2019年08月28日

知らずのうちに、神様の祟りが、あなたに〜?

中山市朗です。

「触らぬ神に祟りなし」

この言葉を辞書で引くと、一つは、関わり合いさえしなければ、余計な災いを被る心配はないという、主に逃げの処世をいう(故事ことわざ辞典)。
とありますが、もうひとつはそのまま、神様との関りを持たなければ、神様の祟りを受けるはずもない。という意味もあります。

私の周囲にもいますが、やたら神社に行って神様に願掛けする人っていませんか。ああいう人って、もう自分は何に願掛けしているかわからなくなっているんじゃないかと思います。
あるいは、御朱印集めをする人や、パワースポットとして巡っている人も。

江戸時代は、神社に参拝するのが娯楽でして、旅をするというのは商用とか武者修行みたいなもの以外はほとんどそうだったと思われます。武者修行だって山に入って神の前で何かを誓ったでしょうしね。上方落語に『東の旅』という連続した落語がありますが、あれもお伊勢参りの道中を描写したものでした。
十返舎一九が書いた『東海道中膝栗毛』がその伊勢参りブームの火付けをしたそうですが、庶民にとって伊勢参りは憧れの観光旅行。伊勢神宮の参拝を言い訳に、道中、あちこち見て回り、温泉にも浸り、あちこちでおいしいものを味わったことでしょう。怪異にも遭ったかな?
また、「お伊勢さんに行く」と言うと、嫌な仕事はキャンセルできた。というより止められなかったんですな。
止めたら止めた者に罰が当たる、と。

でもそうちょくちょく行けるものでも無い。旅費もかかりますしね。江戸からだと歩いていきますから往復で一ヶ月はかかりますし。

でも、あんまり神様にお参りするのも、問題です。

御朱印集めをしている人。スタンプラリーと勘違いしていませんか?
そもそも御朱印というのは、写経をおさめたという証にお寺よりいただいた受付の印から発祥するものですから、ちゃんとお参りを済ませてからいただくものです。だいたい御朱印帳を持って帰って、保管の仕方ご存知なのですかねえ。神棚や仏壇に置いておくのが正しい保管の仕方です。えっ、神棚も仏壇も無い?
そういう場合は……。

パワースポットも、陰のスポットもあれば、陽のスポットもあります。パワー、力と言うのは、良きに使うとよろしいですが、悪に行くととんでもない災いを招きます。またそういうパワーほど、人を惹きつけたりする。

なあんて、スピリチュアルなことを言っておりますが、人間、いろいろ考えて行動せなあきません。

だいたい、神様というものを現代の日本人はどう解釈しているのでしょう?
なんか、神様というとJesus Kleist みたいなイメージを持っていませんか?
日本の神様と『聖書』に出てくる神様は全然違うものですからね。

ここ数年、『新耳袋』ではあえて触れなかった、呪い、祟り系の怪異を耳にし、取材をすることが多くなりました。
ちょうど、もう一つの私のライフワークである「古代史」研究も、日本の神の本質を見なければならないところまで到達していて、そうなると、神々の成り立ちや信仰形態、奥義を知らなければならない、ということになります。
すると、やはり神秘は存在する、と実感するわけです。
畏怖する、と言いますか。


久美浜・神社熊野











畏は、おそれる、かしこまるを意味し、怖は、こわい、怯える、ことを意味します。
何に畏怖するのか、というと、見えないが、何か力のあるモノであり、その神秘な力に圧倒される自分がいる。その力に対して、恐れながらも敬う心のことを言うわけです。

ただし、日本の神々は、『聖書』の神と違って、自然のものが神々として祀ってあります。
太陽や月、星が神様だったり、山や海が神であったり山や木、岩や石に神は宿り、蛇や狐、狗にも神は宿ります。八百万の神ですな。
その神々のどれもが手を合わせてもよい、ということでもない、

中には荒ぶる神もいるし、祟り神もいる。まったく正体のわからない神もいる。神社や祠の前でやたら手を合わせるという行為は、ひょっとしたらそういう神様を自分に引き寄せようという行為かも知れません。
また、その祠は、迷った死者たちを鎮魂したものかも知れないし、悪霊や鬼を封印したものかも知れない。知らずとはいえ、そんなものに手を合わせて、何かを祈願したとしたら……。

仏教には祟りと言う言葉も概念もありませんが、日本の神々(神道)の世界にはあります。一旦祈願し、家に祀ると子孫が永遠にこの神を祀らねばならない、それを怠ると……、という事態にもなりかねない。
狗神だって、神ですからね。

逆に何もしなければ、何も起こらない。
触らぬ神に祟りなし、とはこのこと。


牛久縁切り稲荷_縁切り藁人形















無信心になれというわけではないのです。ただ、神様のことは多少は知る努力はした方がいいということ。神社に参拝もせずに御朱印だけもらって、コレクションをするという行為は、神社や神様にとってどう映るかということですな。そういうマナーを知らなかったり、身勝手なことをする人に、少なくとも神様がご利益をくださるのかということ。
そこ、よ〜く考えて、神様と向かい合いましょう。

ちなみに私は、取材や調査で神社や祭祀場に入ることが多々ありますが、手を合わせたりお賽銭を上げたり、おみくじを引いたりしたことはありません。ま、ゲストの方と来た時、お付き合い程度にするくらい。

おかげさまで、罰が当たった、と思ったことは一度もありません。はい。

そんな祟り、呪いの話を聞きたい人、東京でイベントありますよ!(宣伝かーい)

9月16日(祝)
電子書籍『なまなりさん』リニューアル発売記念!
『なまなりトーク』
中山市朗(原作者・作家)VS千之ナイフ(作画・漫画家)

呪い祟りは本当にある!

