2015年12月

2015年12月29日

今年のブログおさめと、ネトラジ、怪奇現象!

中山市朗です。

先日放送されましたネットラジオ『気まま酒家』。
お聞きになった人!

あの放送は12日に生放送した後、録音したものなのですが、ちょっとねえ、cainさんから聞いたところによると、リスナーからも指摘があり、改めて聞いたところ、妙なことになっていたらしいです。
録音するときに、我々はもう変な音を聞いたり、妙な空気を感じていて、そのことは13日付けのこのブログにも書いてはいましたが……。

私が怪談を語り始めると、ブツブツというノイズが入ったり、私の声が途切れたりしているらしい。
で、マイクをさぁぁぁっと触るような音が各所にある。
Windowsが立ち上がる音ははっきり聞こえる。
らむさんと真名子がはっきり聞いた、という携帯電話のバイブ音は聞こえなかったそうですが、女性が聞くとどうなのでしょう?
私のブログのコメントで指摘のあった、カランカランという音は、私のグラスの氷の音だと思っていたのですが、私以外の三人は、「違う、背後から聞こえてきた」と言っておりました。
なんか、雰囲気がいつもと違う。
で、放送でも言っておりました、本番前、私が八甲田山の話を、冗談めかして発言したところ、途端にガス警報器が鳴りだすところも収録されていたんですって。
本番前からビデオを回していたので、それが偶然録れて、ガス会社の人が点検する音声と、「原因不明」と首をひねって帰る様子も全部録れていたらしい。
いずれ、アーカイブで配信するかも。

まあ、あれですよ。全部、気のせいですよ。

さて、私の怪談も、その放送が語り収め。

来年は、1月2日(土)、お正月真っ最中ですが、ホラー漫画家の集まる『恐ろし屋』で、先日出版したばかりの『怪談狩り・四季異聞録』のなかから「冬の怪談」を配信します。
実質、怪談語りのはじめとなりそうなのは、1月9日の深夜、道頓堀ZAZA『Dark Night 17』。
ゲストは今年のKTV『怪談グランプリ』優勝者、竹内義和さん。
どんなガチ怪談バトルになるのかは、私にも予測不明。
席はわずかではありますが、まだあるようです。

来年も『Dark Night』は4回はやりたいと思っておりまして、まずゲストを誰にするか。
昨夜のオフィスイチロウの会議でも、そこが思案のテーマ。
先日、オフィスイチロウの忘年会を道頓堀界隈でやっておりまして、ある焼肉屋で、ハイエナのように肉にガッツいていると、ちょぅど角座のライブの打ち上げにやってきた、北野誠さん、遥洋子さんたち一行とバッタリ。
誠氏の手には『怪談狩り・四季異聞録』が。なんという偶然。
いつも誠さんには出版社から献本がいっているはずですが。
「本屋でみつけたんで、待ちきれんで買ったわ。来年の夏、Dark Night、また行くからな。呼んでな」と言っておりましたので、夏のゲストはもう決まり!

ということで、おそらく今年のこれが、ブログおさめ。
来年もよろしくお頼申します。

さてさて、今年も年末から年始にかけて我が書斎を訪れる塾生諸君やお客さんのために、大量のおでんを煮込みます。怪談のファン、古代史とオカルト好きな好事家の人たちも、お酒を持参してくだされば参加できます。ただし、塾生以外の方はお電話でご一報くださいね。塾生、元塾生は無礼講!
まあ、おでんや焼肉でお酒を飲みながら、憂さを晴らし、よい年を迎えましょう。

ということで、よいお年を。

さっ、業務スーパーに行ってこよ。





kaidanyawa at 12:10|PermalinkComments(9)

2015年12月26日

四季の怪談

中山市朗です。

『怪談狩り・四季異聞録』が発売されました。
真冬に怪談本ということで、ちょっと売れ行きが心配なところです。
怪談マニアに、季節は関係ないでしょうけど。

『怪談狩り』『怪談狩り・赤い顔』は、市朗百物語として百話収録しましたが、今回は66話の収録。
しかし、ページ数は、この二冊より多い(だから値段がちょっと高くなりました。本はページ数が増えると紙代などがかさばるのでどうしても高くなります)んです。ですから、ちょっと長い話が何話かあるということでして、話数が減った感は無い、と思います。

今回、私がやってみたかったのは、四季にまつわる怪談。
怪談は、日本独特の話芸であり、文芸ですが、そこに春夏秋冬というこれも日本独自の風景、風物、生活の様子が描けないものかと、以前から思っていたんです。

怪談は夏、というイメージはいまだ強く、また夏のお盆とか夏のレジャー先、夏休みの体験などとして確かに夏の怪談も多い。ですが、怪異は季節を問わず出てきています。
以前、こういう質問を受けたことがあります。
「幽霊って、薄着、というイメージがあります。冬に幽霊は出るんですか? 出るとしたらやっぱり薄着なんですか?」
確かにドテラ着た幽霊ってあまり聞かない。オーバーコートきた女の幽霊も、いないことはないんでしょうけど。そういう観点から『怪談狩り・四季異聞録』を読んでいただくと、新発見があると思いますよ。
雪山での話や、桜、梅に関する怪談、夏のお化け屋敷やお盆の帰省、夏休みの学校、秋の受験、京都のもみじ、クリスマスや年末、お正月に現れた、ちょっとした怪異など、一年を通した怪異を編集しております。


私は落語が好きなんですが、その魅力の一つには、四季さまざまな人間の営みが描かれているところにあります。中学二年のとき、冷房もないクソ熱い夏の深夜、ラジオから聞こえてきた先代桂文我の『青菜』は、真夏のどこの旦那の手入れの行き届いた庭先と縁側、そしてうってかわってますますクソ暑い長屋の風景が、六代目笑福亭松鶴の『遊山船』からは、幕末か明治の時代の、にぎわう天神祭のようすなどが、脳裏にイメージされ、落語ってスゲぇ、となったんです。落語はイメージで遊ぶものですが、そういうことにも気がついた。私の部屋が、そのときもっと暑くなったような感じとなりましたが、貴重な疑似体験をした、昔の大阪につれていってもらった、その感覚は時代劇ドラマを観るのとは違う、もっと生々しいもので、そんな落語に感動すら覚えました。これ、落語家が一人で表現してるんや!て。
そこから、落語を夢中になって聞き、夏休みが終わると、さっそく自習の時間に、『青菜』の一席をクラスメートの前で演って、弟子が出来て、中入亭一門というのを発足させました。
この、落語の演じ方、構成、世界観が、『新耳袋』を生み、私が語る怪談の基礎となりました。
作劇塾でも、塾生たちと桐の一門を作り、ワッハ上方で何度か落語会をやりました。私の高座名は桐の尾歌留斗。

