2006年09月20日

自分の文章と口調。その2

 中山市朗です。

 作品と語り口調について

 作者の口調が作品に出る、という話題の続きです。
 有栖川有栖、京極夏彦、岩井志麻子、加門七海、福澤徹三、高橋克彦、伊藤潤二、東雅夫といった、お仕事ご一緒させていただいた作家の人たちは、実はみんな饒舌です。話しが理論的で、なおかつおもしろい。中島らもは独特なポツリしゃべり。漫画家の山岸涼子は、すごく聞き上手な方でした。
 ロフトプラスワンのステージなんかでもお客として来ている作家さんに、急遽上がっていただいても、たいがい、サッと興味ある話題を振って、独特の話法で披露されます。
 やっぱり落語好きな人が多いようで、雑誌『ダ・ヴィンチ』が主催で、「作家たちが語る百物語」という催しがあった時、加門七海と藤田節子のお二人が、ライブのチケットが取れた、取れないのお話をこそこそとしている。誰のライブ? 聞いてみると春風亭小朝師匠の独演会でした。中島らもは高座着で実際落語演じてましたしね。


 さて、口調とはリズム、テンポを含みます。
 リズム、テンポ、これは音楽用語ですね。

 テンポがいい、というのは別に早ければいい、というものでもないんです。
 作品によって合ったリズム、テンポがありますし、場面によっても違う。
 これは、教えられるものではないんです。
 その人のセンス、その人の体感、その人の生活状態にもあるんでしょうな。
 それが作品に現れる。
 考えてみたら、これは恐ろしいことかもしれません。
 テンポよく仕事をこなしているプロの作家は、テンポのいい作品をどんどんお書きになるが、ダラッと怠けている学生は、たまに書けても、ダラッとした作品になってしまう。
 私、十何年も学生の作品見てきましたから、わかるんです。その場をとりつくろった作品か、積み重ねてきたものかが。怠けているのか、精進しているのかも。

 なぜなら、その人の私生活が、テンポやリズムが作品に反映されていますから。


kaidanyawa at 16:55│Comments(0)

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プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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