2019年05月17日

なぜ千日前怪談なのか?

中山市朗です。


いよいよ明日は、桜井館長との『Dark Night』。東京での開催です。

特に新宿でのオールナイトの部は「千日前怪談」の特集をいたします。
なぜ、東京で、大阪の千日前の怪談を語るのか?

東京にはこんな場所は無いからです。いや、世界でも珍しいでしょう。大都会のど真ん中が昔、墓場で差別されたものが住まわされ、処刑が行われ、さらし首が獄門台に置かれた場所であり、墓所も処刑場も廃止され移転されたのちも、繁栄と滅亡の歴史にさらされながら、現在も大阪ミナミの繁華街でありながら、街そのものが霊スポットであるという場所は……。

大阪の道頓堀は、大阪に来たことが無い人でも、グリコの看板とかカニ道楽とかご存知でしょう。大阪といえば、ここか通天閣が映画やドラマとなればよく出てきます。

道頓堀











ここは大阪ミナミと呼ばれる繁華街で、江戸時代から芝居小屋が建ち並ぶやはり大阪でもいちばんにぎやかだった場所です。千日前はここから歩いてすぐ、南側に位置しています。

道頓堀 江戸












道頓堀と千日前は、大坂冬の陣、夏の陣の後からその歴史が始まります。そして大坂最大の墓所と処刑場を持った大坂城の裏鬼門として250年以上の歴史を持つわけです。おそらくその間、数万人規模の人がここで斬首されたと思われます。また、大坂最大の墓所であり、墓所の入り口にあった竹林寺、法善寺からは回向が行われ、千日間途切れることが無かったので、両寺は千日寺と呼ばれ、その寺の前の筋、ということで、千日前となったのでありました。
道頓堀に角座という劇場がありまして、その楽屋の窓から獄門台にさらされた首が見えたとか。

明治になって、刑場は廃止、墓所は移転しても、なかなか噂は消えず、明治の大火や大阪空襲により壊滅しながらも、大阪ミナミ最大の繁華街となりましたが、昭和47年には118人の犠牲者を出した千日デパート火災事件も起き、墓所の怪談が千日デパートの怪談にシフトしていきます……。

アムザ1000前



















江戸時代、仕置場(つまり首の落とし場)のあった場所には、今はこんなビルが建ち、ホテルや飲食街、映画館や劇場が建ち並んでいます。
お笑いのメッカ、ヨシモトのなんばグランド花月(NGK)も、NMB48劇場もこの通りにあります。その向こうは道具筋となっていまして、飲食関係のものなら何でもそろう商店街です。
とにかく今は、外国人観光客もものすごい数となっております。

NGK















で、こんな場所が霊スポット。わざわざ辺鄙な場所にある霊スポットに行かなくても、ここでショッピングをしたり、歩いているだけで、怪異に遭遇する確率が高い、という場所なのですよ。
現在、千日デパート跡には、大型の家電新売店が入るビルがありますが、ここの逸話もいっぱいあります。
借りたら絶対に死ぬ、という某雑居ビルの一室というのもあります。
毎日のように胡麻供養がなされています。供養されている僧侶は、実は私の知り合いなのですが……。

刑場や墓所は当然、江戸や京都にもありました。
京都は粟田口刑場と西土手刑場があり、粟田口刑場跡は東山の国道1号線沿いにひっそりとあり、西土手も京都市内にはありますが、千日前のような繁華街ではありません。
江戸にも、鈴ヶ森、小塚原、大和田といった三大刑場がありましたが、品川区にある鈴ヶ森経常跡は雑木林の中、小塚原刑場跡地も荒川区南千住に、これまたひっそりと存在しているだけです。大和田経常跡は八王子市となりますしね。

鈴ヶ森




















というわけでして、今も霊の噂がやまない千日前。特にここの劇場に出演している芸人さんや警備を担当している警備会社の人から、お店を持つオーナーから、怪異蒐集家としていろいろなお話を伺っておりますし、この私も怪異体験しております。
千日前の歴史や土地の因縁、さらには道頓堀などもあわせて、歴史的、民俗学的にあわせて体系化しながら、桜井さんと丁々発止、語ってみたいと思います。
とにかく、こんな場所、他にないですから、他ではこのような形の怪談はお披露目できないと思います。

本に書いたことはありますが、まとめてじっくりと語ることは大阪でもやっていません。
今回が、千日前怪談総集編の、初語りであります!
 
