無題 本年の通常国会において、「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」が成立しました。

 今回の改正においては、健康保険の被扶養者要件として、国内居住要件が追加されました。ただし、これについては、国外に居住している者であっても、一部、厚生労働省令に定める者については被扶養者となることができる例外的な取扱いが用意されています。

 2019年6月21日、その厚生労働省令案がパブリックコメントに掲載され、その内容が明らかとなりました。

 国外に居住している場合であっても、例外的に健康保険の被扶養者となれるのは、次の5つの場合に限られます。

<国内居住要件の例外となるもの(健康保険法第3条第7項等)>
 次に掲げるものとする。
①外国において留学をする学生
②外国に赴任する被保険者に同行する者
③観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
④被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
⑤①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者

 上記のとおり、海外赴任者の帯同家族については、「②外国に赴任する被保険者に同行する者」に該当すると思われ、扶養が継続すると考えてよいでしょう。

また、健康保険法等の適用を除外すべき特別の理由がある者として、次の者が掲げられ、健康保険の対象外であることが明確化されています。

①日本の国籍を有しない者であって出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号。以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、 本邦に相当期間滞在して、 病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは障害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは障害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの
②日本の国籍を有しない者であって入管法第7条第1項第2号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養、その他これらに類似する活動を行うもの

 本件については、海外赴任者の帯同家族への影響が心配されていましたが、上述のとおり、大きな影響はないとみられます。

 なお、厚生労働省令は、2019年8月中旬に公布され、2020年4月1日に施行予定です。

<参考リンク>
厚生労働省「第198回国会(常会)提出法律案」
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/198.html
※医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案(平成31年2月15日提出)

パブリックコメント「健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(案)に関する意見募集について」
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190097&Mode=0