落語にも、さまざまな庶民や侍たちの四季おりおりの生活や風習が描かれ、今のような冷暖房の無い時代に活きた知恵とか、季節と遊ぶさまなどが、扇子と手ぬぐいと口先だけで、表現されます。
ここにあげるのは、上方落語ですけど。
お正月は『お正月丁稚』『羽根つき』、十日戎の頃の『しじみ売り』、続いて『初天神』、雪が降る風景が情緒的な『池田の猪買い』『不動坊』、ずるるるっとすするうどんが暖かそうな『うどん屋』『風邪うどん』。風邪が流行って『風送り』。
そろそろ炬燵もしまって、という春先の田舎の風景が牧歌的な『牛の丸薬』。お彼岸の『天王寺詣り』。
春になって『天神山』、ピクニックに出て『愛宕山』。桜が満開となると『貧乏花見』『百年目』『隣の桜』『桜ノ宮』『鶴満寺』、五月になると『野崎詣り』。
初夏はそろそろ水遊び『鯉舟』『ちしゃ医者』、暑いさなかの船場の大家『千両みかん』『宇治の柴舟』、京都の情緒がいい『大丸屋騒動』。「四谷怪談が上演されている時期の噺が『足上がり』、日照りが続く『雨乞い源平衛』、夏の長屋は『蛇含草』、そのほか『夏の医者』『冬の遊び』『算段の平兵衛』『須磨の浦風』『船弁慶』、、怪談は『皿屋敷』『夢八』 ……。
秋の噺は少ない。
『質屋蔵』には丁稚が栗を買ってもらう描写がある。『松茸屋』『やんま釣り』『八五郎坊主』『豆狸』『権兵衛狸』、深秋となって『高尾』『代わり目』。
寒なってきたのでこたつを出して『按摩炬燵』、冬到来で『ふぐ鍋』『みかん屋』『二番煎じ』。年末に借金取りが来て餅付いて、『掛け取り』『尻餅』、年越しのお寺に幽霊、『除夜の鐘』、年末年始の花街『けんげしゃ茶屋』……。

まあ、このような落語ほど練られていませんし、饒舌でもありませんが、そんな四季の落語をちょっと意識して書きました。『怪談狩り・四季異聞録』、どうかよろしく。
怪談は夏だけではない、と出版界やマスコミに知らせてやりましょう。

なお、本日『恐ろし屋』で、私の語る怪談動画『秋・富士の樹海』を配信いたしております。無料です。

今夜はオフィスイチロウの忘年会!
恐ろし屋 怪談狩り四季異聞録特設ページ




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2015年12月24日

12月25日はキリストの誕生……日?

中山市朗です。

昨日23日は今上天皇の誕生日でしたが、明日はイエス・キリストの生誕日ですね。
今夜はそのイヴ。

さてさて、イエス・キリストが12月25日に生まれた、なんて『聖書』のどこにも書かれていないんですね。
キリストの母マリアとヨゼフは、皇帝アウグツスツの「人の住む全地で登録を命じる」ということで、ローマが支配する全地の住民が自分の故郷に戻って登録をする旅を強制させられたんですが(『ベン・ハー』はそのシーンからはじまりましたね)、その旅の途中、泊り先の馬小屋で、マリアはキリストを産むわけでして、このとき、羊飼いたちは外で暮らしたと『聖書』にある。
つまり、寒くない時期であったことは確かなようで、ということは冬ではない。
じゃあ、12月25日にキリストの生誕を祝うこのクリスマスというものは、なんなんだ、ということですな。

実は、12月25日が誕生日、という神様は外にもいるんですよ。
古代エジプトのホルス。古代キギリシアのアッティス、そしてペルシャのミトラ。
いずれも、復活、死と再生が物語られる神で、十二人の使徒を従えました。で、死後三日後に復活する。
とりわけ、ミトラ神はローマでも祭祀された神なので、その影響が教会などに入ったと思われます。
実は、冬至と関係があるのです。
冬至は太陽の日照時間が短く、つまり弱い。太陽の死を意味します。
しかし、この日から太陽の日照時間は長くなる。つまり復活です。
だから、太陽神はまず冬至を起点として、生誕とするわけです。
しかし、冬至はだいたい12月の22日あたり。そこに、三日後に復活するということで、25日が生誕日となる。
というわけなのでしょう。
キリストは、ホルス神話の焼き直しでもあり、ミトラであり、また天地創造たる主と同じ、ということであるなら、主はモーゼの前に火となって現れ、モーゼも太陽神を唯一神としたことから、やはり太陽神なのです。

キリストの復活祭、つまりイースターは春分の日が起点になりますが、この日から昼が長くなります。やはり太陽の復活が関係してきます。

ところで、我が国の天皇も太陽信仰です。天照大神がその祖であり、古代の天皇の祭祀を行っていた物部も太陽信仰でした。わが日本の最高神は、太陽神ということになります。
ここに、12月25日というキーワードは出て来ません。

でも、天皇が即位されたのちに行う大嘗祭は、もともと冬至に行われていたのです。
今上天皇は、平成2年11月22日から23日にかけて、大嘗祭をしていますが、これは7世紀、皇極天皇から始まったとされます。
ところがこれ、太陰太陽暦のまま継続されておりまして、これを現在の太陽暦にいたしますと、12月22、23日頃になるわけです。
そして、京都太秦で、これもまた秋の闇夜に行われていた、牛祭り。これが怪しい。
というのは、明らかに牛祭りの主神たる摩多羅神はミトラであり、太陽神であり、復活の神なんです。
ちょっとここには詳しく書けませんが、その形態が、大嘗祭に似ているんです。
これは、おそらく聖徳太子の側近にいた秦氏がペルシャから伝えたもので、このミトラの祭祀を天皇の即位に関連付けようとした痕跡ではないかと、私には思えるのです。
ミトラの祭祀も牛祭りも、夜に行われ、牛が神であり、また神を迎える者も神なのです。そして聖なる牛は屠られた。だから、四天王寺に牛王尊の祠があって、奇妙な牛の伝説が伝わり、四天王寺七宮には牛頭天王が関わってくる。聖徳太子は四天王寺で、最初の大嘗祭をやろうとしていたのではないかと、思います。
だから天皇寺だったけです。
ところが、それはかなわなかった。聖徳太子は暗殺(?)されますしね。
そして仏教は、牛や馬を屠ることを禁じ、朝廷からお触れが出たことが『続日本紀』に書かれています。
奇妙なことに、牛王尊の祠は今、四天王寺案内図からはことごとく消されているんです。
やっぱり怪しい。
なんか隠している。

