2012年07月

2012年07月30日

サタデー・ダークナイト・フィーバー

 中山市朗です。

 『Dark Night Vol:6』が終了しました。

 行けなかった、あるいは行く気が無かったという人達のために、報告いたします。
 後〜悔してください。
 ヒュー、ドロドロ〜。

 まず恐ろしいことが開演前に一つ。
 もうそろそろステージ横にスタンバイか、と思っていた深夜の11時55分。
 マネージャーのNくんから「まだ予約のお客さんが20人ほど来られていません。少し時間を押して開始します」

 えっえっ、80人定員で20人来てないって、4人に一人やないかい!
 で、10分押しの開始を決定。
 それでも来られないので、司会の半田あかりさんに、「なんかコントやってつないで」と無理注文。でも彼女の本業はお笑い(松竹芸能「まんまる小動物」というコンビ)なので、「なんとかやってみます!」

IMG_9110無茶ぶりに答え、スタンバイする半田さん。「芸人魂見せてきます!」
 その横でほくそ笑むワタクシ。「どれ、お手並み拝見しよか」

 
 結局、20分ほど遅れて開始。その間に10人ほど来られましたが、10席ほどは埋まらず、20分、短い怪談なら2話語れたのになぁ。

 当日午後3時の時点でキャンセルは無かったので、「当日券の販売はありません」とネット告知したのですが、うーん、だったら……。
 残業、急な仕事、オリンピックと色々あるのはわかりますが、キャンセル待ちのお客さんが何人もいらしただけに、またこのブログで注意を促した後だけに、複雑な気持でありました。

 さて、今回のゲストは友野詳さん。彼は東京で年一度開催しているゲームイベントで、必ずお客さんと怪談会をやっているだけに、人前で語るのは馴れています。私の語る怪談にどんどん反応し、怪談が披露されました。
 その怪談会は会場となっているホテルの一室で行われるのですが、必ず何かが起こったと言います。そんな話がいくつか披露されていきます。

 さて、最初のコーナーは、お客さんから今も「どうなった?」と問い合わせが尽きないあの『市松人形』の後日譚。あの話はもういいよ、という方もおられるのですが、あのままほっとけない。
 そこで今回は、その打ち合わせから事の顛末を見ていたマネージャーのNくんと、人形の声をビデオに録ったオフィスイチロウのカメラマン・Aくんの二人に出てもらって、彼らの見たもの、彼らに起こったことを語ってもらいました。
 Nくんはまったくそういう現象を信じない男なのですが……目が動いて、確実にギロリと睨まれたと。そして楽屋でも……、これ以上は当日参加くださったお客さんのみの秘密(?)です。
 Aくんも、機械的には有り得ないことが起こったと証言。また、私が怪談を語った映像はよく編集時に異常をきたし、パソコンがフリーズしたり、壊れたりするそうです。そう言えば『幽怪案内』をはじめとして、我々がロケを行うと必ずAくんに災いが行っているようなので、お祓いでもした方がいいのかも? いや、そのまま色々あった方が私はネタになって助かる? お客さんも楽しい?

 彼らの体験談の後は、『新耳袋』にも少し書きましたが、人形つながりで稲川淳二さんの『生人形』の別バージョンを。私が放送作家をしていた頃、東通企画というテレビ番組の制作会社のあるプロデューサーからお聞きした話。この人が大阪の朝日放送のワイドショーで『生人形』をオンエアさせた張本人の一人。『ワイドショー・プラス・α』の担当プロデューサーだったんです。放送時に一体何があったのか、その後の調査でわかったことなど本にも書けなかった、稲川さんも知らない裏方から見たマル秘エピソードを久々に披露しました。

 そして今年2月9日に55歳で亡くなられた太平シローさんからお聞きした宗衛門町のスナックでの怪異譚なども。これは以前うめだ花月での怪談ライブで、シローさんをゲストにお招きした時にお聞きした、なんとも理解のしがたい話です。

 中盤は、以前私が行っていた『怪談の間』を再現。これはお客さんにも怪談を語ってもらい、それに関連つけた怪談を私やゲストが披露するというものでした。この怪談会の復活の要望もありましたので、1時間30分のコーナーとしてみました。
 誰も手を挙げない、という最悪のことも考えて(大阪ではそれは無いはずですけど)、オフィスイチロウから真名子を参加させ、最初に披露させましたが、語りは別として、あの井戸の話は使えるなぁ。

IMG_9450
 その後、物販コーナーで準備をしていた真名子。
 新耳Tシャツに着替え、売り子モードに変身していた。

 笑顔とピースサインから、かなりの手ごたえを感じていたらしいけど……。
 もっと修行が必要やな!
 




 また、心霊写真があるから披露したい、というお客さんから前もって連絡をもらっていたのでステージに上がってもらい、何枚かの写真を披露、解説していただきました。興味深い写真は、ある墓石に狸の顔が浮き出ている写真。誰が見てもそれはわかります。これを見て私もある体験を思い出します。私の田舎(今の兵庫県朝来市)の実家前の酒屋の庭に、猫の顔が浮き出た庭石があったんです。これはねぇ、ほんとうに石の中に猫の顔があったんです。ヒゲもあって。どうやら猫の怨念だったそうでして……。これは妖怪?
 狸の墓石の写真は許可をもらいましたので、いずれオフィスイチロウのホームページにて紹介したいと思います。不思議写真のコーナー作ろうかな。

 でも怪談は相乗するもんだなぁと思いました。
 お客さんは何を話し出すのかわかりません。でもその話で「そういえば」と思い出す話があるんです。意外にどこにも発表していない話も思い出したりして。
 そこが面白いんです、怪談は。

 後半は私と友野さんの怪談を怒涛のごとく(?)語り合いました。
 お客さんがだんだん引いていくのがわかります。快感ですなぁ……ヒヒヒヒッ。
 初披露の話が中心です。
 でも5時間、あっという間でしたわ。
 えっ、もう終わり? みたいな。

 半田さん、友野さん、お疲れ様でした。

 IMG_4477



 語り足りない分は、5日の守口市のプラネタリウムドーム・ムーブ21での『怪談ナイト』にて語ります。お問い合わせはこちら
 「中山市朗 怪談ナイト」
  4階 プラネタリウムドーム
  2012年8月5日(日) 午後5時
  筺06-6905-3921

 まだチケットあるのかな?

 なお5日は、4時から松村邦洋さんがパーソナリティをしているNHKラジオ『歴史エンターティメント DJ日本史』に生出演し、大阪城怪談を語る予定でして、コーナー終わりが4時30分。生放送ですので引っ張られる可能性も? で、『怪談ナイト』の開始が5時。
 ですので、『怪談ナイト』の私は途中参加になってしまうと思いますが、タクシーすっ飛ばしてなるべく早く参加し、その分、話で盛り返しますので何卒よろしくお願いいたします。
 尚、その前日(4日)の八尾市市立図書館での『真夏の闇の怪談話』も満席ですので、ご了承ください。

 『Dark Night』の楽屋の様子は、近くオフィスイチロウのホームページの告知動画で、ミニ動画として順次アップする予定です。現在アップしている分にはファンキー中村氏が登場。楽屋でも怪談を語ってます。

 
 これからのイベントや動画は、こちらをご覧ください。
 オフィスイチロウ 告知事項

kaidanyawa at 20:42|PermalinkComments(23)

2012年07月26日

世界の中心で霊をさけぶ

 中山市朗です。

 既に皆さんご存知かもしれませんが、オフィスイチロウの告知ページでは、ミニ動画が貼られています。
 私の自宅での飲み会風景や、イベントでの楽屋風景を撮影した、ある意味貴重な動画です。
 現在の動画は、先日の『不安奇異夜話』での楽屋風景です。
 ありがとう・あみさんと、前回のイベントで起きた怪異について話していると……
 お時間のある時にでも、御覧下さい。

