2019年12月01日

ダビデの星は日ユ同祖論の根拠になるのか? ならないのか?

中山市朗です。

WEBマガジン『神秘之国、日本』を購読の皆様、一日遅れて『古代イスラエルと大和民族〜日ユ同祖論の徹底の検証・第七章 ヘキサグラムとペンタグラム」を配信いたしました。
今回は無料配信といたしましたので、このブログをお読みの方は、全員読めます。

さて、今まで『古代イスラエルと大和民族〜日ユ同祖論の徹底検証』は、日ユ同祖論とユダヤ陰謀論を同時に語る日本人とは何だ、ということで、いろいろ考察してきました。
日ユ同祖論は、どうも提唱した人の動機や、根拠が怪しく、正史や民俗学的な見地からはまともに相手にされないのも、致し方が無い、ということになりました。
結局、日本人は本当のユダヤ人を知らないが故の、また『聖書』もまともに読まないから、ちゃんとしたことがわからない、誤解は誤解を生む、ということで、今もそのまま語られているということなのでしょうか?

今、日ユ同祖論を積極的に肯定しているのは、飛鳥昭雄氏、久保有政氏のお二人でしょうか。月刊『ムー』の三上編集長も"立場上"肯定派ということをおっしゃっております。また、元イスラエル大使エイリアフ・コーヘン氏や、元ラビのマーヴィン・トケイヤー氏といった日本の文化や歴史を知るユダヤ人がこの話題に関心を持ち、肯定的な発言をしていることも事実です。

私は、日ユ同祖論について、実は懐疑派なのです。否定をしているわけでもないが、かといって肯定もしない。だいたい日本語とヘブライ語は類似点がたくさんある、といわれても大和時代の日本語も古代のヘブライ語も分かりませんから、そう書かれたものを読んで、信用するかしないかにしかなりません。でもこの場合、肯定材料も否定材料も、私は持ち合わせていない、ということになります。

DNAを調べればわかる、ということですが、同じ結果で「明確に否定された」とする人もいれば「肯定された」という人もいます。この場合、ユダヤ人とはたして何をしていうのか、という解釈によって結論も違ってくる、ということが言えるのでしょうか。

私が『古代イスラエルと大和民族〜日ユ同祖論の徹底検証』の掲載を自分のWEBマガジンでしているのは、私自身が「日ユ同祖論」の真実を知りたいと思ったからです。原稿を書くということは、改めて調べ直すということであり、疑問に思ったことは自分で調べ、洗い直すという作業をすることです。すると、知っていたような気がすることも、実は知らなかったり、誰かの説を鵜呑みにしていただけ、ということもあったりするわけです。

例えばですよ。
「日ユ同祖論」は語呂合わせであり、論理ではないとする否定論者がいます。でもその否定論者の否定論が非帝の為の否定でしかないことも多く、どっちもどっち、と感もあります。

さて、今回のWEBマガジンは「ヘキサグラムとペンタグラム」としました。
六芒星と五芒星、ダビデの星とソロモンの星、というわけです。

ダビデの星は、現在イスラエル共和国の国旗にも使用され、ユダヤ人のエンブレムとして有名です。
そしてこのダビデの星と似た紋章が、伊勢神宮の参道にある何百本もの石灯籠に彫られていて、それは伊雑宮の紋章だとか、元伊勢の真名井神社の神紋だとかと、これらの神社は日本国の建国に関わる場所なだけに、ユダヤとの関係が示唆されるのではないか、とするわけです。
しかし、否定論者は、ある説を引用して、これをいとも簡単に否定するわけです。

例えば、淡路島のあるホテルの敷地から古代のユダヤ遺跡と思われるものが発掘されたことがありました。2017年に発掘65周年の式典が行われたのですが、元イスラエル大使のコーヘン氏なども列席したということを『ムー』の三上編集長が報告していました。、この中にダビデの星が彫られた指輪もあったことをMuTubeで発言しているんですね。