実は、聖徳太子と牛の関係は、歴史学の中には出てこない。民俗学をやると出てくるんです。
ミトラの生誕日が12月25日だとすると、もともと牛祭りは、その時期に行うものだったのかも知れません。いったん、途切れてますからな、牛祭り。そして、改良されて大嘗祭となった。そしてまた、改良されて。
こんな話、ここだけの話でっせ。
大嘗祭は、ほんと、オカルト。完全に神が隠されていますが、ミトラですよ。
牛が穀物に変わった……。



秦氏のことは、いずれ本に書きます。いや、書いてる最中です。
しかし、次々と難題が出て、難しい。

ところで、キリストの父について、これどうなん?
「マタイの福音書」の冒頭に、アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図として、アブラハムから数えて42代にあたるのが、キリストであると書かれています。救世主になるべくアブラハムやダビデの血を引く人物だと説明されるわけです。
で、母マリアは処女受胎って!


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2015年12月22日

四季怪談・夏

中山市朗です。

忘年会の季節ですな。
私はいったん飲み始めると、朝までグダグダとやっちゃうんですが、ある忘年会に呼ばれて、飲み始めたのはいいんですが、みんな最終電車で帰りよった。は? ですわ。
しゃないんで、一人で朝まで飲んで。
家に帰ってまた飲んで。
なんか最近、酒の量が増えています。ストレスはあまり感じていないのですが、なんなんでしょうね。
酒がうまいんですよ。
来年はどんなうまい酒が飲めるのか?
酒はでも、誰と飲むか、ですね。
今年は一人で飲むことが多かったのが、ちょっとね。

さて、ホラー漫画家の集う場所『恐ろし屋』で、私の語る四季怪談、夏「渓流釣り」を配信しております。
冬に聞く夏怪談。
もうすぐ発売の新作『怪談狩り・四季異聞録』の宣伝動画ですので無料で観れます。
『恐ろし屋』で検索するとすぐにあります。



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2015年12月18日

新作『怪談狩り』の黄色いクツ

中山市朗です。

来週のクリスマスイヴの頃には、全国書店及びネット販売が開始されます、私の怪談新シリーズ第三弾、『怪談狩り・四季異聞録」の見本が届きました。
こんな表紙です!

怪談狩り四季























なんか、あれでしょ、一見怪談本らしくない。なんか、子供の出てくる、ちょっとした文芸本みたい。
雪の上に子供の足。
まず、そこにちょっとした違和感。
片方裸足で、片方に黄色いクツ。
でもよく見ると、足が前後さかさま。
あれっ?
という次の違和感。
私の怪談もそういう積み重ねなのでしょうか。

『怪談狩り・市朗百物語』『怪談狩り・赤い顔』につづく、チカツタケオさんのデザインです。
いいでしょ。
いかにも怪談、というのは、他にいろいろありますので、こういうのだと、怪談マニア以外の人たちにも、文芸書として手に取ってもらえるかなあと思います。

そして、『幽』24号の見本も届きました。
こちらは、もう書店にあるかと思います。
こちらにも『怪談狩り』として「隣の角部屋」という、今年、ライブで語ったばかりの新作を書き下ろしております。
400字詰め原稿用紙約30枚という制限の中で、一話だけ。つまり、話せば30分ほどかかる大作を掲載しております。
シナリオは、原稿用紙1枚を映像化すると、だいたい1分とされていますが、怪談もだいたいそうなんです。

幽






















今週は『幽』を買って、来週は『怪談狩り・四季異聞録』を買って、来年の「ダークナイト」の物販で、保存版を買う。それが怪談マニアの真の姿だ?



怪談狩り 四季異聞録
中山 市朗
KADOKAWA/角川書店
2015-12-26



怪談専門誌 幽 VOL.24 (カドカワムック)
綾辻 行人
KADOKAWA/角川書店
2015-12-17



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2015年12月15日

長くて早い原稿

中山市朗です。

『ムー』の大特集記事を書いていたら、えらい字数オーバーになりまして。
テーマが難しく、読者の方に納得いただけるためのロジックを積み重ねるわけですが、これが無いとわからない、これを書くことで矛盾が解消する、このことは言及しなければならない。これとこれを結びつけるためにはこの説明が必要……、とやっていると、削れなくなったんです。
特に、モーツァルトの死因とフリーメーソンの関係、フリーメーソンとイルミナティの関係、イルミナティとエジプトの秘儀の関係、エジプトの秘儀と聖徳太子の関係、『未来記』と『魔笛』の関係……。
そういうことを当時の時代背景を説明しながら書かなきゃならない。
それにはやっぱり提示しなきゃならないものや、文献からの引用も必要になる。
う〜ん、これほど頭を抱える原稿ははじめてだ。
もちろん、指定された範囲で書いて入稿するのが、プロ。そんなんわかってますわ。
三上編集長に、
「あかん、短くなれへん」
と電話したら、
「あっ、2月発売号に掲載予定でしたが、4月になりました」やて。
したがって締切日が2月に変更。
どうやら飛鳥昭雄さんとの対談本の発売にあわせるらしい。
あれれ。籠って書いてたのに一気に緊張が吹っ飛んだわい。
もう飲むわ。
「そうとう文字数オーバーしたのを、とりあえず送りますわ」と、さっき送ったとこ。
「早いにこしたことはない」と、編集長は喜んでましたけど。

その三上編集長との「ムー」トークイベント第四弾が、2月6日(土)の19時30分スタートで決まりました。
ロフトプラスワン・ウエストでの開催です。
詳細はまた告知いたします。

それから、今後イベントや出版、メディア出演などが決まりましたら、オフィスイチロウのツィッターで真名子が、20秒の動画にて告知するようになります。何も告知することが無くても(それでは困るんですけど)、隔週月曜日の会議の後で、真名子が何かを配信しますので、よろしくお願いいたします。
なんかファンがいてるようで。



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2015年12月14日

真代屋秀晃新作出る!