 大阪芸術学舎での講義のため梅田に行く途中、天神祭り真っ最中の天神橋商店街を歩いてきました。いやすごい人。浴衣姿の女性たちもお美しいございます。
 そして神輿がやってきます。
 神輿。
 不思議なものですなあ、あれ。
 神輿は、旧約聖書にある契約の箱「ア−ク」に似ていると言われますが、確かに似ていると思います。聖書を読み込んでいる外国の人たちは、あの神輿をなんと見ているのでしょうか?
 神輿の発祥についてはいろいろな説がありますが、私が垂仁天皇の第四妃倭姫によってはじめられたものが最初だと、確信をもって言いましょう。
 どういうことかと言うと・・・長くなるのでやめます。
 いずれ書籍にします。
 契約の箱が直接日本に来たというより、そういう神霊的な奥儀が日本に伝わったと考えるべきだと思っています。
 神輿には神様がお乗りになっています。もちろん日本の神道の神様は形をもっていらっしゃらないので、神霊がお乗りになっているわけです。
 目に見えないのが日本の神様でして。

 さて、水木しげるさんが岩波新書から出されている『妖怪画談』に、こう書かれています。
「霊という字を二つ書いて霊々(かみがみ)と読むわけだが、これは実に面白いと思う。本来、神様も妖怪も幽霊さんも同じところのご出身なのだ。
 神様と妖怪、あるいは幽霊と分けてしまうと、逆に本質を見失う。
 神様も幽霊も妖怪もみな親類、すなわち霊的なもの、霊々(かみがみ)の世界、いわば目に見えない世界の方々である・・・」

 そうなんですよね。
 よく私が古代史などをやっているというと、なんで怪談やってりゃいいのに、そんなことやるんだって言われるんですけど、目に見えない霊の世界を追っていると、行っちゃうんですよ、神々の世界へ。するとどうしても古代の神事や祭祀、神社や仏閣、その縁起や由緒を調べることになって、天皇の秘儀に行き着くわけです。

 天皇と書いて、すめらみこと、と読みます。
 これは、統べる(天下を統一する)と、御言(言葉)ということを示しているわけです。言葉によって、天下を治める。これが天皇なのです。
 天皇の命令を詔(みことのり)と言いましたけれど、これも御言から来ています。
 つまり日本神道の本質は、言葉という霊、言霊(ことだま)にあるわけです。
 またこの天皇と書いて、てんのうと読むことがもう、忌むことになる。だからあえて「すめらみこと」と読んだ。これ事態が言霊の世界なんであります。
 田中社長を、田中さん、とは呼べずあえて役職の社長と呼ぶのも言霊ですね。
 目上の人を呼び捨てにできないことと同じです。

 そして言霊というものは、確かに目には見えません。
 けど、みんな信じています。
 飛行機に乗って海外旅行する人に向かって「キミの乗る飛行機、落ちるよ」なんて絶対言わないですよね。もし落ちたら「お前があんなことを言ったからだ」と絶対責められるでしょう。けど、そんなことがあるはずがない。よしんば落ちたとしても、その人が言ったことが原因であるはずがない。でも、心のどこかでは引っかかっていますよね。
 言葉にはそれだけのパワーというか、神秘的な何かがある、と日本人は思っているんです。

 そんな話から、この日の妖怪講座は始まりました・・・。
 そして妖怪は、この世に存在しております。

「真夜中のコンビニに居座る若者たちこそが、現代の妖怪だ」
 なんてつまらんことは、私言いませんから。水木先生の言うとおり、妖怪には霊的な何かがそこに存在しなければ、妖怪にはなりえないわけですから。

 霊的な何か・・・。
 霊ってなんでしょうね?



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2012年07月25日

Dark Night ライジング

 中山市朗です。

 本日の大阪芸術学舎での私の講義「日本人と怪談」のテーマは、
「増殖する妖怪」です。
 受講者たちは天神祭りの誘惑に打ち勝って、こっちにやってきてくれるのでしょうか?

 さて、いよいよ近づいてまいりました。「Dark Night Vol.6」。
 チケットは売り切れとなっておりますが、キャンセルがあった場合はお待ちのお客様に販売いたしたく思います。
 これはよくあることなのですが、ドタキャンがあってそのまま空席がいくつもできることがあります。せめて前日にでも「行けなくなりました」と連絡いただければ、お待ちのお客様に回すことができます。
 仕方なくドタキャンとなる場合もあると思いますが、行けなくなった時点でなるべく早めに事務局にお知らせお願いできればと思います。

 また「Dark Night」の主催はオフィスイチロウではなく、大滝エージェンシーとなっております。オフィスイチロウにお問い合わせが多くあり、対処はいたしておりますが、大滝エージェンシーに直接お問い合わせいただくのが正確で迅速な対応があると思われます。

 Dark Night お問い合わせ
 dark@ohtaki-agency.com
 (担当・中村)

 よろしくお願い申し上げます。

 


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2012年07月23日

ナイトメア・ビフォア・怪談会

 中山市朗です。

 イベントの報告です。
 まず「不安奇異夜話・大阪堀江乃怪夏乃陣」から。
 7月21日23時スタートです。

 なぜかワタシが楽屋いちばん乗り。次にやってきたのが吉本興業のコンビ、ありがとうのあみさん。
「去年この楽屋でいろいろ奇妙なことあったよねー」
「ありましたよね。窓の外から女の声がして。窓開けたら誰もいなかっ・・・わあ!」
 あみさんが急に悲鳴をあげて、立っていた場所から飛ぶように離れて。
 立っていた後ろがすぐ着替え室のドアで、内からトントンとノックがあったって。
「誰かいます?」
「いや、僕がいちばん乗りでずっといるけど、誰もいないよ」
「えーっ、勘弁してくださいよー」

 続いてやってきたファンキー中村氏。ペットボトル4本もって、1本は飲みかけの自分の分、残りの封を開けていない3本を「みなさんどうぞ」
 私は1本もらって飲んでいたら「あれ!」とファンキーさん。「俺のペットボトル、どこいった?」
 目の前にあるペットボトルは封が空いていない。残りの2本も新品。つまり飲みかけのペットボトルが新品に変わった? そんなことがあるのでしょうか?

 雲谷斎さんは例の着替え室に入って衣装替え。そしたらすぐに出てきて「誰か溜め息した?」
 誰もいない着替え室で「ふぅ」という生々しい溜め息が聞こえて、思わず部屋を出て、確認したそうですが、誰も溜め息なんてしてない。
 
 うちのスタッフYは、缶とペットボトル用のゴミ箱のふたが、急にぽおーんと宙に飛んでポトリと床に・・・。
「え」と固まったYのところに、机を運ぶホールのスタッフがやってきた。
「今、あのゴミ箱のふた、跳ね上がったんですけど」
 するとスタッフ、顔色も変えずに「ああ、たまにあります」

 まあ他にも楽屋ではいろいろありました。一部その様子を真名子が動画収録しておりますので、オフィスイチロウの告知事項にて動画報告いたします。もちろん許可済み。
 まあ、ええ年したおっさんが、単に怖がっているだけの残念な動画のような気もしますけど。楽屋で怪談を語るファンキー中村氏の動画も!

 ステージも盛り上がりました。あみさんの留守電に残っていた男の呪いの声と、私が持参した「がぐや姫・ファイナルコンサート」の女の嘆願の声のホンモノ(?)の幽霊の声2連発は、耳に残ったのではないでしょうか。

 イベント終了後は、ファンキー中村氏を我が書斎に招いて「怪談談義」の動画収録。これはオフィスイチロウがまぐまぐメルマガで配信している有料動画「幽怪案内」用の収録。8月からはポッドキャストにて配信予定。気軽にケータイからも視聴できるようになります。見るファンキー怪談vs見ない中山怪談の怪談対決です!

