2022年04月14日

落語、怪談の元となる話、物語の源流について大いに語る!! 落語、桂文我さんと!!

中山市朗です。

昨夜は、落語家の桂文我さんとお仕事の打ち合わせ。
打ち合わせと言っても、大半は雑談。

桂文我2














この文我さんとの雑談がね、凄く面白いんですよ。どんな話でもしっかり深堀りになっていって。
怪談談義から始まって、落語、講談の芸能史、物語談義、『古事記』『日本書紀』について、宗教談義、大阪市史、そしてUFOから陰謀説。

たとえば、物語談義。人間と言うのは物語、話、が好きです。
小説、映画、ドラマ、漫画、アニメ、RPG、神話、昔話、噂話、実話、寓話……。これ、話が語られることで成り立っています。もちろん落語も怪談も話を語る話芸です。
私も文我さんも、話、物語をどう構築して表現しお客さんに聞いていただくか、ということを生業としているわけでして、当然、この物語はいつ、どのように発祥していったのかということに興味があり、また、知りたいわけです。
もちろんそんな文献ありません。文字も無い遥か昔のことでしょう。
でも、誰かが何かを伝える時に、ストーリーを話した。それが受けた。面白がられた。あんまりおもしろいんでそれを聞いた人が別の人に聞かせた。そして……、というふうに語り継がれてだんだん練り込まれていった。物語に発展し、民話や神話となった。それが言葉というものを精錬し、宗教や文化、風俗を生んでいった。
オーバーではなく、そう思うわけです。

陰謀論というのがあります。
陰謀というのは秘密裏にたくらむこと、なので表に出ない。
しかし、報道されたもの、噂になっているもの、ある人が唱えている説、そういうものをつなげてストーリーに仕立てると、説得力があるように思う。いや、そうだと信じ込ませる力と魅力がある。
物語とは、そういうものなんです。

実は文我さんは、落語や芸能史の発掘に熱心な人で、先人たちから芸談からしくじり話、楽屋エピソードなどを聞き集め、また古書や昔の寄席の記録などにもあたって調べるという事をずっとやっていて、それを書籍にもし、講座でも語るということをしているわけです。
私もそういうことが好きですので、相通じるところがあるわけです。

今、文我さんは『桂文我上方落語全集』の収録を行っているさなかであり、オーディオブックと書籍で今時点で落語500席以上口演し、記録にしているといいます。おそらく東西の落語界でも最も持ちネタの多い落語家さんでしょう。
そして私も、聞き集めた怪異体験談を怪談に仕込んで、『新耳袋』『怪談狩り』と書籍にしながら語りとしても録音し、オーディオブックとして発売しています。
この、二人のオーディオブックを出してくれているのがパンローリングという東京の出版社なのです。


桂文我 上方落語全集 第一巻【上】 (<CD>)
桂文我
でじじ発行/パンローリング発売
2020-01-21


市朗怪全集 十八 (<CD>)
中山市朗
でじじ発行/パンローリング発売
2022-03-23



とにかく、録音して残す、というのがパンローリングのコンセプトでして、残すことによってそれがやがて貴重な証言や記録となる。それが後代、継承される。そこに価値があるということです。それが文化の継承だとするわけです。

私は若い頃、世界の巨匠といわれた黒澤明監督が大作『乱』を撮るというニュースが流れた時、その撮影現場は記録として残さねばならないという衝動が沸き上がり、日本映画初のメイキング企画をその映画会社と黒澤プロに持ち込んで実現させたことは、以前このブログに何度か書きました。
残しておくと、今後ひょっとしたら何百年も保存されるかもしれません。その頃には思わぬ評価、付加価値が付けせれるかも知りません。
残らなかったら。それまでです。

歴史のことでも、文献に残っていると歴史的認定がされますが、いくら痕跡があっても記録されていないものは、なかなか歴史的認定がされない。そういうことが往々にあるわけです。

特に私がやっている怪異談の蒐集なんて、まあ、残らない。私のような好事家が聞きだしてようやく怪談として残る。今は怪談を蒐集している人は爆発的に増えましたけどね。しかし、食いつくすだけになると単なる消耗品となってしまう。そこは危惧するところです。

話はどんどんズレて行ってますね。
そんな、文我師匠と私。同年代と言うこともあり、何か一緒にやれませんか、ということは以前から言っていたことですし、やるなら力を貸すよ、と言ってくれているのがパンローリング。

ということで、打ち合わせをしました。
まずはライブで何かを起こします。

近日、発表します。

桂文我




























kaidanyawa at 08:46│Comments(2)

この記事へのコメント

1. Posted by ひろみつ   2022年04月14日 23:13
5 中山先生

おお〜!桂文我師匠とのコラボとは!お二人で何をなさるのか、続報を楽しみに待ってます。
文我師匠は、枝雀師匠のお弟子さんですね!
先代の文我師匠も「わからんことは文我に訊け」と言われるほどだったそうですが米朝師匠、枝雀師匠と桂一門はガッキュウ肌の人が多いんですかね?

人類が声を出すようになり、声が様々な表情を持ち、言葉が生まれ、そして「物語」を持ち、いろいろな人達がいろいろな形式で、それを語り、残すようになった。

時々人類が発した最初の言葉って何だったんだろうなと思うことがあります
2. Posted by 中山市朗   2022年04月15日 05:57
ひろみつさん。

さうです。枝雀さんのお弟子さんで雀司いうてはりました。昔の上方落語、演芸についての蘊蓄は、大師匠米朝さんを引き継いではります。
怪談にも興味をお持ちで、意気投合しております。

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プロフィール
中山市朗(なかやまいちろう)

作家、怪異蒐集家、オカルト研究家。
兵庫県生まれ、大阪市在住。


著書に、
<怪 談>




<オカルト・古代史>




などがある。
古代史、聖徳太子の調査から、オカルト研究家としても活動している。






作家の育成機関「中山市朗・作劇塾」を主宰。



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