中山市朗です。

私の元教え子であります真代屋秀晃が、新作本を出しました。
『レベル1落第英雄の異世界攻略供(電撃文庫)。
正直言いまして、私は前作『レベル1英雄の異世界攻略機戮髻途中で放棄いたしました。
そういうと真代屋は「がっはっは」と豪快に笑っておりました。
作品がダメなのではなく、ゲームをやっている感覚がおじさんにはついていけなかったわけでして、ゲーム世代の人たちなら十分に楽しめるのではないかと思います。

なににせよ、教え子が活躍しているのはうれしいものですし、今の塾生たちにも大きな励み、目標となることでしょう。

真代屋













それから、作劇塾の申し込み要領が、都合により円滑に行っていないことがわかりました。
入塾希望の方には、ご迷惑をおかけしました。
本日からは、オフィス・イチロウのメールかお電話でお申込みいただけるようにいたします。
塾に関する要綱は、オフィスイチロウのHPよりご覧ください。


入塾希望の方は、
お名前、性別、住所、連絡先と、志望コース(小説、ライター、シナリオ)をまずはお知らせください。
お電話でのご相談も承ります。
また、メールでは志望動機や好きな作品、今のお仕事などの詳細もお知らせくだされば、それにあったカリキュラムを考慮いたします。
少人数制で、個人個人の力量、経験値にあわせた指導を行っています。

メール info@officeichirou.com
電話  06−6264−0981



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2015年12月13日

気まま酒家・ヤバい話

中山市朗です。

昨夜のネットラジオ『気まま酒家』、お聞きになられましたか?
22時よりの生放送、そして私たちは26日放送分の録音にのぞんだわけですが。

この日は酒家主のcainさん、ゲストに女性二人、らむさん(デザイナーで私の怪談会の常連さん)、真名子。

「リクエスト怪談」だけあって、リクエストには濃い怪談が並びます。

「山の牧場」「京都の幽霊マンション」「八甲田山」「人間消失系」「生首村』『祟り系』……。
ヤバい話のオンパレード。
で、放送前の打ち合わせ。
八甲田山は記録として残らない話。
で、冗談で私がこんなことを言ったんです。
「(cainさんに)八甲田山の話をはじめたら、パソコンわざと落として、終わったころ復帰させたら、リスナーの皆さん、わあーってなるかな」
その瞬間です。ガス警報器が鳴りだした……。

先月28日の怪談会でもお客さんが入ってこられたと同時にガス警報器が鳴ったんですが、また?

警備会社から電話。
「ガス器具お使いですか?」
「いえ、使ってません。というか、2週間ほど前にもこんなことあったんですけど」
「えーっと、そうですね。28日ですね」
「あの時もガス漏れは無かったんですけど」
「とりあえず、一人、もう向かっていますので」
で、放送5分前に、警備会社の人が来た。
部屋のガス器具とセンサーをチェックしてもらって。
「う〜ん????」
と、首をひねって帰られました。
原因不明。

あかんのですよ。八甲田山は。ふざけたことを言うと。
ずっと前の新宿ロフトプラスワンで、この話をしたとき、木原と『新耳袋・殴り込み』のメンバーが「じゃあ、八甲田山いきましょうよ」とか言って、冗談めかしたことを言った。私は「あそこは冗談半分に行ったらあかんて」と止めているとと、全部で5本あったマイク、私の1本だけ残して、あとの4本が同時にラインが切れた、ということもありました。
まあ、今回のガス警報器は、偶然だと思いますが……。
でも原因不明で、このタイミング、ということで早くもcainさん、らむさん、真名子がビビりだした。

そして本番。
まあ、私は何もなかった、と思っていたんですけど。
終わったとたん、女性二人が「あの携帯音、だれのだったんですか?」と言い出して。
本番中に何度も携帯電話のバイブ音が鳴ったらしい。それがかなり大きかったけど、生放送だし、「あれ誰のですか?」と言っていいものなのかと迷っていたと言うんですね。
私とcainさんは、全然聞いていたない。そう言うと「鳴っていましたよ、このあたりからでしたよ」「私、だから自分の携帯、本番中に何度も見てたんですよ」と女性二人は、確実に鳴っていたと言う。
「あれが聞こえていないはずは絶対ないです」と女性二人。
そんなん言われても、聞こえなんだもんは聞こえない。
結局、そこには携帯もなかったし、みんなマナーモードになっていた。
「番組のどのあたりで鳴ってた?」
と聞くと、私が「生首村」の話で「あの村は外から来た女性を阻む」とか「コトリバコ」は女性に祟る」なんていうことを言っているときだったらしい……。
なにかの警告?
で、私は気づかなかったんですが、三人は女の声を聴いたらしい。
らむさんでも真名子でもない声。これはリスナーからも指摘があった。

家鳴りがした。ミシッと一回。
ここ、鉄筋コンクリートのマンション、14階。

で、番組終わりに、新作本や次回ダークナイトなどの告知をして終了。

その直後、ダークナイトのホームページを確認してみると、ホームページにアクセスできない!
というか、ホームページが消えている状態。
「え、なんでこんなことになってんの?」
いつからそうなっていたのでしょう?
少なくとも、「アクセスできない」という苦情はまだ来ていないし、四人ともわりとチェックしているが、こんなことにはなっていなかったと。つまり、ここ数時間のことかも知れない。
この番組のせい?
さっそく、担当者に連絡して、復旧するように要請したのですが、返ってきた言葉が「原因がわかりません。こんなこと、ありえません」

録音収録まで、しばし休息。プチ忘年会みたいになって、囲炉裏で肉を焼いたり、ビールを飲んだり。
話は怪談とは全然関係のない話で盛り上がったんですが。
囲炉裏は、かなり部屋を暖かくするんです。ところが。
「さあ、2本目行こうか。今回はそやな、山の牧場の後日譚と、人間消失系の話か……」と怪談モードになったら、途端に部屋の温度が急激に下がった。ほんと、急激!
「寒っ、部屋の温度、急に下がったけど、なんで?」

で、本番に入ると、囲炉裏のある部屋と本棚で仕切った向こうは、私の仕事場。
そこから、パソコンの電子音がする。これは私も聞いた。
確かに仕事場にはノートパソコンが二台あるんですが。

パソコンが立ち上がった音、で、キーボードが動いたり、鈴の音が聞こえたり。
「センセ、さっきから電子音がしきりにしているんですけど」と三人。
「みたいやね」
「ちょっと見てきてくださいよ」
見たら、二台ともふたは閉じている。
「ええーっ、ありえないです」と、また三人、パニック。
「タイマーとかかけてます?」
「かけたことない」
「じゃあ、私の聞いたの、なんだったんです!」
女性がいると、やっぱり盛り上がりますな。この手の話は。私とcainさんだけだと「ふーん」とか「まあええやん」で終わる。
でも、電子音はありえない。

電子音、マイク拾ってるかなあ。この音はかなり私も聞いていましたので。26日放送、チェック!
完全に動揺しているcainさんの声が楽しめます。
二人の女性も、わあわあと怖がっています。

