2022年01月13日

昨夜『市朗妖怪百科』第六集、鬼についての考察と実話怪談を収録!!

中山市朗です。

昨夜は、パンローリング社よりシリーズ化しております『市朗妖怪百科』第六集の録音を行ってきました。

録音スタンバイ!!

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妖怪をカテゴリーに分類して、各々の妖怪について語る、というシリーズです。
それで、第二集でキツネ、第三集・タヌキ、第四集・河童、第五集・座敷童子につづいて、今回は、鬼について語らせていただきました。

私がこの企画で一貫しているテーマがあります。それは……。

今も妖怪はいる、というメッセージです。

そもそも妖怪は、目に見えるものではない、と水木しげるさんは言っています。目に見えない妖気、ただならぬ雰囲気、何かがいる気配、といった得体の知れないものをキャラクター化していった果てに妖怪がある、ということですね。
今回の鬼、もそうなんだけど、最初は目に見えなかったものが、例えば仏教や道教の導入によって、もともとあった恐ろしいものの概念に、漢字があてられ、名前が付けられて、仏像が彫られる際に仏に帰依するものとして彫られ、絵に描かれ、舞台に登場し、江戸時代になって『百鬼夜行』の中に描かれる。そして鳥山石燕などによってキャラクター化していく。そういう過程があるわけです。
そして、そういうものは妖怪ではなく、鬼とかバケモノ、モノノケとか言われていました。

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妖怪という呼称は、そういうものは全て迷信だとバッサリ切り捨てた明治の仏教哲学者・井上円了の妖怪学から出たというから皮肉です。
井上円了は、妖怪なんていない、と言っているわけですから。

今は、例えば、小豆洗いだの一反木綿だの河童だのと、頭の中にそのキャラクーが浮かんできますが、それらはほとんど水木しげるが創作していったものなんですね。
で、ああいうように明確なキャラが付けられ、漫画やアニメ、映画化されるとなると、そのキャラクターは子供である頃から刻み込まれます。

つまり、妖怪などいない。それは誰かによって作られたもの。あるいはなにかの戒めや古い信仰から来たもののな名残ともいえるわけです。

今回、私も妖怪について語って、それが商品となって永久保存されるわけですから、いいかげんなことは言えない。いろいろと調べ、文献や論文にあたり、時には実地調査に赴きました。でも、それだけなら、巷の民俗学者や妖怪研究家、作家や漫画家と言った人たちもやっている。文献や論文も探せば誰だって読むことが出来るわけです。

私が興味を持つのは、つくられたもの、にもかかわらず、そういうものを見た、という体験談が聞かれるということです。それはなんだろうという疑問です。
「そんなもん嘘に決まってる」とか「いるわけない」「勘違いや」というのは簡単です。いや、実を言いますと私が接してきた大学の民俗学者のほとんどはそういうスタンスでした(ほんとは信じていても大学の教授がそんなもの信じていると言えないのかな?)。

しかし、そういう話を頭から否定してたんじゃ、何も見えてこないと思うわけです。妖怪について学問的に調べている人たちは、昔の人が遭遇したというお化け話を文献や言い伝えから拾っては、分布わけし、それらの土地の特色や歴史的背景なども加味して、これこれこういう妖怪が、こういう時代に現れたとある、と論文に書き、本にするわけです。
ところが現代人が怪異として語った体験談については、「今どきそんなもん、いますかねえ」と頭から否定し、嘲笑する。

なんだこれは!?

ずっとそう思ってきたわけです。ですから『新耳袋』『怪談狩り』の中には、妖怪遭遇談、妖怪目撃談を入れていたわけなんですね。
そして思うわけです。

人間が頭でイメージしたものを、どうしてリアルに目撃し、奇妙な体験をするのだろうと。
実は幽霊というものもそうなんですね。
時代によってその形は変容しているわけです。
そして人は、その変容していく姿をちゃんと見ている。
それはなぜだろう。と思うわけです。