場所 神保町 ブックカフェ20世紀
時間 18:00〜20:00
前売3000円 当日3500円(ワンドリンク付き)

ご予約、お問合せはオフィスイチロウまで。

info@officeichirou.com

IMG_5912























そして、私の新刊『怪談狩り〜あの子はだあれ』
その神様の呪いの話も入っていますよ。



おそろしや。祟り……。






kaidanyawa at 00:31│Comments(10)

この記事へのコメント

1. Posted by 高井   2019年08月28日 18:40
いつも正月は家族で家の近くの神社にお参りに行くのが恒例だったのですが、その年だけなぜだったか車に乗って別の大きな神社に家族でお参りに行きました。
そしたら2日後に元気だった祖母が心臓発作で急死しました。
関係あるかはわかりませんが、それから十数年間現在に至るまで、家族全員家の近くの神社以外にはお参りに行ってません。
2. Posted by 中山市朗   2019年08月28日 19:49
高井さん。

そこですよね。習慣を破って氏神に参らずに別の神社に参ったら、2日後に元気だった祖母が亡くなった。これを偶然とするのか、神の怒りに触れたと思うのか。
偶然と思って次の初詣も別の神社に行くとまた別の家族が死ぬかもしれない。
呪いや祟りを完全否定できないのがここですね。
3. Posted by グッドタイム   2019年08月28日 23:42
中山先生、こんばんは。
怪談狩り、読ませて貰っていますm(_ _)m
実は、消えるのエピソードなのですが…
小学生時代に…
我が家は当時、ボロボロの倉庫兼車庫(とある会社の古い倉庫)の二階で暮らしていたのですが、その車庫を通り、奥まで行くと玄関が有り、玄関を入ると、台所と急な階段(はしご?)、二階に上がると右手に茶の間、少し行くと親の寝室、その先には子供部屋、一本の廊下を歩いて進むのですが…
自分はその時、朝から熱を出して寝込んでいたのですが、夢で二段ベッドから落ちる夢を見ました。
そしたら、家の目の前に砂利道(現在は舗装路)そこに落ちていた事がありました。
この時、母親の兄がトラクターで通りかかり(と言うか、目の前に空から落ちてきたらしいですが)拾って家まで届けてくれました。
たまたま歩いていた、同級生にも目撃され、学校で、それなりに話題にされました。
ちなみに、外に出るには、廊下を通り、両親のいる茶の間の前を通らないと出れないので、親はかなりビックリしていました。
部屋で寝てた子供が頭から血を流して帰ってきたら、そりゃ驚きますよね((((;゜Д゜))))
と言う事がありました😓
4. Posted by 中山市朗   2019年08月29日 06:29
グッドタイムさん。

その話、凄く面白いじゃないですか。直接聞かせていただく機会が欲しいです!
5. Posted by グッドタイム   2019年08月29日 10:19
怪談会に参加したいのですが、大阪はなかなか遠く、最近は関東へ行くことも難しい有様でして…
6. Posted by 寒い朝   2019年09月05日 12:54
皆さんのお話、興味深く拝見しました。
恩恵を受けている場所は、感謝や畏怖や礼としての対応があるものだと感じています。
「井戸」にまつわる話も親戚でありまして、触ってはいけない領域もあると怖くなりました。行った人達には悪気が無くても「していけない域」犯すと災いがあるものです。後、下水道工事も行うと運が変わるといいます。
「水」に関わる神様への対応となのかと、思いますが理解するのが難しい領域ですね。
7. Posted by 中山市朗   2019年09月05日 23:33
寒い朝さん。

その井戸にまつわる話、ぜひ詳しく聞きたいものです。
水と神様は、とても深いですよ。
8. Posted by 寒い朝   2019年09月11日 18:49
>>7
中山様
人伝から聞いた話なので詳しくはお話出来ないです。某田舎の農家の離れを家の改築を長男さんが行いました。古びた井戸もありましたが、改築で閉じてしまったとか。
長男さんとその息子さんが癌を煩い、長男さんが亡くなります。閉じた井戸にはイワク話があり、関わると人に災いを及ぼしたので触らなかった井戸だそうです。
長男さんが亡くなった時に実母の方が告白して、お嫁さんが「なんで言ってくれなかったのか」攻めたそうです。事情知ってか何か対処されたのかわかりませんが、長男さんの息子さんは命が無くなっていません。長男さんのお父さん(叔父)のお葬式に出席した事がありましたが、地域特有の宗派だったのが印象深いです。
それを思うと、地域の宗教思想・神への祀り方にも深く関わっているように感じます。
遠縁てもあり、踏み込んだお話を聞けない状況です。詳しく聞くともっとリアルで淡々とした事実があるんでしょう。
9. Posted by 中山市朗   2019年09月13日 23:10
寒い朝さん。

やっぱり直に聞きたいです!
10. Posted by 寒い朝   2019年09月17日 12:59
>>9
中山様

お恥ずかしい話、興味を持って頂いて恐縮です。
上記の話は簡単にまとめていますが、加えるとしたら「業・欲」が入っております。
話をすると「醜さ・浅ましさ」も関係するので関係が遠いとは言え言いにくい。(^_^;)
神様に痛い目に合うときは、悪気が無くとも「人側の身勝手さ」が関係していると思っています。
井戸の対応は理解できますが、下水道工事の罰の当たり方が「不可解」で怖いです。

下水道工事しただけで、一家が崩壊した近所の方の話は昔に聞いた話でも怖さが半端ないです。それだけ「水の神様」の向き合い方や対応は難しいと思います。

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プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


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