とまあ、無事に終わりました。

チャンチャン🎶

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2015年12月12日

恐ろし屋とリクエスト怪談

中山市朗です。

ホラー漫画家が集まる場所、『恐ろし屋』ホームページ上に、私の語る怪談動画がアップされました。
今月26日、全国有名書店およびネットで発売予定『怪談狩り・四季異聞録』のプロモーションとして『恐ろし屋』さんから、配信することになったというわけです。
今日は、春の怪談、来週は夏の怪談、秋の怪談、冬の怪談と、一か月にわたってまずは四話の、四季にまつわる怪談をお送りいたします。
『恐ろし屋』で検索していただくと、すぐに見つかります。

そして今夜22時からは、ネットラジオ『気まま酒家』。
「リクエスト怪談特集」です。リクエストされない怪談も、流れで語ると思います。
放送コードなしの生放送!
どんな怪談が飛び出すか。それは本人にもわからない。

放送UR std1.ladio.net:8030/aberu.m3u

kaidanyawa at 19:21|PermalinkComments(0)

2015年12月09日

休憩……。

中山市朗です。

いよいよ、年末というのが視野に入ってきまして、いろいろお仕事の締め切りがクリスマス前後ということでして、ちょっと立て込んでいる状態で、ブログの更新もおろそかになっております。
特に『ムー』から大特集記事を依頼されて、今書いている最中なのですが、知っているようでもいざ執筆となるといろいろ文献にあたったり、確認作業をしたり、新発見があったりと大変ですけど、楽しく作業をしております。
ちょっと籠り気味で、ストレス発散したいところですけど。
『怪談狩り・四季異聞録』は、もう全作業は終了しておりまして、表紙カバーも先日見本が送られてきました。
怪談らしからぬ表紙ですが、よく見ると不気味なデザインです。
今月26日発売の予定です。
冬に怪談!
大丈夫かなあ。

また、出版に合わせて『四季異聞録』に収録した怪談を、私が語る動画で『恐ろし屋』という、ホラー漫画家が集うサイトでちょっとずつ配信する予定です。今週末には最初の一話が配信されると思います。
無料で観れます。
配信されましたら、このブログにて告知いたします。

来年9日の『Dark Night17』の予約も順調のようです。ということは、残りの席がそんなに残っていない、ということでもありますので、お早めに予約をいただいたほうが確実です。
いつも、予約をはじめた時に、どどっと予約が来て、小康状態が続いて、開催日の数日前にまたどどっと駆け込み予約があるというパターンですので。

12日のネットラジオ『気まま酒家』のリクエスト怪談もよろしく。
リクエスト怪談となっていますが、流れや内容によって、どんな怪談が私の口から飛び出すのかは、私にもわかりません。未発表怪談の語りもあるかも。
怪談づくしの放送になることは請け合います!

ほなら、また執筆にかかりますわ。
その前に、腹へったなあ。







kaidanyawa at 16:34|PermalinkComments(8)

2015年12月04日

大女優・原節子の表現力

中山市朗です。

さて、水木しげるさん、モーリン・オハラさんに続いて、今日は、昭和の大女優、原節子さんについてお話ししましょぅね(今回はちょっと淀川長治調で)。

原節子










『わが青春に悔いなし』の原節子。


原節子さん。9月5日に亡くなっていたことが、先週報じられました。
ずっと鎌倉で隠遁生活を送られていて、一切マスコミの前に出ず、今年95歳。ひょっとしたらもう亡くなっているんじゃないか、と思ったりもしましたが、ずっと生きていらしたんですね。
95歳といえば、モーリン・オハラさんと同じ年。そう、1920年6月17日生まれなので、モーリン・オハラより2ケ月ほどお姉さん。
同じ年に亡くなる、というのがね……。

原節子。今の若い人は、どれくらいこの大女優のことをしっているんでしょうか。

簡単にプロフィールを申しますと、この人は、義理の兄にあたる熊谷久虎という『阿部一族』を撮った監督に勧められて、日活の撮影所でデビューします。「ためらうなかれ、若人よ」。1935年。15歳。セーラー服の似合うかわいいかわいいお節ちゃん、という役どころ。ここから名前をとって、原節子という芸名になったんですね。
次の年には、山中貞雄監督の『河内山宗俊』に出まして、このときに撮影所に見学に来ていたアーノルド・ファンクというドイツの映画監督に見初められて、日独の合作映画に出たんですね。
『新しき土』(36)。新しき土とは、満州のことなんです。これはつまり、ドイツが日本の満州進出を認めた、日本人という黄色人種を受け入れよう、とするプロパガンダだったんです。この映画の製作中に、日独防共協定が結ばれるんです。ゲッペルスとヒトラーが自らこの映画の検閲をしたともいわれています。
日本側は凄い人たちがスタッフに加わっています。共同監督が伊丹万作。あの伊丹十三のお父さん。『国土無双』『赤西蠣太』を撮った名監督。共演が早川雪洲。この人は当時国際的スター。のちに『戦場にかける橋』やオードリー・ヘップバーンと共演した『緑の館』がありました。日本映画初のスクリーン・プロセスは円谷英二。音楽が作詞、北原白秋、作曲が山田耕筰。これで、原節子さんは、いっぺんに有名になりました。
今でいう、アイドル。すごい人気だったそうです。
でも、この人がほんとうに立派な女優になるのは、戦後間もなくのことでした。

戦後復帰第一作が、なんと黒澤明の『わが青春に悔いなし』(46)。
この映画、黒澤には珍しく女性が主人公。そう、主人公は原節子なんですね。幸枝という女性を演じます。最初は学生の楽しそうなピクニックから始まるんです。その中に女学生の幸枝がいる。野毛という学生を藤田進が演じているんですが、この二人は惹かれあう。しかし、軍国主義、ファシズムの風がその青春の中に入り込む。やがて野毛は非合法活動で逮捕されるんです。そして戦争。幸枝はOL、野毛は支那の政治経済の権威として活躍している。そして結婚するんですが、すぐに野毛はまた逮捕され、獄中で死ぬんです。幸枝は激しく動揺するんですが、やがて、野毛の貧しい農家の実家に野毛の妻として住み込み、泥のように働く。
「こんな女性はいません」と原節子さんは黒澤監督に言ったそうですが、なんとか監督が説得したとか。
でも、このとき、原節子という女優が開花したんです。
それは、自分にふりかかる運命、それを時に耐え、動揺し、苦悩し、やがて気高く生きようとする、内面の変化を、静かな動き、つまり表情であらわすんです。カメラもその原節子をじっと見据えたように撮っている。
それが、ラスト、敗戦によって自由が謳歌できるようになって、自由な女の表情を見せるんです。実に晴れやかな。戦後を象徴する、これは傑作です。そして、戦後の日本映画の黄金期にあって、原節子は日本を代表する大女優に成長していきます。

