2019年02月03日

作劇塾の理想形

中山市朗です。

4月より、作劇塾のリニューアルを考えていると、以前告知しました。

今、考えていることをつらつらと書きます。

そもそも、作劇塾を創ったきっかけは、非常勤講師をしていた大型専門学校との教育方針のずれと、作家になる前の私がほしかったものを、作家志望者に与えてあげたい、という思いからでした。

そのひな型は、以前書きましたように、20代の私がよく遊びに行っていた竹内義和さんの事務所にあります。
学生の頃からその事務所に行っていたんです。若いライターや作家志望者、映画関係者、造形師といった食えているのかそうでなにいのか、わからない人たちが個人個人でデスクを持ち、夢を語り合ったり、企画を立ち上げたり、仕事をもらったり、飲みに行ったり、そして芸術論だの政治論だの宗教論だのをふっかけたり議論したり。
後に映画『帝都大戦』の監督をやったり、『リング』『呪怨』などをプロデュースする一瀬隆重さんもデスクを置いていましたし、まだMAKOTOと言っていた北野誠さんも、たまに顔をだしたりしていました。まだまだみんな売れる前。
そのうち、竹内さんは大阪書籍から『大映テレビの研究』を出版、ベストセラーとなり、たちまち時の人になりました。竹内さん、31歳でしたか。後に知ったのですが、それまで竹内さんも食えていなかったらしい。
みんな特撮好きで、特撮映画について語り合ったりもしました。
そんな中で、竹内さんが筆頭になって東宝映画社に営業をかけて、実現したのが『東宝特撮映画全史』という大型本。1983年のことでした。
ビデオの無い時代に、これだけ東宝特撮映画を網羅し、細かく資料やスチール写真付きで解説したのは、もう執念というか、凄いというか、好きだからこそ、というか。竹内さんの事務所に通っていたライターたちは、たちまちこの仕事に飛びつきました。

史東宝特撮映画全










私もこの本の制作に関わらしてもらいました。また、文章を書いて最初にギャラをもらったのも竹内さんから原稿依頼を受けてのこと。秋田書店から出た『特撮SFX大全科』という豆本。名前も載ったんですよ。中山市朗名義でなく、本名で。まだペンネームが無かった。

SFX















和泉聖治監督の『魔女卵』という東映映画配給の映画の制作進行も、この事務所に出入りしている人から紹介されて行ったわけです。プロの映画製作の現場、初体験でした。
私は大学を出て、就職をするという選択肢を選ばず、あくまでフリーとして生きていくという覚悟を決めておりましたので、まあ、ガッツいていたでしょう。
でも、私の周りにいた人たちもそうでした。お互い刺激しあい、喧嘩もし、協調しながら、プロの作家、ライター、映画製作者となっていくのをこの目で見ていたわけです。
 
思うに、こういう業界で生きていくのは、テクニックはもちろんですが、テクニックを発揮できる場所が必要なんだと思ったわけです。そういう場所には、必ず業界人がいるわけです。そして、仕事をする、その対価をもらう、というプロの現場を知るわけです。

専門学校は、そういう現場を嫌がって、頭の中だけで完結することを奨励していたように思えたわけです。

私が理想とする塾の在り方は、まさにこれなんです。
プロの現場がそこにある。
それがプロの人間を、人材を作るんです。


続く。




kaidanyawa at 07:00│Comments(2)

この記事へのコメント

1. Posted by メカゴジラ   2019年02月04日 21:28
東宝特撮映画全史、今でも持っていますよ(笑)
ぜひ怪談だけではなく、特撮映画、怪獣映画の
トークライブを、ぜひ開催してもらいたいと
思います(笑)
特撮 怪獣映画好きなんですよね(笑)
2. Posted by 中山市朗   2019年02月04日 22:40
メカゴジラさん。

特撮映画のトーク。好きですけど、やりたいですけど、特撮について語れる肩書がないですからね。肩書を持つ人をゲストに呼ぶしか……。

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プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

オフィスイチロウ


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