 さて、この日は午後から京都に移動。中京区にある大江能楽堂で怪談社主催の「夢幻怪談催〜婆娑羅〜」のリハ。能舞台を踏むのは初めてです。その演出も凝ってます。
 今回は、語りをじっくり語らせてもらうような構成になっていたので、私もじっくり純粋に怪談語りを披露できた・・・と思います。あくまで判断はお客さん。
 演者からは客席は真っ暗で、お客さんの表情はほとんど見えないんですけど、でも、好意的な雰囲気はありました。ありがたいです。
 その内容は・・・来てくださったお客さんのみぞ知る、ということで。

 この日、もう一人のゲストが怪談作家の松村進吉さん。徳島から来られたそうですが、徳島って不思議なところなんで、思わず徳島談義に!
 剣山と、私がこの目で見た隠された古代遺跡! それにサンカ、犬神。
 ところで松村さん、怪談に目覚めたのは私の著作『妖怪現わる』を読んだからだとか。「それレアでんなあ」と言うと「東雅夫さんにも同じこと言われました」やて。

 打ち上げはもうちょっといたかったんですけど、なんせ眠たかったもので、お先に失礼しました。私の部屋から『荒野の七人』のブルーレイと『太陽がいっぱい』のDVHSをパクっていた紗那氏と、いつも裏のありそうな爽やかな笑みを浮かべる紙舞氏に、心から感謝いたします。
 帰りは実に奇妙なことがあったのですが、おそらくそれは睡魔と酩酊のせい?


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2012年07月20日

インディ・城ーンズ/牧場の伝説

 中山市朗です。

 昨日、オフィス・イチロウのツイッターで告知がありましたが、改めて告知します。

 大阪城の怪談供。厳遑隠呼、80人

 ヤフーのトップニュースにも取り上げられ好評だった、昨夏の「大阪城の怪談」。
 今夏の豊臣秀吉の命日に開催。第1部は大阪城天守閣の研究主幹、北川央さんが「大阪城にまつわる狐と狸の話」を。第2部は平成の怪談師、中山市朗さんが現代の怪談話を、第3部は北川さん作「大阪城の怪談」を歌手、リピート山中さんが歌にして披露。最後は3人による怖いトーク(!)。
 夕食は、KKRホテル大阪の「大阪城涼風膳」。後援=公益財団法人大阪観光コンベンション協会。協賛=KKRホテル大阪。80人募集。応募は7月27日必着。
 ■時と場所 8月18日(土)午後5時〜8時、KKRホテル大阪(大阪市中央区)
 ■参加費 4500円
 以上、産経新聞7月15日(日)の記事より。


 というわけで、昨年に引き続き「大阪城の怪談」に出演します。別に大阪城怪談で無くて普通に怖い現代怪談を、という注文ですので、何を披露するのかは当日のお楽しみ、ということで。正直、当日お客さんの層で決まると思います。
 昨年は80人のところ、どっと応募があって150人くらいに対応したようですが、今年は?

 そして!
 今年8月で「山の牧場」遭遇30周年です。
 そこで、それを記念しての「Dark Night Vol:7」を、9月下旬か10月上旬にオールナイトでの開催を画策しております。
 題して「山の牧場30周年! そしてUFO特集(仮)」

 本格的に「山の牧場」について順序立てて語り、つみ重なる後日譚も披露。貴重な資料(営業していた頃の写真あり)や動画などによる謎の分析、解釈を行うものです。
 また、これを機に、UFOに関する談議や珍しいVTRなども公開の予定!?です。
 ゲストは、この人しかいない、北野誠さんだ!
 現在、日取りを調整中。

 乞うご期待!

 お知らせは、オフィス・イチロウのツイッターが一番早いかと。
 今後のオフィス・イチロウの動向にもご注目ください。

kaidanyawa at 02:40|PermalinkComments(4)

2012年07月19日

不思議の国のワシ

 中山市朗です。

 摩訶不思議なことが起こっています。
 今年になって、『関西ウォーカー』の編集部からの宅配便が、必ず行方不明になって私のところに届かないのです。1ヶ月ほど前は『貞子3D』についてインタビューをしたいので見ておいてください」と言って映画のDVDをうちに送ったらしいのですが、1週間経っても届かない。で、そのまま行方不明。
 今回もある原稿のゲラを送ったと連絡あって、1週間、未だ届かず。 
 住所確認してもらったけど、間違いはない。
「明日、入稿なんですけど」と言われてもねえ・・・。
 どこいったんやろ?

 そういや去年の今頃は、新潮社とのやりとりで同じことがありました。
 ゲラが届かず、そのまま行方不明。そんなことある?
 
 あとFAXがおかしいらしい。外部からうちにFAXしようとすると、もう1台の電話に転送すると表示があって、そのまま送れなくなるか、送ってもうちには届かない。
 あの、うち1台しか電話ないんですけど。それにもう1台の電話に送られたソレは、どこに行ってる? てか、もう1台の電話って、なに?
 FAX番号を確認してもやはり間違いはない。
 それに怪談関係以外のFAXは何の問題もなく送られてきております。

 メール? 以前メールで送ってもらったら半年経って届いたということがありました。
 半年間、そのメールは宇宙のどこかを漂っていたのでしょうか?

 怪談に関するやりとりは、ホント、不思議なことが起こります。

 さあ、明後日はオールナイトで「不安奇異夜話」。
 でもその前には、あるお仕事の重要な打ち合わせが2件。
 ライブが終わってからはファンキー中村さんをゲストに、メルマガ「幽怪案内」の動画収録。
 その後、午後には京都へ。
 で、怪談社のライブに出演。
 3時半には楽屋入りか・・・。

 うん、死ぬ。




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2012年07月18日

7/12の小説技法

 中山市朗です。

 非常に遅まきながら、それでまた久しぶりに小説技法の報告をします。
 
 旧教室になってはや4ヶ月。メンバーも半分ほどが入れ替わりました。
 主婦や元OLといった人たちが新メンバーです。
 小説を書くのは初めて、という人もいます。
 ただ、それぞれに色々な経験があるようなので、合評時にそういう専門的な指摘(銀行員の仕事内容や保険の制度など)もあって、みんな「ああ、そうか」と本で読んでもなかなか理解できないことがわかったりして、私も勉強になっています。

 まずNさん。
「役小角」を主人公とした小説に挑戦です。
 役小角、ご存知でしょうか? そう、飛鳥時代から奈良時代にかけての伝説の呪術者で、修験道の開祖とされる人物です。
 古代史は私のライフワークとして研究しておりますので、ちょっと楽しみにしながらも厳しい指摘もしたくなる作品です。
 Nさんは最初は、役小角が生まれるシーンから書き始めていました。しかしこの方法ですと、どうしても超大作になってしまいそうです。新人がいきなり1000枚もの大作を書いてもなかなか出版してくれません。まずは300〜400枚が目標。Nさんにしてもやはり呪術者としての主人公の活躍と悩み、そしてこの国に失望し、流刑となるところを書きたいと言います。とすると誕生のところから書いたのでは、その全人生を描写することとなり、どうしても大作になってしまいます。
 こういう場合、主人公となる歴史上の人物のどこの部分を切り取るのかにかかってきます。そしてそこがテーマになるはずです。
 吉川英治の「宮本武蔵」は関が原の戦いで疲れ果てている武蔵の描写から始まります。それでもあの超大作。
 それと「役小角の歴史上の足跡と、小説としての想像上の設定を、どういうバランスで書けばいいのでしょうか」という質問をNさんから受けましたが「そりゃ小説なので、ほとんど想像でもいいんじゃないですか」と返答しました。歴史上の役小角といっても正直なところ『続日本紀』という正史に鬼を使う術をもつ人物として登場し、流刑となったことなどが書かれるくらいで、正直謎の人物です。
 そんなん解釈は自由です。ただし、この手の小説を読む読者は、そこそこの基本知識をもっていると思われるので、研究、考証は高いレベルでやる必要があります。その上でどんな解釈が生まれるのかが、この手の小説の切り口、というところになります。

 Kさんの小説は、独特の恐怖を煽るミステリー・ホラーの要素が大きいのですが、今回提出された作品は、いつもの作品よりはインパクトに欠けます。「淡々とした書き方が怖い」という意見も出ましたが、ある同僚が殺されたという事件を、主人公たちの会話で構成していて、そこが切り口、としたいのでしょうが、積極的に事件に関わっていないことから、その事件があまりに客観的すぎるわけです。だから読み手に、キリキリとする危機感が伝わらない。で、謎解きになるのかと思ったら、最後はホラーとなるわけですが、ここも読み手としては戸惑うところ。ミステリーは高度な謎解きの構築が命ですが、ホラーは正直、なんでもありですので、同じにしてはいけないわけです。
 Kさんはまだアカを本格的に修正したことがないようなので、今回からは指摘されたところを修正したり、書き直したりすることをオススメします。