続く1947年は、戦後の名監督になる人たちの傑作にたくさん出ます。
吉村公三郎監督「安城家の舞踏会』。戦後の財閥解体でほろびゆく安城家のある夜をチェホフの『桜の園』を下敷きにして描いた作品でした。『青い山脈』、これは今井正監督。封建的社会から解き放たれて、恋愛は自由に謳歌すべきだという、青春映画。主題曲が大ヒットしました。『お嬢さん、乾杯』、こちらは木下恵介監督。木下恵介という人はこのあたりから、黒澤明のライバルとして注目を浴びるようになりました。そして、『晩春』。小津安二郎監督。
原節子といえば、小津安二郎。そんな印象がありますが、『晩春』で初めて小津映画に出たんです。
小津安二郎といえば、ホームドラマ。父と娘の物語。ですが『晩春』が実は小津が撮った最初の本格的なホームドラマ。小津のあのスタイルは、この映画が原点なんです。

この映画で、原節子は父の再婚と自分の縁談に悩む娘役をしています。後妻をもらうなんて、お父さん、不潔だわ、なんて思っている穢れを知らない紀子という若い女。でもこれは、男やもめのお父さんが心配でならない一心なんです。お父さん役は笠智衆。でもとうとう紀子は結婚を決意します。それでお父さんと二人で旅行に行って、旅館で二人が床を並べて寝るシーンがあるんですが、フランスの映画人は、「えっ、紀子は結婚する前に父とセックスしちゃぅの?」なんて思うそうです。
ともかく、小津のスタイルはここから始まったんです。
父と娘。娘の縁談。結婚するのかしないのか。
そういう物語を、小津は遺作となる『秋刀魚の味』までずっと撮り続けるんです。
原節子さんは、この後も『麦秋』『東京物語』『東京暮色』『秋日和』『小早川家の秋』と、全部で6本の小津映画に出ます。
今、特に『東京物語』は『七人の侍』と並んで、欧米ではものすごい評価を受けていますね。
普遍的な家族の物語を静かに描く。しかもその絆が崩壊していく。それを淡々と描くことが実は難しい、ということなのでしょう。もちろん日本的な美しさや、人間のあたりまえの営みが、作品にあふれている、ということもあるのでしょう。何より小津映画には気品があります。小津映画は美しいんです。すべてが。

小津の映画は、カメラが動かないといわれています。ホームドラマを撮るようになってから、そうなったんです。それも室内はローアングル。畳に座って話をしている人の目線を自然とスクリーン上に見せようとすると、このカメラ位置になる、という小津独特の理論。
そして、どうでもいい、内容のない会話がなされます。まあ、日常会話ってそんなもんですからね。
ということは、激しい動きやアクションが、小津の映画には無い、ということになります。そして説明的なセリフもない。日常会話がなされるだけです。そして、ワイプもない、カットバックもない。大きな事件も起こらない。淡々と父と娘、家族の物語が進んでいく。
小津は構図とカラーになって、色の配色に凄く神経を使って、淡々とした描写に不思議なサスペンスを入れ込んだんです。次の場面はどうなるんだろうと思わせる。なぜかというと、通常の映画の理論を無視しちゃっているんです。だから、人物の距離感や目線が不安定なんです。そこを構図で計算して見せている。それで延々と画面を持たせちゃうんです。
最後まで見せるんです。
となると、役者が大変です。
表情。これで演技するしかない。
『わが青春に悔いなし』で、見せた、あの表情。小津監督は、そこに原節子という女優の可能性を見たんではないでしょうか。
原節子という人は、この表情のふり幅が大きいんです。そして、その目がいいんです。
眼力のある女優。アニメや漫画のキャラクターも、目が重要です。
その目の見本が、ここにあります。

一見、清純派なんです。にこにことして。でも、動揺したり、冷たく突き放したり、安堵したり、そういう表情をセリフなしに演じて見せる。これが原節子。だから、彼女の表情は時として恐ろしく、また美しい。そして曖昧でもある。セリフで説明をしないから、観客がその表情から読み取るしかないんです。そこが、ミステリアスを生むわけです。だいたい今の映画はセリフで説明をしすぎる。
映画の本来は、観て、理解する。どう観るせるのかが監督の仕事。それを表現するのが役者。
原節子という人が、大女優たるは、この美しさと目の表情です。そして、日本女性の本来の姿の体現です。

ちょっと小津と作風の似た成瀬巳喜男という監督がいます。この人も、黒澤、小津、溝口と並ぶ日本映画界の巨匠。
ただ、小津は中産階級というか、あまりお金の話が出てこないんですが、成瀬監督は、ときに長屋に住んでいるような人たちを描いて「お金」の心配をしているような人たちを描くんです。小津には希薄な生活臭がするというか。しかし、やはり成瀬監督の映画にも、表情が要る。
原節子さんは成瀬監督の映画にも『めし』『山の音』『驟雨』『娘・妻・母』で出ます。
原節子の表情が、また成瀬巳喜男の映画を支えた。そういう意味でも、原節子という人は、日本映画を代表する大女優。
面白いところでは、稲垣浩監督の『日本誕生』で、アマテラスを演じていました。ただ、突っ立っているだけでしたけど。

1962年、小津安二郎監督が還暦の誕生日の日に亡くなります。
そのお通夜に、原節子さんは顔を出しますが、それ以後、ふつりと人の前には姿を見せなくなった。事実上女優引退です。そして一切、マスコミの取材も何もかも、拒否して、鎌倉で隠遁生活をします。そして亡くなっても、しばらくは報道されませんでした。

小津安二郎という人が亡くなって、もう、自分の女優としての存在も無用になる、そう思ったのでしょう。確かにその後の日本映画は、静かにある人の人生を、家族を語る、ということがなくなり、エログロやどぎついアクションが作られるようになります。品が無くなるというか。
成瀬監督も亡くなり、黒澤監督も国内で映画が撮れなくなる。
日本映画の黄金期は、1960年代半ばに、終焉を迎えたんです。
ここで、スッと身を引いた原節子さんの判断は、正しかったと思います。またこの、女優引退してからのミステリアスな隠遁生活が、伝説を生んで、「永遠の処女」としてのイメージをずっと保ち続けたです。
日本のグレタ・ガルボです。

原節子さんはずっと独身でしたが、これも独身のまま亡くなった小津安二郎監督に尊敬だけではなくて、恋慕の気持ちを持っていた、というのも、本当のことだと私は思います。
潔い、人生。

冥福を祈りましょう。
そして、原節子さんの映画、見ましょうね。

セツコ原











『秋日和』の原節子さん。40歳でこの気品。

kaidanyawa at 12:07|PermalinkComments(8)

2015年12月02日

ゴージャス、グレート、モーリン・オハラさん

中山市朗です。

さて、昨日の水木しげるさんの追悼に続いて、本日はモーリン・オハラさんについてお話ししましょうね。


Maureen_O'Hara














モーリン・オハラさんの演じる、メアリー・ケイト・ダナハー!

