2016年08月10日

2016年08月10日

八甲田山とKホテルの心霊動画の裏話、解禁!

中山市朗です。

36夜連続怪談会「怪談の魔」。
第10夜のゲストは、デビュー当時、松竹のダウンタウンと注目された漫才師・シンデレラエクスプレスの渡辺裕薫さんです。今や中堅の実力漫才師として活躍なさっています。

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本人は見る、とかという体質でもないそうで、「じゃあ。なぜ怪談を語っている?」と質問すると「本業はお笑いだけど、ステージでしゃべるとなると、恐怖も表現してみたい。僕の中では同じです」という渡辺さん。
本来の話芸はそうなんですね。落語にも滑稽噺だけじやなく、芝居噺、人情噺、怪談噺などあって、笑わすだけじゃなく、泣かせたり、怖がらせたりするのが、本当の噺家。
「落語家じゃなく、噺家と呼んでもらえると嬉しい」という噺家さんがいますが、要はそういうこと。
浪曲、講談だってそう。笑いあり、涙あり、そして怪談あり。
昨今は、お笑いの部分だけが、なんだか評価され、お客を呼んでいますけど。
そういや、漫才にはないよねえ。
人情漫才、怪談漫才……。

さて、月曜日。お客さんの数が心配。で、わっ、やっちまった。
第一部、一人。でも一人は来るんですな、不思議と。
この男性。近くに職場があって、時間が空いた。マンガ喫茶でも行こうかと思ったけど、こんな催しがあることを知って、来てみたんだとか。怪談を聞くのは初めてだが、私のことはご存じで「新耳袋」は読んでいたんですと。怖くて途中で断念したらしい。
とまあ、そんなお客さんとのやりとりから、怪談ライブがはじまります。まさに、サロンです。怪談サロン。
となるとですよ、この人にぜひ、怪談を好きになってもらいたい、絶対にリピーターにする、と、私も渡辺さんも、心に火が点きます。
渡辺さんが熱演。それを隣で聞く私も、得した気分。特にお笑いと芝居の街、道頓堀ですから、ここがどういう土地で、お笑いや芝居の中にどんな怪談がひそんでいるのか、という流れになり、語っている我々が、楽しい。もちろん、恐怖のおとしどころも、計算通り。こういうお客さんの場合、やり慣れた話ができるので、じっくりと余裕をもって語れるわけです。
このお客さん、大変満足されたようで。
二部に引き続き、この方は参加。リピーター化成功。あと二人。一人は看板を見て入ったというビギナー。もう一人は二部は皆勤という表彰状をあげたいKさん。
さっそく語り始めた渡辺さんが、幼いころ体験した怪異談。15分の熱演。この話の中に、軍人、というキーワードが出たので、私は『新耳袋』に書いた「八甲田山」と、その後に続いた後日談の数々。これ、怪談好きなら聞き逃せない、めったに話さない現在進行形の話です。えっ、聞きたかった?
残念でした〜。
すると、渡辺さん。
「僕の後輩がKホテルという廃墟でとんでもないビデオを撮ってきたんですよ」と、あの恐怖動画の裏話。
知ってますでしょ? 当時の松竹の若手の一人が、罰ゲームとして、廃墟となったK観光ホテルのフロアを一人でまわっていたときに、背後に映った女の顔……。
あの動画は、ホンモノですな。
「あれは幽霊なんかじゃないよ」という人がいたら、じゃあなんなのか、説明していただきたい。説明つかないですよ、きっと。
私、あの動画に関しては、撮影した本人と現地に行って、かなり詳細な取材をしたんですが、同じ松竹芸能にいただけあって、渡辺さんからは、私の知らないエピソードが!
で、私にもあるんです。あの映像に関する後日談が。
えーい、この際、公の場では、どこにも話さなかったこと、解禁だ!
これ、怪談マニアなら、聞き逃しちゃ、あかん!
でも、少人数だからこそ、「ここだけの話」が出る。
私もねえ、「松竹芸能の内部で、そんなことあったんや」と、渡辺さんの話、仕事も忘れて聞き入ってしまいました。
いやいや、語っている我々が、もう時間?
というほどの、怪談の魔。まさに魔の時間ですよ。

ということで、本日4人。完璧に赤字。
でも、内容は充実。演者はこういう状況にこそ、真価を発揮するということを、ここんところ実感しています。

さて、本日は、東京から、次世代の稲川淳二と言われている、漫才師であり怪談家でもある、ありがとう・ぁみさんの来演です。
私、漫才師としてのぁみさんを、見たことがない。恐怖ですな。会うたびにデカくなっている。怖いですな。
先日放送されたKTV「怪談グランプリ2016」の優勝者。出る杭は……、いや、嘘です。

そして、明日は、怪談ロッカーの登場。本業はミュージシャンだが、怪談好きが高じて、というリップさんの登場です。
怪談好きを称するなら、どっちも聞き逃すなかれ。

そしてそして、12日から5日間のお盆は、怪談ライブというより、怪談サロンのような空間にしてみたいと思っております。
サロンというのは、本来欧州の貴族たちが社交場を作って、知的な会話を楽しむことを言うわけですが、怪談の魔では、そのテーマを怪談にして、畳に座って膝突き合わせて語り合おう、というものです。
このお化け屋敷内に畳の間を作ったのは、実にそういう意味があったわけです。
もちろん端っこに座って、聞くだけでも結構ですが、怪談に関する質問などにもお答えしたり語ってみたり。あの話の裏エピソードとか。
それにちょっとねえ、8月はこんなだし、9月も土日が詰まっておりまして、プライベート怪談会ができそうもないので……。ぜひ、こちらに参加していただきたいのですが。
20:00スタート。100分やります。

大阪の怪談マニア、好事家から、新たな怪談文化を発信していきたい、という、これは「怪談の魔」の趣旨でもあり、大阪文化復興の、ある意味とっかかりとしたいと思っております。
皆さんの参加がなくては、それも成就しません。


で、
あと、26日。

あ、
「Dark Night19」。前売りチケットの残り、あと、2、3枚しかないそうです。
急げ!








kaidanyawa at 04:30|PermalinkComments(9)
プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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