2016年09月05日

2016年09月05日

連続怪談会「怪談の魔」、ファィナル!

中山市朗です。

36夜連続怪談会「怪談の魔」。
この夜がその36夜め、ラストナイトでありました。
体力、気力ともに絶好調。もう36夜続けたいくらいです。

ラストナイトのゲストは、小説家の田辺青蛙さんでした。

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この日のお客さん、第一部15人、第二部14人。
さて、さる27日、田辺さんからお預かりした、例の市松人形。
8日ほど、同居しましたが、何かいいことあったかというと、そうでもないし、悪いことがあったわけでもなし。
ただ、なんだか無性にその人形がかわいく思ったのは事実。

まあ、男が市松人形にそういう思いを抱く、ということはあまり無いと思いますので、魅入られている、といえるのかもしれません。わははは。
最初にこの人形に関わってしまったのは2010年11月27日のことでした(この日の様子については2010/11/28付けのこのブログをお読みください)。
このときに人形を見たときは、私には実にまがまがしく、暗い表情という印象で、田辺さんも、会場にいたお客さんたちも、その後の反応やアンケートなどによるとまさに同じ印象を持っていたはずです。
で、声を発したことにより、この人形は注目され、恐れられ、霊能者たちの間を行き来しては、田辺さんの元に戻るということを繰り返すわけです。
ところが前回(2016/8/27)に久々に皆さんの前にお目見えした人形は「かわいい」とか「いい表情」「どや
顔をしている」という反応で、まがまがしい印象を持った人は、たぶん会場には皆無。
ただし、そのとき撮った写真をSNSなりブログにあげたら、それを見て気分が悪くなったという人もいるらしく、それがみな女性のようなんですね。
まあ、すべては気のせいといえば気のせい。なにかあると思えば何かある。
私にはなんとも言えませんが、この人形がいろんなエピソードをまき散らしたのは確かなこと。不可解であやふやで要領を得ない、体験した人にとっては紛れもない事実ながら、第三者からすれば限りなく疑わしい。そんなものです。
それが怪異ですから。
それを語るのが怪談ですから。

さて、「怪談の魔」。第一部では人形にあえて触れず。最初にざわついちゃうと怪談どころじゃなくなりますからな。
田辺さんは、欧米のお化け屋敷事情から、欧米で遭遇した体験談などを披露。日本のお化け屋敷は値段が安すぎる、というか欧米は、もっとえーかげんなもので40ドルくらいはとるらしい。うちは800円ですからな。そして怪談が無い、らしい。怪談は、聞き手が話の中の気配や空気感を読み取りながら楽しむもの。語り手は想像を生み出しやすい語りをいかに聞き手に提供するか。落語や講談もそうですが、ほんとイマジネーションの遊びなのです。それは擬音、擬態語を伴った日本語の構造とか、自由に解釈できる宗教的バックボーンや畳に座する文化などによるもので、日本独自の話芸をはぐくんだわけです。怪談もその一つ。
ちょっとそういう話になりました。田辺さんがそれでも無理やり聞いたという米国で聞いた神父の霊の話は、立派な怪談になってますけどねえ。私も日本人がイタリアの寺院で遭遇した怪異の話を。ところがイタリア人は全然これを怖がっていないという話。
いっぺん、アングロサクソン系の人たちとそんな話をしてみたいもんですな。
それと、こういう場所でしか言えない、事件性のある怪談を。当時報道された事件。人名、場所、日付、みんな言います。どうせネットで調べればわかりますもん。

そして、第二部。市松人形を皆さんの前にご披露。
私の印象では、やっぱり最初と印象が全然違う。顔の表情も違う。まがまがしさはまったく無い。
私、家に連れ帰って箱から出し、ずっと囲炉裏の横に置いていたんですけど。まったく何もありませんでした。

ということで、会場の皆さんに存分に写真をとっていただいたところで、〆の怪談を。
これもある事件がもととなった話。ただ、この中で事件と話との整合性を持たせるために、ある怪談タレントが創作した部分に、真実のカギがあったという、これも因果というものを思わせる話。本にはしていないけど、本にするといろんなものをボヤかされざるを得ないので、こんなシンプルな話にはならんでしょう。

で、2016年9月4日21:45頃、36夜続けてきた「怪談の魔」はいったんおひらきに。
いやあ、最初この企画を考えたとき、こんなにもゲストの方にでていただくとは思いませんでした。
21人(のべ31人)のゲストと2時間のガチ怪談は、私にとっては貴重な体験、財産となりました。そしてなんやかやと言いながら、のべ643人のお客さんに足を運んでいただきました。
来場くださった方、ほんとうにありがとうございました。
そして、行かなくとも、このブログ等を読みながら応援してくださった方々にも御礼申し上げます。
みなさまがいらっしゃらなかったら、何をやっても、屁、みたいなものですよ。
ほんま感謝しております。

でも、ようやく「怪談の魔」も認知されて、お客さんも安定して入っていただくようになったんですけど。
真剣に思います。このような怪談の常設小屋をやってみたいと。
大変ですけどね。きっと大して儲かれへんやろし。だからこそ、やりたいと。
やっぱり、こういう経験はどういうかたちにするにしろ、生かさんとね。

でも「怪談の魔」は、終わったわけじゃないですよ。
9月10日(土)の19:30より、いつもの時間割で、最後の「怪談の魔」を開催します。
ゲストは無し。真名子をMCに、私の独演会です。
「幽霊とはなんぞや?」というテーマを設定して、それに関する怪談を語ります。
第一部、二部の構成。入れ替え制の1000円となります。


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その後、打ち上げもお客さんと一緒にやりたい、ということで。ネットラジオ「気まま酒家」にて、反省会という名の宴会を催します。そしてその模様を23時より生放送いたします。「怪談の魔」について、語り合います。
でも、もうそろそろ人数の限界?
なお、お化け屋敷「人形塚の家」は、11日まで連日やっています。
ホンモノの霊が最近発生しているようですので、霊スポットに行く感覚で行ってみてください。
きっとその夜、肩が重くなって、夜寝苦しい?



終わり、かあ。
今宵は久しぶりに、家の中におる……?










kaidanyawa at 07:18|PermalinkComments(20)
プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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