 Iさんの作品は、絵画の修復師が主人公。しかも主人公一家は日本人でありながら、その舞台はイタリアなんです。やり方に間違いがなければ面白い作品になりそうですが、これをモノにするテクニックをこれから学ばなければならない、ということです。
 まだ最初の30枚ほどですが、読んでみたところ家族の日常があるだけで、そんなにイタリアっぽくないし、ドラマも起こっていない。おそらく主人公の生活があるとき変わるのでしょうし、それまでは淡々と、という意図はわからないでもない。でも、読者はそこまで付き合ってくれません。
 でも、せっかく絵画の修復師という設定なのだろうが、修復師とはどんな仕事なのか、日本の修復師から見た絵画の世界の面白さとか、そこからヨーロッパの人々の気質やモノの考え方を入れ込みながらストーリーを構築するとか。方法はいろいろあるように思われます。Iさんには塩野七生さんの作品を読むことを、ぜひオススメ。

 ここからは常連。

 N子さんの短編怪談2話。
 どちらも実体験談を取材したものだと言いますか、これ脚色が難しいわけです。
 実体験談をそのまま文章にしても、これは作品になりません。一旦解体して、怪談に再構築するわけですが、まずその語り口をどうするのか。怪異との距離感、肝をどうイメージするのかをしっかり持たないと怪談は成り立ちません。 
 彼女なりに考えてはいるようですが、そこのところの論理的な構造に欠けるようです。
 論文などちょっと難しい文章を読むこともやってみる必要があるのかも。

 Yくんのアクション小説。ちまちまと書いてきてもうすぐクライマックス。ところがなんでしょう、相変わらずなかなか話が進みません。描写が細かいことは悪いことではないのですが、ある程度読み手に委ねる、という勇気が必要です。読者は説明が読みたいのではなく、この場合、キャラクターの心情、やりとりと、ストーリーの展開を望んでいるはずです。

 合評には出ているのに作品提出のない人、もったいないよ!



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2012年07月12日

和服・アポン・ア・タイム・イン・怪談

 中山市朗です。

 11日(水)の大阪芸術学舎での講座、「日本人と怪談」の第1回目の講義を終えました。これは京都造形芸術大学と東北造形工科大学が共同で行なっている夏の特別講座なのであります。

 私はこの日、和服で望みました。
 和服で地下鉄に乗ってきたんです。和服いうたら日本人の民族衣装じゃないですか。なのに私以外の和服姿の人なんていませーん。
「なんやこのおっちゃん、落語家さんか? それにしてもこんな落語家おったっけ」
 みたいなこと、すれ違う人は思っているのでしょうか。それとも自意識過剰?
 そんなんで和服に雪駄履きで、私はちゃーら、ちゃーらと梅田を闊歩したわけであります。そしてキャンバスのある梅田のフコク生命ビルへ。
 和服は・・・暑いわ。羽織も着てるし。一応、夏用なんですけどね。

 え、なんで和服なのかって?
 この日の講座は「怪談と日本の話芸」です。
 怪談をWikipediaで引いてみましょう。English、Francaisでは、Kaidan、ItalianoではKwaidanと出てきます。中文では、怪談(日本)とあります。
 つまり怪談は日本独特の話芸なのです。

 日本ほど話芸の発達した国はないと思います。講談、落語は日本独特のものですし、漫才はその発展形です。映画もその昔、サイレントだった頃は、洋画のストーリーや状況を口頭で説明する活動弁士というのがありましたが、あれも日本独自のものでした。
 怪談もそういう話芸のひとつです。

 日本独特の文化と関係してくるわけですね。
 それは、畳と座布団、そして和服という3つが合わさって生まれたもの、といえましょう。落語と講談は特にそうですね。
 あれ、椅子に洋服では落語は成り立たないんです。
 アメリカのスタンダップ・コメディ(西洋漫談)は、スーツ姿で立ったまま観客に向けて下ネタや政治批判や人種差別のジョークをかましますが、落語のように大勢のキャラクターを演じ分けてストーリーをお芝居のように語ることはできません、落語は一人芝居です。キャラクター同士の会話や所作、表情にくわえて、その距離感や立場、身分の上下なども表現するわけです。それに、老若男女、子供、丁稚、番頭、大旦那、ご寮さん、娘、侍、百姓、盗人からお奉行さん、サラリーマン、OL、医者に弁護士、警察官、狐、狸、幽霊から宇宙人まで、演じられないものがないというのが落語。
 そういや、日本の怪談の傑作「真景累ヶ淵」などは東京の噺家、三遊亭圓朝が創作し自演したものですが、これも寄席のスタイルから生まれたものでした。
 落語というのは、落とし噺、つまりは滑稽噺のことを指すわけですが、実のところ、あれは噺(はなし)なのですね。人形噺、芝居噺、音曲噺、そして怪談噺と、落語の形態でまさに笑わせるだけでなく、泣かせたり、感動させたり、怖がらせたりといろいろなことが可能なんですね。
 で、私の語る怪談。
 私の場合は、聞いた話を怪談に仕立てて、それを披露するわけですから、その体験者は学生であったり、サラリーマンであったり、学校の先生、警備員、デザイナー、役者、芸人、バーのマスター、そこの客、医者、看護士、演出家、マンガ家・・・つまり、そういう人たちを演じわけながら、起こった怪異を話術だけで再現するわけです。
 つまりこのテクニックは、落語から拝借しているわけです。
 その落語は、畳、座布団、和服の三要素があるから成り立っている、という実践をやってみるために、この日、和服で講義したわけです。暑っ。

 教務には事前に「落語の高座のようなものを教室に作っておいてください」と図面を書いて送っていたので、教室に入ると立派な高座がありました。
 受講者の人たち、「えっ、なんやここ。今日、落語会?」てなことを思ったのでは?
 でも、私の語る怪談は落語ではないので、そこはまた私なりの表現もあります。
 あんまり練りこんで流暢に語ってもダメみたいで、ちょっと隙のあるくらいが身近な怖さが表現できるようです。と言っても下手でもダメですし。
 というわけで、講義の詳しい内容は受講者だけの特権ということでここには書きませんが、話芸が生まれる日本文化の特徴から話芸の発展、擬音、擬態語というこれも日本独自の表現方法、そして日本の風土、日本人の宗教観などから生み出される怪談というものを学術的(?)に分析、講釈たれました。
 もちろん、怪談も何話か入れ込みながら。

 実は講義が終わったあと、ゲーム会社の人と打ち合わせがありまして、和服のまま行きました。
「あれ先生、どうしたんですか。そのカッコ?」とゲーム会社の人。
「どうしたって、私、日本人ですから」とワシ。
「えらい目立ってますよ」とゲーム会社の人。
 あ、やっぱり。
 帰りはさすがにタクシーで帰りました。

 和服は、動きにくい。 


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2012年07月11日

7/5の作劇ゼミ その3

 中山市朗です。

 まったく成長しないマンガ家志望のMくん。
 実は彼、塾創設以来ずっと塾に通っているんです。「ボクは絶対世界一のマンガ家になる! マンガ家以外のボクの将来は考えられない!」と、彼は当初から言っていました。
 あれから9年・・・。
 マンガというのは多分にセンスというものが問われます。哀しいかな、彼にはセンスが無い。しかし9年もやっていたら画力は圧倒的にうまくなるはずです。ところがこれは世界七不思議のひとつかのように、まったく彼の画力は上がらない。
 なんでやろ、と思っていたわけです。