ですから私が語る『市朗妖怪百科』は、そういう現代人の妖怪遭遇談を浮き彫りにする為に、様々な妖怪が発祥し、記録され、作られ、伝承化していく過程を考察し、妖怪の実在を論証の上では否定しつつも、でも、それを見た人が現代にもある、という不可思議さがあることを皆さんに知ってほしい。
そう思って、収録に臨んでおります。



市朗妖怪百科 第一集 (<CD>)
中山 市朗
でじじ発行/パンローリング発売
2021-05-15


市朗妖怪百科 第二集 (〜狐狸妖怪のキツネの巻 人を化かすメカニズム!)
中山 市朗
でじじ発行/パンローリング発売
2021-06-12




市朗妖怪百科 第四集 (オーディオブックCD)
中山 市朗
でじじ発行/パンローリング発売
2021-10-30


市朗妖怪百科 第五集
中山 市朗
パンローリング株式会社
2021-12-22



『第一集』にはなんと、私が遭遇した妖怪についても何話か語っていますよ。
いや、ほんとに今思うと、あれは妖怪としか……。










kaidanyawa at 07:11│Comments(4)

この記事へのコメント

1. Posted by 人喰いオロチneo   2022年01月13日 07:34
おはようございます。「鬼」については以前「怪チャンネル」でもその語源から語られておられましたね。そういえばライバルでもある「天狗」に関しては語られる(または文章化)される機会は数多ありますが、「鬼」に関してはあまり語られる事はありませんね(ここで言う「鬼」とは虎のパンツに頭に角のある「鬼」の事です)。

そういえば、「生成」や「般若」、「真成」も「鬼」にカテゴライズされるのでしょうか?
2. Posted by ひろみつ   2022年01月13日 11:22
5 中山先生

録音お疲れ様です
今度は「鬼」か・・・・どんな話が聴けるのかなぁ・・・楽しみにしてます

仏教哲学者・井上円了をはじめとしていわゆる妖怪を真摯に研究しているはずの学者ですら「目撃談」は「そんなアホな」と一笑に付すのはなんでしょうね?プライドが邪魔するんでしょうか?沽券にかかわると思う気持ちが優先するんでしょうか?

「そんなの科学的にあり得ない」という姿勢が一番非科学的なように、いっぱしの学者がとるべき態度ではないですね。
「まさか」と思いながらも、まずはニュートラルな姿勢で白紙の状態で臨むのが誠意ある学者の態度だと愚考します

作家の曽野綾子さんはクリスチャンですが「神なんかいるわけない」って断言する人を見ると「そんなこと簡単に言っちゃっていいのかな」と思うそうですが、それと似たニュアンスの印象を僕は持ちます。

ああいう学者さんは自分に理解できないことがあるのが我慢ならないんでしょうか?
3. Posted by 鈴木   2022年01月13日 12:47
こんにちは。えっ?第六集だったっけ?と一瞬思いましたけど、市朗怪全集と間違えていました。
新耳の第一夜に収録されている、水産大学のプールに出た河童?の妖怪が懐かしいですね。音もなく消え去ったと言うから異界のものかとも書かれてましたが。
コロナがまた大阪、凄い事になってますね。中山先生始め、大阪にお住まいの皆様
お気をつけ下さい
4. Posted by 中山市朗   2022年01月15日 07:47
人喰いオロチneoさん。

「生成」「般若」「真成」「角のある鬼」全部解説して収録しています。
聴いてのお楽しみ。

ひろみつさん。

やっぱり学者は文献に書いてあること以外は扱えない。つまりそこからは推理、推測になる。あまりそれを学者はできんのです。私は作家なので、作家は妄想するのが仕事ですから??

鈴木さん。

チャイナ・コロナは、2年前と違って正体もわかった、ワクチンもある、弱毒性である。特効薬もこの春には……。となっても対策は変わらず、というのはどうなんでしょうね??

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プロフィール
中山市朗(なかやまいちろう)

作家、怪異蒐集家、オカルト研究家。
兵庫県生まれ、大阪市在住。


著書に、
<怪 談>




<オカルト・古代史>




などがある。
古代史、聖徳太子の調査から、オカルト研究家としても活動している。






作家の育成機関「中山市朗・作劇塾」を主宰。



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