そしたらこんなコメントが付いていました。


★ダビデの星って歴史が浅いから、古墳に有ったらむしろ逆の無関係という証拠になる。

★六芒星は古代ユダヤと関係なく数百年前に出てきた新しめのもので古代ユダヤとは関係ないとわかっています。六芒星と関連付けられるのは今の偽イスラエルとの関連だけです。


さて、このダビデの星はユダヤと関係が無いという発言はどこからくるのでしょう。

おそらく元ネタはWikipediaです。
ダビデの星の項に、由来・起源について書かれてあり、それによるとダビデの星は、17世紀にハプスブルグ家が
30年戦争に参加したユダヤ人部隊の旗印に困って、イエズス会に相談したところ、誰もユダヤ人の印を知らなかったので新しく作った、とあるわけですね。それが17世紀に定められたので、それ以前にユダヤの印としてのダビデ紋は存在せず、よって日ユ同祖論の根拠にはならない。却ってそんなものを持ち出すのは、何も知らないヤツだ、という論調になるわけです。
いろいろネットを見てみますと、この17世紀から、ダビデの星が初めて採用された、とする論調が確かに多く見られます。しかし、調べてみるとそれも怪しいとわかります。

ならば、Wikipediaで『レニングラード写本』を検索してみてください。この写本は最古のヘブライ語写本の聖書の一つで、1008年に写本されたものです。この表紙にダビデの星が使用されています。

レニングラード写本














11世紀の写本ですよ。ユダヤのエンブレムはここからダビデ紋となったという説もあります。また、中世のユダヤの神秘学者(カバリスト)たちも、六芒星をいろいろな象徴として使用しています。


ダビデ紋

























そして、紀元前や紀元3世紀頃の、中東や北アフリカにあった古代のシナゴーク〔ユダヤ教の寺院〕跡からも、ダビデの星、ソロモンの星は出てきています。ただし、これがユダヤのエンブレムとして使われたのか、意匠としてのものなのかはわかりません。しかし、17世紀以前にはダビデの星は、ユダヤ人は全く使っていない、古代のユダヤとは関係が無い、とは一概には言えない、ということになります。


なお、古代の遺跡に現れたダビデの星は、無料配信した今号に何点か写真を張り付けておりますので、参照してください。解像度の悪いものもありますが。


下の表紙をクリック。
11月30日 無料とある部分をクリックすればページが開きます。


 




kaidanyawa at 14:16│Comments(3)

この記事へのコメント

1. Posted by ?   2019年12月02日 05:17
あー。
どうやら「呪術」として使っていたようですね。
そのため、世の東西を問わず、時代時間もばらばらに、あちこちで出現するのですね。
ユダヤつながりではなく、呪術つながりなんでしょう。

とはいえ、呪術つながりの中に、過去のユダヤたちがいなかったとはいえませんし、

肯定も否定もできない。

というところでしょうか、現在の段階は。
2. Posted by 中山市朗   2019年12月03日 02:48
?さん。

呪術というか護符の印として、五芒星も六芒星も古代の中近東などで使われていたようです。ただ、ユダヤ寺院(シナゴーク)で使われていることが多いのは確かなようです。ただ、「レニングラード写本」の表紙にあるということは、ユダヤと何らかの関係があったことは確かだと思います。
3. Posted by ?   2019年12月04日 19:50
あー。
呪術というニュアンスに、おどろおどろしいもの、という意味でもおもちかな?
それらは、「どちらも」「あの世とこの世をつなぐゲート」としての機能
を持っています。

「それこそ」「オカルトの現物」

ともいうべき代物ですよ。

「ユダヤと何らかの関係があったことは確かだと思います。」

というよりも、

ユダヤ「も」何らかの関係があったことは確かだ。

といえるでしょうね。
本当に「起動できる」腕の持ち主には、実力に応じた不思議を与えてくれますからねー。

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プロフィール
中山市朗 【なかやまいちろう】


作家、怪異蒐集家

兵庫県生まれ。


主な著書に「新耳袋」など。

作家、漫画家の育成機関「作劇塾」を主宰。


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