もちろん、千日前怪談のみならず、桜井さんともども、新作怪談も語りますよ。


会場は新宿劇場バティオス。
開場 23:45
開演 24:15    終演 5:15(予定)
前売 4000円  当日 4500円





kaidanyawa at 07:00│Comments(9)

この記事へのコメント

1. Posted by 人喰い愚地rebirth   2019年05月17日 09:58
おはようございます。小塚原(骨ヶ原)のエピソードは未だに聞いた事がないので(単に情報弱者なだけか、千日前がインパクト大き過ぎるこらか)、イベントの流れの何処かでサラッと織り込んで戴けると嬉しいです。
2. Posted by 鈴木   2019年05月17日 19:06
借りたら絶対に死ぬ、って言う一室、怖いですね。
明日はたっぷり昼寝して池袋から参戦しようと
思います。最近、ロクな事がないので新宿でお清めの塩を買って、厄落とししたいです。
3. Posted by ぺるそな   2019年05月17日 21:20
何時もありがとうございます。
以前、自分も千日前の事を色々調べて回りましたが
一番インパクトが有ったのが阿倍野墓地に有る千日前墓地に有った迎え仏が現存していた事と法善寺さんの墓地でした。あそこには以前の千日前墓地の雰囲気が切り取られたような雰囲気と言うかそこだけ置き去りにされた感が有りました。冥土の飛脚の三勝さんのお墓もどこかに有るようです。また機会が有れば行ってみたいと思います。
4. Posted by ひろみつ   2019年05月17日 23:17
中山先生明日盛況祈ってます

千日前怪談は大坂夏の陣にはじまる巨大な大河のような世界だと思います。伝奇ロマンの性格をいつのまにか持ってしまったように思います
5. Posted by 中山市朗   2019年05月18日 02:19
人喰い愚地rebirthさん。

小塚原などの話は、桜井館長が語ってくれるんじゃないですかな。

鈴木さん。

その話しますよ。本にも書いていません。

ぺるそなさん。

迎え仏は2体、千日墓所にあったのですが、2体とも阿倍野墓地に残っていますね。千日前は府が、なるべく墓所だったところの痕跡を残したくなく、繁華街にしたんですけど、やっぱり残るんですよ。

ひろみつさん。

もっといろいろありそうですけどね。
6. Posted by 鎌倉からの参加者   2019年05月18日 09:47
中山先生、おはようございます。

こちらに書くのは久しぶりです。
本日池袋、新宿共に伺います。
処刑場関係は障りが少し心配ではありますが、貴重な話が聞けるものと期待しております!
7. Posted by FKJ   2019年05月18日 21:28
偶然にも5/18土のNHKブラタモリは「大阪ミナミ」特集でした。
https://www4.nhk.or.jp/buratamori/x/2019-05-18/21/2148/2009133/
道頓堀の中座の通りが芝居小屋が並んでいたこと。川沿いの店と中座側の区画は江戸時代と殆ど変わらないそうです。
ミナミはいかにしてお笑いの町になったかでビックカメラ横の墓地に入りさりげなく江戸の太火には触れていましたが千日前デパートまでは触れませんでした。
見逃した方は数週間後の深夜に再放送があると思いますのでそちらを。
8. Posted by ?   2019年05月19日 00:42
FKJさん、最後の15分くらいを偶然みました。
再放送を心待ちにしたいと思います。
情報ありがとうございますm(_ _)m

火場ってなに?

のクイズ、ピーンときて何気に正解してしまいました。
中山さんのおかげです(^ω^)
9. Posted by 中山市朗   2019年05月19日 23:12
FKJさん、?さん。

見逃しました。再放送があればまずは録画しておきます。

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プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


作劇塾

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