

 そんなものが見えていたのか!
 全然知らんかったです!

 で、三巳華さんのマンガで初めて知った。私は“午前0時のさわやかウィンドウ”と呼ばれていた?

 北野誠さん、なんか今まで悪いことしたかなあ。

「中山くん、あそこにおるやん」
「どこに?」
「ほら、あれが見えんのか?」
「全然…きっと気のせいやで」

 まあ、そんなやりとりが彼との間ではしょっちゅうで。

 私の霊への鈍感ぶりは、誠氏の『続・お前ら行くな。』でも明らかになっています。



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2007年06月20日

“なまなりさん”を書いているときの怪現象

 中山市朗です。

 ここのところ、「大丈夫ですか?」とか「心配しています」という電話やFAXがよく届くようになりました。

 原因は『なまなりさん』。
 あんなもの書いて、ホントに大丈夫ですか?
 なんか異変起こってませんか?
 祟られてませんか? あの祟り、まだ続いてますよね。

 とか。
 北野誠氏からもそんな電話が。

「なまなりさん、読んだわ。読んだら中山くんは大丈夫かなって心配になって。えっ、何もない? 後で来るでこれ。それにこれがもし映画化になったら、絶対にスタッフに何か起こるで」

 正直に言うと、あったんです。
 
 取材が終わって原稿を書き出そうとしたとき、壊れていたワープロにちょっとしたことが。

 実は私、パソコンではなくて、ワープロで原稿を書いているんです。「パソコンとワープロ、どっちも同じですよ」と皆言うんだけど、ワープロでないと書けない。

 ブログ? 実はあれ、ワープロ打ちした原稿を渡してスタッフに打ってもらっているんです(今明かされる事実)…。その大事なワープロに寿命が来て動かなくなったとき、メーカーに持っていくと、

「もう部品がありませんからダメかもしれませんよ」

 それでも無理矢理預けて帰った翌日、「異常はどこにもありませんよ」と言われる。預けていたワープロを取りに行くと、ほんまに直ってた。以前より調子がいい。

 これ、書けっていうこと?

 で、このワープロで作業を始めると、夜中勝手に動き出す。『新耳袋』にある「真夜中のプリントアウト」そのままの現象…。それに書斎の照明が勝手に点いたり消えたり…。

 打ち合わせに来ていた編プロの人や、塾生たちの何人かがそれを体験しています。

 人間、こういうときは怖がらない。苦笑いをするんですな。

 夜中、打ち合わせをしている最中、部屋の電気が一気に全部消えて、真っ暗になるんです。

「えっ、停電すか?」
「いや、別に」

 と、スイッチを入れたらパッと点いて。

 あれ。そういや、ビデオやステレオは正常に動いている…。

「先生、今、怪談の原稿書いてます?」
「書いてるよ。『なまなりさん』っていう祟りの話」
「そ、そうですか…あはは…」
「ひゃっ、先生、ワープロにスイッチが入りましたよ」

(カチッ、ガーッと、ワープロの立ち上がる音がする)

「ああ、あのワープロで書いてんねん」
「な、なるほど…ははは…な、なんか印刷はじめましたね」
「見ない方がいいで。気にしたらあかん」
「そ、そうですよね…ははは…じゃあ、この辺で…」

(独りになると、さすがに私も怖いので)

「まあ、そう言わずに、朝まで付き合えや。飲む?」
「せ、先生、仕事は?」
「常識で考えようや。勝手に動いてるワープロの前に座ってられるか? 今夜は仕事ヤメや」
「で、でも、こっちにも仕事が…。じゃあ」
「い、行くな!」

 “なまなりさん”を書き終えたら、そんな現象も一切起こらなくなりました。
 なんかちょっと寂しい?


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2007年06月18日

露の五郎兵衛師匠の怪談落語

 中山市朗です。

 今月発売の『幽』(未だ私のところには届いていないので、詳細はわかりませんが)7号の特集は三遊亭円朝だそうです。
 
 円朝は幕末から明治にかけて活躍した江戸の噺家で、『真景累ヶ淵』や『怪談牡丹灯篭』などの作者として有名な名人です。

 彼の怪談噺は速記本として出版され、文藝怪談にも随分影響を与えたばかりでなく、二葉亭四迷が彼の演じる人情噺の口調や表現方法を元に、現代小説の祖ともいうべき『浮雲』を出したと言いますから、二十一歳で真打となった円朝という人は大変な人だったと認識せざるを得ません。

 さて、この円朝の弟子からこの怪談噺の数々を譲ってもらったのが先代の林家正蔵。彦六という名で死んだあの師匠だったそうで、その正蔵師匠から直に伝えてもらって、今なお高座にかけている噺家は、今や上方落語の重鎮、露の五郎兵衛師匠だけなんだそうです。

 その五郎兵衛師匠が、ワッハ上方で『真景累ヶ淵』を演じられるというので、観に行きました。その構成がいいんです。

 実は、『真景累ヶ淵』は全部演じると、えらく長いものになる。というのも円朝が駆け出しの頃、道具噺をやっていたところ、師匠が先に出てその道具噺をやってしまう。仕方がないので、即興で芝居噺を作って高座にかけた。