 原因のひとつは、彼が何年か前に始めた紙芝居と似顔絵の仕事にあるようです。
 紙芝居の業界というものがあるのかどうか知りませんけど、彼は誰かの紹介で紙芝居の絵を描き始め、そこからギャラをもらい始めた。絵を描いてギャラがもらえるなら、Mくんにとってはいい仕事です。私は辞めろと何度も忠告したわけです。
 なぜなら、その絵にアカが入らない。彼が描いた絵がそのまま紙芝居になっているわけです。つまり、紙芝居の人たちが絵を知らない。自然、Mくんは「自分の絵は通用するんだ」と大勘違いしてしまします。そこで彼は天狗になり、成長が止まりました。
 ところが何かトラブルがあったようで、さすがに紙芝居からは手を引きました。ところがそのラインから、今度は似顔絵師をやるようになったんです。
 大阪城公園やショッピングモールなどに出ている、あの似顔絵師です。
 これも絵を描いてギャラがもらえます。
「わあー、似てる!」「すごーい!」なんてお客さんにチヤホヤされるんでしょうね。自分は人気の似顔絵師だ、なんてまたまた勘違いして、それをブログに書いて、その似顔絵をブログにて公開しだしました。この絵が、まあ下手。
 そんな絵を載せているブログも、更新するたびにマンガ家になれるだけの画力はありません、と公言しているようなもの。逆効果です。
「似顔絵も辞めろ」
 と、これも何度か忠告しましたが、彼は勘違いを起こしたまま、とうとう彼のブログのほとんどが似顔絵に対する報告や出来事で埋められるようになりました。その記事も勘違いだらけ。まあ楽しいんやろな、と思います。
 これもアカが無い世界の洗礼です。誰も彼の絵にダメ出しをしません。
 似顔絵師を派遣している会社もどうやら絵のことはわからないようです。あの絵でいいと思っているわけですから。

 Mくんが似顔絵を辞められないワケは、まずギャラがいいこと。1日で2〜3万いくこともあると言います。それと結婚しちゃった。しかも韓国の女性。お金がいります。近く韓国に行って披露宴みたいなこともするので、余計お金がいるらしい。引越しもしたし。
 なんでデビューもせんうちに結婚したんや、とは私も含め周囲の誰もが思ったことです。まあそこは彼の人生。そこは知りません。

 だったら似顔絵師になれば? と言ったこともあります。塾のマンガの講師に法山じん先生に来てもらっているのですが、彼は自他ともに認める関西一の似顔絵師。彼は本当にうまい。MBSの『ちちんぷいぷい』で使用される有名人の似顔絵やカットは彼によるものなんです。彼に似顔絵の極意を教えてもらえばいい。
 でもMくんは、自分が似顔絵をやっていることを法山先生には言っていない。なぜなら、言うと「似顔絵なめるな」と激怒されるか、とんでもなくアカが入ることが予想されるからです。あくまでMくんは自己満足の世界に没頭したい。これでは絵は上達しません。
 そのくせMくんは、いざとなったら「ボクはあくまでマンガ家志望で、似顔絵はバイト」という逃げの感覚があったと思うわけです。それは似顔絵とお客をバカにした態度です。それに、似顔絵をやりだしてから、投稿用のマンガを描くことがだんだん少なくなったようです。今年はおそらく・・・1本の完成作もない。

 で、最近似顔絵師Mくんの「あ、これはダメだ」という事件が起こったわけです。
 これは彼の名誉のために書かずにおきますが、このままMくんが似顔絵を続けていると完全にマンガ家の道は断たれる、人としてダメになると思った事件です。だから5日の授業で、そのことも含めて何をすべきかの講義をやったわけですが、Mくん欠席。
 総務のスガノに聞きます。
「Mは今日、なんで休んだ?」
「仕事だそうです」
「仕事? なんの?」
「似顔絵です」
「今すぐ、ここへ呼べ!」
 とまあ、それで崖っぷちのMくんを呼んだわけです。

「似顔絵をすぐに辞めろ」と、まず進言。
 Mくんは「辞めない」と言います。似顔絵を辞めると生活に困る。新婚には色々お金がかかるんだと言います。
「じゃあマンガ家の夢は諦めるんやな」
 それは「辞めない」と言います。ずっとマンガ家を夢見てきて、マンガ家以外は考えられないのだそうです。
 じゃあ、どうすんの?
「両立させます」
 みたいなことを言う。あのな、それができるんやったら、9年のうちで、もうちょっと何とかなってるやろ。もうMくん、28歳。少なくとも少年誌デビューはもう無理でしょう。
 結婚生活はうまくやりたい。お金もほしい。ラクな似顔絵で稼ぎたい。でもマンガ家になってメジャー誌に掲載したい。
 そんなに世の中甘くないわ!
 私だって、好きなことを優先したために、ヤモメ暮らしですけどね。
 それに今の画力でマンガ家は絶対無理。マンガは画力だけじゃないのですが、彼の絵は本当に下手なんです。そして恐ろしいほどに、数年間まったく上達していないんです。
「ボクの絵、そんなに下手ですか?」
 とMくん。
「じゃあこれは、お前の絵と比べてどう思う?」
 と、先日怪談会に参加してくれた名古屋の芸大生が置いていった小冊子を見せました。これはウマいんです。絵だけじゃない。冊子としての構成力、表現力、センス。Mくんより8歳年下の芸大生の作品は、圧倒的にMくんの似顔絵を凌駕しています。
 ところがMくん、「すみません、この絵のどこがいいのか、ボクにはわかりません」
「ええーっ!」
「お前・・・もしや」
 悪い予感がする。Mは棟方志功を知らなかったという話を聞いている。
「お前さあ、印象派って知ってる?」
「いや・・・ちょっと」
「浮世絵については?」
「写楽とか、ですか?」
「他には?」
「・・・」
 あかん、こんなことがあるとは思わなかった。Mくんは絵画を知らない。絵の勉強をしていないし、ということは興味もなかった。マンガ家って絵描きですよ!
 つまり、いい絵とは何か、という概念が頭にない。それでは絵は上達しなくて当たり前。絵を批判するという能力がない。その知識は小学生レベル。
 七不思議の原因がわかりました。
 言うときますけど私、塾の講座で美術史やってますし、Mくんも受けていたはず。前の教室には私が寄贈した、現代世界美術全集、現代日本美術全集が本棚にちゃんと並んでいましたからね。塾生には(マンガ家志望に限らず)絶対必要やろうと思ったんです。
 それをMくんは見ていなかった。いや、美術全集が教室にあることすらも知らなかったのかもしれない。

 言うときますけど、これ、Mくんだけじゃないかもしれない。マンガ家志望の若者がマンガしか読まず、マンガからしかテクニックを学ばない、という嘆きはよく聞きますもん。
 マンガは(マンガに限らないですけど)好奇心から生まれるもの、とはあらゆるプロの人が言っている言葉ですが、どうやらそれが完全に欠如している。先日とりあげた映画監督志望のKくんもこの好奇心が欠如していて、「キミはなぜ好奇心がないねん」と質問したら「優先順位が」と、ワケのわからんことを言っていました。

 ダメダメ2人に共通するもの。
 アカの入らないラクなコミュニティに入る。好奇心がない(基礎知識がない)。まあ、アカが入らないので知識がなくても通用するわけですけど。
 で、とりあえず塾生でありながら、塾長の言うことを聞かない。あきませんわ、これ。

 Mくんが今後どういう人生を歩むのかは、Mくん次第です。ただマンガ家になりたいというのなら、今までの10倍は描いて、そして絵画の勉強もみっちりやって、そして絵以外のこともどんどん学ばないと無理です。結婚生活を満喫して、ラクして、お金も儲けてなんて考えの中で、どうやってマンガ家になるべく努力なんてできるというのでしょう。
 私はMくんのプライベートなことは知りません。ただ、マンガ家になりたいと言って塾に通っている塾生である限りは、マンガ家になるには、という論点でしか私はものを言えませんから。

 ただし、たとえ私の言うことを聞いたとしても、マンガ家になれるという保証はまったくありません。マンガ家になりたいという思いとその情熱(この情熱もなんだか怪しいものですが)を、彼の人生の中でどう活かし、納得するかです。
 ここは難しくツラいところですね。