1920年8月17日、アイルランドはダブリン生まれ。亡くなったのが今年の10月24日。
95歳。老衰だったそうです。
昨年のアカデミー賞授賞式で名誉賞を受賞した宮崎駿さんが、モーリン・オハラに会えたことを興奮気味に語っていましたが、正直「えっ、まだ生きてはったんや」と思った次第です。

大好きな女優さんでした。というか、私はジョン・フォード監督の映画が大好きで、そのヒロインを演じたときのオハラさんは、信じられないほど美しく、しかし、たくましく強く生きる誇り高き男たちと丁々発止する女性像を見事演じたスターでした。

この人は、子供のころから女優を志していたらしいのですが、ヒッチコックがハリウッドに進出する前のイギリス映画『岩窟の野獣』(39)に出演。このとき共演した名優、チャールズ・ロートンに気に入られて、翌年にロートンが主演した『ノートルダムのせむし男』(40)に、ジプシー娘エスメラダ役に抜擢されて、ハリウッド・デビューするんです。そう、ディズニーが『ノートルダムの鐘』という題でアニメ化した、ビクトル・ユゴー原作のあの作品ですね。
そして、ジョン・フォード監督に招かれて『わが谷は緑なりき』(41)のヒロイン、アンハラード・モーガンを演じます。この彼女が美しいんです。主人公はロディ・マクドウォール(『猿の惑星』のコーネリアス!)演じるヒュー・モーガン少年。成長し大人となったヒューが、ウェールズの炭鉱の町ロンタの谷を出ようとして、その思い出を語る、というお話。
その頃の谷は緑でいっぱいで、家族も幸福に生きていた。男たちは炭鉱夫として真っ黒になって働き、その男たちのためにかいがいしく家庭をきりもみする女たち。ヒューはモーガン家の末っ子。オハラさんは、一家唯一の娘、アンハラード。ヒューのよき理解者である頼りになるお姉さん。その姉が、町の牧師に恋慕の気持ちを抱くが、牧師は彼女の幸福を思って、炭鉱主の息子との結婚を勧め、自らは身を引く……。
いや、もう、炭鉱の谷に生きるモーガン家の家族愛、絆、町の人たちとのかかわりなど、ヒューマンなストーリーがねえ、もう、美しくって涙が出てしまいます。これで、モーリン・オハラさんは、名女優となるんです。
しかし、彼女の代表作はというと、同じジョン・フォード監督の『静かなる男』(52)でしょうか。
鋼鉄の町ピッツバーグから、母の里アイルランドの片田舎に戻ってきたショーン・ソーントンという男。元ボクサー。ジョン・ウェインが演じています。そのショーンが一目で惚れたのが、赤毛の羊飼いの女、メアリー・ケイト・ダナハー。
メアリーをオハラさんが演じます。
二人はたちまち惹かれあいますが、ダナハー家の長男、レッド・ウィルがショーンのことを気に入らない。
やがて、ショーンとレッドとの壮絶な殴り合いによる決闘が!
それらが、アイルランドの美しい風景を舞台に、愛情たっぷりにユーモラスにそして詩情豊かに描かれ、ジョン・フォードはアカデミーの監督賞を受賞。カラー撮影賞も受賞しますが、これがまた、赤毛のオハラさんの魅力を引き出しているんですね。最初のオハラさんの登場シーンなんて、ハッとする美しさ。クローズ・アップになるんですが、実はフォードの映画でこんなにクローズアッブされるのは、ちょっと珍しいんですよ。
『駅馬車』(39)で、ジョン・ウェインが最初に出てくるショットでも、このクローズアップを効果的に使っていますので、フォード監督も、オハラさんをよっぽど気に入ったんでしょうね。
そして、ショーンとレッド・ウィル・ダナハー(ヴィクター・マクガグレン)の二人が延々と町中を巻き込んで殴り合いの決闘をする、というシーンは、スピルバーグが『1941』で、オマージュをささげています。さらにE .Tは、ビールを飲みながらテレビで『静かなる男』を観ていましたね。そのジョン・ウェインとモーリン・オハラのキス・シーンとシンクロして、エリオット少年が同級生の女の子とキスをする。
粋なスピルバーグの演出です。

ジョン・ウェィンという人がもう、誇り高き西部の荒くれ男を演じるアメリカを代表するビッグスターですから、その相手役となる女優もそれに対抗しうる美しさと気高さ強さ、そして頑固さが求められる。そういうスケールの大きさがオハラさんにあったんですね。
同じジョン・フォード監督の『リオ・グランデの砦』(50)、「荒鷲の翼』(56)では、ウェインの妻役を演じ、アンドリュー・マクガグレン監督『マクリン・トック』(63)、ジョージ・シャーマン監督『100万ドルの血斗』(71)でも共演します。その他にも『長い灰色の線』(55)、『スペンサーの山』(63)、『赤い仔馬』(73)など。あっ、そうだ、サム・ペキンパーの映画監督デビューとなる『荒野のガンマン』にも。

モノクロ時代から活躍した女優さんでしたが、彼女の赤毛はテクニカラーに映えて、テクニカラーの女王と呼ばれ、また西部男は赤毛の女と結婚する、なんていうイメージも、この人が作ったんですよ。

モーリン・オハラ?
と、知らない若い人も多いでしょぅから、こんな話を。

宮崎駿監督が、アカデミー名誉賞を獲ったときのインタビューで、ほとんどが、モーリン・オハラさんのことだったことは、ご存知でしょう。
宮崎監督は「私は家内に『幸運だ』と言われた」という話から、日本はその間戦争をしなかったことにも言及したうえで「でも、最大の幸運は今日でした。モーリン・オハラさんに会えたんです。これは凄いことです。こんな幸運はありません。美しいですね。ほんとうによかった」と言って、受賞の感想を聞かれても「いちばん驚いたのはモーリン・オハラさんがやっぱり受賞したんですが、94歳です。すごい。だいたい僕が生きている間に、生きている間にということよりも、モーリン・オハラさんが生きているなんて夢にも思わなかったし、自分が会えるなんて夢にも思わなかったです。これが今日いちばんの、生きているととんでもないことが起こるんだっていう感想です」と、もうモーリン・オハラさんのことばかり。