 すると、翌日も師匠が道具噺をやってしまう。仕方なく円朝は昨日の続きを即興で作ってかける。

 これが続いて、えらく評判になった。この連作が後に『真景累ヶ淵』となり、素噺としても演じられるようになり、今に伝わっているんです。

 この日、五郎兵衛師匠がおやりになったのが、その発端となる『宗悦殺し』を大衆演劇の元花形役者・市川智二郎さんの芝居仕立てで、宗悦を五郎兵衛師匠が陰険に演じられます。

 そして、その十五年の話となる『豊志賀の死』を素噺で、露のききょうさんがたまにユーモアも入れながらの熱演。そして再び五郎兵衛師匠の素噺で、その続編の『累ヶ淵水門前』を貫禄でたっぷりと演じられるというもの。

 連続して『真景累ヶ淵』が生で観られるというのは、ちょっと貴重なことです。

 五郎兵衛師匠はお足を悪くされているはずなんですが、そんなことは思わせない。
 芸へのあくなき挑戦、いや尊敬します。

 しかし、円朝の怪談噺は、怖い、というより哀れなんですな。それに、明治にもなって幽霊や化け物というのも、ちょっとねえ、という戸惑いみたいなものも正直感じられるわけです。

 真景、というのは幽霊を見るのは神経のせいだよ、という意味と、リアリズムという意味がかけてあるそうなんですが、我々がやっていた『新耳袋』にあるような怪談とは随分違ったものなんです。円朝怪談は完全に人情噺です。

 現に会場はお年寄りがメイン(若い外国人の姿があった)。私の怪談会を聴きにくる怪談マニアの姿はまったくありませんでしたから。

 知らないのかな?
 
 でも、芸としてはスゴイんです。そして長らく日本の怪談とは、『累ヶ淵』であり『牡丹灯篭』『四ツ谷怪談』『番町皿屋敷』であったんです。

 で、今回私が出した『なまなりさん』は、哀れという点では、なんかそういう世界に似ているんじゃないかと思い、終演後、五郎兵衛師匠に『なまなりさん』をお渡ししますと、大層喜んでいただきました。

 7月31日に松竹映画の『怪談』(中田秀夫監督/尾上菊之助、黒木瞳主演/原作『真景累ヶ淵』)とからんで、また円朝噺をおやりになるとのことでした。これは全員ご招待なので、どれだけ私たちの分があるのかわかりませんが、中山先生の分もなんとかしたいと思います。と師匠の奥様におっしゃっていただいたんですが……

 考えてみればこの映画、メディアファクトリーもからんでるやん!

 メディアファクトリーになんとかしてもらうわ。


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kaidanyawa at 16:25|PermalinkComments(0)

2007年06月17日

なまなりさん

 中山市朗です。

 なんだか久しぶりの更新になってしまいましたが・・・。
 さて、私の著書『なまなりさん』が15日、発売されました。
 今のところ、好調な出足のようです。

 『新耳袋』完結以来、二年振りの実録怪談を皆様にご披露するわけです。
 正直、どういう形で著書を出そうか悩んではいました。
 次が求められるのはわかっていましたし、だからといって『新耳袋』と同じことはできない。では、それ以外の形はなんだろうと。

 長編怪談に挑んでみたい、という気持ちはありました。
 そういう作品が無い、というのが怪談之怪メンバーの一致した意見。怪談文学賞も短編部門と長編部門とを創設し、選評する。
 でも考えてみたら、実録者の長編に関してはお手本が無いんです。

 『新耳袋』の形だと、その不可解な現象と、それに遭遇した体験者のリアクションだけで一話になる。
 しかし長編となると、このシンプルなやり方では通用しない。
 だからといって肉付けをすると、ホラー小説になってしまう。

 しかし、実録モノだから、これには元となる長編体験談が必要なわけです。
 そんな話、そうあるものではありません。

 『新耳袋』にも何話かに分かれているが、連なる一つの怪談というものがくつかあります。
 例えば『新耳袋・第七夜』の最終章 ”縁にまつわる十四の話”です。
 以前、キングレコードのDVD収録のためにこの話を連続して語ったことがあります。休憩を入れて約一時間。そんあ体験談は稀です。


 そんな時、私の耳に飛び込んで来たのが『なまなりさん』だったのです。
 その経緯は、本書に記した通りです。
 こんな話が拾えようとは、正直驚きでして。

 なまなり、とは非常に強い怨念、あるいは生霊のことで、能の世界にも般若となる女の怨念を現す形として、なまなりの面というものがあります。
 つまりこれは、呪いと祟りの話なんです。

 私自身、この話を聞いた後は、
 「こんな話、聞いてよかったんだろうか。また、世間に発表していいものだろうか、我が身に何か起きるんじゃないだろうか・・・」
 と、珍しく不安になったものです。

 それほど、怨念が繰り返し起こる、後味の悪い話・・・。


 まずは読んでみて下さい。
 読んだらそれは、あなたのところへ行くかもしれませんよ。


 『なまなりさん』


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kaidanyawa at 21:28|PermalinkComments(0)
プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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