2012年04月28日

そして誰もいなくなるよ その2

 中山市朗です。

 昨日の続きです。
 塾代表・スガノ、Tくん。
 マルチ商法・Kくん、その親(上司)。
 
 スガノはもちろん知らないフリです。Tくんが呼び出されたのは合コンかと思ってついてきたという体。事実スガノは、Tくんは合コンに呼ばれて、だから我々に隠していたと解釈していたようで、Kくんに「俺にも会わせろ」としきりにメールをしていたそうです。ゲスな奴です。
 そのメールでKくん、察した。スガノさんが来る。で、さっそく親(上司)である大学の後輩に、「今日、こういう人が来ます(なぜか後輩に敬語だったそうです)」と、スガノの書いた本やブログのコピーまで渡そうとしていたらしい。スガノの個人情報だだ漏れ。
 Kくん、洗脳されてます。どっちが味方かわかっていない。
 一方こちらは情報なし。この時点ではKくんへの聞き取り調査もしていません。ただ、Yくんから聞かされた内容からの察知。
 さて、本番。15分遅れて親が来たといいます。もう向こうは状況を知っています。
 向こうの第一声。スガノに対して、
「ああ、本を書いていらっしゃるそうで。塾のことは聞いています。役員の方ですか?」
「役員? 僕はただ薄給で」
 そしたら「年収はいくらですか?」と聞きやがったらしい。
 ゲス対決です。
 スガノは言います。「あの、儲け話を聞かせてください」
「儲かるとか、そんな話じゃないんで。あの、わかってますから本音で話しましょう。なんでも聞いてください。全部言いますから」
 と防御を張ってきた。もうノってきません。
 ただ、だいたいこんな話になったらしい。
「うちは法律的には何も間違っていませんし、マルチでもありません。合法的なネットワーク・ビジネスです。ほら、雑誌にも紹介されています」と雑誌を見せる。
 スガノは言います。「あのね、雑誌なんてスポンサーありきでしょ。これ、そこの業界誌じゃないですか。オウム真理教が金出してオウムの肯定本を出版するのと同じですよ」
 相手はいや〜な顔をして雑誌を引っ込めた。
 さて、相手はいかにこれが違法でないかの説明。
 入会金はない。だから会員への負担は一切ない。商品は素晴らしい。その一点張り。
 スガノ斬り込む。
「あのね、うちのYやTは電話で呼び出されて、情報も与えられずに現場へ行って、そこで二人掛かりで勧められています。これは消費者契約法の不実告知に違反しているのでは」
「それはまあ、そんな人もいるかもしれませんが、うちにはマニュアルはないので」
 言いながら、Tくんは細かいマニュアルが開かれた分厚い冊子を手渡されたらしい。この証拠物件は、家に持って帰ったそうなので、後で読ませてもらいます。
「これはマルチですよね。親が子を作って、その子がまた子を作って。このまま十数代いけば、日本の人口を超える計算になりますよね。それはどうお考えですか?」
(注釈:一人の親が二人の子供を作るという連鎖の場合、28代目で1億3400万人となり、日本の人口を超える。アホでも分かる道理)
「倍々にはなりません。なぜなら途中で区切りますから」
「区切る? えっ、えっ?」
「売る商品は消耗品なので連鎖されません」
「いや、たくさんの子がいるほうが儲かるんでしょ? 今Kくんを使ってTくんを呼び出して、こうして勧誘しているってことは、そういうことでしょ?」
「そういう仕組みではありません」
「じゃあ、10人いる子がゴソッと抜けたら、その分損するわけでしょ」
「損はしません、上納金とかもありませんし、減っても損はありえないんです」
「でも、会員が減ったら、損をするわけでしょ」

 こういうことです。子の子の子と下に行きます。区切ります(?)。これ以上増えたら日本の人口を超えますから。一番下の子は、子が出来ないので売ることができません。買わされるばかり。またその数はピラミッドの底辺なので、膨大なわけです。数千万規模です。つまり、これは大部分の人が出費をするだけで、計算上、販売組織は破綻するわけです。それがわからんのか、という質問をしたいわけです。
 そしたら消耗品なので、連鎖されないって、回答になっとらん。
 あのね、こういう会社が破綻しないでいるのは、途中で辞める人がたくさんいるから。そうすれば表面上は続いている、というそれだけのこと。
 ともかくスガノは「これは絶対マルチ商法。これは成り立たない」と攻めたわけです。そしたら、
「マルチとか、そういうことではないんです。僕たちはいい商品があるので、ただただ薦めているだけです。儲けなんて考えていません」
「じゃあ、権利収入とかビジネスとか言うなよ!」

 またまた続きます。

 

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kaidanyawa at 22:45│Comments(0)

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プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


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