実は、多くの人は『天空の城・ラピュタ』の炭鉱町は『わが谷は緑なりき』からヒントを得ているんじゃないかということをかぎ取っているようですが、これは本当です。
当時、『新耳袋』でコンビを組む前の木原がジブリにおりまして、私もちょくちょくジブリに遊びに行っていたんですよ。そしたらスタッフが言っていたんです。
「スタジオでは、アニメやマンガの話はめったに出ない。それより映画の話はよく出る。『ラピュタ』をやっているとき、宮崎さんが『君たち、わが谷は緑なりきのあのシーンをね』と言い出した。見ていないのがいて、きょとんとしていると『お前、見ていないのか!』と叱られて、『見ろ』とビデオを渡された。それがベータマックス。見れないじゃん。でも見ないとまた叱られるので、なんとか持っている人を探して見たらしい」なんて話をしていました。当時、レンタルビデオが今ほどありませんでしたから。

『ラピュタ』の炭鉱町は、『わが谷は緑なりき』の町からヒントを得ていることは確実ですし、海賊たちと炭鉱町の男たちとのドタバタの殴り合いは『静かなる男』。ちなみに、パズーの親方のエプロン姿でフライパンを手にもって立ちはだかる奥さん、あれは、モーリン・オハラさんですよ。

でもまあ、映画好きだと言いながら、モーリン・オハラさんを知らないなんて言うと、淀川長治さんならこういうでしょう。
「まあ、あなた、モーリン・オハラ知らない? もう、死になさい」

kaidanyawa at 06:55|PermalinkComments(10)

2015年12月01日

水木しげるさん!

中山市朗です。

昭和の大女優・原節子さんと、ダブリン生まれの世界的女優、モーリン・オハラさんの追悼記事を書こうとしていたのですが、後日とします。

水木しげるさんも亡くなられましたねえ。
93歳の大往生とはいえ、残念な思いでいっぱいです。
100歳、というのが似合う人だったんですけどねえ。

小学生のころ、テレビで見たドラマ『悪魔くん』は、なんだか怖かったです〜。
「エロイム・エッサイム」
他のチャンネルの番組より、なんか暗〜くて、出てくるキャラクターもみんな奇妙で。
それが子供心に怖くもあり、しかし好奇心を駆り立てる、闇がある。
闇って、そういう妙な魅力があるんですね。

もちろん、漫画でも読んでいましたよ。『悪魔くん』。
しかし、なんといっても『墓場の鬼太郎』&『ゲゲゲの鬼太郎』。
とにかくキャラクターが登場していなくとも、背景が、空気観が怖い。
水木しげるの絵は(昔の漫画家さんはたいていそうなんですが)、けっしてスクリーントーンなどに頼らず、ち密なペン入れより構成され、そのペンタッチが、画面の中に闇を呼び込むわけです。
特にこういった異界を描くには、日常の世界をきっちりと描くという腕が求められるわけでして。そのきっちりとした世界に、奇妙なものが入り込む、あるいは気配が変わる、と言う空気感を絵として表現することによって、水木ワールドが成り立っていたと思います。
怖い怪談を語るロジックと、これは同じなのであります。

そして、あのユニークなキャラクターたちの造詣!
ねずみ男というキャラクターは特に「鬼太郎」にはなくてはならないものでした。
「正義のために戦うヒーローなんて、リアルじゃない。そんな、金ももらわずに、人のために戦うなんて嘘だ。だからそんな鬼太郎を見て、笑うキャラクターが必要だった。お前、なにバカなことやってんだって」
それが、ねずみ男。
NHKの番組で、水木さんがそう言っていました。

「妖怪とは、そもそも目に見えないもの」
水木さんはそうもおっしゃっていました。その目に見えないものをキャラクターにしたものが、妖怪。
京極夏彦さんは「妖怪は水木しげるが作ったもの」といっていましたが、まさにその通りですね。
妖怪という言葉は昔からあった。でも、その定義は明確ではなかった。異形のモノ、お化け、付喪神、そう呼ばれていた。そういったものから、水木しげるが、キャラクター化していったものが、今我々が認知する「妖怪」になった、と。
「妖怪ウォッチ」はだから、妖怪ではない。あれはポケモン。

水木しげるさんとは、何度かお会いしました。
最初お会いしたときは、名刺を差し出して、しばらくお話したのですが、水木さんが帰られると、机の上に私の名刺がさみしく置かれたままでした。
そしてもう、十二、三年前のことですが、青森県の下北半島はむつ市で「怪談之怪」と「世界妖怪会議」の合同イベントが開かれ、私は「怪談之怪」の出演者でしたので、「妖怪会議」に出演する水木さんとの直接共演と言うのは無かったのですが、楽屋では一緒でした。
ただ、楽屋には山積みされた自著本にサインをするのにみな追われていて、ゆっくりとお話はできなかったのが残念。
ご自分のことを「水木さんはねえ」と言っていて、正直、人の話を聞いているんだか、聞いていないんだか、よくわからない。まあご自身で「水木さんは、80%は妖怪なんです」なんておっしゃっていましたけど。
ステージに上がると、夏休みのこと、お客さんのほとんどは親子連れ。
すると水木節がさく裂。
「あのねえ。水木さんは、算数とか理科とか、そんなのは全然できなかった。できないものはやらなくていい。算数が全然できなくっても、水木さんのようになれるんだ。好きなことをやればいいんですよ」
私が子供なら、水木大先生のいいつけをしっかりと守り、算数なんてまったくやらないでしょうね。
親や先生はこの言葉、どう思って聞いたでしょうか。ハラハラしてたでしょうね。
あと「怠け者になりなさい」なんておっしゃっていた。
やはり私が子供なら、水木大先生のいいつけは……。

水木さん、荒俣宏さん、京極夏彦さん、佐野史郎さんたちと、恐山にも行きました。
かなり濃いメンバーでしょ。
一応、ガイドがついていて、順番に回るわけですが、誰もガイドの言うことなんか聞かない。勝手気ままに、「あれはなんだ」とか「これ、つまんないや」なんて、まったくもって、みなさん、マイペース。
特に水木さんは、いつの間にやらいなくなった。
おそらく、ガイドさんより詳しい人たちばかりですからねえ。
ガイドさんがあまりにかわいそうなので、私がガイドさんのそばにいて、お話を聞いてあげました。
そして、帰りには、水木しげるさんと一緒に立ちションしたのが、いい思い出です。ん?

今頃水木しげるさんは、妖怪たちと宴を催していることでしょう。






kaidanyawa at 00:38|PermalinkComments(5)
プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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