 とりあえず私としては、似顔絵は絶対に辞めることを約束させました。あれは勘違いを増長させる。だったら、まったく関係のないツラいバイトをするほうがいい。バイト脳というブログを書いた私がこれを進言するのは矛盾しているようですけど、嫌なバイトをしていると「こんな嫌な毎日から早く脱却したい」という気持ちが起こります。それがマンガを描く動機になります。時間も有効に使えるでしょう。
 そしたらMくん、なんと言ったか。
「じゃあバイトします。その代わり、バイトいっぱい入れますよ」
 
 そんなに結婚生活が大事なら、もうマンガ家の夢、諦めようよ!
 それがキミの幸せだよ。
 わしゃ、もうしんどいわ。



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7/5の作劇ゼミ その2

 中山市朗です。

 明日からいよいよ、大阪芸術学舎「日本人と怪談」の講座が始まります。
 怪談と話芸についての講義をします。講義を受けられない方は、オフィスイチロウの告知事項をクリックして、私の動画を見てください。短いですが、怪談と落語、話芸との関係を話しております。

 さて、前回の続きです。

 私も学生の頃は映画監督志望でしたから、何をすべきだったかはわかるわけです。
 撮るしかない。撮りつつ理論を学ばないと理論の本質もわかりません。
 ただ、私の学生の頃の映画は16ミリのフィルムでしたので、お金もかかるし手間もかかるし人手もいりました。照明はちゃんとたかないと映らない、露出を計って、被写体までの距離も計って、録音は別撮りで・・・と1本撮るのがなかなか大変でした。でも今はHD。小型のカメラひとつでいつでも何でも撮れます。これをパソコンで気軽に編集できます。お金もそうかからない。となると、なぜ撮らない、となります。
 シナリオが書けない? じゃあアカを直す訓練を逃げずに地道にするしかないじゃん。

 10年前、ジャン・リュック・ゴダールが世界文化賞の授賞のため、来日したのですが、そのときこんなことを言っています。
「よく学生に、映画を作るためには何をすればいいのか、何を習えばいいのかという質問を受けます。そのときに私はこのように答えます。ソニーでもパナソニックでもいいけれど、小さなカメラで何かを撮ってごらん。私たちが昔、16ミリでも高すぎてできなかったことが、今はできる。同時録音もほとんど録れなかった。今はそれができる。最初はあなたの1日を撮ってみなさい。朝起きて夜寝るまで、そして夜も夢を見ている。その1日を撮りなさい。本当にあなたの1日を撮ってみなさい。朝起きて、歯を磨いて、コーヒーを飲んで、仕事に行って、友達に会って話して、それから寝た。これは本当のあなたの1日ではない。本当のあなたの1日を語るように試してみなさい。こういう風に言います。カメラを使って、映像と音を撮って、本当の1日を果たして語ることができるのかどうか。撮ってみたら本当の1日は撮れないということがわかる。(略)。もし、自分が本当の1日を撮れたと思うなら、友達やお母さん、あるいは身近な人に見せなさい。見てもらってはたして映画館の入場料と同じ10ドルを、これに対して払うことを受け入れてくれるかどうかを聞きなさい。おそらく観客は、自分に本当に身近な人であっても、あなたの本当の人生にはまったく興味がないことがわかるでしょう。そうすれば、本当の映画とは何かという問題提起を始めることができるから、2本目では、少し成功する機会が出てくるかもしれない。そういう風に言います・・・」

 私なりの解釈でいきますと、まず映画は語りであるということ。で、映像で語るための設計図がシナリオである。そしてシナリオの中で、日常の中にいかに映画ならではの非日常を入れ込むことができるのか。そこが映像と映画の違いである、と。
 それを知るためには、まず映像というものを理解せねばならない。じゃあ撮ってみろ、ということなんだと思います。映画監督への道はそこから始まる。
 ただし、ゴダールは、その映像の気軽さに警鐘を鳴らしています。
「しかし、あまりに容易に撮れてしまうので、その簡単さによって人々は騙されてしまいます。小型カメラで自分が映画作家になってしまったと思い込んでしまう危険があります。たとえば鉛筆があっても、レンブラントやゴヤのようにデッサンができるわけではないのです」

 Kくんは、映画監督になるために色んなワークショップや教室に通っているようですが、映画監督への道は受験や単位を取ることじゃないんだから。撮って撮ってシナリオを書く。それをちゃんと批評してもらう。そして入ったアカを、ひたすら修正すること。
 独りよがりはいかん。キミはそれを繰り返していたから前進しなかった。
 ここから逃げていたのでは、映画監督なんてぜ〜ったい無理です。
 身内の辛口なんてかわいいもんです。観客の厳しい意見はほんま、とんでもないものですから。それに対応する気構えは必要。
 Kくん、口では「わかってます」って言うんやろな。

 さて。もう1人の成長しないマンガ家志望のMくん。
 実は彼も授業を受けていなかったので、授業後、夜遅くに呼び出してじっくり話をしてみたんです。
 で、ここに彼がまったく成長していない原因が、もう信じられないところにあったんです。でもこれ、今どきのマンガ家志望者なら案外そうなのかも、というものです。

 それは?
 ということで、この続きはまた。


 続く



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2012年07月09日

7/5の作劇ゼミ その1

 中山市朗です。

 久しぶりに塾の講義の報告です。

 4月から新教室に場所を移しての作劇塾ですが、ここ半年ほどで、塾生たちもどんどん巣立っていっています。高田豪、かなた師匠の2人は吉本の若手芸人さんや落語さんたちと組んで、いろいろ仕掛けているようです。新作のコントや創作落語なども発表し、構成作家、お笑い作家として活躍しています。
 7月19日(木)の天満天神繁昌亭での落語会「もぎた亭」では、高田の創作落語「ツンデレ女房」を林家そめすけさん、かなたの「連れて帰って」を露の団四郎さんに演じてもらうそうです。プロの人とのコラボはその力が格段に上昇します。
 高田、かなた、上方演芸の世界に新風を起こしてくれ!
 そうそう、かなたは出版物を出すとか言っていたけど、どうなったのかな? それと預かっていたゲームアプリの企画、なんか通りそうやで。

 BOMはイラストレーターとして『ファミ通』などでイラストやマンガを担当していますが、今月2日発売の『星の伝説大図鑑』(PHP研究所)では、カラーイラストを担当。これはかなりレベルの高い仕事です。
 すぎやまは、塾には小説家志望として入ってきたのですが、いつの間にやらイベントのプロデュースに興味をもち、そこからの人脈で絵を描くことに目覚めたようで、今はアーティストのような活動をしています。近作としてアスキー・メディア・ワークスの『アジアン・スタイル・ナチュラル素材集』のイラストを担当しています。
 青谷圭はゲームシナリオライターとして1本立ち。本人はあくまで小説家志望で、合間をぬって投稿作品を書き続けているようですが、最近大きなゲームプロジェクトをまかされたといいます。ギャラは上がりましたが、その分、短期間でハードなものが要求されたようです。ええことや。
 大箱巣詰は今月中旬から、某ゲーム会社にシナリオライターとしてオフィス・イチロウから出向することが決まりました。
 マンガ家志望の三輪は、うーん、惜しいところにいます。投稿作は賞を常時取れるレベルにありますが、デビューにはまだ至りません。現在、全力で次なる投稿作品に挑んでいるようです。彼は絵はうまいんです。ただ、ギャグを描いているのですが、キャラクター造形ができていない。それと、もう少し社交的になる必要はある。あれではたとえデビューしてもすぐにアイデアは枯渇します。ひとりで悩んで吾妻ひでおさんのようにならないように。
 他の塾生たちも確実に成長しております。それはスキルの面でも精神の面でもです。新しく入ってくる塾生たちとのレベルは、もう違います。
 その新しい塾生を含めても、ここ1〜2年は20人ほど(1年以上通った塾生)しか塾生はいませんから、これは千三つといわれるこの世界でいうと、いい確率?

