この本が日本では1976年に刊行されたと知り、私と生まれた年と同じことにちょっとした運命を感じました。

簡単なあらすじを書きますと、副題 (時間どろぼうと ぬすまれた時間をとりかえしてくれた女の子の ふしぎな物語) でだいぶ説明されているのですが(昼ドラみたいですね)、主人公の女の子モモが灰色の男たちから人びとから盗まれた時間を取り返す物語です。

また、ジャンルとしては童話に入るようですが、この物語はとても示唆に富んでいまして、普段私たちが送っている日常生活への教訓としても、それから資本主義経済までもと様々な角度から読むことが可能な物語です。(勝間和代さんはサブプライム問題までも読み解けるかも、と話していました) もちろん物語としても十分に楽しめるものでした。

■ クジラと地球創造のはなし

私の印象に強く残ったところが、登場人物のなかに観光ガイドのジジという少年がいるのですが、彼の話がとてもうまくて (彼はやがてテレビのスターになって、あまりの忙しさに自分というものを見失ってしまう人物なのですが) 彼の話すつくり話はとても想像を刺激されました。

そのひとつがクジラの話で、もうひとつが地球創造の話でした。

これは書いてしまうとブログにしてはかなり長くなってしまうので興味があったらぜひ読んでいただければと思うのですが、 とても想像力を刺激する話で、これまた示唆に富んでいました。


■ 時間どろぼうの正体

私たちはなぜこんなに忙しいのか。

じつは時間というものは私たちが知らない間に盗まれていた、こんな発想は私にはとても新鮮でした。そう考えるとつぎに、では誰が?どうやって?とつぎつぎに疑問がわいてくるのですが、このことについて考えるのもとても大切なことだと思いますし、私自身あまり考えてこなかったことでもありました。

そして盗まれた時間はどこに蓄えられているのか。どのような状態で?

これは読んで知ってしまうと意外なほど、あぁ、そうかも。と思えてしまいます。



私がこの本を読んでいて終始感じていたことに、いかに良質な物語を読むことが現実を理解するのに助けになるのか、ということでした。