2020年12月02日

『市桜怪談夜話』アーカイブ動画配信! 怪談の可能性を桜井館長とダベる、オマケ動画付き!

中山市朗です。

怪談図書館桜井館長とのコラボ企画『市桜怪談夜話』、テスト配信のアーカイブが上がっておりますので、張り付けておきます。

こちらは、テスト配信終了後に、館長と雑談が続いていたのですが、その部分も一部入っております。





その雑談なんですが、実は後半、戦争(先の大戦)について語りあってしまいました。

怪談、といえば、怖い話、お化けや幽霊が出てくる話、であることは確かなのですが、怪談をモチーフにいろいろなトークに発展することがあります。
私がゲストを招いて開催している『Dark Night』がまさにそれをやりたくて、あのような形にしているわけです。怪談を聞き話しながら、その土地の歴史や因果、あるいは日本人の死生観、宗教観、少し昔の風俗風習、あるいは芸談、文化論を語り、考えることにもなります。


夜話














桜井館長とは、今年の10月10日の第37回目の『Dark Night』に来ていただいて、千日前怪談の特集をしたわけですが、これなども怪談から、大阪の歴史を知り、今に至るその変遷、因果を知り、そこからまたその怪談の奥深さや意味を知ることになったわけです。大阪の歴史を勉強しよう、となると型ぐるしくもあり、難しくもありますが、怪談好きからすると、そこから見えてくる歴史や背景は、スッと頭の中に入ってくるのではないでしょうか。そして、何かを考えさせ、その怪談とその背景を知る前と後では。同じ風景でも違って見える、ということもあるかと思います。

怪談の真の魅力は、そこにもある、と私は思うのです。
で、その桜井館長との『Dark Night』は、最後のコーナーで私は、太平洋戦争のさ中、東京の下町が空襲で焼け野原になったことが背景となる怪談を披露したのです。
実は、打ち合わせのメールで、館長は「投稿いただいた末期の空襲時にあった不思議な話」をします、とあったので、私もそれに合わせてこの話を用意したわけですが、本番中、なかなか館長がこの話をしない。なので唐突にこの戦争中の話を披露したような形になったのですが。
桜井館長の心境には、空襲時を背景とした怪談を披露したくても、それを阻む気持ちもあったようなんですね。私が空襲時にあった怪談を披露すると、やっと館長もその話を語ってくれました。悲しくも美しい怪談でした。

そして、この後、桜井館長の中で何かが変わったようで、率先して戦争中の話を怪談図書館で募集し、その投稿を読ませていただいている、というのです。

確かに、戦争中の日本の現状はあまりに無残で悲惨で、しかも当時のことを理解しないまま、それを怪談として語る難しさ、あるいは不謹慎なことになるのでは、という心配があったのだろうということは理解しますが、私は怪談を披露している身だからこそ、こういう怪談を語ることも必要ではないか、いや、もっと言えば、積極的に若い人たちにも聞いてもらって、戦争や飢えや極限状態の人間の姿について考えていただきたいなと思っているわけです。
怪談だから、出来ることだと思います。
『火垂るの墓』を観たら、みんな涙し、戦争について何かを知るわけじゃないですか。怪談もそれができる力があると思うのですよ。桜井館長も、そこを理解していただけたのかなと。でも考えてみたら『火垂るの墓』も、最後怪談になってましたな。

戦争は悲惨だ、やってはいけない!
とは誰もが思うことです。でも、あの戦争で何があったのか、どんな惨状だったのかを、怪談は語ることができるんです。そこから、なぜあのような戦争が起きたのか、そこを語ることもできるのではないか。そういう、私と館長の思いが、動画の終わりの方で少しは垣間見れるかなあ、という『市桜怪談夜話』のオマケ動画であります。

怪談には、日本について、日本人について、いろいろなことが語れ、聞くことができる、力があるんです!!

こちら、10月13日の私のブログもお読みください。
桜井館長との『Dark Nught』の裏話を書いております。


◉中山市朗ブログ
「怪談はただ怖い話、ではなく、人間の本質、サガを怪異というオブラートに包んで語ることでもある!」





















kaidanyawa at 07:27│Comments(2)

この記事へのコメント

1. Posted by ひろみつ   2020年12月02日 13:07
中山先生

ダークナイトで僕がいつも感じるのは様々な怪談が語られる中で、ある言葉が引き金になって、思わぬ方向に展開し、それがとても大事なことだったりすることです。

先日の配信でも「戦争」の話が出ましたが桜井館長の語る戦争にまつわる怪談と話に対する真摯で誠実な姿勢にも感心しました。

ユーチューブで最近様々な映画を見ながら、自分のリアクションを流す動画が流行っているようで、その中に先生も触れておられる「火垂るの墓」もあり、アメリカ人が自分のリアクションを動画にしているんですが例外なく号泣&絶句する人ばかりで「知らなかった」「自分たちはなんてことをしてしまったんだ」という反応ばかりです。

そういえば以前ダスティンホフマンが自作のキャンペーンで来日した時の記者会見で自ら東京大空襲に触れ「アメリカ人の1人として責任を感じています。申しわけありませんでした」と謝罪したことがありました。

広島長崎の原爆投下も、あくまで個人レベルではアメリカは間違っていると責任を感じているアメリカ人はたくさんいるそうですね。

あの戦争がなんだったのか、戦争とはなんなのか?を若い世代も考えるきっかけとして「怪談」は大きい役割を果たすと思います。「怪談狩り」でいつか「戦争」をモチーフにした作品がいつか出てほしいと思っています。

戦争は確かに悲惨ですが、いつもそこで思考停止しているような危惧も感じます。内地にいた人、戦地にいた人、戦地にいても戦闘に参加しなかった人とそれぞれの立場で戦争の受け止め方は違うでしょうし、そのすべてを語り継がなければいけないんでしょうね。

その1つの呼び水として「怪談」は思わぬ役割を果たすと思います

2. Posted by 中山市朗   2020年12月02日 17:34
ひろみつさん。

戦争は悲惨で残酷で地獄を招きます。そんなことはわかっていても、いまだに戦争は絶えません。米国のトランプ支持者には、「米国の歴代大統領で唯一戦争をしなかった大統領だから」と言っている人がいて、それほど米国はしょっちゅう戦争をしているし、朝鮮半島はいまだに朝鮮戦争は終わっていない状態で。つまり、戦争をせらざるを得ない国や地域の事情はあるわけです。

日本は幸いなことに第二次大戦終結後、戦争を一度もしていない稀な国となりました。これは誇らしいことですが、それだけに戦争は歴史の一旦となり、イメージで語られるものとなりました。リアルじゃないんですね。
平和ボケといわれる日本人の昨今ですが、だからこそ、語り継がねばならないわけです。怪談もその一翼を担うものだと信じて、折あらば、戦争についての怪談も語っていこうかと思います。

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プロフィール
中山市朗(なかやまいちろう)

作家、怪異蒐集家、オカルト研究家。
兵庫県生まれ、大阪市在住。


著書に、
<怪 談>




<オカルト・古代史>




などがある。
古代史、聖徳太子の調査から、オカルト研究家としても活動している。






作家の育成機関「中山市朗・作劇塾」を主宰。



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