 しかし一方、塾に何年も在籍していて、まったく成長しないのもいます。
 この差はなんやろな、といつも考えているのですが、原因が判明しました。

「楽な方向に進む」

 これです。
 また、その予備軍も塾にいそうな感じもします。だからそうはならないように、何をどう心がけるかという話をしました。実はこの話は、特に2人の塾生に対しての警告でもあったわけです。
 映画監督志望のKくん、マンガ家志望のMくん。

 ダメです。この2人、全然成長していません。それを本人が自覚していればいいのですが、どうやらその自覚もない。このままでは彼らの目標達成率0パーセント。
 5日の講義、来ているかなあと思って望んだのですが、2人とも欠席。もうこういうところがダメ。まあKくんは、塾を辞めているつもりなのかもしれません。
 この2人、きっと本人は「やってますよ」と言うでしょう。でもダメなんです。

 では、この2人の何が一体ダメなのでしょうか。
 上記に挙げた活躍している塾生たちの共通点は、自分たちよりレベルの高いプロの人の輪の中に積極的に入っていることと、ちゃんとしたメディアへ営業をかけていたことにあります。つまり、よりアカの入る厳しい世界へ身を置こうとしている。
 逆にダメな2人は、レベルが自分にあっているところへ行こうとしているんです。当然彼らはプロではないので、アマチュアのサークルみたいなところに入って、誉められたり、すごーい、なんて言われて悦に入っているわけです。アホです。

 本日はまず、Kくんについて。クリエイターを目指す若い人たちが参考になればということと、このブログをKくんが読んでいることを想定して書きますが・・・。

 Kくんはアカを嫌う。また、アカが直せない。だからシナリオが上達しないんです。シナリオは映画の設計図ですから、これが書けないと監督はできません。

 アマチュアの世界にはアカは入りません。自分でいいと思ったら、そこで完成です。
 しかしプロの世界は必ずアカが入るわけです。編集から、プロデューサーや演出家から、クライアントから。
 100パーセントのものをあげてきたら「120パーセントになりませんか」と言われるのがプロ。また、そのメディアや企画の主旨や意図に合っているのか、ニーズに答えられるのか、予算内でできるのかといったことも問われるわけです。だからプロの世界は修正、修正。会議、会議。それでも読者や観客からは、辛らつなレビューや厳しい意見が寄せられる。それがプロの世界です。

 Kくんは、ここから逃げちゃうわけです。本人は「逃げてないです」と弁明するでしょうけど、塾で1本のシナリオも書き上げていないですから、言い訳できません。それでもう塾には来ていない。あんまり説教しても逆恨みを買いそうなので、「もう、ほっとこ」という気持ちになります。
 今、彼は別の映画のワークショップに行っているようですが、映画を学ぶのなら、うちより機材もあり、映画の現場が動いているそのワークショップに行くほうがいいと思います。
 ただ、撮らないとそれも意味がない。今の自覚のありようだと、どこに行っても一緒です。ビシビシアカを入れられ、鍛えてくれるところを選ぶべきです。

 Kくんは映画監督志望と言いながら映画を全然撮っていません。一昨年はあまりにダメダメの彼は、他の塾生や総務のスガノにそこを問われ、泣きながら「月に1本絶対撮ります」と誰が考えても不可能な約束を一方的に宣言して、1年後見事に破棄。1本だけ申し訳程度に短編を撮ったのかな。でも彼への信用はゼロになって、それで今回のマルチ商法・・・。
 そのあたりから、塾での居心地が悪くなったのでしょうか?

 Kくんは最近のブログで「コラボ・モンスターズ!!×CDA」の特別講座で脚本家の高橋洋さんに会ったと興奮気味に書いていましたが、実はその前夜、私、高橋さんと深夜まで飲んでいて、Kくんの話をしていたんです。名前は言ってませんが「監督志望なんだけど、こういうヤツが塾にいます。どうすればいいんでしょうねえ」
「撮るしかないでしょう」と高橋さん。「5分くらいの短編シナリオを書かせて、それを実際に撮ってみる。そういう授業をやられては?」
「まさにそれ、やってるんですけど、彼はなかなかシナリオが上がらない。だから私にシナリオを見せないで勝手に撮って、ぐだぐだなものを作っちゃうんです」
「うーん」
 みたいな。


 続く




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kaidanyawa at 19:38|PermalinkComments(2)

2012年07月04日

中山市朗の大霊会

 中山市朗です。
 
 えー、ご期待にこたえまして(?)、30日のプライベート怪談の報告を。
 まあ魔界見聞録で報告済みではありますが、中身についてちょっと。

 この日集まったのは、17、18人でしたかな?
 常連さんもいれば、初参加の方も。
 あ、そうそう。前回に引き続いてラノベ作家の友野詳さんも参加。
 友野さんはテーブルトークRPGのイベントを年に一度、東京で開催されているそうですが、怪談好きの友野さんは夜になるとお客さんたちとプチ怪談会をやられるのだとか。
「10年も続けているので、ユニークな怪談もいくつか集まりました」
 というので、7月30日の『Dark Night Vol.6』にゲスト出演していただくことになっています。ご自身も体験談がおありのようです。

 友野詳さんのウィキペディア

 この日集まった皆さんには、ちょっとした共通点がありました。
 怪談は好きだけど、いわゆる霊感というものがない、ということ。だから皆さん、見ないんだよね、とか見たいんだけどね、なんて言っています。
 私も仕事で霊スポットに行かされたりするんですが、やっぱりこういうときは「あっ、あそこにいる!」とか「追いかけてきます!」なんて言う霊感(?)バシバシの人がいたほうが(北野誠さんがそのタイプか)、盛り上がったり、新発見もしたりするわけですが、見ないという人の語る怪談というのは、疑っているだけに凄みがあったりします。

 愛知県から来たという芸大生のMくんという人は「見ないし信じていません」と言っている割には、とんでもない霊スポットへ行って、とんでもない体験をしているのですが、「きっとヒステリーとかそんなんですよ」とケロッとしている。
 Mくん、絵も抜群にうまくて、ユニークなキャラクターでした。卒業したらうちのオフィスに入って欲しい。

 京都に住んでいるという女性は「私、全然見ないし信じていません。でも妙な体験はあるので露払いに来ました」と言いながら、「幽霊に背中を噛まれて、跡も残りました」なんてすごい話を始めたり。ちなみにこの女性、以前はどうも霊道に住んでいたらしい。

 ところで名古屋の某芸大・・・出るみたいですね。Mくんの話を聞いて「ああ、あそこ、こんな話あるよね」とか、いろいろ出て。大阪芸大もよく出るんですが、この2つの芸大で、怪談決戦やると面白いかも。

 常連の女性からは「もうネタがなくなってきた」と言いながら、以前アルバイトをしていた徳島県のリゾートホテルでの話を。どんどん怪異が重なって、関係者が事故ってしまう・・・。この話はまとめていつかライブか何かで語ってみたいと思います。

 あと、関西ではご定番、滝畑ダムや能勢の妙見山の話なども。
 私よく行かされるんですけどね、何も起こらない。あるところにはあるんやなあと。

 いつもこの会は、関東とか、一度北海道から来られた人もいましたが、必ず遠くから来られる人がいます。
 この日も東京からおひとり。実は某国営放送(あそこしかないですけど)のラジオ局のディレクターの方。
 大変怪談がお好きなようで、「今お堅い歴史番組やってるんですけど、ここに怪談を入れ込みたい」とおっしゃって。そしたら周囲の参加者から「ラジオで怪談番組をやるべき」と大いに盛り上がって。「じゃあまた、ご相談にあがります」と言っていました。形になればいいんですけど。 
 でもこのディレクターの方、感心しておられました。
「大阪の人はすごいですね。皆さんちゃんと怪談を語っている。東京の人間じゃ無理ですよ」
 と。この人も怪談を語ってくれました。故郷の千葉県にある「死のにおいのする山」の話。昔から首吊り自殺の絶えない妙な山があるのだそうですが、なんとここが観光地となって放送クルーが取材に入った。ところが・・・これも今年のどこかの会談ライブでお話しいたします。まあ参加者の特権ということで。

 まあ盛り上がること。休憩時間も怪談談義がやまない。
 楽しくも怖い怪談会でした。
 また、秋にも開催したいと思います。その節はどうかよろしくご参加ください。

 ではここで、ちょっとした怪異談を。

 一昨日、出先から戻ったら、書斎の電話に留守電のランプがついていました。再生してみると「あれ?」
 メッセージは某出版社からで、「原稿のゲラがどうのこうの」。このメッセージ、聞き覚えがある。去年の今頃やっていた怪談関係の原稿のやり取りです。当然消去したメッセージ。でもそれが本日の午後2時に受信した、ということになっています。
 とりあえず電話してみたら「そんな電話していません。気味悪いですねえ」
 そりゃそうだ。で、消去しました。
 で、昨日オフィスのメンバーで「ツタンカーメン展」に見に行ってまして、午後3時頃に帰ったらまた同じ時刻で、同じメッセージが・・・。
 思わずまた消去しましたが、消さずに置いておいたほうがよかったかなと。
 で、今日は一日中書斎にいたのですが、メッセージは来ませんでした。

 しかし、消去したメッセージが1年経って、その1件だけ2回も復活するってあるの?
 しかも怪談に関する仕事のメッセージ。うーん、なにが起こってるんやろ?
 



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kaidanyawa at 21:09|PermalinkComments(23)

2012年07月02日

黄金驚時代 追伸

 中山市朗です。

 わあ、エネルギー問題のことを書いたら、みんな言いたいことあるんですねえ。
 勉強になりました。
 これだけコメントが付けばスルーするわけもいかんと思いますので、私の考えをちょっと。

 これは、EPさんのおっしゃる通り、専門家の中でも意見は割れています。どれが本当のところなのかはわかりません。
 とはいえ、我々だってこうじゃないか、こうあるべきじゃないか、という提言はどんどんすればいいと思うんです。電気代を払って電気の恩恵を受けているのは我々だし、事故があって被害を受けるのも我々ですから。

 しかし、私が問題とするところは「脱原発は絶対ない」と言い切った関電の八木社長の態度。じゃあ、脱原発派の人が総理になったときはどうすんの、ということですね。
 一企業として、現状に甘んじずに新しい方法を模索し、開発するのが当たり前。
 そうやって企業は成長するわけですし、開発もある。そこに技術の革新も起こる。
 なのに、原発があんな大事故を起こすのだ、という現実を世界に見せつけながら、「総理が重要だと言ってるんだから、やらない」では、殿様商売(言ったのは橋下市長ですよ)と言われても仕方がない。
 電力会社同士の競争原理が働いていれば、そんな言葉が株主総会の場で、社長の口から出るわけがないのです。
 例え、今のものが最善と思えても、次なるものは絶対どこかが開発して出してくるわけです。だから八木社長の言葉は、そういうものが出てきても対応はしない(できない)と言われているようで、その考え方は企業人ではなくて、天下りの役人です。その企業体質に不安も残るわけです。
 だいたい原発なんて高度成長期に計画され推進されたものです。それを今もってそのときのやり方、技術で運営し、変える気はない、なんて企業他にあるのでしょうか?
 そんなモデルが現在においてベストであるはずはないし、うまく行くはずもない。
 それに原発は後世に負の遺産を確実に残します。日本列島は火山と地震の国ですよ。いつかはエラいことになる。なのに我々が死んでからのことは知らん。それより今年の夏どうするんだ、なんてだけの議論には、哲学というものがない。私は気にいりません。

 今、民間や研究者たちの間では代替エネルギーの開発、実験が行なわれているわけです。そこに例え言い訳程度に国が予算を多少出そうとも、これを国家戦略としないことには、既得権益に群がる輩に妨害されるだけされて、潰されるわけです。
 既得権益と政治力、ここには絶対に陰謀と策略がある。この闇の恐ろしさは、我々庶民の知るところではありません。

 次元もレベルも全然違いますが、私もフリーという立場なので、色んなところに企画のお話をさせてもらったりしています。ここでよくあるのが、新しいことをやろうとすれば、絶対因縁つけて潰そうとするところが出てくることです。
 いらんこと言うてくるな。何もやらずに今までのまま、定年させてくれ、というわけです。
 口では言わないですけど、それがわかるわけです。
「今までそうやってきたから」「それで成り立っていたから」「他もやっていないから」「コストがかかる」とか、もっともらしいことを言って、要は何もしないでボーナスと退職金がもらえばいいというわけです。そんなおエラい人、山ほど見てきました。
 この人たち、トップの人なので発言力も大きかったりするわけです。
 またここから利益をもらっている人は、この流れを変えようとはしません。
 しかし、そんな定年寸前のおやじの言うことを聞いていては、我々は何もできないわけです。
 そこは戦いです。
 でも企画ってそういうもの。
 誰もやっていないことをやるところに意味があるし、そこが面白い。おそらく、そこに新たなビジネスも生まれる。
 
 ましてやエネルギーの問題は、その既得権益が大きいだけに、いろいろな問題が立ち上がったり、妨害があったり、一筋縄ではいかないわけです。
 しかし、エネルギー問題は今や地球規模の問題なのだから、今まで技術で世界をリードしてきた日本が、ここでまた先頭に立ってエネルギー革新を起こすべきだと思うし、それだけの技術力と国としての力は、まだまだ日本にはあります。
 それをああだこうだと低レベルな問題で足を引っ張りあっている現状は好ましいことではありません。やっぱりそこは国家が戦略として示していくべきだと思うのです。
 それが経済成長をも促すわけでしょう。
 日本の技術者を信頼しましょう。それに因縁つけるのは評論家にまかせとけばいい。言っておきますが、なんやかんやと因縁つけて反対するのは評論家の仕事ですから。そんな意見に惑わされたら何もできません。騙されたらあきません。
 不可能だからやらないではない。不可能だからやる。
 それが今まで日本が世界をリードした技術力じゃないですか。

 それに国家戦略。明治政府はこれ、ちゃんとやっています。血のにじむような先人の努力があって日本は近代国家に成り得ました。明治の国民たちは貧乏していましたが、それでも国に希望があったから重税に耐えたわけです。
 明治生まれの黒澤明監督も言っていました。「明治って、明るい時代だったんだ」
 
 私は今、大勢の若い人たちと接していますが、やっぱり彼らを見ていると希望を見い出せないでいる。半数ほどが年金も払っていない。「払っても戻ってこないでしょう」と言うわけです。
 大人も政府も信用してもらっていない。
 だから、増税をするなら5年後、10年後、20年後の日本はこうなる。
 そのためには、いまはこれを最優先する、という具体的なビジョンを政府は掲げるべきです。ビジョン無き増税だから、私は意義申し立てるわけです。

 橋下市長はエネルギー政策に関して「世界をひっぱるような都市モデル、国家モデルにチャレンジしていくことが重要」と言っていますが、それはその通りだと思います。
 そういう国に日本がなれば、若い人たちもこの国に希望をもち、信頼するようになると思うわけですよ。それが健全な、あるべき国の形でしょう?

 と、難しい話になってしまいました。
 みなさんもいろいろご意見はあろうかと思います。あって当たり前です。
 ああだこうだと賛否両論、熱く語ることも必要なことです。
 コメントくださった方々、ありがとうございました。

 それから怪談についてですが、オフィスイチロウのホームページ、告知事項をクリックしていただくと、右下にvideoとありまして、動画が埋め込んであります。

 ここで週2回ほどのペースで、私が怪談やオカルトについて語ったり、お仕事のメイキングや楽屋の様子の動画なども流しています。1〜3分の短いものですが、反響があればアップの頻度もあげていきたいと思います。30日の怪談会の様子も動画で撮ってありますので、雰囲気だけですがアップいたします。話そのものは、いずれ私がどこかのライブか『幽怪案内』にて披露いたしますので、ご了承ください。

 また、怪談会の様子は、オフィスイチロウのブログ『魔界見聞録』(6/01)でも報告してありますので、ご覧下さいませ。


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プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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